水島議員:性犯罪問題のアイルランド専門家と懇談

 

水島広子衆議院議員(民主党衆議院青少年問題特別委員会民主党筆頭理事)
水島広子の国会報告メール
http://backno.mag2.com/reader/Back?id=0000056084
No.222 2005.3.12発行
http://backno.mag2.com/reader/BackBody?id=200503120950000000056084000

性犯罪問題のアイルランド専門家と懇談
3月7日、「ECPAT/ストップ子ども買春の会」の主催で、COPINE(ヨーロッパにおけるペドファイル小児性愛者)情報ネットワーク根絶)プロジェクトの副代表であり、インターネット上の子どもポルノ調査、被害防止のための介入、加害者への治療研究等に携わっておられるEthel Quayle博士(臨床心理学)を迎えての意見交換会が開かれました。
Quayle博士は、夫のMax Taylor教授と共に、外務省主催のオピニオン招聘プログラムで来日されました。
COPINEプロジェクトというのは、1997年にアイルランド・コーク大学内に設立されたもので、インターネット上のポルノグラフィーと児童に対する性的暴力の調査、実態の分析を行い、防止策として加害者の心理を分析、加害者に対する刷新的治療法を開発しています。
COPINEはEU等の財政支援の下、この専門分野での世界的に主要な機関として知られています。
Qualyle博士との懇談で改めて確認しましたが、やはり一部の人にとって、児童ポルノの写真を見れば見るほど、性犯罪を起こす確率が高くなるというのは事実です。
性犯罪者本人や、一般人の中にも、「児童ポルノがあるから、自分は本当の罪を犯さないでいられるのだ」と言い張る人がいますが、それは全くウソなのです。
性犯罪の予防という観点からも、やはり児童ポルノの規制は必要だ、というのが私たちの結論です。

Taylor教授に、法律の実効性を持たせるにはどうしたら良いか、ということを質問すると、「法律だけでなく、市民社会との協調が必要。市民社会の中では、インターネットプロバイダーやクレジットカード会社が重要な役割を果たしうる」というお答えでした。

 
児童ポルノがあるから、自分は本当の罪を犯さないでいられるのだ」という主張をした人がほんとうにいるのか私は知りませんが、児童ポルノが何を指しているのかにもよりますが、「会社の金を横領することで銀行強盗しないでいられる」と言っているような矛盾した意見であり、Qualyle氏に指摘されるまでもなく説得力は無いです。
ただ、実在しないキャラクターのポルノグラフィを作ったり観賞したりすることを「児童ポルノ」と呼ぶ場合は、そもそも児童人権犯罪ではありませんので、「自分は本当の罪を犯さないでいられるのだ」という主張には道理があるだろうと思います。というか、実在しないキャラクターのポルノグラフィは法律的な意味で児童ポルノではないので「児童ポルノ」の呼び方は不適切だと思います。
という意味では、誰の意見なのか不明ですが、「児童ポルノがあるから、自分は本当の罪を犯さないでいられるのだ」という意見は、水島議員に誤解を与えているおそれがあります。
「法律の実効性を持たせる」と書いているように、水島議員は現行法の実効性に着眼しており、現時点ではまだ改正を前提に議論しているというわけではなさそうです。
水島議員はこの発言の前に、こういうことも書いていました。
 

水島広子の国会報告メール No.215 2005.1.22発行
http://backno.mag2.com/reader/BackBody?id=200501221250000000056084000

また、一つの焦点が性犯罪防止策でしょう。奈良で、多くの人を震撼させる事件があったばかりです。私も、被害に遭われたお子さんと同じ年の娘を持つ親として、すべての子どもたちの安全を確保することの必要性を痛感しています。
政府は、性犯罪の前歴者による再犯の防止策として、警察に前歴者の居住地を把握させる方針を固めています。
また、刑事施設及び被収容者の処遇等に関する法律案を提出し、その中で、性犯罪者への再犯防止教育義務化等をはかることを予定しています。
小児性愛(Pedophilia)というのは、精神障害として位置づけられています。アメリカでは、治療の効果も報告されていますが、日本では専門家がほとんどいないのが現状だと思います。
小児性愛は、性嗜好異常に分類されますが、克服しつつある人の話によると、嗜好は嗜好として残っても、行為に移すことは子どもに対する人権侵害であり虐待なのだと自覚することで、行動をコントロールしていくそうです。自分の行動を社会の中できちんと位置づけられるということでしょう。そのためには、社会の中で孤立させないということも重要なのだと思います。
いずれにしても、専門家不在のもとでは、行動のコントロールも、サポートシステムの構築も、難しくなります。審議の中では、日本における専門家不足が大きな問題になるでしょう。効果的な矯正教育を行うためにも、国際的な知見を踏まえた専門家が必要です。
日本における「専門家不足」は、引きこもりなど、いまや多くの人が共有する問題についても言えることです。また、専門家がいても、それを厚みをもって発展させていくことがしにくい現状もあります。「改革」とは、むしろこういう領域にこそ必要だと思うのですが。
性犯罪防止策については、いろいろなご意見があると思います。皆さまのご意見や情報をいただきたいと思っておりますので、ぜひ、ふるってご意見をお寄せいただけますようお願いいたします。

 
見解はともかく、「意見をください」と言う水島議員の姿勢は評価できます。是是非非で冷静に対応しましょう。
対話を望む議員には対話を。対話を拒む議員には実績の評価を。
 
以下水島議員関連ログ。
 

邦人人質事件・民主党の対応
http://d.hatena.ne.jp/kitano/20041028#p2
テレ朝番組でキレたハマコー机を蹴りたおす
http://d.hatena.ne.jp/kitano/20040918#p2
水島議員、有害情報排除政策のマニフェスト化を自画自賛
http://d.hatena.ne.jp/kitano/20040724#p2
盗聴法廃止請願が法務委員会に付託されました
http://d.hatena.ne.jp/kitano/20040222#p1

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