雑談/納税課の職員さん

雑談その1。納税課の職員さん
以前に書いたことがあるかもしれませんが、私はいろんなお役人に会いましたけれど、その中で一番ていねいで親切に対応しているなーと私が感じたお役人は、区役所の納税課の職員さんでした。
病人を看護している看護士さんよりも親切で丁寧かもしれません。まあ、納税課の職員でも横柄な人はいるでしょうけれど、私の実際に会った人の印象としてはそうです。
なぜ納税課の職員は親切で丁寧なのか。
生活に困窮している市民の姿、市民の困窮の現場を自分の目と耳で知り、「金を払え!」と居丈高に命じたり権力を振りかざしても簡単にはお金が集まらないことを知り尽くしているから、というのが私の説。
お金を集めるのって、ほんとーに大変なことです。
生活に困窮していて子どもが病気で寝込んでいても病院に連れていくこともできない母親が「もう少し税金払うの待ってください」と泣いて頼んでいる時に(実話)、「税金払え!」と脅したって、相手は泣きつづけるだけで税金なんか払いません。すこしでもお金があれば子どものミルク代のために使ってしまって税金の支払いが後回しになるのはあたりまえのことで、生活が困窮している庶民の現実を納税課の職員は知っているわけですね。
しかし、庶民の生活の実情を知っていても、職員は、すべての国民に対して平等に法律を執行する義務と責務があるわけで、冷酷だけれど苦しい人たちからもなんとかして税金をかき集めなければならない。それが仕事です。
そのためにはどうしたら良いかと言うと、親切で丁寧な対応をして、かといって決して慇懃無礼にはならず、時には「もう少し待ってください。あと少しすれば2000円入りますので…」と土下座して泣くお爺さん(実話)といっしょに涙を流さなければならないわけですよ。
そして、ほんとは税金を払うお金を脱税で隠し持っていて嘘の涙を流して税金の支払いを逃れようとする悪人もいるわけで、悪人の嘘泣きか本気で泣いているのかを見分け、悪人からは厳しく取り立て、本当に困窮している庶民には追徴課税を職権免除するなどの便宜を合法的にはかるというのが、徴税のプロのプロフェッショナルなるが所以であり、そうやって強きを挫き弱きを助けて法の平等を実現することが、地味ですけれど納税課の職員のカッコ良さであり、彼らのプライドというわけです。
 
なーんてことを書くと、タイクツそうな納税課の職員が魅力的に見えてしまうかもしれませんが、実際、魅力的な仕事だと私は思います。
どこかの阿呆がバカのひとつ憶えのように「官から民へ」「カンカラミンエー」とスッカラカンのカンの頭でお経を唱えていましたが、官には「平等を実現する」という民間競争では実現されにくい官の役目というものがあります。必要な官もあるんです。
 
ちなみに、不親切で横柄で無礼で弱い者イジメをする役人は…あまりにも多過ぎるので、ワーストワンを選ぶのは、ちょっと迷っちゃいますね。
───────────
雑談その2。
さっきリファをみたら、平川さんのところから参照されてました。
科学技術社会論の資料やリンク集は、以前お世話になった記憶があります。 
 

平川秀幸 研究室
http://hideyukihirakawa.com/
http://hideyukihirakawa.com/blog/

───────────