児童ポルノ法改正論議再燃?

 
最近、日本における児童ポルノ法改正論議で英国など欧州でのポルノ規制が注目されている背景には、合衆国児童オンライン保護法(Child Online Protection Act:COPA )が合衆国最高裁違憲の疑いで施行が凍結されるなど、かつて規制先進国であった合衆国で加熱した制度規制が司法判断により落ちついている政治状況と関係があるように思われます。
 

最高裁、インターネット性表現検閲法を凍結
http://d.hatena.ne.jp/kitano/20040629#p1
Supreme Court keeps Net porn law on ice
http://news.com.com/2100-1028-5251475.html
ネット上のポルノ規制は違憲〜米最高裁判決
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2004/06/30/3701.html
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040630-00000002-imp-sci

 
合衆国の規正法の凍結などを「規制のバッククラッシュ」として悪く評価する向きもあるようですが、法廷闘争で規制の既成事実を作ろうとした規制勢力の思惑が外れただけで、法廷闘争に持ちこまざるを得ないような規制を作っていることの方が問題でしょう。
 
以下、「アイルランド専門家」エセル氏についての関連情報。
 

児童ポルノ視察で来日したエセルさん
[顔]児童ポルノのはんらんに目を光らせる エセル・クエールさん - 読売新聞 
http://www.yomiuri.co.jp/komachi/news/20050311sw31.htm

数年ぶりの日本。東京・秋葉原周辺を案内されて驚いた。「幼児ポルノ漫画を扱う書店がこんなに多いなんて。内容はグロテスクで見るに堪えない。イギリスならすぐ逮捕です」
英国出身の臨床心理学者で、アイルランド・コーク大教授のエセル・クエールさん(52)。児童ポルノに関するシンポジウムで来日、欧州連合(EU)の対策を報告した。規制が厳しい欧州では、漫画など印刷物やビデオを売る店は街角から消えた。だが、インターネットのわいせつ画像には日本同様、頭を悩ませる。
EUの支援で進めるCOPINE(コーピン=「欧州における小児性愛者情報ネットワークとの闘い」の意)プロジェクトでは、子どもに対する性犯罪の受刑者に面接調査も実施。各国の関係機関から今、最も注目されている。

言及ダイアリー
http://d.hatena.ne.jp/http?//www.yomiuri.co.jp/komachi/news/20050311sw31.htm

http://d.hatena.ne.jp/Ayunn/20050314http://d.hatena.ne.jp/buyobuyo/20050314http://d.hatena.ne.jp/kaien/20050314http://d.hatena.ne.jp/taron/20050314http://d.hatena.ne.jp/okumuraosaka/20050313http://d.hatena.ne.jp/fakir666/20050313http://d.hatena.ne.jp/bullet/20050312http://d.hatena.ne.jp/aokara/20050312http://d.hatena.ne.jp/CAX/20050311

 
「内容はグロテスクで見るに堪えない」といった主観的意見は、科学的見識とは無関係であり、単なる価値観の違いにすぎず、多くの人が疑問を感じるのは当然のことだろうと思います。
 

インターネットと子どもポルノ被害 
http://www.mainichi-msn.co.jp/kurashi/kokoro/topics/news/20050311org00m100043000c.html

子どもポルノを見ることと、犯罪の因果関係はないとする考えもあるが、米国ではポルノを見ている人の76%が子どもとの接触犯罪を犯したという調査結果がある。ただ、私たちの調査では40%、一部では12%という結果もあり、調べ方によって数値がまちまちだ。
イギリスの心理学的プロファイルによると、子どもポルノをインターネットで見たことのある性的犯罪者43人の平均年齢は42歳。そのうち60%が結婚するかパートナーと同居していて、31%が週1回程度、子どもと接触する環境にあり、70%が女性のポルノ写真も収集していた。その結果、子どもでないと性的欲求を満たせないという性倒錯者ではないことがわかった。また、これらの犯罪者は、傾向として親しい人間関係が築けない、感情のコントロールができない、いまストレスを感じる状況にあるという結果が得られた。

 
「米国ではポルノを見ている人の76%が子どもとの接触犯罪を犯した」という統計はソースが不明です。誰をどれくらいサンプル母数としているかなど、統計の調査前提が明示されないまま、数字だけをセンセーショナルに伝えても意味がありません。
子どもポルノをインターネットで見たことのある性的犯罪者43人」は、子どもを対象にした犯罪者だけではないのでしょうから、一般性犯罪の議論であって、子どもポルノ被害の議論とは区別すべきです。
 
COPINEのサイトはこちら。興味深い情報もありますが、統計の前提条件が開示された情報はあまり見つかりませんでした。(発見した方からいらっしゃいましたらお教下さい)
 

■COPINE( Combating Paedophile Information Networks in Europe 欧州における小児性愛者情報ネットワークとの闘い)
http://www.copine.ie/

 
以上の状況を仕掛けたと思われるECPATの情報。ソロプチミストという女性奉仕団体の財政支援を受けたシンポジウムであることがわかります。
 

ECPATのイベント告知
http://www.unicef.or.jp/osirase/back2005/0502_02.htm

主催 : ECPAT/ストップ子ども買春の会ECPAT/ STOP Japan)*1
協賛 : UNICEF駐日事務所*2、国際ソロプチミスト東京−東*3
後援 : 外務省、法務省警察庁経済産業省文部科学省厚生労働省
ILO駐日事務所*4、(財)日本ユニセフ協会*5、(財)インターネット協会*6、国際ソロプチミスト日本東リジョン*7

 
ECPATの考え方はウェブサイトとこちらの「インターネット上の子どもの安全ガイド」などで概略を見ることができます。
ECPATは「子どもポルノ」の概念をかなり広く解釈しているようです。
「合成写真でも、実際に存在する子どもの身体の大部分が描かれている場合には違法となる可能性があります」とありますが、法令解釈としてはそのように広く解釈する学説もあるようですが、現時点では、そうした解釈に基く判決は日本では例が無いのではないかと思われます。
 

「インターネット上の子どもの安全ガイド」エクパット編 改訂版
http://www.iajapan.org/ecpat/ecpatguide2004.html

子どもとはだれのことでしょうか?
子どもの権利条約」が18歳未満のすべての者を「子ども」と定義しているにも関わらず、子どもの定義は国によって、あるいは州によってさえ大きく異なります。定義は年齢によることもあれば、性的成熟の程度によることもあります。ほとんどの定義では子どもの法的年齢を13歳未満から18歳未満に設定しています。日本の「子ども買春・子どもポルノ禁止法」では「18歳未満の者」となっています。国によっては、子どもポルノ事件の起訴において子どもの年齢を特定することは求められていません。これらの国では、子どもであるという印象が与えられれば十分なのです。
欧州評議会の「子どもポルノに関するサブグループ」は、子どもポルノ法では、実際に存在する未成年者、未成年者に見える者またはそのように描写されている者、そして、未成年者の人工的またはモーフィング(改変)された画像を対象とすることを提案しています。イギリスなどでは、人工的なまたはモーフィングされた子どもポルノ写真も違法とされており、現実を写したものとまったく同様に扱われています。
日本の「子ども買春・子どもポルノ禁止法」は実際に存在する子どもの姿を描いたものだけを対象としていますが、「合成写真」(コラージュ写真)でも、実際に存在する子どもの身体の大部分が描かれている場合には違法となる可能性があります。

本ガイド英語版
http://www.ecpat.net/eng/Ecpat_inter/Publication/Other/English/Pdf_page/ecpat_onlinesafety.pdf

 
強調部分で示されているように、ECPATでさえ、日本の国内法の「子ども」の定義が、実在する児童を指していることを認めています。このことに留意し、冷静に対応しましょう。
あたりまえなことなのでいまさら書くのもアレですが、漫画やゲームのキャラクターは、原則として*8仮想のキャラクターであって実在する「子ども」ではありません。
「実在しないキャラクターにも自然人と同様の人格権があり被害者であるから、キャラクターへの暴行虐待は実在児童への暴行虐待と同様に加害者を罪に問うべきである」といったキャラクター人格侵害説?は、法律学の分野では一部の方を除いてまったく相手にされていません。あたりまえすぎて説明するのも恥ずかしい。
現行児ポ法はこちら。
 

児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律
(平成十一年五月二十六日法律第五十二号)
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H11/H11HO052.html

定義)
第二条  この法律において「児童」とは、十八歳に満たない者をいう。
3  この法律において「児童ポルノ」とは、写真、電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)に係る記録媒体その他の物であって、次の各号のいずれかに掲げる児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写したものをいう。
一  児童を相手方とする又は児童による性交又は性交類似行為に係る児童の姿態
二  他人が児童の性器等を触る行為又は児童が他人の性器等を触る行為に係る児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの
三  衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの
(適用上の注意)
第三条  この法律の適用に当たっては、国民の権利を不当に侵害しないように留意しなければならない。

 
実在児童に対する人権侵害については、少なくとも立法の上では対処済みです。児ポ法二条で規定される「十八歳に満たない者」が仮想キャラクターを含まないと解釈されます。
原則として、実在被害者の存在しない人権侵害はあり得ません。「被害者はいないが人権侵害は存在する」という議論は、言葉の自己矛盾です。
 
以前も書きましたが、児童の人権擁護とか被害児童の権利回復いった児童主体の観点ではなく、ポルノグラフィを評価する価値観そのものに「モラルの逸脱からの回復」といった社会倫理的観点を持ち出して規制を訴える立場が、いまだに存在します。
そして、そのような道徳モデル的主張を背景として、単純所持罪という刑法の基本原則からも逸脱した刑罰を作ろうとする議員がいることもまた事実です。
 

単純所持罪創設を熱く語る野田議員
http://d.hatena.ne.jp/kitano/20050306#p2

 
単純所持罪創設については、民主党内にも様々な議論があったようです。
 

民主党児童ポルノ法改正で単純所持規制を検討
http://d.hatena.ne.jp/kitano/20040411#p1

 
単純所持罪については、たとえば児童ポルノ法が審議された1999年5月12日の衆議院法務委員会で、民主党枝野幸男衆議院議員が単純所持罪について「法益侵害の対象が不明確」という立場で質疑を行っていました。
 

資料/国会/児童ポルノ単純所持規制について
http://zirr.hp.infoseek.co.jp/020202.html

第145回国会 衆議院法務委員会 第11号(1999/05/12)
○枝野委員
所持していることによって新たな法益侵害が生じていないという中で、これからは新しく持ってはいけないですよ、新しく手に入れてはいけないですよということが、この法律が通ったら施行されるとしても、それから持っていた人たちに、三年間で持っていたものを全部探し出して捨てなさいということを国家として強要できるのかといえば、やはりそこはちょっと違うのではないかというようなことを今回の単純所持の議論の中で私は申し上げたつもりでおります。

 
単純所持罪とおとり捜査の両方が成立するとどうなるかという状況想定についてはこちらで指摘しました。
 

おとり捜査判決:「機会があれば犯罪を行う意思があると疑われる者」とは?
http://d.hatena.ne.jp/kitano/20040715#p3

 
単純所持罪の創設は、おとり捜査だけではなく、制定される以前の行為を罰することは許されないとする「法の不遡及原則」という一般原則にも抵触するおそれがあり、容認できません。
単純所持罪創設を求める人たちの中には、日本人は海外で買春ツアーをやっているじゃないかといった批判をいまだにしているようですが、日本政府(外務省)は、2005年1月25日、国際連合本部において「児童の売買、児童買春及び児童ポルノに関する児童の権利に関する条約の選択議定書」(CRC選択議定書)の批准書を国連事務総長に寄託しております。
これにより、CRC選択議定書は2月24日に効力が発生されました。
 

外務省:CRC選択議定書を国連に寄託
http://d.hatena.ne.jp/kitano/20050126#p1

 
つまり、日本人が海外で児童の人権侵害をおこしたら、海外だからいいじゃないかとは言えない状況になっているわけで、指摘された問題は制度的にも解決済みであると言えます。
ちなみに、2005年3月14日に、社団法人日本旅行業協会は国連児童基金ユニセフ)などが進める「旅行と観光における性的搾取からの子ども保護に関する行動規範(コードプロジェクト)」に調印しています。
CRC選択議定書は、業界としても実効性ある対応がなさていると言えますので、「海外で買春ツアーうんぬん」の批判は当らないと思われます。
 

子ども買春の防止、国連規範に調印
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050314-00000014-yom-soci

日本の旅行客による海外での子ども買春を防ぐため、社団法人「日本旅行業協会(JATA)」は14日、国連児童基金ユニセフ)などが進める「旅行と観光における性的搾取からの子ども保護に関する行動規範(コードプロジェクト)」に調印した。
JTBや近畿日本ツーリストなど、JATA加盟の大手60社が参加。企業は〈1〉子どもの性的搾取に反対する企業倫理規定・方針を作る〈2〉国内外の社員に教育・訓練を行う〈3〉パンフレットなどで旅行客の意識啓発をする〈4〉自社の取り組み状況を毎年報告する――ことなどが求められる。
60社は日本の海外旅行客の約90%を取り扱っており、「業界を挙げて子どもの買春防止に取り組んでいく」(新町光示・JATA会長)という。
コードプロジェクトは1998年に世界観光機関WTO)や国際NGO「ECPAT」などが始め、ユニセフが後押ししている。これまでに17か国の旅行観光業者・団体が参加している。

■社団法人日本旅行業協会
http://www.jata-net.or.jp/
安全な海外旅行のヒント
http://www.jata-net.or.jp/anshin/hint.htm

日本の子供も世界の子供もその人権を守るのは大人の責任です。
「児童買春法」の遵守について
児童(18歳未満の子供)の権利を擁護することを目的に平成11年11月1日に「児童買春・児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律」が施行されました。
次の行為については国の内外を問わず本人はもとより、その法人も処罰されることになっています。
(1)児童買春等の罪(児童買春、児童買春周旋、児童買春勧誘)
(2)児童ポルノに係る行為の罪
児童ポルノの頒布、販売等、児童ポルノの所持・運搬・輸入等)
(3)児童買春等目的人身売買等
海外旅行においては訪問国の人々には礼節をもって接すること、最も守られるべき子供たちの人権についても十分に尊重しましょう。

 
CRC選択議定書に先だって、日本はサイバー犯罪条約に批准し、国内法整備(児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律の一部を改正する法律案)も既に可決成立し、施行されています。
 

児ポ法改悪委員会起草案、衆議院本会議可決成立
http://d.hatena.ne.jp/kitano/20040603#p3
児ポ法改正「委員会起草」案、衆議院青少年特別委員会で成立
http://d.hatena.ne.jp/kitano/20040601#p1
サイバー犯罪に関する条約を可決
児童買春児童ポルノ条約の選択議定書を承認
http://d.hatena.ne.jp/kitano/20040424
続・サイバー犯罪条約児童ポルノ選択議定書
http://d.hatena.ne.jp/kitano/20040320#p1
サイバー犯罪条約児童ポルノ選択議定書
http://d.hatena.ne.jp/kitano/20040318#p1
サイバー犯罪条約締結国会審議入り
http://d.hatena.ne.jp/kitano/20040316#p1
第159国会のメディア・表現規制関連立法提出状況
http://d.hatena.ne.jp/kitano/20040314#p1
買春・児童ポルノ選択議定書と児ポ法改正
http://d.hatena.ne.jp/kitano/20040302#p1

 
つまり、国内法整備は完全に終了しています。
仮に問題があるとすれば、やはり制度の立法の問題ではなく、制度の行政運用または司法判断の問題であるということです。
なぜ一部の議員たちが制度立法にこだわるのかという問題については、以前指摘しました。
 

自民党の有害情報環境規制立法の議論状況
http://d.hatena.ne.jp/kitano/20040421#p3

 
マスメディアがなぜくだらないニュースを垂れ流すのか、メディア有害論になにか根拠があるのかといった問題については、こちらを参考にしてください。
 

宮台真司氏講演:メディアの影響とメディア規制
http://d.hatena.ne.jp/kitano/20040115

 
制度の行政運用について言うと、政府は犯罪対策閣僚会議を召集し、「治安行動計画」を策定しています。
 

犯罪対策閣僚会議が「治安行動計画」を策定
http://d.hatena.ne.jp/kitano/20031219#p1

 
このように、立法が期待するような施政は、すでに政府の方針として“過剰なほど”示されています。
以上の状況からみて、現在の日本は、これ以上児ポ法を改正する環境に無いと思われます。
 
ちなみに「こどもポルノ」の危機を煽っている人たちがおそらく検討していないだろうと思われる情報をひとつ示しておきます。
 

http://www.nationmaster.com/graph-T/cri_rap_cap&int=-1

Map & Graph: Crime: Rapes (per capita)
13. United Kingdom 0.14 per 1000 people
32. Ireland 0.05 per 1000 people
54. Japan 0.01 per 1000 people

 
イギリスのレイプ事件発生率は日本の14倍、アイルランドのレイプ事件発生率は日本の5倍、という計算だそうです。
日本よりも厳しく性表現が実施されているはずの国の犯罪発生率がなぜ高いんでしょうか。漫画やおたく文化と言われているようなものが広がっている日本で、なぜイギリスやアイルランドよりも性犯罪が少ないのでしょうか。
漫画やおたく文化が強姦などの性犯罪を抑止しているとまで主張はしません。が、いずれにしても、まだ結論を出せるほど犯罪とメディアとの関係性の研究は進んでいないと考えるべきではないでしょうか。
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誤解があるようなので書いておきますが、エセル氏の主張を見てイギリスという国自体がおかしいというような認識を示している人が一部にいますが、それは誤解があるかもしれません。
最近ではこんな報道もありました。
 

性サービスの総合サイト『アダルトワーク』(上)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050310-00000005-wir-sci
http://hotwired.goo.ne.jp/news/culture/story/20050310205.html
性サービスの総合サイト『アダルトワーク』(下)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050311-00000009-wir-sci
http://hotwired.goo.ne.jp/news/culture/story/20050311209.html

 
イギリスには性表現の規制がありますが、性に関するすべてが規制されているわけではないことは、イギリスが成人の個人売春を合法化していることからも明らかでしょう。
欧州先進国は自由権にもとづく性的自己決定の論理から売春合法化をしたうえで、必要な性規制を実施しています。日本では、自由権にもとづく性的自己決定については議論さえまだ十分になさているとは言えません。
売買春を含めて性的自己決定権という基本原則を前提にもっている国の規制論を、性的自己決定権という基本原則を前提にもっていない日本で議論することは、議論の道筋として問題があると思われます。
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最近のポルノ関係報道。参考まで。
 

児童性犯罪者 再犯率15.9% 6月から出所情報
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050305-00000023-san-soci
13歳未満狙った性犯罪 出所後動向、6月から把握
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050304-00000023-san-soci
「容疑者はゲームに動機付けられた」:殺人事件の遺族がゲーム開発元を提訴
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050223-00000011-cnet-sci
出会い系関連事件減少 18歳未満の被害者千人超
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050217-00000038-kyodo-soci
性犯罪前歴者 警察庁に所在情報を提供 法務省
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050114-00000005-san-pol
警察庁に検討チーム発足 性犯罪の住所把握制度で
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050113-00000057-kyodo-soci
【中国】ポルノサイト退治で情報提供者に賞金1000元
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20041227-00000002-scn-int

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*1:ECPAT/ストップ子ども買春の会 http://www.ecpatstop.org/

*2: http://www.unicef.or.jp/ Codeプロジェクト http://www.unicef.or.jp/advocacy/app04_bod.htm Codeプロジェクトの成果例→

*3:国際ソロプチミスト http://www.soroptimistinternational.org/

*4:ILO駐日事務所 http://www.ilo.org/public/japanese/region/asro/tokyo/

*5:(財)日本ユニセフ協会 http://www.unicef.or.jp/

*6:インターネット協会 http://www.iajapan.org/ インターネットと子どもに関するページ http://www.iajapan.org/child/

*7:国際ソロプチミスト日本東リジョン http://www.sia-higashi.com/ 「5) 法制提唱   1999年施行された、通称「児童買春・児童ポルノ禁止法」は女児の人権と尊厳を守る法律としての大きな第一歩を踏み出しました。しかし、まだ改善を要する点が多々あります。施行から3年、見直しの時期を迎えました。単に「見直し」に終わる事無く、改正されるよう、108余の団体と共に(財)日本ユニセフ協会ECPAT/ストップ子ども買春の会の「改正に向けた要望書」に賛同し、現法の改正提唱を行い、今通常国会に提出の運びとなりました。」 http://www.sia-higashi.com/service/service1.htm  国際ソロプチミストアメリカ日本中央リジョン http://www.sia-chuo.gr.jp/ 同リンクページ http://www.sia-chuo.gr.jp/links/links.html 「インターネット上の子どもの安全ガイド」エクパット編 改訂版」http://www.iajapan.org/ecpat/ecpatguide2004.html など、子どもポルノ排斥運動の活動資金の多くは国際ソロプチミストの活動資金に依存しているようです。

*8:例外は、たとえば女子高生コンクリート殺人事件を描いた「真・現代猟奇伝」などごく一部ですが、この漫画は摘発されておらず、今でも売ってますし買えます。「真・現代猟奇伝」はどちらかというとルポルタージュ漫画と言うべきですので、ポルノ作品として取締りの対象とするのはいかがなものかと思います。 http://d.hatena.ne.jp/kitano/20041225