石原都知事施政方針演説「ゲームを規制するため協議会を設置する」

東京都議会(平成17年第3回定例会)9月20日石原慎太郎東京都知事施政方針演説
東京都議会(平成17年第3回定例会)が9月20日に開会しました。会期は9月20日から10月6日です。今会期では、精神的自由権に直接的に関る議案は提出されておりませんが、7月に実施された東京都議会議員選挙後最初の定例会であるため、選出された議員・会派の石原都政に対する姿勢が注目されます。
9月20日東京都知事施政方針演説で、石原知事は、インターネット規制とゲーム規制を強化し、「テレビゲームと子どもに関する協議会」を設置する方針を示しました。
以下、9月20日東京都知事施政方針演説のうち、インターネット規制とゲーム規制に関連する部分を転載します。
 

東京都議会中継
都議会2005年9月20日 知事施政方針演説
http://www.gikai.metro.tokyo.jp/live/video2005-t3.htm

東京都議会(平成17年第3回定例会)9月20日石原慎太郎東京都知事施政方針演説
青少年治安対策本部が八月に本部が発足致しました。これまでの様々な取組を一つに束ね、治安の回復と青少年の健全育成と一体的に取り組んでまいりたいと思います。
強盗や空き巣ひったくりなど、都民が治安の悪化を肌で感じる犯罪は警察や行政の対策はもとより地域の自主的な取組が大きな威力を発揮して目に見えて減少しております。
しかし一方では、振りこめ詐欺が依然として続発するなど、身近な知能犯罪が著しく増加しており、こうした新たな手口の犯罪に対しても有効な手だてを講じる必要があります。都と警視庁が中心になって金融機関、通信業界、弁護士会などによる対策会議を来月設置し、総合的に取り組んでまいります。
子どもたちを取り巻く環境は悪化の一途をたどっているように思われます。携帯電話やパソコンさえあればあらゆる情報が手に入る一方で、彼等は犯罪にもつながりかねない情報に無防備なままに曝されております。
来月から、有害なホームページを閲覧できないようにするソフトウェフの提供や利用促進を接続事業者や保護者に促すなど、インターネット上の有害情報から子供たちを守ってまいりたいと思います。
また、過度に残虐性を強調したゲームソフトが犯罪の引き金になっているとの指摘もなされております。適切な措置がとる必要があると思われます。
メーカーや販売店などに働きかけ、来月、「テレビゲームと子どもに関する協議会」を立ち上げ、業界による従来の自主規制をさらに強化するなど、実効性ある対策を検討してまいります。

 
関連報道。
 

産経 都内のニュース
http://www.sankei.co.jp/edit/kenban/tokyo/050921/kiji02.html

都が知能犯罪会議 来月初旬 振り込め対策に全力
都議会の第3回定例会が20日、開会した。石原慎太郎知事は所信表明で、振り込め詐欺など身近な知能犯罪対策を強化するため、都と警視庁が中心になって来月初旬に対策会議を設置することや、犯罪の引き金になっていると指摘される残虐なゲームソフト対策などに乗り出すことを明らかにした。
(略)
【ゲームソフト】
石原知事は所信表明で「過度に残虐性を強調したゲームソフトが犯罪の引き金になっているとの指摘もなされており、適切な措置を講ずる必要があると思う」と述べ、来月にもテレビゲームのハードメーカー、ソフトメーカー、販売店などによる「テレビゲームと子どもに関する協議会」を立ち上げる考えを示した。
協議会では、都青少年健全育成条例に基づいて、18歳未満への残虐ゲームソフトの販売の自主規制強化を促す。

 
石原慎太郎東京都知事の施政方針演説について若干コメントを加えます。
東京都の「治安・青少年育成一体論」については、都民からは「青少年は犯罪予備軍であるとの前提で都政を実施するのはおかしい」との疑問が以前からありますが、東京都は都民が納得する説明をしていません。
犯罪は「悪意」があるから犯罪なのであって、治安対策は必然的に「善悪を判断できる能力のある人」を対象に実施されます。対して青少年政策は「善悪の区別のつかない人格的に未熟な青少年の人格を育成する施策」ですので、治安政策と青少年政策は一体的になり得ません。
石原都知事は、施政方針演説で「子どもたちは犯罪にもつながりかねない情報に無防備なままに曝されいる」との認識を示した上で、フィルタリングソフトの使用をプロバイダと親権者に促進するとの立場を示しました。
しかし現実には、子どもたちはインターネットなどの通信技術の発達により「犯罪を知る機会」が増えることによって犯罪の危険を知り、犯罪から遠ざかっている側面があり、インターネットの技術を規制すればするほど犯罪から身を守るための情報を得る機会も小さくなることもあります。
情報隔離政策は“犯罪対処能力に欠けた子ども”の育成にはなっても、子どもの福祉には必ずしもつながらないとの批判を東京都は受けていますが、東京都は説得力のある説明を都民に示していません。
また石原都知事は、施政方針演説で「過度に残虐性を強調したゲームソフトが犯罪の引き金になっているとの指摘もなされており、適切な措置がとる必要がある」との認識を示した上で、「テレビゲームと子どもに関する協議会を立ち上げ、業界による従来の自主規制をさらに強化する」と方針を示しています。
“ゲームが犯罪の原因となっていることを裏付ける根拠”については、すでにゲーム規制を実施している神奈川県でさえ「社会全員がゲームが悪だと言っている」*1という意味の無い説明しかできていません。暴力表現が子どもを暴力的にするとの強力効果説はメディア効果研究において実証不能であることが今日の科学的な知見となっています。
根拠の乏しいゲーム規制論に多くの都民・国民が疑問を持つなか、「テレビゲームと子どもに関する協議会」という公営のゲーム規制のための組織をたちあげ、全国のゲーム流通に影響を及ぼす東京都において“他律的な”自主規制が強いられるとすれば、ゲームソフトウェア業界だけではなく、ゲームをとりまく表現・言論環境にも悪影響を及ぼすことが懸念されます。
10月に設置される「東京都テレビゲームと子どもに関する協議会」の動向については、今後、最大限の関心と機敏な対応が必要と思われます。
 
以下、都議会についての関連情報。
インターネットやゲームへの規制は、おそらく文教委員会で取扱われるものと思われますが、警察・消防委員会でも議論されることがあるかもしれません。
文教委員会の委員で、ゲーム規制について具体的な意見を表明している委員は確認されていません。
性教育論者の古賀俊昭都議会議員が文教委員になっています。古賀委員などが過激なゲーム規制論を主張し東京都が過激なゲーム規制に流れる可能性はあるかもしれません。
 

■東京都議会
http://www.gikai.metro.tokyo.jp/
平成17年第3回定例会会議予定表
http://www.gikai.metro.tokyo.jp/gijiroku/d19bm103.htm
平成17年第3回定例会提出議案と議決結果
http://www.gikai.metro.tokyo.jp/gijiroku/d302g071.htm
議員名簿・委員会委員名簿等
http://www.gikai.metro.tokyo.jp/memberlist/index.htm

文教委員会(14人)
村松みえ子(共) 委員長
山田忠昭(自)副委員長
馬場裕子(民) 副委員長
服部ゆくお(自)理事
野上ゆきえ(民)理事
野上純子(公) 理事
伊藤ゆう(民)委員
坂本たけし(自)委員
上野和彦(公)委員
泉谷つよし(民)委員
秋田一郎(自)委員
木内良明(公)委員
古賀俊昭(自)委員
大山とも子(共)委員

会派(政党)等別議員名簿
http://www.gikai.metro.tokyo.jp/memberlist/c19c8004.htm

 
本会議の質問は、27日と28日。常任委員会の審査は29日から10月4日まで。
本会議の質問では、ゲーム規制についての質問予告は確認されていませんが、念のため関連すると思われる質問通告の一部を抜粋しておきます。
 

平成17年第3回定例会質問順序一覧
http://www.gikai.metro.tokyo.jp/gijiroku/d302g072.htm

代表質問9月27日(火)
自民党     野村有信 議員
3 治安対策について
9 文教施策について
一般質問9月28日(水)
自民党     きたしろ勝彦 議員
5 心の東京革命について
公明党     中山信行 議員
1 教育問題について
◎無(フォーラム) そなえ邦彦 議員
1 治安対策について

 
以下、文教委員のウェブサイトとAMIの都議会議員候補者アンケートの情報。伊藤委員と大山委員以外の委員はアンケートに回答していないようです。
 

文教委員会
村松みえ子(共) 委員長 {無回答}
http://www.hinocatv.ne.jp/~m-mieko/
山田忠昭(自)副委員長 {無回答}
http://www.yamadatadaaki.net/
馬場裕子(民) 副委員長 {無回答}
http://www1.cts.ne.jp/~babayuko/
服部ゆくお(自)理事 {無回答}
http://www.tctv.ne.jp/members/h-yukuo/
野上ゆきえ(民)理事 {無回答}
http://www.nogamiyukie.com/
野上純子(公) 理事 {無回答}
http://www5b.biglobe.ne.jp/~j-nogami/
伊藤ゆう(民)委員 {回答}→*2
http://uujiteki.com/
坂本たけし(自)委員 {無回答}
http://www.seiji.co.jp/sakamoto/
上野和彦(公)委員 {無回答}
http://www.ueno-net.com/
泉谷つよし(民)委員 {無回答}
http://idumiya.main.jp/
秋田一郎(自)委員 {無回答}
http://www33.ocn.ne.jp/~ichiro/
木内良明(公)委員 {無回答}
http://www.kiuchi-koto.com/
古賀俊昭(自)委員 {無回答}
http://www5b.biglobe.ne.jp/~koga-t/
大山とも子(共)委員 {回答}*3
http://homepage2.nifty.com/tomoko-ohyama/

 
関連リンク。
 

■東京都 石原知事記者会見
http://www.metro.tokyo.jp/GOVERNOR/KAIKEN/index.htm
http://www.metro.tokyo.jp/GOVERNOR/KAIKEN/kako17.htm
平成17(2005)年7月29日
http://www.metro.tokyo.jp/GOVERNOR/KAIKEN/TEXT/2005/050729.htm

1.青少年・治安対策本部の発足について
【知事】第1に、青少年の治安対策本部がいよいよ発足いたします。8月1日に、新しい組織として青少年・治安対策本部が発足します。既にお知らせしたとおりです。本部長には警察庁出身の舟本馨知事本局治安対策推進担当理事*4を充てます。
都は、これまでも竹花副知事をプロジェクトリーダーとして、東京の治安対策とその根底に深く関連する青少年問題に対して、局の垣根を越えて精力的に取り組んできましたが、こうした取り組みによって都内の刑法犯認知件数が減少する一方で、検挙率が増加するなど着実な成果が上がっていると思います。
新しい組織では、青少年の健全育成と治安対策に交通安全対策も加えて、さらに幅広い視点から総合的な施策を展開していきます。竹花さんが何ヵ月か前に、今年初めごろかな、「治安対策をやってきますと、マクロの目で社会を見ると、結局行き着くところは、治安というものの永続的な安定のためには、青少年の健全育成というのが不可欠です」と。まあこれは、実に現場を踏まえた正当な認識だと思いますけど、そういうことでこういう部署を開発してきました。
先ほども、竹花さん、約束どおり8月1日から警察庁に戻りますので退任の辞令を交付しましたが、彼もね、本当に実によくやってくれたと思うし、決してこれは押しつけじゃなしに、警察庁の高級官僚として、彼は得がたい体験をしてくれたと思います。これは彼の人生にとってだけじゃなくて、これからの警察の行政というものに、彼は非常に貴重な経験を持って帰ってくれたと思いますし、それをこれから大いに生かす活躍をしてもらいたいと思っています。

■追い出せ!強のトリ(石原慎太郎情報)
http://comcom.jca.apc.org/gounotori/
核、軍備化、爆弾、ミサイル編
http://comcom.jca.apc.org/gounotori/bougen/category/category3.html
戦争編
http://comcom.jca.apc.org/gounotori/bougen/category/category1.html

 
石原さん、「おまえの方がゲームより暴力的だ」と言われないよう気をつけた方がいいよ。
 

コンピュータエンターテインメント協会CESA
http://www.cesa.or.jp/
販売自主規制実施の店頭告知ツールのデータ
http://www.cesa.or.jp/news/2005/050906.html
ポスター
http://www.cesa.or.jp/news/2005/images/poster_p.pdf
ダミージャケット
http://www.cesa.or.jp/news/2005/images/dvd_p.pdf

コンピュータエンターテインメントレーティング機構CERO
http://www.cero.gr.jp/
2005.7.21 改訂版 CERO 倫理規定
http://www.cero.gr.jp/regulation.pdf

■連絡網AMI
http://picnic.to/~ami/
都議会議員候補者アンケート
http://picnic.to/~ami/togi/togi_frame.htm

■松沢しげふみタックルレポート!(神奈川県知事ブログ)
朝日新聞「私の視点」掲載のお知らせ
http://matsuzawa.cocolog-nifty.com/blog/2005/08/post_323a.html
ゲームソフトの有害図書指定について
http://matsuzawa.cocolog-nifty.com/blog/2005/07/post_2e98.html

 
関連ログ。
 

資料:神奈川青少年課のゲーム規制の認識「社会全員がゲームが悪だと言っている」
http://d.hatena.ne.jp/kitano/20050717/p1
神奈川県議会で加速するゲーム規制:北井宏昭議員「疑わしきは罰せよ!」
http://d.hatena.ne.jp/kitano/20050715/p1
ゲーム規制:松沢知事の有害図書類規制論
http://d.hatena.ne.jp/kitano/20050712/p1
神奈川県有害図書類指定のゲームソフト説明会
http://d.hatena.ne.jp/kitano/20050711/p1
神奈川県ゲーム暴力表現規制(4):GTA3に有害指定
http://d.hatena.ne.jp/kitano/20050607/p1
神奈川県ゲーム暴力表現規制(3):関連リンク
http://d.hatena.ne.jp/kitano/20050604/p1
神奈川県ゲーム暴力表現規制(2):報道状況
http://d.hatena.ne.jp/kitano/20050603/p1
上田清司埼玉県知事「神奈川からの流入を防止のためにゲームを規制する」
http://d.hatena.ne.jp/kitano/20050603/p2
神奈川県ゲーム暴力表現規制(1):松沢知事御乱心「生身の人間を殺すな!」
http://d.hatena.ne.jp/kitano/20050602/p1
松沢成文知事、ゲーム規制を熱く語る「ゲームが犯罪を招くので全体規制を考える時期だ」
http://d.hatena.ne.jp/kitano/20050405/p1
ゲームと漫画の規制に取り組む松島みどり議員
http://d.hatena.ne.jp/kitano/20050921/p1
ゲーム業界の自主規制強化について
http://d.hatena.ne.jp/kitano/20050722/p1
成人向けアニメ・ゲーム追放議連発足(4):週刊新潮の記事について
http://d.hatena.ne.jp/kitano/20050428/p1
美少女アダルトアニメ撲滅署名:乾いた善意は地獄に通ず
http://d.hatena.ne.jp/kitano/20050721/p1

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オマケ情報。無料ゲームとか。日本語版は10月に配布だそうです。
 

コナミ
FOOD FORCE 日本語版 (ゲーム開発=国連世界食糧計画)
http://www.foodforce.konami.jp/

 
英語版ですぐやってみたいという人はこちら。
 

英語版 FOOD FORCE
http://www.food-force.com/
ダウンロード
http://www.food-force.com/index.php/game/downloads/
Download Food Force Game for Windows now (227MB)
http://us.games2.yimg.com/download.games.yahoo.com/games/buzz/content/p/7/102757/food_force_installer.exe

 
シリアスゲームがゲーム規制にご熱心なオヤジたちの周辺であまり普及されていないあたりも、ゲーム規制の遠因になっているんじゃないかなあ、などと思える今日この頃。
 
そういえば、ゲームをしていると前頭前野の能力が低下するとかいうアレな議論がありましたが、「前頭前野を鍛えるゲームをすればいいんじゃない? 」っていう発想でつくられたのかどうかはわかりませんが、脳を刺激しそうなミニゲームを紹介。
 

■ぽんぽこそふと
http://ponpokopokopon.hp.infoseek.co.jp/
脳みそエス
http://ponpokopokopon.hp.infoseek.co.jp/ponpokono.html

 
あと有名どころでアンディーメンテ作の暗算ゲーム。
 

足し算ゾンビ!
http://www.vector.co.jp/games/soft/win95/game/se139086.html

ゲーム規制派の人って、「15分連続でゲームをすると強制的にノンプレイヤーキャラクターが現れて『16+17は?』などと質問してヤワラちゃんみたいに前頭前野を刺激してゲーム脳を改善するゲームを作れ!」みたいな柔軟な発想って、全然出てこないですよねぇ。なぜなんでしょうか?
「親子でいっしょにプレイできるゲームをもっと作れ!」とか建設的な提案ならゲーム業界でも対応できるはずですが、「ヤメロ」「イケナイ」「ヤダ」「とにかくダメ」みたいに思考停止というか、融通のきかないロボット的な反応ばかりがゲーム規制派に目立つあたり、どうにも共感できません。
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*1:資料:神奈川青少年課のゲーム規制の認識「社会全員がゲームが悪だと言っている」 http://d.hatena.ne.jp/kitano/20050717

*2:伊藤悠(28)民主党 新 元目黒区議 3.警察白書などの数字を確認すると、マスコミの「少年犯罪凶悪化」報道に反して、少年犯罪は減少しており、大人の犯罪発生率と比べてもより少ないという事実がわかります。更に青少年の権利は現在よりも少なくし、思考や行動を規制すべきでしょうか? b.青少年の諸権利は制限するべきではない 4.「健全育成条例」は、国連「子どもの権利条約」に反し、子どもの権利を制限するないようになっているように見受けられます。現在の「健全育成条例」の内容と運用を支持されますか? また、宜しければその理由をお教え下さい。 b.「健全育成条例」の内容・運用に問題がある子どもの権利を尊重し、個性を伸ばす環境を整えるべきだ。 5.メディアが犯罪の直接の原因を作るとする学説は、科学的にも否定されておりますが、文学やマンガなどいわゆるフィクションであっても、暴力的な表現や性的な表現は「有害」だとお考えですか? また、宜しければその理由をお教え下さい。 b.「有害」だとは言えないメディアの犯罪原因説が否定されている以上、表現の自由を尊重したい。 http://picnic.to/~ami/togi/meguro.htm

*3:「大山とも子(49)共産党 現3 党都議政調副委員長 3.警察白書などの数字を確認すると、マスコミの「少年犯罪凶悪化」報道に反して、少年犯罪は減少しており、大人の犯罪発生率と比べてもより少ないという事実がわかります。更に青少年の権利は現在よりも少なくし、思考や行動を規制すべきでしょうか? b.青少年の諸権利は制限するべきではない 4.「健全育成条例」は、国連「子どもの権利条約」に反し、子どもの権利を制限するないようになっているように見受けられます。現在の「健全育成条例」の内容と運用を支持されますか? また、宜しければその理由をお教え下さい。 b.「健全育成条例」の内容・運用に問題がある  青少年育成条例は、2004年の改定で有害図書の包括指定につながる内容と罰則規定の条項などが、2005年には淫行処罰規定がもりこまれましたが、これらには問題があると考えます。 5.メディアが犯罪の直接の原因を作るとする学説は、科学的にも否定されておりますが、文学やマンガなどいわゆるフィクションであっても、暴力的な表現や性的な表現は「有害」だとお考えですか? また、宜しければその理由をお教え下さい。 a.「有害」である  メディアやゲームの映像などの暴力や性むきだしの表現が子どもに対して野放しにされていることは、子どもの人格形成に否定的な影響を与える恐れがあります。この分野における社会の自己規律を確立することが必要です。同時に、これらの問題は、法律や行政的な規制や統制を強めるという立場をとるべきではありません。  6.その他、ご自由に有権者へのアピールなどをお書き下さい。  表現の自由は、思想・良心の自由と不可欠な基本的人権のひとつです。「モラルの崩壊」などを理由に、これらを法律や政治の力で制限するべきではないと考えます。子どもの健やかな成長のためには、子どもの意思表明権や社会参加を保障し、子どもを支える草の根からのあたたかい人間関係、社会関係や子どもを守る社会の自己規律を確立していくことが大事だと考えます。 東京都青少年育成条例有害図書の包括指定につながる改定は、表現の自由をふみにじる危険が高いため、日本共産党は反対しました。 また、思想・良心の自由にかかわる問題として、都教委による教員への処分をふりかざした生徒への「日の丸」「君が代」の強制があります。多くの児童・生徒、教員、保護者の皆さんが心を痛めています。昨年6月の都議会の代表質問で私も追及しましたが、これは国旗・国歌法制定の際の「強制してはならない」とした政府の国会答弁にも反し、良心の自由を侵すものです。日本共産党は、学校行事における強制を中止し、「日の丸」「君が代」の扱いは学校の判断にまかせるべき、と主張しています。http://picnic.to/~ami/togi/sinjuku.htm

*4:青少年・治安対策本部本部長=舟本馨知事本局治安対策推進担当理事 関連情報→女性時報 警察庁 http://www.joseijiho.co.jp/mokuji/kancyo/keisatu-cyo/a00-keisatu.htm児童ポルノ発信、国際的批判 警察庁生活安全局少年課長警視長 舟本馨氏 女性時報 警察庁生活安全局少年課長警視長 舟本馨氏  1999年11月1日に児童買春・児童ポルノ法が施行されました。児童の性的虐待、性的搾取に対して、どのように児童を守り保護して行くのか、心の荒廃した理性のない大人をいかに取り締まっていくのか、多くの課題があります。警察では、これまでも児童買春、児童ポルノに関わる事案に対して売春防止法児童福祉法、各県ごとに定められた青少年保護育成条例などの法令を適用して、積極的な努力を積み重ねてきました。しかし、青少年保護育成条例を見ても、各県ごとに規定に差異があって、多くの県では児童買春そのものが処罰の対象とされていませんでした。今回、正面から児童買春、つまり対償を払って児童の性を買う行為が犯罪であると厳しく規定されたことは画期的なことであります。また児童ポルノも、これまでは、被写体が少年少女ではあるが、刑法175条のわいせつ物、わいせつ図画に当たらないものは、取り締まりできませんでしたが、この法律は児童の保護の視点を全面的に出してわいせつに当たらないものも取り締まりができるよう規定されています。国際的な潮流を見ても、児童の権利条約(日本は平成6年に批淮)ではあらゆる性的虐待及び性的搾取から児童を保護することとされています。こうした中で、日本は児童ポルノ信国として、東南アジア諸国へ買春ツアーに出かける不道徳な国として、国際的にも批判されている状況です。世界の国々では、既に児童買春や児童ポルノを規制する法律が整備されており、ヨーロッパなど各国の警察機構や税関が連携しフェドファイル(小児性愛者)を取り締まる作戦を国際的に遂行しています。この法律により、わが国でも国民の国外犯に対して処罰ができるようになります。国外犯の捜査情報入手は困難と予想されますが、警察庁では、タイとフィリピンの捜査機関に情報提供等を依頼するため、職員を派遣して協力を要請しています。また、インターネットが飛躍的な勢いで普及し、ネット社会が形成されている現在、インターネット上の児童ポルノを取り締まる国際会議が開催され、政府機関だけではなくNGO、プロバイダー業者の人達も出席して話し合ったり、ICPO(国際刑事警察機構)の主催する会議の場で、警察庁からもこの法律を紹介し協力を依頼しました。」http://www.joseijiho.co.jp/mokuji/kancyo/keisatu-cyo/hunamoto-hajime.htm