都議選についてのネット界隈の話題など

JANJAN

2005都議選
http://www.janjan.jp/election/2005tokyo_giin/list.php

政治は選挙や議会の活動だけではなくて、人の行動を調整するプロセスは全部政治なんですよね。
たとえば、ひとつのケーキをみんなで食べるために、ひとりひとりが勝手にとって食べるのではなく、誰かが切り分けて配って食べるというような合意も、広い意味での政治運動。
政治は誰もが日常的にやっていることですが、日常の中の政治と、狭い意味での公共の政治とはあまりにも違う。
その違いについて語ることが「政治を語ること」になってしまうあたりにいつも私は違和感を感じているのですが、それは仕方の無いことなのでしょうか?
  
というわけで、都議選についてのネット界隈の話題など。
 

天気と投票率は関係するのか
http://d.hatena.ne.jp/okamakoto/20050704
棄権理由と年代別特徴
http://d.hatena.ne.jp/okamakoto/20050703

「忙しくて時間がない」がトップ
「適当な候補者がいない」2位
「選挙で政治などが良くならない」が3位

投票率の推移
http://d.hatena.ne.jp/okamakoto/20050702

選挙情報はテレビ・ラジオが9割
投票率低下の理由
一位が「国政に対して関心や興味を持つ人が減ったから」で、57%

投票率の推移
http://d.hatena.ne.jp/okamakoto/20050701

「低下傾向」は昭和後半から
平成で5割−6割台に低下
「若い年代」ほど低い投票率

 
ここはよく調べているブログですね。他の記事も視点が鋭利。
このブログは長く続くといいな。
 

http://blog.livedoor.jp/hudanotuji/archives/27110459.html
共産党が特に好きと言うことではありません。しいて言えば嫌いでした。
昔は社会党が元気で白黒はっきりしていて政治が分かりやすかったのですが今は二大政党なんて言ってどちらも似たもの同士で民主党に票を入れても何も変わらないような気がしますので自分にとって正義への1票の重みも感じられなくなりました。

 
そうですね。
選択肢となる受け皿が無い。
無い無いと言ってばかりいないで受け皿を作る努力をしなければならないのはわかっているのですが…。
生活者ネット民主党がその受け皿になれば良いという判断もありますが、民主党生活者ネットもその受け皿たり得ていないのも事実。
受け皿たりえるよう都民の努力が足りないのか、それとも党の努力が足りないのかはなんともいえませんが…。
 

http://curioline.at.webry.info/200507/article_13.html
町選管は投票所でクラシック音楽を流すなど工夫したが効果無し。
選管担当者は「伸びない理由が分からない」とぽつり。

 
選管はオレ様が工夫したのだから投票率は伸びてあたりまえ、とでも思っているのでしょうか。
  

http://blog.goo.ne.jp/k_kyj/e/a2942c0db56408076212663e489a61c0
投票は唯一、政治に意志表示ができる場なのに、投票してない=意志表示をしてない=まかせたってことなわけでしょ。
にもかかわらず文句だけいうのは絶対におかしい。文句を言うなら投票にいかないと。
(略)
で、選挙に行った人、ちゃんと監視しましょう。

 
政治に意志表示ができる場は投票が「唯一」ではないとは思いますが、監視と検証は重要ですね。
でも実際にやってみるとわかるんですが、結構手間がかかるんです、政治の監視って。選挙区の分析を作った時はかなり疲れました。
でも、世界の半分以上の地域では戦争や内戦やゲリラ闘争に参加する以外に狭い意味での政治を変える手段がないわけで、日本もそういう状態になる可能性が高くなっていることを考えると、政治監視程度の苦労は苦労ではないはず。
 

http://blog.goo.ne.jp/kame-g_2005/e/cf2f8020298711962cb6dafe1245217d
港区 有権者数 146.556人 投票者数 49.948人 投票率 34.08% ナンダカナァ?
東京都 有権者数 10.082.864人 投票者数 4.435.435人 投票率 43.99% (都選管発表)
港区は堂々の最低投票率! ナンダカナァ?

 
三人に二人は投票に行っていないというのはひどいですね。無投票当選よりはマシという程度。
でも、港区だけじゃないんですよ、投票率40%を割りこむ選挙って。
最近の4割を下回る投票率の選挙はこんな感じです。(無投票当選を除く)
 

選挙結果情報
http://blog.mag2.com/m/log/0000027624

2005年6月26日
宇部市長選挙(山口県)開票結果 投票率31.45%
2005年6月19日
千葉市長選挙(千葉県)開票結果 投票率37.20%
秋田市長選挙(秋田県)開票結果 投票率33.71%(過去最低)
船橋市長選挙(千葉県)開票結果 投票率31.12%
2005年6月12日
大和郡山市長選挙(奈良県)開票結果 投票率33.39%(過去最低)
2005年5月22日
川口市長選挙(埼玉県)開票結果 投票率31.67%
2005年4月24日
衆議院宮城2区補欠選挙開票結果 投票率36.75%
名古屋市長選挙(愛知県)開票結果 投票率27.50%
筑西市長選挙(茨木県)開票結果 投票率39.93%
各務原市長選挙(岐阜県)開票結果 投票率35.39%(過去最低)
東海市長選挙(愛知県)開票結果 投票率34.89%(過去最低)

 
もちろん、すべての自治体が低投票率の選挙というわけではなく、8割を超える投票率の選挙もあります。市町村合併が争点になっている選挙では、8割超えの投票率の選挙はかなりあります。
政治が生活と直結していると住民が理解されるようになれば、自ずと投票率は上がります。
風は待っているだけではダメで、自分で起こさないと吹かないです。
 

http://kinpy.livedoor.biz/archives/27114005.html
書いていないこと
共産党当選率30%、自民党84%、公明党100%、民主68%
共産党が特に力を入れた野党のふりした民主党議席数を1.5倍以上増やす。
共産党候補、法定得票数未達候補9名、未達率21%

http://crutonpapa.at.webry.info/200507/article_7.html
民主躍進と呼んでますが、果たしてそうなんでしょうか?
確かに、19議席から35議席と言うのは、たいした物のように見えますが、自民党の48議席に比べたらまだまだですよね。
さらに、当選率というのを見てみたら、自民党は57人中48人で84%強。公明党は23名中23名の100%。それに比べ民主党は51名中の35名で69%弱に過ぎない。

 
こういう視点も大事ですね。当選率が高いということは、それだけ選挙のコストパフォーマンスが高いということ。選挙のコストを下げてパフォーマンスを高くする努力は大事です。特に既成左翼はその点を謙虚に学んで、原則論だけに固執するのをやめないと党勢は衰えるばかりでしょう。
もちろん、当選率が高ければ良い政党なのかというと、そうとは限らないのは言うまでも無いことです。選挙の上手さと政策の正しさとは別。政策が正しいなら、なおさらその実現方法はよく考えて選ばなければ。
 

http://www.jem7.jp/modules/weblog/details.php?blog_id=89
現在東京都議会選挙中で、毎日意味のない「お願いします」攻撃にさらされて閉口している。
(略)
君には投票しないよ。

 
SINO氏には申し訳ないですが、選挙運動を専門職としている人の検証では、街宣での連呼は投票数を確実に増やします。連呼をやるとやらないとでは票の結果が大きく違う。SINO氏のような行動に同調する人が増えれば連呼が効果が無くなり連呼をしなくなりますが、現状では、連呼は効果が大きいので、連呼が無くなる事は無いでしょう。
どうして連呼に効果があるのかというと、選挙期間中の連呼を法律が特別に認めているからです。選挙期間外の連呼や大音量の街宣は原則禁止されていますし、文書図画の配布も配布数制限がありますので、いやがおうにも連呼は人の心を動かします。選挙法システムが連呼の投票効果を高め、保障しているんです。
だから、連呼がいやなら法律で禁じてしまえばよいのですが、そうやって日本という国は50年という長い期間に渡って選挙期間中の表現通信活動を狭くさせてしまった。その結果、公論が縮小し、利益誘導の組織票が異常なまでに重い価値を持つようになるという悪弊を生んでいる。ということも、選挙制度の反省点として考え直す必要はあるだろうと私は思います。
連呼運動を制度で禁じるなら、たとえばインターネット選挙運動を解禁*1ど、有権者に情報を伝える代替案をつくっていかないと、選挙は有権者から遠のくばかりです。
 

http://d.hatena.ne.jp/plummet/20050704/p3
結果も大した波風は立たなかった感じ。生活者ネットが半減したのは民主とかぶりすぎて埋没しがちだったからだろうし、自民の微減は前回小泉ブームで伸ばした分が戻ったという印象。無所属から何人か取り込むのか?
共産党が2減で済んだのが意外な健闘というか何というか。民主の伸びは政策よりも国政の場での二大政党というイメージが、アンチ自民票を集めただけだから、むしろこれからが正念場かねえ。都政でなにをやったかってーと、ぜんぜん印象がないんだよな。

 
前回選挙で生活者ネットが躍進した理由は、投票率がやや高めで無党派生活者ネットに投票したからです。今回は投票した5人に4人が党派人なので、党勢後退は予測されたことでした。無党派に頼らずに組織基盤を固める努力をもっとしていたら生活者ネット議席は維持できたかもしれないですが、そういう努力を生活者ネットはしていなかった。
私は、小沢一郎という人の政策は支持できない部分が多いのですが、「政治家は日常の政治運動が重要だ」という小沢氏の言葉は、生活者ネットにとっては傾聴すべき言葉でしょう。
共産党議席減少が最小限度で済んだのも、投票率が下がったからでしょうね。政策と努力が認められたと自惚れて無党派の対話と取り込みの努力を怠ったら、次の選挙で共産は大きく議席を減らすことになるでしょう。
 

http://d.hatena.ne.jp/nsw2072/20050704#p1
TBSラジオの「ストリーム」で小西克哉曰く「ところで一地方自治体である東京都議会になんで127人もの議員が居るんだろう。」今まで全然気がつかなかったなぁ。本当だ。なんでこんなにたくさんの議員が要るんだろう??

多いですよね、議席数。ソ連の官僚みたいに多い。 
議員が多い理由は簡単です。議員を減らす制度を作るのは議員だからです。
選挙制度を変えるためには、議員を納得させなければなりません。だから選挙制度を改正するたびに議席を増やして調整する。だから議席が増え続ける。
議員は議員に不利になる制度をつくることができないという問題は、立法権を議会に独占させている統治機構の弱点で、憲法を改正して、選挙制度だけは国民の直接投票で選出した裁判官が憲法裁判所なり最高裁判所なりで立法するようにすれば、議員に不利になる制度も作れるようになります。*2
ただ、立法権の独占原則を廃止すると、憲法違反の選挙制度が作られでも訂正できなくなるという問題も発生します。なので、あらかじめ憲法1票の格差を二倍以内になるようプログラム規定を作っておいて、選挙制度に限って司法権に限定的な立法権を付与するような統治機構制度を用意するという二重の歯止めをかけるという案が、憲法学会で議論されていますが、議員たちで作っている憲法制定運動ではこの案は黙殺されていますね。
結局、議員が議員としての自覚に欠けていて、自覚に欠けている議員を選挙で選んでいる国民が一番悪いということでしょうか。
 

http://d.hatena.ne.jp/tobimaru/20050704/p1
投票率が低かったのも投票を呼びかけるポスターにパパイヤ鈴木なんか使うからだ。

http://d.hatena.ne.jp/artane/20050704#p1
今回の選挙はパパイア鈴木効果があったのか(苦笑)、低投票率公明党に関係する候補が全員当選するという異常事態が起きているのが注目すべき点でしょう。

 
投票率が低いのは、パパイヤ効果?(苦笑)
たぶんそうではなくて、選挙の争点が広がらなかった(争点隠しが広がった)から、組織票が大きく影響したのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。公明が票を伸ばしたのもそう。公明は、自民党との連立で、政治資金も含め、組織基盤を固めています。公明は、政策矛盾やかつての政策との非連続性による内部分裂も最小限度に抑えています。
私は公明党を信頼してはいないし、支持できない政策もたくさんありますが、着実に組織の足場を固める公明の政治手法については、学ぶべき点はあると考えています。
 

http://bluemary.at.webry.info/200507/article_13.html
出口調査の結果では、無党派層の投票先は民主候補が最多の23%、次いで共産が18%。自民はこれらを下回る16%だった。01年は無党派層の25%が自民候補に投票、民主は14%だけだったことを考えると、今回民主党が伸びた背景には無党派層の支持の変化があったことが分かる。
ただ、民主党都連幹部は大勢が判明した3日深夜、「無党派層だけの支持では、ここまでの議席増はできない。想像以上に党の支持層が流動的でなくなっているのではないか」と語った。
民主党幹部らは足元の支持固めに加え、投票率が上がって多くの無党派層に投票に行ってもらえば、民主の票が増えると踏んでいた。岡田代表も応援演説で繰り返し強調したのは「まず投票に行ってほしい」ということだった。しかし、投票率が史上2番目の低さに終わったことは、民主党の思惑通りに無党派層を動員できなかったことを物語ってもいる。
都議会でも国会に遅れて二大政党化へ向けた動きが出てきたと言えるが、有権者全体の都議選への関心は低かった。
http://www.asahi.com/politics/update/0704/001.html

 
無党派層だけの支持では、ここまでの議席増はできない。想像以上に党の支持層が流動的でなくなっているのではないか」という民主幹部の認識は興味深いです。やっと民主党無党派や選挙の「風」だけに頼らない選挙ができるようになった、ということでしょうか。
民主党内の岡田−小沢連合と小沢−横路連合の成果がでてきたのかもしれません。民主幹部は、組織の足場がつくれていないことにかなり焦っていましたから、今回の都議選の結果を見て「これはいける!」と思ったかも。
二大政党化へ向けた動きが出てきたというのはその通りでしょうけれど、それで政権交替ができるかはまた別な話で、55年体制に戻って民主党が永久野党化してしまう可能性はゼロではないでしょう。
民主党が政権を握って自民党が長期野党化するのが二大政党制のベストシナリオですが、そのシナリオは新進党崩壊と自社さ政権成立で破綻していますので、結局は日本の政界は二大政党制は定着せずに多党連立になるか一党独裁になる、と私は予想しています。
私は、以前から二大政党制は幻想で多党連立こそ日本の政治にふさわしいと言ってきましたが、その考えは今回の都議選でも変りません。

http://d.hatena.ne.jp/codemaniax/20050704/1120433848
選挙やってたのか、知らなかった。

 
…。(;´Д`)
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*1:現状の法令でもインターネット選挙運動は違法では無いのですが

*2:改憲を主張しているという意味では本当は私は改憲論者なのですが、護憲というイメージで見られてしまうのはなぜでしょうか。