植草一秀冤罪事件メモ

保守的なメンバーが多いと思われる「日本経済復活の会」で、郵政改革の嘘を主張した経済評論家の冤罪事件についての情報が公開されています。
「日本経済復活の会」や植草氏の考え方のすべてが正しいとまでは私は考えていませんが、小泉内閣が進めている構造改革増税の踏み台であり、多数の国民にとってメリットが無いとの認識については一致します。
構造改革」を主張する人たちが冤罪逮捕を実行した警察と利害を享有し合っているのだとすれば、「構造改革」を訴える側こそが守旧派であり、国民生活に利益と幸福をもたらし得ない悪徳者であるとの疑いは濃厚にならざるを得ません。
 

第19回 日本経済復活の会 開催報告
平成16年12月10日
http://www.tek.co.jp/p/g-19a.html

今回は、高名な経済評論家、植草一秀氏をお招きし、「日本経済再生の方策」と題する講演をお願いすると共に、植草氏のえん罪を晴らし、植草氏を励ますことを主たる目的としていたために、少し時間を切りつめて進行した。
(略)
植草氏の心情を思うと実にこみ上げてくるものがある。我々も何かと協力をして、1日も早く復活してもらいたいと思う。日本企業を倒産させ、税金をつぎこませては、暴利をむさぼる、「はげたか」と、それを支援する構造改革派を1日でも早く倒さなければならないと信ずる。植草氏の、事件に関する資料は、下記に掲載することにする。
(略)
私はテレビでしか植草氏の話すところを知らなかったが、今回、講演を拝聴して、実に見事な内容に感銘を受けた。特に数字と論理に全く間違いがないばかりでなく、何を財務省や御用学者が隠したがっているのか、議論をどちらに誘導しようとしているのか、すべてお見通しなのである。講演を聴きながら、これでは事件をでっち上げてでも、影響力を殺ぐことを実行するのも無理はないと不遜にも納得してしまった。
今日でも増税しか解決策はないと主張する財務省とその御用学者達、および、「はげたか」とその後ろにいる者達が、植草氏の何を危険と感じたのか、私の推理では、3.「日本経済混迷長期化の真相」というグラフがその一つだろうと思う。グラフでは財政出動したときには、かならず景気は上昇し、国税収入が増加している。そして増税したときは、必ず景気は悪化しているのが明瞭に把握できる。このグラフを示されては、反論できまい。この事実を提示されては、御用学者の嘘がいっぺんにばれてしまう。しかしながら、講演と質疑応答を1時間30分聞にわたって拝聴し続けて、この植草氏の実力に怖れを抱いてしまった。このような逸材が理路整然と財政出動が景気回復に必要であると主張し続け、罠を仕掛けて論点をずらそうと画策しても見破られては、構造改革派やマネタリスト増税派や新古典派の御用学者、はげたか金融業者が殺意を抱いても不思議ではない。今回のえん罪事件によって、植草氏は、とても深刻な悪影響を被ったと思われるが、それでも、私は、それだけで済んだのが不幸中の幸いであると感じられた。このようなでっち上げ事件では、矛盾点をついて行けばいい。第一に尾行した二名の警察官は、植草氏の顔も知らないような知的水準だったのか。第二に、植草氏が尾行に感づいていたと思わなかったのか。裁判中である故、あまり多くを語るわけにはいかないだろうと思うが、二名の警察官に公務員職権乱用罪が適用できるだろう。その場合に、この二名だけの単独犯ということはなく、背後に指示をした共同正犯が潜んでいると考えるのが当然である。いずれにせよ証拠もなく逮捕して、公判を維持できるとはとても思われない。
(略)
私はテレビでしか植草氏の話すところを知らなかったが、今回、講演を拝聴して、実に見事な内容に感銘を受けた。特に数字と論理に全く間違いがないばかりでなく、何を財務省や御用学者が隠したがっているのか、議論をどちらに誘導しようとしているのか、すべてお見通しなのである。講演を聴きながら、これでは事件をでっち上げてでも、影響力を殺ぐことを実行するのも無理はないと不遜にも納得してしまった。
今日でも増税しか解決策はないと主張する財務省とその御用学者達、および、「はげたか」とその後ろにいる者達が、植草氏の何を危険と感じたのか、私の推理では、3.「日本経済混迷長期化の真相」というグラフがその一つだろうと思う。グラフでは財政出動したときには、かならず景気は上昇し、国税収入が増加している。そして増税したときは、必ず景気は悪化しているのが明瞭に把握できる。このグラフを示されては、反論できまい。この事実を提示されては、御用学者の嘘がいっぺんにばれてしまう。しかしながら、講演と質疑応答を1時間30分聞にわたって拝聴し続けて、この植草氏の実力に怖れを抱いてしまった。このような逸材が理路整然と財政出動が景気回復に必要であると主張し続け、罠を仕掛けて論点をずらそうと画策しても見破られては、構造改革派やマネタリスト増税派や新古典派の御用学者、はげたか金融業者が殺意を抱いても不思議ではない。今回のえん罪事件によって、植草氏は、とても深刻な悪影響を被ったと思われるが、それでも、私は、それだけで済んだのが不幸中の幸いであると感じられた。このようなでっち上げ事件では、矛盾点をついて行けばいい。第一に尾行した二名の警察官は、植草氏の顔も知らないような知的水準だったのか。第二に、植草氏が尾行に感づいていたと思わなかったのか。裁判中である故、あまり多くを語るわけにはいかないだろうと思うが、二名の警察官に公務員職権乱用罪が適用できるだろう。その場合に、この二名だけの単独犯ということはなく、背後に指示をした共同正犯が潜んでいると考えるのが当然である。いずれにせよ証拠もなく逮捕して、公判を維持できるとはとても思われない。

 
小泉内閣構造改革に警鐘を鳴らしていた植章一秀氏は、次のように事件が冤罪であることを訴えています。
 

http://www.tek.co.jp/p/g-19a.html

2004年8月30日 植章一秀 記者会見原稿
(略)
すでに、これまでの公判や、弁護士を通じて発表しておりますように、私は天地神明に誓って絶対に無実潔白であり、現在、いわれなき冤罪の汚名を晴らすために命を懸けて闘っているところであります。
この間、一部の報道におきましては、警察、検察方面からの意図的な情報操作と推定される、明らかに事実とは全くかけ離れた情報が私の反論の機会もないままに一方的に流布され、あたかも私がとんでもない犯罪者であるかのように世間に強く印象を与えるような状況がつくられてきました。これによって冤罪の当事者として私も家族も、文字通り、筆舌に尽くせぬ思いを重ねてまいりました。

 
植草氏の逮捕前に複数の公安関係者が尾行していた事実を植草氏は指摘しています。
 

http://www.tek.co.jp/p/g-19a.html

平成16年8月30日付冒頭陳述の要旨(プレス用)
第1:当日の行動
神奈川県警鉄道警察隊の警察官2名が被告人の行動が不審だと思い込んだことがこの事件の端緒となった。警察官らは、当初より被告人が盗撮をしようとしている不審者だという強い思い込みを持ち、その誤った思い込みに基づき、本来の職責や管轄を忘れて執拗に被告人を追尾したが、犯行現場を目撃できないことに強い焦燥感を抱くとともに、どうしても検挙したいという意地と執念を燃やした挙句、被告人を誤認逮捕するに至ったものに他ならない。しかし、当日の被告人の行動は、同じ状況に置かれれば誰しもが行なう普通の行動にすぎず、盗撮をしようとする不審者の行動とはかけ離れたものであり、何ら不審なところもなく、公訴事実にあるような行為も行なわれていない。
(略)
2:横浜駅ビル「シァル」内での行動
(5) 午後2時10分頃、被告人は、駅ビルの上りエスカレーターに乗り5階の書店に向かった。その途中で、鉄道警察隊の私服の警察官から盗撮をしようとする不審者と思い込まれて追尾されたが、被告人はこの警察官から追われていることにすぐ気が付き、逆に彼らを不審者と思い込み、書店まで追って来たことから、何か言いがかりをつけられるのではないかという不安感と不快感を抱き、横浜で本を買うことをやめてその書店を出た。1階へ下りてコインロッカーから荷物を出し、そのままJR横浜駅に向かった。
(略)
3:横浜駅構内における行動
(3) 以上のように、2時15分頃に改札口を入場してから2時22分発の京浜東北線に乗るまで、わずか7分間のあいだ、少しでも早く東京へ戻ろうと、発車時刻の掲示板を見ながら横須賀線東海道線京浜東北線のホームを渡り歩くようにして移動しただけである。
その途中で、不審な男性に思えた私服の警察官を再び発見し、階段下の目立たない場所で列車到着を待っていただけである。
このときの被告人の動作が不審だったと警察官は言うが、もしも、ミニスカート着用の女性を対象に盗撮目的で物色したり盗撮を試みようとしていたのであれば、いろいろなホームを不規則に行ったり来たりするはずである。何よりも重要なことは、私服の警察官に追尾されていることを知っていたことである。盗撮するような着であれば、誰かに追尾され監視されている状況下で盗撮を試みようなどとするわけがない。
(略)
6:エスカレーター上での行動
(2) 被告人は、アタッシュケースをステップに置くと、左手で、ズボンの左ポケットからハンカチを出して握り、その上に右手を組み、臍の前辺りに両手を組む形で直立していた。被告人はこのとき鏡を取り出していない。
(3) 被告人が乗った上りエスカレーター上では、被告人も含めて乗客はステップの左側へ一列に並んで立ち、右側1列が追い越し用に空けられていた。
その右側に対面する下りエスカレーターとの間に視界を遮る障碍物はないので、下りエスカレーター上の乗客からは、被告人の全身の様子が丸見えになるような開放的な構造になっていた。
しかもエスカレーター上はひっきりなしに通行人が上下するような状況にあり、被告人は多数の通行人からの視線を感じていたところ、下りエスカレーターで下りてきた2人の中年女性と目が合ったので、被告人は眼で会釈をした。
7:逮捕されたときの状況
(1) このエスカレーターが、あと4、5段残すところまで上ったとき、右後方から私服の警察官がドタドタと駆け上がってきて、スーツの右肘の後方の生地を軽くつまんだ。直ちに「何をするんですか」と言ったところ、警察官は、エスカレーターを降りると被告人を左方向に連れてゆきながら、警察手帳らしきものを提示し「警察だ」と言った。さらに、状況を理解できないまま「何をするのですか。 何にもしていません」と言ったが、その警察官は「横浜からずっとついてきているんだ」と言うので、被告人が「何もしていませんよ」と言ったところ被告人のズボンの左ポケットを指して「ポケットの中の物を出せ」と命じた。
(2) そこで、左ポケットから、最初にハンカチを、次に鏡を順次出して志賀巡査に渡したところ、その警察官は「手鏡」と驚いたような声を出すと、何か慌てるような態度で、さらに「携帯電話を出せ」と命じた。
そこで被告人はその場にしやがんでアタッシュケースを床に倒して置いて開け、携帯電話を出して警察官に渡したところ、警察官は自分で携帯電話を操作して画像を見ながら「これは何だ」と質問したので、被告人は「これは知り合いに撮らせてもらったものです。違法なものはありません」と答えた。しかし、その後、被告人は交番へ連れて行かれた後、高輪警察署へ連れて行かれた。
第2:取調の問題点
1:被告人の捜査段階における調書作成の経緯
(1) 被告人は、志賀巡査に逮捕され、品川駅前の交番へ連行され、直ちに高輪警察署へ連行されたが、この間、容疑を認める発言は一切していないし弁解を述べる機会も与えられていない。逮捕すると言われたこともない。
(2) 高輪警察署では、まず簡単な取調べが行なわれ弁解録取書が作成されたが、このとき作成された弁解録取書は全く読み聞かせもされないまま、他の供述調書と共に、警察官から言われるままに署名指印をさせられた。
(3) 続いて高輪警察署の別の警察官による取調べが行われたが、黙秘権の告知を受けていない。このときも、全面的に否認する供述をしたところ、その警察官から次のような説明を延々と受け、容疑を認めるよう強く説得された。
一 現認逮挿だから否認しても絶対に無理である。
二 認めれば略式起訴で罰金を払って全部終わるし、マスコミへ公表されない。
三 逆に、否認すれば長期拘留になるしマスコミへ公表するから、テレビの仕事を今まで通りに続けることはできなくなる。
四 今日(木曜日)の午後5時までに調書作成が終われば、明日、区検に行ってその日の夜には釈放される。しかし調書作成が終了しないと検察庁へ行くのが土曜日になる、土曜日は担当検事ではなく日直検事だから処理が長引き、確実に長期拘留になり公表されることになる。
(4) このような説得を受けても被告人は暫く否認.主張を続けたが、警察官は同じ説得を繰り返すばかりで供述録取書を作成しようとしないため、執拗な説得により極度の精神的混乱状態に陥り、「では、どうしたら良いのですか。」と尋ねたところ、警察官は「実際にのぞいてはいないが、のぞこうとしたと言えばいい」と言い、それでも抵抗を覚え躊躇する被告人に対して警察官はさらに執拗な説得を続けた。
このときの被告人の心情は次のようなものであった。
一 否認すればマスコミに公表されてしまい、その場合には取り返しようのない打撃を受け、社会的な信用を失うだけではなく、すべての仕事も名誉も失ったうえ、家族や親族も含めていろいろと報道されることになる。
二 仕事のスケジュールが詰まっているため、長期拘留になっただけで大変な混乱となり、多数の関係者に多大の迷惑と損害をかけることになる。
三 否認しても絶対にひっくり返らないと言われたので、否認しても不利益を被るばかりだと思い込んだ。
このように、わずか1時間に満たない猶予だと時間を区切られて調書作成の完了を迫られたこと、認めれば翌日釈放されると持ちかけられたこと、なによりも否認すれば長期拘留されマスコミへ公表すると脅かされたことなどから被告人は他に選択の余地がないと思い込み、「それでは、その方向で調書を作ってください」と言ってしまった。
すると、警察官は机上のノートパソコンへせっせと入力を始めた。被告人からはパソコンの画面も見えず何を入力しているのかも判らないまま、時おり質問を受けて答えることはあったが、黙々と入力を続けた。品川駅での状況説明をしている際中に、突然取調べをしていた警察官が立ち上がり調書作成の打ち切りを宣言した。直ちに印字された調書が被告人の面前に置かれ、記載内容を確認することもなく警察官に言われるままに署名指印をさせられ、それに引き続き前述した弁解録取事にも内容を確認しないまま署名指印をさせられた。
このようにして作成された調書の内容は、警察官の強引な利益誘導に基づく内容虚偽のものである。
(5) 調書作成の終了後、被告人は自らの携帯電話の使用を許され、知り合いの弁護士へ電話連絡を始めると、傍らにいた警察官は「刑事専門の弁護士にしろ」とか「検察に話を通せる弁護士にしなければいけないj 等と口をはさみ、電話連絡がついた弁護士とやり取りをした。そのやり取りで鋭得した弁護士から、警察の話しに合わせておくようにという指示を受けた。このように、被告人の弁護人選任権は実質上妨害され、警察官主導の下に取調が進められた。
(6) 被告人はその晩一睡もできず、翌朝から開始された取調べにおいても、黙秘権の告知は受けてなかった。前日と同様、取調室には被告人と担当警察官の2名のみで、机を挟んで対面で座った警察官がノート型パソコンに黙々と入力していった。調書作成中に何度か意見を述べようとすると、警察官から黙っているようにと遮られたまま調書が作成された。最後に警察官は「これなら大丈夫だ」と述べ前日と同様に調書の読み聞かせもないまま、印字されたばかりの調書に署名指印をさせられた。警察官の説明によれば、このとき作成された調書には「実際にのぞいてはいないが、のぞこうとした」と記載されているはずだった。
2:調書作成後の経緯
(1) 翌4月10日(土曜日)、被告人は区検察庁において検察官から被疑事実を読み上げられたところ、「品川駅エスカレーターにおいてスカートの中を手鏡でのぞき見した」との言葉を聞かされ、前日に警察官から指示されていた内容と明らかに表現が違うので「のぞこうとしたけれどものぞいてはいません」と述べた。
このとき、警察官との打ち合わせどおりに供述したつもりでいた。
(2) ところが釈放されないまま翌4月11日(日曜日)になり、東京地方裁判所において勾留質問を受け、警察官からすっかり騙されていたことに気付いた。そこで、拘留質問をする裁判官に対し、不当逮捕であり、のぞこうとしてもいないし、のぞいてもいないことを説明した。併せて、品川駅の防犯カメラを確認してもらいたい旨を強く要求した。
(3) このように被告人が全面的に否認したところ、翌4月12日(月曜日)警察官が約束していたとおり、新聞やテレビ等に一斉に報道された。翌4月13日より別の弁護士を正式な弁護人として選任し、被告人は現在に至るまで一貫して公訴事実を全面的に否認する供述を続けている。
(4) それ以降、高輪警察署における取り調べ方法も急遽変更され、取り調べ担当が別の警察職員に交替し、黙秘権の告知を受け、取調室には必ず2名の警察職員が在室し、調書の読み聞かせも必ず実施されるようになった。

 
植草氏が有罪か無罪かは裁判所の専権事項であり私が判断するべきことではないですが、植草氏の説明は「自供した」との警察・検察の認識に誤りがあることを推定させるものです。
仮に、植草氏の言論をつぶそうと考えた公権力者が自らの利益のために警察に手をまわして植草氏を罪に陥れたのだとすれば、当該司法関係者(検察・勾留を認めた裁判官を含む)だけではなく、そうさせた公権力者は国民のために使うことが求められている公権力を私物化したことになります。
有罪無罪の結論についてはともかく、警察が捜査の過程で無理な自白を引き出すために虚偽を用いて不当な尋問をくり返し、検察が事実確認をせずに自白のみを根拠に起訴し、裁判官が勾留を認めたことについては疑問を感じます。
マンガ家や出版関係者が逮捕された松文館事件でも、勾留されることの不利益を回避するためだけになされた事実と異なる供述が求められ、裁判所の法廷で犯罪を否認してもそれが受け入れられませんでした。という意味でも、植草氏の事件は冤罪事件としての特徴を持っているように思われます。
───────────
関連リンク。
 

■スリーネーションズリサーチ株式会社 植草一秀
http://www.uekusa-tri.co.jp/index.html
植草一秀が巻き込まれた事件について
http://www.uekusa-tri.co.jp/column/20050510.html
今週の金融市場展望(2005年8月9日)
http://www.uekusa-tri.co.jp/column/20050809.html

株式市場について、ほとんどのメディアは郵政民営化法案が否決されれば、「改革後退」と受け止められて株価が下落するとの予想を示してきた。しかし、現実には、郵政民営化法案否決後に株価は急反発して、8月8日の日経平均株価は前日比上昇で引けた。メディアのものの見方がいかにあてにならないものであるかが、改めて証明された。
本欄ですでに述べてきたように、郵政民営化法案の否決は、日本が健全化してゆく第一歩としての、非常に大きなプラスの意味を持った出来事である。郵政民営化法案の否決により株価が上昇することは極めて順当な反応なのである。
小泉政権が掲げている「改革」はまやかしの改革である。「小さな政府」を目指す本当の施策は「郵政民営化」ではない。「天下りの廃止」こそ、「小さな政府」を目指す決定的な具体的施策である。小泉政権は「郵政民営化」を主張してきたが、「天下り廃止」にはまったく取り組んでこなかった。竹中大臣は筆者とのテレビ討論で、天下り廃止について、「そのようなささいなこと」と表現した。*1

■AAA植草一秀氏を応援するブログAAA
http://yuutama.exblog.jp

植草一秀氏は無実だ:植草一秀氏情報
http://www.geocities.jp/yuutama_1/

■ビデオニュース
http://www.videonews.com/
マル激トーク・オン・デマンド
第210回
「命をかけて無実を訴えていきます」
ゲスト: 植草一秀氏(エコノミスト
プレビュー(映像)
http://www.videonews.com/asx/marugeki_backnumber_pre/marugeki210_pre.asx

ライブドアニュース
連載「私は無実潔白だ」、植草一秀
http://news.livedoor.com/webapp/journal/cid__1294385/detail
http://news.livedoor.com/webapp/journal/cid__1296020/detail
http://news.livedoor.com/webapp/journal/cid__1298166/detail
http://news.livedoor.com/webapp/journal/cid__1303069/topics_detail
http://news.livedoor.com/webapp/journal/cid__1305758/detail
http://news.livedoor.com/webapp/journal/cid__1307943/detail
http://news.livedoor.com/webapp/journal/cid__1310604/detail

■国会会議録検索システム
第162回国会
参議院
郵政民営化に関する特別委員会
http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/sangiin/162/0087/main.html
衆議院
郵政民営化に関する特別委員会
http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/syugiin/162/0146/main.html

───────────

*1:国会では、竹中大臣は、新会社は民間会社だから天下りは自由だし、情報公開請求の適用も受けないとの認識を示しています。→「○山根隆治君 私は、非常に郵政公社が民営化された場合にこの天下りについて非常に見えなくなって当然くるわけでございまして、その点の非常に心配があるわけでございます。実は、郵政民営化法整備法案の中で独立行政法人等情報公開法の改正がありまして、同法の適用対象から郵政公社が除外をされるというふうになっているわけでございます。情報公開制度というのは、天下りの規制について、間接的ではありますけれども、非常に抑制効果というものが私は非常に今日まであるというふうに思っているわけでございますけれども、新たに設立されます承継会社についてはこれは情報公開の対象ということにはなっていくのかいかないか、この点についてお尋ねします。/○国務大臣竹中平蔵君) 設立される新たな会社につきましては、これは通常の民間会社と同様の扱いになるわけでございます。/○山根隆治君 そうすると、民間会社と同様な扱いということについては情報公開法の適用にならないと、こういうことですね。/○国務大臣竹中平蔵君) 行政ではございませんので、そのとおりでございます。/○山根隆治君 しかし、三分の一の、三分の一超の株式を保有するということで、政府の関与というのは非常に強いものがあります。そして、国民の関心も非常に高いというものがありまして、民営化ということの陰に隠れて大量のやっぱり天下りということが懸念をされるわけでございます。私は、この点については、普通の民間会社と違う、先ほど民間会社、そして民営ということについての御議論ございましたけれども、そう簡単に、単純に適用は受けないということについては国民の理解は私は到底及ばないと思うんですが、この点についていかがですか。/○国務大臣竹中平蔵君) とりわけ、その天下りについて委員御関心だと思いますが、これは民営化の趣旨を踏まえまして、制度設計上、特段規制、特段の規制をすることはしない、新会社の経営陣が人事政策の一環として適切に判断して行えるようにしているところでございます。」(第162回国会 郵政民営化に関する特別委員会 第4号 平成十七年七月十九日(火曜日)) http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/sangiin/162/0087/16207190087004c.html