われら:ザミャーチン

「われら」という言葉を見ると、私はザミャーチン*1のSF小説(アンチユートピア小説)を連想します。
ザミャーチンの「われら」のあらすじ。

百年戦争の後に建国された「単一国」は、千年に渡り一切の非同調者を粛清してきた。国民は全員番号で呼ばれる「員数」となり、ノルマ通りに行動している。居住地には会話を聴き記録する監視機が浮遊し、各々の行動が誰からも見えるようビルはすべてガラス張りでカーテンは存在しない。自分の意思が及ぶ時間は一日2時間。性交は“ピンクカード”の配給により決められた相手とだけ行われ、その時だけカーテンは使用される。文化や娯楽は無く、義務に従うことが至上の幸福と定義される。自由は野蛮な行為とされ、自由を持とうとする人間は医学的に病気と診断され、「想像力摘出手術」と呼ばれる治療が施される。国境は「緑の壁」によって封鎖され、「恩人」は“野蛮な自由”を持つ敵から国民を守っている。国には権力源泉として選挙制度があり、投票日は「全員一致デー」と呼ばれ、国民全員が「恩人」に対して賛成を示す義務が課されている。しかしある年、「全員一致デー」に「反対」を示す女性が主人公の前に現れた。主人公はその女性(レジスタンス)に対する恋愛感情と義務との狭間で混乱し葛藤する。われらではない彼らとは何者なのか。私は何者なのか、と。

われら 岩波文庫 ザミャーチン (著)
ISBN:4003264517
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We
Evgenii Ivanovich Zamiatin
We: New Edition (Twentieth-Century Classics)

在庫切れ? 講談社版のも絶版になっているし…。

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