NHK受信料横領問題(6):エビジョンイル陳謝すれど辞任せず


12月19日夜、NHKで放送された特別番組「NHKに言いたい」で、日本放送協会海老沢勝二会長が出演し改めて一連のNHK不祥事について陳謝したものの、会長辞任は拒否しました。
id:hensyuushi 氏によるはてなアンケートによると、6:1の割合で海老沢勝二会長辞任を希望している人が多いようです。
 

質問内容:「 本日NHKで不祥事問題をめぐり「NHKに言いたい」が放送されました。NHK会長海老沢勝二氏が放送で応答されましたが、海老沢勝二氏の身の処し方はどうすべきだと思いますか? 」
http://www.hatena.ne.jp/1103465768

■辞任希望派 180人
視聴料を払っている・番組をみる前も後も海老沢氏には辞任してもらいたいと思った。
:110人
視聴料を払っている・番組をみるまで頑張って欲しいと思っていたが現在は辞任して欲しい。
:15人
視聴料を払っていない・番組をみる前も後も海老沢氏には辞任してもらいたいと思った。
:39人
視聴料を払っていない・番組をみるまで頑張って欲しいと思っていたが現在は辞任して欲しい。
:16人

エビジョンイル頑張れ派 30人
視聴料を払っている・番組をみる前も後も海老沢氏には頑張って欲しいと思った。
:14人
視聴料を払っている・番組をみるまでは辞任を考えていたが現在は頑張って欲しいと思った。
:9人
視聴料を払っていない・番組をみる前も後も海老沢氏には頑張って欲しいと思った。
:3人
視聴料を払っていない・番組をみるまでは辞任を考えていたが現在は頑張って欲しいと思った。
:4人

■番組を見ていない・その他 290人
視聴料を払っている・番組を見ていない
:159人
視聴料を払っていない・番組を見ていない
:114人
その他
:17人

合計500人


関連報道
 

NHK海老沢会長、非難の嵐もやっぱり辞めない
http://www.sanspo.com/geino/top/gt200412/gt2004122001.html

電撃辞任表明は…もちろんなかった。
この番組では「視聴者からの意見に会長が直接答える」ことが"売り"の1つでもあった。番組には電話2973件、ファクス4211件、メール2万282件の計2万7466件の意見が寄せられたというが、会長がそれに直接答えたのはたったの3回。しかも「反省」「努力」といった、決まり文句の羅列ばかりだった。

海老沢特番 ウラ目
http://gendai.net/contents.asp?c=010&id=15764

海老沢会長が生出演した19日夜の特番「NHKに言いたい」は、中身ゼロの無内容な2時間だった。厳しい意見には「深く反省」「抜本改革」「信頼回復」を連発。自らの責任は「抜本改革の筋道をつけた時点で判断する」と会長に辞める気はまったくなし。NHKの危機を深めただけだ。

NHK海老沢会長、特番2時間15分辞任拒否
http://www.nikkansports.com/ns/entertainment/p-et-tp0-041220-0010.html

冒頭では真正面を見据えながら「おわびします」と話し、深々と頭を下げた。鳥越氏ら有識者との討論も当初は冷静な姿勢を保っていた。だが徐々に番組はつるし上げ状態に。視線は落ち、目は充血。涙目もみせた。

海老沢NHK会長“居座り”表明
http://www.sponichi.co.jp/society/kiji/2004/12/20/01.html

「ここで(すぐに)職を投げるのではなく、信頼回復と不祥事の再発防止のために、苦しい中でやるのが私の責務」とし、改革に向けた来年度予算を編成して、改革の道筋を付けるのが「緊急の課題だ」と述べた上で、「自分自身の身の処し方については、改革をしっかり軌道に乗せた時点で、私が判断して決断したい」と語り、当面辞任しない意向を重ねて表明した。
番組終了後、報道陣の取材でも任期(06年7月)途中の辞任について聞かれ「ありますよ、それは…」と言葉を濁し、「70歳になるけど、体をふりしぼってやっている」と述べ、最後まで辞任時期について言質を与えることはなかった。

「辞めない」海老沢会長に集中砲火
http://www.mainichi-msn.co.jp/geinou/photojournal/news/20041220k0000e040007000c.html
出演者ら海老沢会長の責任問う NHK特番
http://www.asahi.com/national/update/1220/002.html
NHK「謝罪」特番生放送 海老沢会長「信頼損なった」
http://www.asahi.com/national/update/1219/019.html
NHKが海老沢会長辞任記事に抗議
http://www.sponichi.co.jp/society/kiji/2004/12/17/08.html
日放労がNHKの海老沢会長辞任を再要求


会長(と経営委員)を辞任させさえすれば体質が改善されるとは私は考えていませんが、会長(と経営委員の)辞任はNHK不祥事体質を変えさせるための前提であって、それがなければNHK不祥事体質を変えることはできないと私は考えます。会長(と経営委員の)辞任は、NHK不祥事体質改善の十分条件ではないが必要条件です。
私がNHKの体質や会長を批判しているのは、ただ単に支払っている受信料が不正なことに使われたことに腹を立てているからだけではなく、民放には作れない番組を作ることができる公共放送が国民にとって必要であり、かつ、そのような公共放送が問題を抱えることによって野党を含めた政治・政府・国会による政治介入を招くおそれを危惧するからです。
不祥事を自律的に解決できないことでNHKが公権力の支配され、その結果として情報が公権力にコントロールされて困るのは、結局は国民ひとりひとりです。
NHKの海老沢勝二会長と誰一人として会長に辞任を求めなかった経営委員全員の辞任は、NHKの再生と公権力からの放送の独立にとって必要だと考えます。

参考リンク。
 

■ビデオニュース
第194回 [12月10日収録] NHKはどうなってしまったのか
ゲスト:長村中氏(日放労委員長)
http://videonews.jp/index.php?itemid=87
日本放送労働組合
http://nipporo.com/

19日の特集番組を受けて (20日朝に緊急配布した組合ニュースから)
視聴者の怒り なぜ受け止めないのか
経営陣がけじめをつけたら信頼が回復するわけでは決してない。事件が発覚した当初から日放労は主張し続けているが、私たち職員一人ひとりに対して自覚と責任を求められているのだ。「NHK職員はやっぱり特別な人の集まりだ」という見られ方はより厳しくなっている。自らを厳しく問いただし、視聴者から見て明らかに“変わった”と認めてもらうことからしか信頼回復の道はない。そのスタートとなるのが、経営責任の明確化であることは視聴者の声なのだ。
昨日の特集番組『NHKに言いたい』は、事件発覚から5か月も経てようやく放送に至った。組合は当初から再三にわたって主張してきたが、実現までにあまりにも時間がかかり過ぎている。こうした姿勢も、不信や疎外感を増幅させているのだ。これまでに営業現場やコールセンターで受け止めた意見に加えて、今回の番組で寄せられた3万件近くにもなる視聴者の厳しい声に答える番組をこれからも放送するべきだ。

http://nipporo.com/faq/qa02.html
日放労ホームページを含む日記
http://d.hatena.ne.jp/http?//nipporo.com/faq/qa02.html
坂本衛
受信料とは?(NHKはだれのもの 50年目の曲がり角 曖昧・受信料をどうする?)
http://www.aa.alpha-net.ne.jp/mamos/tv/nhk.html
日録メモ風の更新情報 12-19
http://www.aa.alpha-net.ne.jp/mamos/whatsnew.html

【1】会長の発言は、「辞任はしない」点のみ極めて具体的だったが、それ以外は「みなさまの声を聞き真摯に反省し努力」という抽象論・精神論に終始。結局、会長が口先だけで取り繕い、辞任だけはせずに居座るという趣旨の番組となった。NHKは最後のチャンスに大失敗したように見える。あれでは受信料不払い・保留はさらに増え、NHKは来年5月末(引越シーズン後の受信料支払い者が確定)までに危機的な状況を迎える可能性が大きい(それ以前に現執行部退陣は避けられないが、口座を解約した視聴者は二度と戻らないかも)。
【2】パネリストにNHKに詳しい人が入っていないため、職員12000人中8500人が会長辞任を要求、受信料は取りやすいところからしか取っていない、受信料は高すぎる設定だというような事実が出なかった。そのような人を集めたのだから仕方ないが。
【3】NHK経営委員会がまったく機能していないお飾り組織であることが露呈した。私なら「仕事は月2回の会議出席。本来なら夏休みの8月にもやった」という出席経営委員に「では、あなたの報酬は年にいくらですか?」と聞く。「NHKの政府からの独立性を担保・維持するために経営委員会がある」という話になって、誰も突っ込まなかったのも笑止。経営委員は首相が任命するのだから、経営委員会が政府与党から独立しているわけがない。
【4】NHKの番組だから当然といえば当然だが、視聴者からの声の紹介で「会長は辞任すべき」と「会長辞任より先に後始末、NHK改革」のバランスが妙に取れていた(前者を2通読んだら後者も2通というように)。一見「公平」なようだが、実際に届いた声がたとえば「8対2で辞任要求が多い」としたら、あれはゴマカシ(番組でいっていたことがホントなら、NHKはそういうのを分析・発表するのでしょう)。
9時44分頃、メイン画面が会長アップで、画面下の視聴者からの声字幕に「新経営陣の下で〜」と出たとき、字幕を消したのはなんで? わざとか? 「李下に冠を正さず」という言葉を知らないか? 直に冠をかむると痛いから、そこに手ぬぐいでもなんでも当ててかぶれってんじゃないよ。女三階に家なしということは、女が三階にいて降りてくるのが大変だ。
【5】録ったVTRを見直す時間がないが、会長が一瞬、不払い「200万」と口走ったような(モゴモゴしていたので100万といった?)。事実なら、来年前半までに不払いが1割に近づくか超えるかするかも。その水準だとNHKの事業計画は狂います

はてなキーワードNHKに言いたい
http://d.hatena.ne.jp/keyword/NHK%a4%cb%b8%c0%a4%a4%a4%bf%a4%a4
NHKに言いたい」を含むはてなダイアリー
http://d.hatena.ne.jp/keyworddiary/NHK%a4%cb%b8%c0%a4%a4%a4%bf%a4%a4#keyworddiary


何度も書きますが、NHK受信料は支払わなくても罰則はありません。しかし、契約しておきながら支払わないのはいやだという方は、契約締結の自由にもとづき、自由意思で契約を解除することはできます。また、契約を解除せずにNHKに抗議の意思表示したい場合は、自動振り込み契約を解除し、“NHKの幹部職員から納得のいく説明があるまでは支払わない”と要求することもできます。
 
関連ログ。
 

NHK受信料横領問題(1)
http://d.hatena.ne.jp/kitano/20040914
NHK受信料横領問題(2)
http://d.hatena.ne.jp/kitano/20040915
NHK受信料横領問題(3)
http://d.hatena.ne.jp/kitano/20040916
NHK受信料横領問題(4)
http://d.hatena.ne.jp/kitano/20040917
NHK受信料横領問題(5)
http://d.hatena.ne.jp/kitano/20041126
NHK不祥事:生活ほっとモーニング事件最高裁判決
http://d.hatena.ne.jp/kitano/20041127#p1

 
↓会長辞任を言えない経営委員。

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NHKに言いたい」のウェブログの反響を見ると、鳥越俊太郎さんの最後のダメ出しについて注目している人が多いようなので、当該部分の映像を公開しました。
鳥越さんのダメ出しに海老沢会長の目は完全に泳いでいます。涙目で平泳ぎ。
 

NHKに言いたい」最後の1分
鳥越俊太郎さんの最後のダメ出し
映像
http://members.at.infoseek.co.jp/kitanok/ebi.wmv

 
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