税金の使い道を納税者自身で決める市民活動支援税制


 
「1%ルール」という言葉を聞いたことがありますか?
現在の国政で税金の使い道は、政府の予算案を国会で審議して決定し、官僚が予算書の範囲内で税金を自由に使えることになっていますが、「1%ルール」というのはそういう審議手続き無しに納税者が自分の納める税金を何に使うかを決定する制度で、税額の1%までの範囲であらかじめ決められた選択肢の中からその使い道を納税者自身で決めることができるという制度です。
 

NPO と寄付税制・財政支援
石田祐(大阪大学大学院国際公共政策研究科博士後期課程)
http://www.policy-net.org/messe2004/ishida_yoshi.pdf
http://www.policy-net.org/messe2004/ishida_full.pdf

2.2.3 日本の地方自治体における1%方式―千葉県市川市の事例から
現在日本において、ハンガリーで実施されている1%方式を、NPO活動の支援のために導入しようとしている自治体がいくつかある。そのうち、先進的に検討している中で、実施が決定しているのは現在、千葉県市川市のみである。2005年度から「市民活動支援制度(仮称)」が導入される。
基本的にはハンガリー1%方式と制度は同じである。納税者が希望すれば、自らが選択する市内のボランティア団体ないしはNPO法人に、納税者自身の市民税の1%を移転することができる。ただし、異なる点もある。1つは資金源であり、もう1つは対象団体である。ハンガリーの場合は国単位で制度が成立しているため、所得税の1%であった。片や、市川市地方自治体であり、地方税である市民税を資金源としている。対象となる活動は、福祉・環境・文化・スポーツ・青少年育成などの公益的な分野に限られる。
概算ではあるが、市川市には約22万人の納税者から約300億円の市民税を徴収している。たとえば、すべての納税者が1%制度を使うと、予算規模はおよそ3億円となる。納税者1人当たりの平均納税額は約13万円となり、納税者個人の貢献は1,300円程度である。
住民で作る審査会で、支援先としてふさわしい団体を決定し、公表する。
日本における1%方式の適用可能性についてであるが、ハンガリーは日本と同様に源泉徴収制度であることから、一つ大きな障壁を乗り越えているのではないかと考える。寄付に対する税控除は申告納税制度の国では処理が比較的身近なものであるが、日本のように源泉徴収制度に依存している場合、確定申告を改めてする必要がある。したがって、寄付が促進されにくいことが考えられている。いま1%方式においてはその点を乗り越えることが先行事例から可能であると判断され、日本においても1%制度を導入することは技術的には可能であると考えられる。とくに、地方自治体単位で実施することは制度的な変化が国単位でやるより小さく現実的である。
地方税という性格上、その地域での活動を担うNPOに限定されることは自然な成り行きではあるが、行政区を超える活動を行うNPOや国際的な活動を行うNPOには、1%資金が移転されてこないことになる。したがって、1%方式の充実とともに税控除方式の整備もNPOの発展のためには必要不可欠であると考える。

 
「1%ルール」を実施している市川市の情報。
 

市川市
http://www.city.ichikawa.chiba.jp/
市川市 市民生活部 ボランティア・NPO活動推進課
http://www.city.ichikawa.chiba.jp/net/siminsei/volunteer/
市民(納税者)が選ぶ「市民活動団体支援制度」の概要
http://www.city.ichikawa.chiba.jp/net/siminsei/volunteer/nouzei.htm
市民(納税者)が選ぶ「市民活動団体支援制度」 に83団体が応募!
http://www.city.ichikawa.chiba.jp/net/siminsei/volunteer/nouzei2.htm
「市民(納税者)が選ぶ市民活動団体支援制度」応募(申請)団体一覧
http://www.city.ichikawa.chiba.jp/net/siminsei/volunteer/nouzei2.htm
ボランティア・NPO活動センター行徳 オープン!
http://www.city.ichikawa.chiba.jp/net/siminsei/volunteer/center.htm
市川市例規
市川市納税者が選択する市民活動団体への支援に関する条例
http://www.city.ichikawa.chiba.jp/net/siminsei/volunteer/data/jyourei.pdf

(目的)
第1条 この条例は、納税者が選択する市民活動団体に対し、納税者の個人市民税額等を考慮して定める市川市市民活動団体支援金( 以下「支援金」という。) を交付する制度(以下「市民活動団体支援制度」という。) を設けることにより、市民の納税に対する意欲を高めるとともに、市民活動団体の活動の支援及び促進を図り、もって市民の福祉の増進に資することを目的とする。
(納税者の選択等)
第7条 納税者は、規則で定めるところにより、支援したい支援対象団体を1団体選択し、その旨を市長に届け出ることができる。ただし、特定の支援対象団体を選択することを希望しない納税者は、市川市市民活動団体支援基金に積み立てることを選択し、その旨を市長に届け出ることができる。
第8条 支援対象団体は、納税者の支援を得るために、過度な広報活動又は不正若しくは不当な行為をしてはならない。
2 納税者は、支援対象団体に対し、自らが利益を受けるために、不正又は不当な働きかけをしてはならない。
(支援金の額)
第10条 支援対象団体に交付する支援金の額は、第7条第1 項本文の規定により当該支援対象団体を選択した納税者の前年度の個人市民税額の1 パーセントに相当する額を合計した額( その額が支援対象事業に要する経費の額の2 分の1 に相当する額を超えるときは、当該2分の1に相当する額)を限度として、予算の範囲内において市長が定める額とする。

市川市納税者が選択する市民活動団体への支援に関する条例施行規則
http://www.city.ichikawa.chiba.jp/net/siminsei/volunteer/data/kisoku.pdf

(納税者の支援したい支援対象団体等の届出の方法)
第4条 条例第7条第1項の規定による届出は、支援対象団体等選択届出書(郵送用)(様式第6 号(その1 )) を郵送で市長に提出することにより行うものとする。ただし、市長が適当と認めるときは、支援対象団体等選択届出書(窓口提出用)(様式第6 号(その2 )) を市長が指定する場所に提出することにより行うことができる。

市川市議会
http://www.city.ichikawa.chiba.jp/gikai/index.html
平成16年12月定例会議案等の審議結果一覧
http://www.city.ichikawa.chiba.jp/gikai/teirei/0412/gian_k.htm

議案第41号 市川市納税者が選択する市民活動団体への支援に関する条例の制定について 多数可決*1

市川市議会会議録
http://www.city.ichikawa.chiba.jp/public/gijiroku.nsf
2004年9月定例会2004/09/27第10日目
本島彰企画部長答弁

私の方からNPOの施策についてご答弁させていただきます。
 この市民活動支援制度につきましては、この制度のヒントとなったのが、平成14年10月にNHKの番組で、ハンガリーの1%制度の紹介でありました。これは全国のNPOなどの間で非常に反響を呼んだようであります。
本市が本格的に検討を始めたのは昨年の秋でありまして、それ以降、当初は企画審議監会議の中での検討テーマとして、また、今年度初めからは税部門とかNPO、ボランティア活動担当など課長クラスの検討会を、そして今年度になりましてからは情報システムや法務担当も加えたチームで検討してまいりました。さらに、6月になりまして関係部門の次長クラスを中心にした組織により集中的に議論してまとめてまいったものでございます。
団体にとっての市とNPO団体の協働ということでございますが、この考えている制度につきましては、市民活動の活性化と納税者意識の高揚という2つの面を持っておりますので、一方的にNPOなどの団体側から見ていただきたくはないと思っております。
それでも、団体にとって財政的な支援を超えまして、さまざまな形で効果があるものと考えております。その1つが活動のPRであります。
今考えている実施方法の中では、応募した団体は広報の一定紙面を自由に使ってPRすることができることを考えております。ちょうど選挙公報のように、団体の作成した原稿をそのまま写真製版して掲載するような形でもあります。もちろん同様のものをホームページにも掲載したいと考えております。ということは、団体は、広報紙や市のホームページ上で活動をPRができるわけです。このことは、単に団体が市民に向かって支援を呼びかけるためだけではなくて、これまで余りNPOなどの活動に関心のなかった市民が、さまざまな市民活動の存在を知ることになると思います。
このように、市民活動に関心を持つ人がふえてくることが、将来的には市民活動を市民が支えるという構図に結びついてくるのではないかと考えています。その意味で、今回のこの制度の評価は、納税者の何割が参加し、どのくらいの支援が集まったかということだけではなくて、市民活動に関心を持つ市民がどのくらいふえたかということこそ重要ではないかと思っております。
また、活動をPRするための公開プレゼンの開催によりまして、団体相互の理解や、よい意味での競争が生まれたり、活動報告することによりまして団体の活動が一層透明性を増し、市民活動団体自体の活動をより活発にするとともに、市民にとってもより身近な存在にしていくのではないかと思っております。このように、この制度の実施に伴い、団体にも多くのメリットが生まれるものと考えております。
市民活動支援のあり方でございますが、今年度の支援金交付先を決める公開プレゼンが5月8日に行われました。そのときに参加者にアンケートを行いましたところ、「公募型補助金についてどう思うか」という問いに、「よい」が89%、「よくない」が0%と圧倒的な支持がありました。「支援金の上限額10万円が適当か」という問いには、「ちょうどよい」という答えが47%、「低い」が36%となっておりました。
また、7月から8月にかけまして実施しました市民活動団体を対象としたアンケートでも、「市からボランティア団体、NPOなどへの財政支援をどう思うか」という問いに対しまして、「財政支援は必要である」が74%と圧倒的に多く、団体の多くが財政的には苦しい状況を反映しております。
このように、財政的には支援を必要としている団体が多いわけですが、だからといって行政が支援し続けることが好ましい形であるとは思えません。NPOを初め市民活動の団体に対しまして、市民が支える構図になるべきであると思います。ですから、財政支援も、市民から団体への直接的な支援、例えば寄附のような形が日常的になってくれば理想だというふうに思っております。
本市の市民活動支援制度は、単に市民活動団体への財政支援をするものではなくて、市民と行政との協働の視点に立って、行政の手が届きにくい部分、行政よりきめ細かく行える部分などを市民活動で担っていただこうというものであります。それは、決して市民活動を行政の下請にするのではなくて、自主性を尊重しながら、まちづくりの中で市民活動としての役割を担っていただこうというものでございます。このように、市民活動支援制度と、また同時に創設しようと思っております市民活動支援基金によりまして、市民が市民活動を支えるという構図ができ上がっていくきっかけになればと考えております。
次に、税制優遇の件でございますが、ただいま申し上げましたように、市民活動を市民が支える、その1つのスタイルが団体への寄附であります。NPOへの寄附は非常に限定的な団体ですが、国税である所得税の算定に控除が認められておりますけれども、住民税には現行制度ではありません。これを現行税制のもとで何とか控除できないかということで考え出されたのが、ご質問者もおっしゃいました、いわゆる杉並方式で、この杉並方式と同様の制度を実施する自治体もふえております。
杉並区では、NPO法人に個人が寄附しても控除の対象にならないけれども、区に寄附すれば控除の対象になることに着目いたしまして、区に支援基金を設けて、そこに寄附を募り、それをNPO法人に流すという基本的な仕組みを持っております。この際、団体指定の希望を付して寄附もできるものです。
しかし、その希望は交付の際、参考とされるもので、必ずしも希望どおりとはならないことが条件となっているようです。杉並方式はNPO支援に係る税制優遇を認めようとしない国に対するささやかな抵抗ではないかと思いますが、非常に注目を浴びている割には、実績が伸び悩んでいるということも聞いております。
同じような制度を15年度から港区や浜松市も行っております。しかしながら、寄附は思うように集まっていないようでございます。
このような優遇措置をしても寄附金がふえてこない理由といたしましては、もともと寄附をする側は税金を安くしようとして寄附をしているのではないということもあろうかと思いますし、また、仮に税金が安くなることが引き金になるとしても、寄附金控除が住民税の場合は10万円を超えた分に適用されるということで、しかも、所得から控除しても税額に反映される額になると少額になってしまうということがあると思います。
このように、先行している他市の例を見る限り、この制度が寄附をふやす動機づけに必ずしもなっているとは思えませんが、市民からの寄附の受け皿があるということは非常に重要であると思います。
本市では、新しい市民活動支援制度の中で市民活動支援基金を設置いたします。この基金は団体への補助額のオーバー分の受け皿としてだけではなくて、市民からの寄附の受け皿にもしていく考えです。
その際、杉並区のように団体を指定した寄附も受け入れるかということにつきましては、実施にやぶさかではありませんが、今回の制度と同時にスタートした場合には、納税者が選ぶ支援制度が市民税の1%を寄附すると勘違いされないかということを懸念しているわけであります。
そんなわけで、スタートの時期につきましては、本制度をスタートさせた後で検討したいと思いますので、いましばらく検討の時間をいただきたいと思います。ご理解をお願いいたしたいと思います。
 以上でございます。

2004年9月定例会2004/09/27 第10日目 高橋亮平議員

フォーラム市川の高橋亮平です。通告に従いましてご質問させていただきます。
・・・・
次に、NPO施策についてです。
 ①として、市民税の1%を納税者が選択できるシステムの経緯と問題点についてお伺いいたします。
6月議会の一般質問で杉並区を例に挙げ、基金をつくってNPOを支援するシステムを提案したところ、早速7月に、私が提案したものと同様の施策が発表されたことはうれしく思います。しかし、まだまだ不十分な施策だと思いますので、その点についてご質問させていただきます。
既に先順位者も質問していますので、質問は省略しますが、この市民活動支援制度は、法律等との整合性については、まだまだ不鮮明な部分もあり、こういった部分については、条例案作成の段階でしっかりとクリアできるようにしていただきたいと思います。これは要望としておきます。
また、この制度は、長期的にはいいものになっていくのではないかと思いますが、短期的に見た場合、市民税の1%という不確実な額にしたことで、これまでの助成制度より額が下回る可能性もあるほか、市民の皆さんの声を反映できる反面、従来の助成制度のようには市の意向を反映しにくくなります。行政と市民活動の協働はどのように補完されていくのか、お答えください。
②として、今後のNPOへの支援についてお伺いいたします。
6月議会の際に杉並方式を提案させていただきましたが、今回の市民活動支援制度というのは、市民の意向を反映はしていますが、税金の市民への再配分という形を抜け出していません。
NPOを初め市民活動を育成し、生かしていくためには、行政がNPOを支援するという形ではなく、本来あるべき市民がNPOを支えるという構造をつくらなければなりません。
本市の市民活動支援制度も、杉並区と同様に基金を使った制度であります。この基金に市民からの寄附も加え、さらには税制優遇をする形にすることで、全国の中でも最も進んだNPO、市民活動施策にすることができるのではないでしょうか。この杉並方式をあわせて実践できないか、お答えください。
NPO立県を目指す千葉の中でも、その中心的な役割を担える都市モデルをつくっていくことを期待します。

2004年9月定例会 2004/09/28 第11日目 小岩井清議員

フォーラム市川の小岩井清です。通告をいたしております順序に従いまして一般質問をいたします。
・・・・・・
質問の第2点は、納税者が選ぶ市民活動支援制度についてであります。この点につきましては、先順位者2名の議員から質問がありましたので、通告をしてございます制度の目的、仕組みについては省略をさせていただきます。
制度の問題点についてであります。市長の予算編成権の制約について市民税の目的税化にならないかということについて、税額免除、あるいは控除等も言うことになると思いますが――ではなく、補助金とすることについて、そして、市議会の権限を制約することについて。さらに、先順位者に、歳出について政策のルールづくりと答弁がありました。あわせて千葉市長の政策の条例化という意味だと思います。これは次期市長の制約をすることにならないかということについての質問も明確になっておりません。このことについてもお答えをいただきたいと思います。
この条例化について、7月24日、各紙は一斉に報道しました。悪用の問題点を指摘した紙面もありました。NPO法人に事務所を貸したり、物品を納入したりしている納税者がその団体への補助を否定すれば、結果的に納税者本人に還流しかねないという問題が生じる。さらに、高額納税者がこの制度を悪用し、結びつきの深い特定団体だけが利益を得るという懸念もあると指摘をした紙面もありました。私が考えても、まだまだ悪用がされるのではないかと思われる事例がたくさん想定をされます。この事例、条例化に向けてどのように対応するのかご答弁をいただきたいと思います。
さらに、条例化に向けての総務省見解であります。各報道機関は総務省に問い合わせをして記事になっております。財政力があり、法令の範囲内であれば問題がないという、そういう記事を掲載した紙面もありました。市も総務省見解を受けたはずでありますから、この点について伺いたいと思います。
さらに、実施に向けた今後の具体的対応についてもあわせて伺います。

 
市川市の「市民活動団体支援制度」の動きを一番警戒しているのはやはり政府・総務省でしょう。
総務省NPOに税制優遇が無いNPO法を所管していますが、これはNPOには法人格を与えるという飴を与える一方で税制優遇を排除したり定款管理をすることでその成長を国家が抑制するという鞭を使い分けている側面があります。
国家のお財布=税金の使い道はあくまでも政府の官僚が実質的に握らなければならないと考えている官僚(にコントロールされている与党政治家)にとって、税金の使い道を国民が決めるような制度や仕組みは好ましくない。国家権力は官僚の所有物であり、税金は官僚の私物でなければならない。そう官僚たちは考えている。
だから、市民自身で税金の使い道を決め市民活動にお金が渡すような市川市の制度に警戒しているのでしょう。
という背景を考えると、総務省市川市の中で「市民活動団体支援制度」に好ましからざる気持ちを抱いているであろう人物をとりこみ、「おとなしくオレ言うことを聞けば面倒みてやる。反抗するならつぶしてやるぞ。」という意図で市川市を内部から分断させようとしているとも解釈できるような人事を実施していることも頷けます。
 

総務省独立行政法人評価委員会委員名簿(平成16年11月22日現在)
http://www.soumu.go.jp/singi/0424c.html

専門委員 大場亨 市川市建設局道路交通部道路管理課主任

 
ちなみに日本共産党市川市議団は「納税者が選択する市民活動団体への支援に関する条例」に反対しており、その理由は「市民合意が十分図られず、公平性の立場からも問題が多い」というものです。
 

日本共産党市川市議団
http://www.yuiyuidori.net/shigidan-ichikawa/
市議会報告1月16日号(2) No.181
http://www.yuiyuidori.net/shigidan-ichikawa/ichi_01_shigikai/houkoku2005/h0116_2.html

12月市議会では「納税者が選択する市民活動団体への支援に関する条例」が提案されましたが、日本共産党は反対しました。
自分の納めた税金の1%を支援したい団体を選択することができる、全国で初めての制度にマスコミも注目しました。私たちは市民団体への支援は必要であり、もっと拡充すべきだと考えています。しかし、今回の条例は市民合意が十分図られず、公平性の立場からも問題が多いと考えています。

 
市川市条例案が完全なものではないという見方には一理あるのでしょうが、しかし公平性を主張するなら、納税者の税金の使い道があまりにも納税者の期待からかけ離れているという現実や、市民運動の支援と言いながらNPO法では税制との連動が無いという世界的に見ても異常な市民運動支援法体系となっている現実こそ不公平と言うべきでしょう。
公権力を通じた税金の分配“だけ”が税金の公平な分配を担保するという考え方がもし日本共産党市川市議団の市議にあるのだとすれば、それは総務省自治官僚たちや自治族議員たちと発想や思考が同じではないでしょうか。
地方自治の税制も含めて日本の税制は財務省総務省が握っているわけで、地方都市だけでどうにかなるものではありません。だからこそ、そういう国家規模の歪みを地方から崩していく礎として、大局的な見地から「市民活動団体支援制度」を考えてゆくことが必要だと思います。自民公明が「市民活動団体支援制度」に同意したことをむしろ改革チャンスと考えるべきでしょう。
 

テンネン日記
http://www.geocities.jp/oyassannsabu/
先進市協働条例集
http://www.geocities.jp/oyassannsabu/siryouhtml/siryoumei.html

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*1:全会一致ではなく多数可決になっているということは、議会内に条例案の反対者がいたことを示しています。