総務省情報フロンティア研究会報告書:他律から自律へ


総務省の「情報フロンティア研究会」が報告書案をとりまとめました。
一部マスメディアが「悪の温床化防止」という、誤報に近い表現で釣り報道をしたため、世間の注目を集めると同時に世間に誤解を与えているようです。
「情報フロンティア研究会」の報告書案を読んでいただければわかると思いますが、「悪の温床化」などという言葉は一言も書いてありませんし、「匿名性を排除する」などということもどこにも書いていません。
インターネットの自由を希求する立場から見ると、報告書は、報道されていることとはかなり違う内容の、画期的な内容となっています。
総務省のやっている活動のすべてが好ましいものだと私は考えているわけではありません。むしろその逆。(たとえば有害情報規制など。後日報告。) 「情報フロンティア研究会」は数少ない総務省の良心のようなもの。であるだけに、一部から誤解を受けている状況は残念に思います。
 

総務省情報フロンティア研究会報告書案
http://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/policyreports/chousa/info_frontier/pdf/050614_2_3.pdf

これまで大きな情報処理能力を有することで市場競争力や社会的影響力等を保持してきた各活動主体が昨今では自律・分散・協調的な連携を行うことで社会経済に活性化をもたらしている、と言い換えることができる。従来の情報通信ネットワークシステムは、強固なサーバの下で整然と端末が管理される集中管理型が一般的であった。しかし、情報通信機器の能力向上・価格低下により、個人が自分の情報端末からネットワークに接続して自由に自己実現を図る傾向が強まっている。携帯電話のメール友達を何十件・何百件も登録するように、個人が情報通信ネットワークを通じて広範囲の知人と広く浅く交友することもかなり一般化した。こういったICTの発展と社会システムの変化との関係に着目せずにICTの今後の利活用方策を語るのは、議論の本質を見誤ったものとなる可能性が高い。

 
情報フロンティア研究会の報告書全体を貫く思想は、上記で示される自律・分散・協調的な連携をネットワークを通じて社会化することです。「私的自治の原則」という言葉もありますが、中央政府がなにもかも決定するのではなく、自分で決めて対応できることは自分で決めさせる、ということ。
家庭内のゴタゴタをお上が裁定せず通常は家庭内で収めるように、インターネットのコミュニティも、産業も、政府が官僚や警察を使ってなにもかも統治するのではなくて、それぞれのコミュニティの中でそのコミュニティにふさわしいやり方で統治した方が、全体としてはうまく機能するという総務省情報フロンティア研究会の思想には、私は共感できます。
 

http://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/policyreports/chousa/info_frontier/pdf/050614_2_3.pdf

世間では、情報はわざわざ買わなくてもネット検索すればただで手に入る、という意識が一般化しつつある。その一方で、金銭やビジネスを目的とせず、自らがネット社会で評価されるために活動する人が大勢存在しており、今後ネット社会が進展していくと、積極的にボランティア活動をするという方向に個人の行動様式が変わっていくことが想定される。
そのような行動様式には、個々人のユニークな価値観が確立され、己の価値観に従って行動できるという「個人の自律」が伴う。ネット社会においては、期せずしてそのような価値観の確立と、それに伴った自己実現の追求が進んでいるように見受けられる。この傾向を肯定的に評価し、個人の自己実現を促すために、金銭的なインセンティブはなく地位や名誉を得るわけではなくとも、個人が自主的にネット社会や社会システム全体に貢献したくなるような仕組みや環境づくり・ルールづくりに、今後は意味が出てくると考えられる。

 
こうした情報フロンティア研究会の姿勢は、「バーチャルリアリティは悪である」などという滑稽な発言まで飛び出した森内閣の「教育改革国民会議」的なICT認識とは正反対でしょう。
「教育改革国民会議」的な、なにからなにもで政府が価値判断して決定するような社会を反転させ、決定権が個人にあるという前提での社会システムの方が、全体としてけむしろうまくいくという新思考が情報フロンティア研究会の報告書には含まれています。
たとえば、P2Pについては、「P2Pを用いた個人間での大量の(違法なものも含めた)情報交換や、Wikiを利用した個人用HPの更新」がされる例のように「高度なコンテンツの作成、発信が個人にも可能になった」ことは「イノベーションを起こしやすい環境が醸成された」と、情報フロンティア研究会は肯定的に評価しています。
 

http://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/policyreports/chousa/info_frontier/pdf/050614_2_3.pdf

これまでインターネットは主として情報入手のための手段であり、企業のHPを閲覧することにより有用な情報を入手するツールとして皆が重宝してきた。ブロードバンド化の進展で、ネットへの接続時間を一切気にせずにインターネットを利用できるようになったことで、大量の情報を自由に獲得できるようになったほか、ネット上での情報加工も可能になった。P2Pを用いた個人間での大量の(違法なものも含めた)情報交換や、Wikiを利用した個人用HPの更新はその一例である。
(略)
また、ハードディスク等、メディアの小型化や価格の低下、高速化の進展によって、個人が大容量のデータ、あるいは情報を、それほどコストをかけることなく持ち歩くことができるようになった。これによって自分の持っている音楽コンテンツ等を友人に渡したいというようなニーズが生まれ、情報交換という技術が普及してきた。直近の例としては、音楽ファイルのダウンロードや交換といったものが、iPodの発売を契機に活発化しつつある。さらに後述のブログ等の簡易な情報発信手段の普及により、個人の情報発信能力は著しく向上している。
以上のような状況により、個人間で自由に情報、さらには知識を交換・結合することが可能となり、イノベーションを起こしやすい環境が醸成されたのである。
(略)
デジタル機器と情報ネットワークを活用した個人間の情報加工・発信能力の向上により、情報伝達の多元化・メッシュ化が進み、手軽な個人間の情報流通サービスが発展しつつある。例えば、インターネット電話のスカイプはP2P技術を用いて利用者同士なら国内外を問わず無料通話を可能としている。ネットワークの分散化傾向の中で、P2Pはネットワーク層を抽象化し、既存ネットワークを超えた個人間の緩やかな連携を実現しようとしている。
一方、個人のネットワークへの参画意識の高揚により、ブログ・SNSといったサービスが生まれ、急速に発達しつつある。ブログについてはネットワークを自ら情報を発信・交換するための媒体として捉える人々が増加していること、SNSについては無差別・無分別な情報発信・交換ではなく、価値観を共有できるグループ内で交流を深める傾向が強まっていることにより、利用者が爆発的に増加しており、今後は個人による情報発信手段として、個人メディアの中核を担うものと期待されている。
このような個人による情報発信力が高まるなかで、意欲ある者がICTを活用したニュービジネスを起こす動きも盛んになっており、多種多様な消費者ニーズを読み取って新しい製品・サービスを提供するICTベンチャーが、人々の生活の利便性や豊かさの向上に貢献すると期待されている。こういった優良なベンチャー企業を増やし、社会的評価を高めることで、優れた能力を持ち努力している個人が経済的・社会的にも報われる社会を招来することが期待されている。

 
情報フロンティア研究会報告書は「ICTによるネットワークが産性を活かした社会的ネットワークの拡大、更にはそれによるイノベーションの創出を促す」条件としてネットワークの信頼性を高めることを求めています。しかし、その方法論は、従来の警察国家的な監視と制裁という手法を選択していません。
情報フロンティア研究会報告書は、政府が国家統制的に個人に対してモラルをおしつけるのではなく、もともと個人の中にあるモラルを活かすことによってネットワークの自律的秩序を形成させる重要性を説いており、そのための方法論としてICTリテラシー涵養や、その方法として実名・顕名を前提にしたインターネットコミュニティを育てる環境の必要性を訴えています。
「現実世界と同様のサイバースペースにおけるモラルを、利用者に定着させる取組みを行うとともに、個人がネット社会全体に貢献するために自主的・献身的にコンテンツを発信したりする部分、をうまく醸成できるような環境」を作ろう、と情報フロンティア研究会報告書は書いていますが、この視点は重要です。
一部に「匿名性を排除するものだ」という批判もあるようですが、それは誤解であって、報告書でも書かれている通り、匿名性を排除するものではないように思われます。
重要なことは、「匿名か顕名か」ではなく、両者の共存です。
 

資料3 情報フロンティア研究会報告書(案)
http://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/policyreports/chousa/info_frontier/pdf/050614_2_3.pdf

1.安心してICTが使える社会づくり
①ネットワークの信頼性を高めるための個人のICT利用意識の向上
P2P技術を使った違法なファイル交換や内部犯行による個人情報漏洩などの事件が発生していることにも表れているように、様々なセキュリティ技術が開発されたとしても、ネットワークの信頼性を高められるか否かは最終的には利用者のモラルに関わるところが大きい。
この観点からみた場合、日本社会では、ネットワークを利用する者としての自覚が社会的に十分に形成されているとは言い難い。とくに、サイバースペースが匿名性の高い空間として認識され、極端な場合、ばれなければ何をしてもいいという安易な発想すら助長する傾向を持っている。情報化社会の若者は、膨大な情報メディア環境の中で、自分にとって必要な情報のみを取り入れるフィルターを構築し、その内向きな情報環境の中に閉じこもり、自分の領域に対する他者の侵入をできる限り排除しようとするだけでなく、相手の心に踏み込んで感情や行動に影響を与えないように距離を置く強い傾向も一部観察されている。 これではICTによるネットワークが産性を活かした社会的ネットワークの拡大、更にはそれによるイノベーションの創出を促すことはできない。
しかし、現実の世界では日本は依然として個人のモラルは高い国である。現状の問題はむしろ現実世界でいうところの躾といったものがサイバースペースに関しては何ら体系立って行われてこなかったことも大きな原因である。このような現実世界と同様のサイバースペースにおけるモラルを、利用者に定着させる取組みを行うとともに、個人がネット社会全体に貢献するために自主的・献身的にコンテンツを発信したりする部分、をうまく醸成できるような環境づくりを行う必要がある。
(略)
さらに、先に述べたように、日本の社会では情報ネットワークが匿名であるという認識に基づいて色々な活動が行われているがゆえに、社会生活全般においてICTが利活用されていく活力が高まらず、社会心理的なデジタルデバイドと言うべき、サイバースペースへの忌避感が拡がっている。そのため、ある程度高度なICTを活用している層においても、その活動量、活力は、他の社会に比べて低いことも指摘されている。
こうした課題を克服する方策の一つは、義務教育課程である初等・中等教育の段階で高度なICTリテラシー教育を行うことである。個人のICT利用意識の向上にも関連するが、ICTにより実現されるバーチャルな環境を、現実社会と同じ感覚で活用すること、すなわち、サイバースペース上で実名又は特定の仮名で他人と交流することを自然の術として身につけるための教育が必要である。
一方、既に義務教育課程を修了している大多数の世代について同様の高度なICTリテラシーを授けるのは困難であるが、地道に啓発を続けるしかなく、例えばブログ等の簡便な情報発信・交流ツールの普及がその一助になると思われる。
そういった観点から今後注目されるのはSNSの動向である。ビジネス面でのSNSの将来性こそ不透明であるが、SNSは元々人と人との交流を目的としたICTネットワークであることから、地域住民の結びつきを深めることを主目的としたSNSが各地で立ち上がれば、住民のICTリテラシー向上や地域コミュニティのICT受容力強化に結びつくと想定される。例えば2007年問題の当事者である団塊の世代の人材を活用すること等によって、地方自治体や自治会単位でのSNSが組成されることを大いに期待したい。
(略)
また、ユビキタスネット社会で全ての人が個人ポータルを持ち、コミュニティの場を利用して個人間で情報をやりとりする場合、現在のような匿名性の高いものだけではなく、利用者の顕名性又は特定性が強く求められる。この場合、現行の認証機能はほとんどがサーバを中心にした集中管理方式であり、ダイナミックにコミュニティを組成して行う個人間情報流通における個人認証に柔軟に対応できない可能性が高い。
従って、個人間情報流通の際に今後必要となる膨大な個人認証手続を端末レベルで分散して処理するための簡便な分散型認証技術の開発を進める必要がある。

 
私は、モラルを政府から強制されるのはいやですが、だからこそICT*1リテラシーの涵養には賛成です。匿名性を排除せず自己情報コントロール権を確立させるという前提条件は必要ですが、顕名性重視のコミュニティの成長を促すことは、個人に対する国家からのモラルのおしつけ(匿名性の排除を含む)の歯止めとなり得るという意味で、結構なことです。
実名性を推進する立場の人や匿名性を擁護する立場の人は、実名か匿名かという二項対立的な思考に陥りがちですが、インターネットの情報資源の拡大とその恩恵を最大化させるために必要なことは実名性と匿名性の両立です。個人情報の提供を個人が選択的に選ぶことができるシステムは、実名性と匿名性の両立を促すことになるでしょう。
 
私は自由が好きですし、自由はたくさんあればあるほど良いと思っています。
だからこそ、政府に責任を依存する社会ではなく、自分に責任がある社会が望ましい。
情報フロンティア研究会報告書はそのような社会を目指しているのではないでしょうか。
 

総務省
情報フロンティア研究会
http://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/policyreports/chousa/info_frontier/
開催についての報道資料
http://www.soumu.go.jp/s-news/2005/050309_3.html
第1回会合(平成17年3月11日(金))
○配布資料
http://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/policyreports/chousa/info_frontier/050311_2.html

資料1  開催要綱(案)
http://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/policyreports/chousa/info_frontier/pdf/050311_2_1.pdf
資料2  「情報フロンティア」について(事務局説明資料)
http://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/policyreports/chousa/info_frontier/pdf/050311_2_2.pdf
資料3  今後の開催スケジュール(案)
http://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/policyreports/chousa/info_frontier/pdf/050311_2_3.pdf
資料4  フロンティアを目指して(柳沼構成員発表資料)
http://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/policyreports/chousa/info_frontier/pdf/050311_2_4.pdf

○議事要旨(PDF)
http://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/policyreports/chousa/info_frontier/pdf/050311_1.pdf
第2回会合(平成17年3月29日(火))
○配布資料
http://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/policyreports/chousa/info_frontier/050329_2.html

資料1  情報フロンティア研究会(第1回)議事要旨
http://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/policyreports/chousa/info_frontier/pdf/050329_2_1.pdf
資料2  情報フロンティア研究会(第1回)における構成員の主な意見
http://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/policyreports/chousa/info_frontier/pdf/050329_2_2.pdf
資料3  SOA(Webサービス)・オフショア開発に係る課題
(事務局説明資料)
http://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/policyreports/chousa/info_frontier/pdf/050329_2_3.pdf
資料4  SOAのICT利活用へのインパクト 官民の情報システム最適化
(西村構成員発表資料)
http://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/policyreports/chousa/info_frontier/pdf/050329_2_4.pdf
資料5  海外から見た日本のICTユーザ産業の課題
(スリラム構成員発表資料)
http://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/policyreports/chousa/info_frontier/pdf/050329_2_5.pdf
資料6  今後の開催スケジュール(案)
http://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/policyreports/chousa/info_frontier/pdf/050329_2_6.pdf

○議事要旨(PDF)
http://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/policyreports/chousa/info_frontier/pdf/050329_1.pdf
第3回会合(平成17年4月12日(火))
○配布資料
http://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/policyreports/chousa/info_frontier/pdf/050329_1.pdf

資料1 情報フロンティア研究会(第2回)議事要旨
http://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/policyreports/chousa/info_frontier/pdf/050412_2_1.pdf
資料2 これまでの会合における構成員等の主な意見
http://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/policyreports/chousa/info_frontier/pdf/050412_2_2.pdf
資料3 ネットワークデータの有効活用(事務局説明資料)
http://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/policyreports/chousa/info_frontier/pdf/050412_2_3.pdf
資料4 セマンティックWebとその展開 次世代の情報・サービス検索・活用 (津田構成員発表資料)
http://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/policyreports/chousa/info_frontier/pdf/050412_2_4.pdf
資料5 ユビキタス情報通信がもたらす人と環境との新しい関係 (栗原構成員発表資料)
http://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/policyreports/chousa/info_frontier/pdf/050412_2_5.pdf
資料6 今後の開催スケジュール(案)
http://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/policyreports/chousa/info_frontier/pdf/050412_2_6.pdf

○議事要旨(PDF)
http://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/policyreports/chousa/info_frontier/pdf/050412_1.pdf
第4回会合(平成17年5月17日(火))
○配布資料
http://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/policyreports/chousa/info_frontier/050517_2.html

資料1 情報フロンティア研究会(第3回)議事要旨
http://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/policyreports/chousa/info_frontier/pdf/050517_2_1.pdf
資料2 これまでの会合における構成員等の主な意見
http://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/policyreports/chousa/info_frontier/pdf/050517_2_2.pdf
資料3 個人間情報流通の本格化に向けて(事務局説明資料)
http://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/policyreports/chousa/info_frontier/pdf/050517_2_3.pdf
資料4 P2Pの現状と今後の動向(齋藤構成員発表資料)
http://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/policyreports/chousa/info_frontier/pdf/050517_2_4.pdf
資料5 報告書とりまとめに向けて
http://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/policyreports/chousa/info_frontier/pdf/050517_2_5.pdf
資料6 構成員名簿
http://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/policyreports/chousa/info_frontier/pdf/050517_2_6.pdf

情報フロンティア研究会
構成員名簿
(敬称略、五十音順)
岡田仁志国立情報学研究所人間・社会情報研究系助教
屋久IBMベンチャーキャピタルグループ ベンチャーディベロップメントエグゼクティブ日本担当
木村忠正早稲田大学理工学部教授
栗原聡大阪大学産業科学研究所助教
國領二郎慶應義塾大学環境情報学部教授
小林徹丸紅ソリューション(株)ネットワークソリューション事業部 営業推進室長
齋藤義男NTTコミュニケーションズ㈱第二法人営業本部 e-ガバメント営業部担当部長
V.スリラム インフォシステクノロジーズアジア地区代表
津田宏㈱富士通研究所ITメディア研究所知能システム研究部 主任研究員
西村毅日本ヒューレット・パッカード(株)ESPソリューション 本部第5部(官庁・自治体)担当部長
藤沢久美(株)ソフィアバンク副代表
柳沼裕忠松下電器産業(株)パナソニックシステムソリューションズ社 事業戦略推進室グループマネージャー
矢野貴久子(株)カフェグローブ・ドット・コム代表取締役

○議事要旨(PDF)
http://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/policyreports/chousa/info_frontier/pdf/050517_1.pdf
第5回会合(平成17年5月31日(火))
○配布資料
http://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/policyreports/chousa/info_frontier/050531_2.html

資料1 情報フロンティア研究会(第4回)議事要旨
http://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/policyreports/chousa/info_frontier/pdf/050531_2_1.pdf
資料2 これまでの会合における構成員等の主な意見
http://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/policyreports/chousa/info_frontier/pdf/050531_2_2.pdf
資料3 ICTベンチャーをめぐる課題と期待される政府の役割
(事務局資料)
http://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/policyreports/chousa/info_frontier/pdf/050531_2_3.pdf
資料4 優れたスタートアップ企業こそがエマージング市場をリードする(勝屋構成員発表資料)
http://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/policyreports/chousa/info_frontier/pdf/050531_2_4.pdf
資料5 情報フロンティア研究会報告書総論(案)
http://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/policyreports/chousa/info_frontier/pdf/050531_2_5.pdf

○議事要旨(PDF)
http://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/policyreports/chousa/info_frontier/pdf/050531_1.pdf
第6回会合(平成17年6月14日(火))
○配布資料
http://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/policyreports/chousa/info_frontier/050614_2.html

資料1 情報フロンティア研究会(第5回)議事要旨
http://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/policyreports/chousa/info_frontier/pdf/050614_2_1.pdf
資料2 情報フロンティア研究会報告書骨子(案)
http://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/policyreports/chousa/info_frontier/pdf/050614_2_2.pdf
資料3 情報フロンティア研究会報告書(案)
http://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/policyreports/chousa/info_frontier/pdf/050614_2_3.pdf
○ 議事要旨
※6月27日現在未公開
http://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/policyreports/chousa/info_frontier/pdf/050614_1.pdf
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ブログ・SNS(ソーシャルネットワーキングサイト)の現状分析及び将来予測
http://www.soumu.go.jp/s-news/2005/050517_3.html
http://www.soumu.go.jp/s-news/2005/pdf/050517_3_1.pdf

 
情報フロンティア研究会のメンバーの一人、國領二郎教授のいる國領研究室のサイト。なかなか面白い。
 

國領研究室
http://www.jkokuryo.com/index.html
電子公開論文
http://www.jkokuryo.com/papers/index.html
國領研究室の卒業生および学位論文一覧
http://www.jkokuryo.com/ob/ob.html

 
以下、情報フロンティア研究会に関する報道など。
共同通信と読売新聞の責任者はちょっと外へ出ろ!と言いたくなる気分です。報告書のどこに「悪の温床」とか「匿名性を排除」などという言葉が出てくるのでしょうか。誰に頼まれて記事を書いてるんですが、読売新聞と共同通信の記者さん?
 

Googleニュース検索「情報フロンティア研究会」
http://tinyurl.com/74s85
Yahoo!ニュース検索「情報フロンティア研究会」
http://tinyurl.com/c8htz
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『ネット利用は実名で』 小中校でブログ教育を 東京新聞
http://www.tokyo-np.co.jp/00/kei/20050627/eve_____kei_____000.shtml

総務省は27日、自殺サイトなど「有害情報の温床」ともいわれるインターネットを健全に利用するために、ネットが持つ匿名性を排除し、実名でのネット利用を促す取り組みに着手する方針を固めた。匿名性が低いとされるブログ(日記風サイト)やSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サイト)を小中学校の教育で活用するよう求め、文部科学省などと具体策を詰める。今週初めに発表する総務省の「情報フロンティア研究会」の最終報告書に盛り込む。
国内のネット人口は増加する一方だが、匿名性が高いために自殺サイトの増殖や爆弾の作製方法がネットに公開されるなど、犯罪につながる有害情報があふれている。総務省はそうしたマイナス面を排除し、ネットを経済社会の発展につなげていくためには、実名でのネット使用を推進し、信頼性を高めることが不可欠と判断した。
研究会の提言は「匿名性が高いためにネット社会への心理的な忌避感が広がっている」ことが、情報技術(IT)利用の障壁になっていると指摘。子供のころからネット社会のモラルについての「しつけ」が重要と位置付け、小中学校の児童・生徒がブログや、知人だけが入れる「知り合いサイト」SNSを使い、実名または実名に準ずるネット上の名前で情報発信する仕組みを全国で導入すべきだと提案した。
また地域活性化のために、地方自治体や自治会単位でもSNSを導入する必要性を訴えた。ただネット上での実名使用はプライバシー保護の観点から課題もあり、今後議論を呼ぶ可能性もある。

実名でのネット活用促す 総務省「悪の温床」化防止 - 共同通信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050627-00000032-kyodo-bus_all
http://d.hatena.ne.jp/http?//headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050627-00000032-kyodo-bus_all

http://d.hatena.ne.jp/AXMU/20050627http://d.hatena.ne.jp/Ayunn/20050627http://d.hatena.ne.jp/BYO/20050627http://d.hatena.ne.jp/Chuck/20050627http://d.hatena.ne.jp/Desperado/20050627http://d.hatena.ne.jp/Gajin/20050627http://d.hatena.ne.jp/Ivan_Wisky/20050627http://d.hatena.ne.jp/Kachila/20050627http://d.hatena.ne.jp/KeiH/20050627http://d.hatena.ne.jp/Migiwa/20050627http://d.hatena.ne.jp/SO-1/20050627http://d.hatena.ne.jp/USA-P/20050627http://d.hatena.ne.jp/YKnoKOTO/20050627http://d.hatena.ne.jp/abcs650/20050627http://d.hatena.ne.jp/abyXK181/20050627http://d.hatena.ne.jp/aerodynamik/20050627http://d.hatena.ne.jp/agege/20050627http://d.hatena.ne.jp/annnnnnna/20050627http://d.hatena.ne.jp/asgardstrand/20050627http://d.hatena.ne.jp/bicmattari/20050627http://d.hatena.ne.jp/bigtown/20050627http://d.hatena.ne.jp/bluede/20050627http://d.hatena.ne.jp/cachamai/20050627http://d.hatena.ne.jp/caprin/20050627http://d.hatena.ne.jp/crows-ms/20050627http://d.hatena.ne.jp/dr_y/20050627http://d.hatena.ne.jp/emimin/20050627http://d.hatena.ne.jp/furamubon/20050627http://d.hatena.ne.jp/genzaburoh/20050628http://d.hatena.ne.jp/gkmond/20050627http://d.hatena.ne.jp/haiiro/20050627http://d.hatena.ne.jp/hal_dynast/20050627http://d.hatena.ne.jp/hiby/20050627http://d.hatena.ne.jp/iori_t/20050627http://d.hatena.ne.jp/isouhanten/20050627http://d.hatena.ne.jp/itsuki_kisaragi/20050627http://d.hatena.ne.jp/kanryo/20050627http://d.hatena.ne.jp/kitamibbs/20050627http://d.hatena.ne.jp/kndissi/20050627http://d.hatena.ne.jp/koganz/20050627http://d.hatena.ne.jp/koro_Zo/20050627http://d.hatena.ne.jp/kotosys_blog/20050627http://d.hatena.ne.jp/ks0904/20050627http://d.hatena.ne.jp/kyoumoe/20050627http://d.hatena.ne.jp/kzys/20050627http://d.hatena.ne.jp/lastline/20050627http://d.hatena.ne.jp/lowracer/20050627http://d.hatena.ne.jp/maak619/20050627http://d.hatena.ne.jp/manaburyu/20050627http://d.hatena.ne.jp/mdk/20050627http://d.hatena.ne.jp/michiaki/20050627http://d.hatena.ne.jp/nd2620/20050627http://d.hatena.ne.jp/neko299/20050627http://d.hatena.ne.jp/nekoneko/20050627http://d.hatena.ne.jp/nobu3rofan/20050627http://d.hatena.ne.jp/o-afuro/20050627http://d.hatena.ne.jp/okaguchik/20050627http://d.hatena.ne.jp/okimi/20050627http://d.hatena.ne.jp/okumuraosaka/20050627http://d.hatena.ne.jp/pr3/20050627http://d.hatena.ne.jp/purisia/20050627http://d.hatena.ne.jp/qma/20050627http://d.hatena.ne.jp/reboot/20050627http://d.hatena.ne.jp/redseen/20050627http://d.hatena.ne.jp/rook5963/20050627http://d.hatena.ne.jp/sakusha/20050627http://d.hatena.ne.jp/shanghai/20050627http://d.hatena.ne.jp/shimaken/20050627http://d.hatena.ne.jp/shindai/20050627http://d.hatena.ne.jp/so-ma/20050626http://d.hatena.ne.jp/syouwa80/20050627http://d.hatena.ne.jp/tarappo/20050627http://d.hatena.ne.jp/taron/20050627http://d.hatena.ne.jp/tatsuno/20050627http://d.hatena.ne.jp/teppy/20050627http://d.hatena.ne.jp/tohne/20050627http://d.hatena.ne.jp/tohru_n/20050627http://d.hatena.ne.jp/trouble/20050627http://d.hatena.ne.jp/tryarks/20050628http://d.hatena.ne.jp/ustar/20050627http://d.hatena.ne.jp/vb_antenna/20050627http://d.hatena.ne.jp/vndn/20050627http://d.hatena.ne.jp/week2525/20050627http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20050627http://d.hatena.ne.jp/yms-zun/20050627http://d.hatena.ne.jp/yomi_at_osaka/20050627http://d.hatena.ne.jp/zk3/20050627

http://www.chunichi.co.jp/00/detail/20050627/fls_____detail__021.shtml
http://www.topics.or.jp/Gnews/news.php?id=CN2005062701000377&gid=G03
http://www.ehime-np.co.jp/newsflash/news20050627494.html
http://www.hokkaido-np.co.jp/Php/kiji.php3?&d=20050627&j=0029&k=200506274741
http://kumanichi.com/news/kyodo/main/200506/20050627000059.htm
http://www.chugoku-np.co.jp/NewsPack/CN2005062701000377_Main.html
http://www.shikoku-np.co.jp/news/news.aspx?id=20050627000053
http://www.shizushin.com/headline/2005062701000377.htm
http://www.kobe-np.co.jp/kyodonews/news/00015222kd200507270800.shtml
http://www.sanyo.oni.co.jp/newspack/20050627/20050627010003771.html
http://www.niigata-nippo.co.jp/news/kyoudou.asp?id=20050627000053
http://www.iwate-np.co.jp/newspack/cgi-bin/newspack.cgi?main+CN2005062701000377_2
http://www.sanin-chuo.co.jp/newspack/modules/news/article.php?storyid=232697009
http://www4.oita-press.co.jp/news.cgi?D=CN20050627&ID=CN2005062701000377.1.N.20050627T083946&J=Economics&UP=20050627T083946
http://www.toonippo.co.jp/news_kyo/news/20050627010003772.asp
http://www.sakigake.jp/servlet/SKNEWS.NewsPack.npnews?newsid=2005062701000377&genre=main
http://www.kahoku.co.jp/news/2005/06/2005062701000377.htm

総務省は27日、自殺サイトなど「有害情報の温床」ともいわれるインターネットを健全に利用するために、ネットが持つ匿名性を排除し、実名でのネット利用を促す取り組みに着手する方針を固めた。匿名性が低いとされるブログ(日記風サイト)やSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サイト)を小中学校の教育で活用するよう求め、文部科学省などと具体策を詰める。
 今週初めに発表する総務省の「情報フロンティア研究会」の最終報告書に盛り込む。
 国内のネット人口は増加する一方だが、匿名性が高いために自殺サイトの増殖や爆弾の作製方法がネットに公開されるなど、犯罪につながる有害情報があふれている。総務省はそうしたマイナス面を排除し、ネットを経済社会の発展につなげていくためには、実名でのネット使用を推進し、信頼性を高めることが不可欠と判断した。

悪の温床化防止、実名でのネット活用促す 日刊スポーツ
http://www.nikkansports.com/ns/general/f-so-tp0-050627-0008.html
言及
http://d.hatena.ne.jp/http?//www.nikkansports.com/ns/general/f-so-tp0-050627-0008.html

http://d.hatena.ne.jp/akimasa2000/20050627http://d.hatena.ne.jp/LEOat/20050627http://d.hatena.ne.jp/sucrose/20050627

子供にブログぅ?!…ブロガーたちが大ブーイング 読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/net/feature/20050623nt0b.htm
言及
http://d.hatena.ne.jp/http?//www.yomiuri.co.jp/net/feature/20050623nt0b.htm

http://d.hatena.ne.jp/LEOat/20050625http://d.hatena.ne.jp/Lettusonly/20050625http://d.hatena.ne.jp/Migiwa/20050625http://d.hatena.ne.jp/ZOE-c10h8/20050627http://d.hatena.ne.jp/aian/20050624http://d.hatena.ne.jp/akimasa2000/20050624http://d.hatena.ne.jp/caprin/20050626http://d.hatena.ne.jp/cfs/20050624http://d.hatena.ne.jp/ch416/20050624http://d.hatena.ne.jp/coshow/20050624http://d.hatena.ne.jp/encyclopector/20050626
http://d.hatena.ne.jp/hamachi/20050624http://d.hatena.ne.jp/himagine_no9/20050624http://d.hatena.ne.jp/hirofmix/20050624http://d.hatena.ne.jp/hurikake/20050624http://d.hatena.ne.jp/itsudatte/20050627http://d.hatena.ne.jp/kei-s/20050625http://d.hatena.ne.jp/kiwofusi/20050624http://d.hatena.ne.jp/koro_Zo/20050625http://d.hatena.ne.jp/l32m/20050626http://d.hatena.ne.jp/mhrs/20050624http://d.hatena.ne.jp/naoya/20050624http://d.hatena.ne.jp/okuatoru/20050627http://d.hatena.ne.jp/quaa/20050624http://d.hatena.ne.jp/reboot/20050625http://d.hatena.ne.jp/rir6/20050626http://d.hatena.ne.jp/secuta2u/20050625http://d.hatena.ne.jp/solaxin/20050625http://d.hatena.ne.jp/sucrose/20050625http://d.hatena.ne.jp/t_aki/20050626http://d.hatena.ne.jp/terasuy/20050626http://d.hatena.ne.jp/teri-ran/20050627http://d.hatena.ne.jp/tetotan/20050624http://d.hatena.ne.jp/trouble/20050625http://d.hatena.ne.jp/ucchii/20050623http://d.hatena.ne.jp/ululun/20050624http://d.hatena.ne.jp/vaac/20050624http://d.hatena.ne.jp/yoki0/20050626http://d.hatena.ne.jp/yskszk/20050624

子どもはみなブログを持て! 読売新聞 (釣り)
http://www.yomiuri.co.jp/net/news/20050614nt07.htm
言及
http://d.hatena.ne.jp/http?//www.yomiuri.co.jp/net/news/20050614nt07.htm

http://deztec.jp/design/05/06/24_blog.html
http://stella.cocolog-nifty.com/starchartlog/2005/06/post_713f.html
http://d.hatena.ne.jp/Albini/20050615http://d.hatena.ne.jp/Applejack/20050621http://d.hatena.ne.jp/BYO/20050617http://d.hatena.ne.jp/Dotti_Miki/20050620http://d.hatena.ne.jp/ForestWalker/20050621http://d.hatena.ne.jp/Haruki/20050619http://d.hatena.ne.jp/Lettusonly/20050619http://d.hatena.ne.jp/LonelyLogic/20050620http://d.hatena.ne.jp/Noki_Suukake/20050615http://d.hatena.ne.jp/OguraKunihiko/20050620http://d.hatena.ne.jp/Orixbs/20050627http://d.hatena.ne.jp/SHiNKA/20050618http://d.hatena.ne.jp/WhoInside/20050620http://d.hatena.ne.jp/WhoInside/20050625http://d.hatena.ne.jp/a-morishita/20050624http://d.hatena.ne.jp/a2ya/20050619http://d.hatena.ne.jp/aian/20050615http://d.hatena.ne.jp/aian/20050624http://d.hatena.ne.jp/amasakiiori/20050616http://d.hatena.ne.jp/arikui/20050616http://d.hatena.ne.jp/asuzaku/20050621http://d.hatena.ne.jp/atatakaikaze/20050619http://d.hatena.ne.jp/bangchou/20050619http://d.hatena.ne.jp/bigtown/20050616http://d.hatena.ne.jp/bolzano/20050619http://d.hatena.ne.jp/caprin/20050617http://d.hatena.ne.jp/ch416/20050616http://d.hatena.ne.jp/cha-ko/20050617http://d.hatena.ne.jp/clacla/20050620http://d.hatena.ne.jp/coshow/20050624http://d.hatena.ne.jp/daroh/20050619http://d.hatena.ne.jp/daroh/20050622http://d.hatena.ne.jp/dqmteri/20050618http://d.hatena.ne.jp/encyclopector/20050626http://d.hatena.ne.jp/foursue/20050617http://d.hatena.ne.jp/fute/20050616http://d.hatena.ne.jp/genzaburoh/20050620http://d.hatena.ne.jp/gkmond/20050619http://d.hatena.ne.jp/guldeen/20050618http://d.hatena.ne.jp/guldeen/20050619http://d.hatena.ne.jp/hamachi/20050616http://d.hatena.ne.jp/himagine_no9/20050615http://d.hatena.ne.jp/himagine_no9/20050624http://d.hatena.ne.jp/hirakike/20050620http://d.hatena.ne.jp/hirofmix/20050617http://d.hatena.ne.jp/hoosawa/20050624http://d.hatena.ne.jp/hoya109/20050618http://d.hatena.ne.jp/hurikake/20050617http://d.hatena.ne.jp/jjnagi/20050615http://d.hatena.ne.jp/k-earth/20050616http://d.hatena.ne.jp/k-i-t/20050625http://d.hatena.ne.jp/kanaita/20050617http://d.hatena.ne.jp/kei-s/20050625http://d.hatena.ne.jp/koro_Zo/20050619http://d.hatena.ne.jp/l32m/20050618http://d.hatena.ne.jp/masah/20050617http://d.hatena.ne.jp/metacarbo/20030101http://d.hatena.ne.jp/metacarbo/20050628http://d.hatena.ne.jp/mhrs/20050624http://d.hatena.ne.jp/minatuka/20050619http://d.hatena.ne.jp/mizunagaru/20050617http://d.hatena.ne.jp/nanax/20050617http://d.hatena.ne.jp/nao1109/20050621http://d.hatena.ne.jp/naozane/20050620http://d.hatena.ne.jp/natsu375/20050619http://d.hatena.ne.jp/nekoluna/20050617http://d.hatena.ne.jp/nobemasa/20050615http://d.hatena.ne.jp/ohmomo/20050617http://d.hatena.ne.jp/okaguchik/20050617http://d.hatena.ne.jp/okuatoru/20050627http://d.hatena.ne.jp/pre-jurist/20050618http://d.hatena.ne.jp/r_tan28/20050619http://d.hatena.ne.jp/rev-9/20050617http://d.hatena.ne.jp/rinmaru/20050619http://d.hatena.ne.jp/rir6/20050626http://d.hatena.ne.jp/rossolupo/20050620http://d.hatena.ne.jp/secuta2u/20050620http://d.hatena.ne.jp/shiine/20050618http://d.hatena.ne.jp/sho49cc/20050618http://d.hatena.ne.jp/solaxin/20050616http://d.hatena.ne.jp/sucrose/20050616http://d.hatena.ne.jp/takanabe/20050616http://d.hatena.ne.jp/take1021/20050623http://d.hatena.ne.jp/terasuy/20050615http://d.hatena.ne.jp/tetotan/20050616http://d.hatena.ne.jp/torakuro/20050621http://d.hatena.ne.jp/tot-main/20050621http://d.hatena.ne.jp/trouble/20050615http://d.hatena.ne.jp/turumasa/20050619http://d.hatena.ne.jp/uboshi/20050615http://d.hatena.ne.jp/ululun/20050615http://d.hatena.ne.jp/ululun/20050625http://d.hatena.ne.jp/urinin/20050617http://d.hatena.ne.jp/vclub/20050615http://d.hatena.ne.jp/vndn/20050627http://d.hatena.ne.jp/walkinglint/20050617http://d.hatena.ne.jp/work_memo/20050618http://d.hatena.ne.jp/yoki0/20050623

SNSでITリテラシー底上げを」――総務省研究会 読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/net/itmedia/20050610nt07.htm
SNSでITリテラシー底上げを」――総務省研究会 ITmedia
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0506/10/news057.html

 
上記の情報フロンティア研究会報告書案で示されているとおり、個人の自律的連結によってネットワークの特性を活かした豊かな社会をつくるためには、匿名を前提にしたICT環境だけではなく実名を前提にしたICT環境との両立が必要です。そのために情報フロンティア研究会は「ICTリテラシーが必要だ」と言っているのであって、「子どもはみなブログを持て!」という読売の見出しは誤報に近い。
そもそも報告書案は「ICTリテラシー教育を受ける機会の無い成人に対してSNSやブログはICTリテラシーの涵養に役立つ」と言っているにすぎません。
 
大事なことは、匿名や実名の選択の権利やICTリテラシーの涵養は、個人の自己情報コントロール権を前提とするべきであって、匿名であろうと顕名であろうと、政府が一律に個人を統制するべきではない、ということ。
実名選択を含め、個人情報の公開のリスク負担の自由と責任は、あくまでも個人が持つ“権利”であって、政府が決定すべきことでは無いという点が重要です。
「自己情報コントロール権」の視点を持たないという意味で、情報フロンティア研究会報告書は批判される余地はありますが、同様に、実名性は絶対に排除すべきだ的な匿名性を絶対視した匿名性擁護の見解も批判されるべきでしょう。
 
個人のインターネットの自由を奪い管理統制的な秩序を求める規制推進者にとってみれば、ネットワーク社会がこの先もずっと「匿名者ばかりのならず者の犯罪者ばかりで構成されている危険地帯」である方が管理統制しやすいと考えていることは間違いありません。
インターネット規制を今後もずっと続けることで利権を貪るダニ連中たちは、インターネットをずっと不健全化させておきたいでしょうから、情報フロンティア研究会をバッシングしておこうじゃないか、などと考えていたとしても不思議ではありません。
情報フロンティア研究会に対する一部報道のバッシングは、インターネット規制派たちの思惑に適った釣り記事の可能性があるのではないか、と私は推測しています。考え過ぎならそれにこしたことは無いのですが、なんせついこの間まで読売の論説委員国家公安委員会の委員だったわけですし。*2
 
日本で形成されたネットワークコミュニティが海外と異なり匿名性が優位になっているのには理由があって、電電公社情報通信産業独占体制が終り、ネットワーク事業が解禁されニフティサーブPC-VANが作られた時…今からちょうど20年前のことですが、政府が情報通信事業を普及させ採算レベルにのせるために、かなり強引に匿名性を重視したネットワークシステムを作らせたことがその遠因です。
電電公社が独占していたネットワーク事業を解禁した当時、郵政省は、リスク管理を政府が一括統制し、SNSのようなサービスを二種電気通信事業から原則排除しました。当時は、SNSのようなサービスでは普及が進まず採算もとりにくいと判断されていたからです。
原則匿名のネットワークは「無責任で安心安全」であったこともあり、新規開拓分野だったネットワーク事業でユーザー数は急速に増えましたが、「責任の無い限定的な自由」を求めるユーザーが増える一方で、「責任を負うことで得られる無限定な自由」を求める人たちの忌避を誘った事実は、情報フロンティア研究会が指摘した通りです。
そして、匿名性が優位の状態のままインターネット元年を迎え、インターネットにおける情報環境は日本だけが匿名性優位でスタートしてしまいました。これではマズイと思った政府は、刑法改正に始まり、電気通信事業法改正、プロバイダー責任法改正、サイバー犯罪対策法などなど、かなり強引に「監視と制裁」を実施し、“政府管理のもとで限定的に享受される自由”政策を加速していきました。
しかし、みなさんご承知の通り、そうした他律的な規制によって匿名性は衰えることは無く、監視と制裁だけではネットワークの長所を産業で活かしきれないことに今ごろになって気づいた政府(の一部官僚)が、「採算優先で匿名性や管理を優先させたのはやっぱりマズかったなぁ」と反省して、政府内権力闘争の結果、実名使用を含めた自律的秩序環境を整え始めた、というのが今回の「情報フロンティア研究会」の報告書までの顛末です。
 
要するに、情報フロンティア研究会報告書は、電電公社の民営化を端に発した、目先の業界利益しか考えずに行き当たりばったりの政策をしてきた政府の失政の“尻拭い”のようなものではないかと。
 
遅きに失した感があるとはいえ、官僚が自らの政策の不始末を“尻拭い”をした「情報フロンティア研究会」報告書は率直に評価されるべきではないかと私は考えます。(ただし、総務省の有害情報規制の例のように、この報告書を悪用する反対勢力が政府内にいるので注意は必要です。)
 
報道言及について、少しだけコメント。
 

http://d.hatena.ne.jp/hirofmix/20050617
しかし「サイバースペース上で実名又は特定の仮名で他人と交流することを自然の術として身につけるための教育が必要である」っていうのはすごいな。日本はこれから子どもたちに引きこもりの術でも教える気か。いやそれは極端だが、いきなり悪意の含まれるネットと云う世界に向かって、そう易々と実名さらけ出せるかボケ。逆に実名も気安く出せるような安全なネット社会にしていくっていうのは管理がきつそうで異常につまらんぞ。基本的にインターネットは便所の落書きなんだからさ(笑)。

 
このコメントに私は同意はできませんが、面白いですね。
本人は気づいていないと思いますが、実名発信によるリスク増大と実名発信の減少、或いは仮名によるリスク低減と仮名による悪意の拡大は、ニワトリと卵の悪循環になっていているように私には見えます。
インターネットが仮名コミュニケーション優位で便所の落書きだらけだからこそ、むしろ現実には管理がどんどんきつくなって、管理がキツイからますます仮名コミュニケーションが増えて悪意が優位になるという悪循環。(便所の落書きが悪いと言っているわけではありません。)
今、国会では、私は「事前盗聴制度」と呼んでいますが、ネットサーバにアクセスログが完全に残させ警察がいつでも過去に遡って本人の足取りを追えるようにできる法案が提出され実質審議に入っています。が、いまのところ反対しているのは社民党共産党だけという状態で、8月の会期末に成立してしまう可能性が高い。となると、悪循環はさらに深まることになるでしょう。
 

http://d.hatena.ne.jp/kitano/20050623/p1

 
悪循環を受け入れ諦めるか、それとも逆転の発想ができるか。その判断の相違が、情報フロンティア研究会報告書の評価に対する見解の相違にもなっているのかもしれません。
 
さて、ここまで総務省の一部のリベラルな官僚の成果を評価してきたわけですが、総務省の別な官僚がリベラルな官僚の成果をメチャクチャにしてしまうような「有害情報対策」を展開していたりして、なかなか頭が痛い状況になっています。
官僚の派閥の動向は、官僚ウォッチングを続けている私でも把握し辛い世界ですので、どの官僚がどんな考えを持っていて、どんな勢力争いを霞ヶ関で展開しているのかといった情報は見えにくい。総務省vs警察庁総務省vs経産省、という対立構造のほかに、省内でもいくつかの派閥がありそれぞれに権力闘争しているので「この派閥とこの派閥がこういう政策をめぐって闘っています」という具合に二項対立構造でスッキリ説明することが難しいことも、頭痛の種です。
というわけで、政権内権力闘争の問題が未解決なまま、総務省の有害情報対策問題に続きます。
 

総務省:有害情報判定委員会創設
http://d.hatena.ne.jp/kitano/20050627

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■追補(2005.07.01)
 

「情報フロンティア研究会」報告書の公表
http://www.soumu.go.jp/s-news/2005/050628_7.html
(別添資料) 情報フロンティア研究会報告書骨子(PDF)
http://www.soumu.go.jp/s-news/2005/pdf/050628_7_01.pdf
情報フロンティア研究会報告書(PDF)
http://www.soumu.go.jp/s-news/2005/pdf/050628_7_02.pdf

最終報告の本文(「案」がとれたもの)が公開されましたので、リンクを張っておきます。
前記論旨を変更しなければならないほどの変更は確認されていません。

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*1:ICT:Information and Communication Technology

*2:今は産経新聞論説委員が読売の国家公安委員ポストを引き継いでいます。 http://d.hatena.ne.jp/kitano/20050318/p2