報ステで石原都知事暴言「表現の自由を定めた憲法に歴史的正統性は無い! 憲法破棄を決議しイラク派兵を続けよ!」


 
かつて美濃部都知事から「ファシスト」と指摘され知事選挙に落選したことのある石原慎太郎氏が、11月8日の報道ステーションに出演し、古館キャスターと対談しました。
石原氏は、対談の中で、「拉致された人はたぶん死んだよ」などの暴言の他、表現の自由を定めた憲法に歴史的正統性無い! 憲法破棄を決議しイラク派兵を続けよ!」といった発言もしていました。
以下、公務員として憲法遵守義務が課されている石原氏の、公務員としての資質・正統性を考える資料として、憲法に関する石原氏の言及について記録し、公開します。

古舘 大変といえば石原さあん。
2004年11月8日報道ステーション石原慎太郎対談
石原 なんですか。へへへっ。
古舘 まーあのイラクが非常事態宣言から戦争状態突入ですよこれー。
石原 ま戦争、ま一種の内戦でしょうなぁやっぱり。
古舘 だけどブッシュさんが再選されてですねー。
石原 うん。(頭をかく)
古舘 小泉アンドブッシュの蜜月がまた続くのかという見方があります。
石原 うん。
古舘 こういう中でサマワ、これを機に12月14日、期間延長しないで帰ってきたほうがいいと、とりあえず撤退という人が60%近く、まあ過半数いるわけですよ。(と「派遣延長を支持しない 58% 支持する31%」の世論調査結果のフィリップを指差す) ね、延長を支持しないっていう人が。これを見て石原さん、どう考えますか? ボク今日、是非聞いてみたい。
2004年11月8日報道ステーション石原慎太郎対談
石原 いやその人たちは個々になにを基準に支持しないのかね。日本の派兵を撤回? 米軍を含めて? どっちなの?*1
古舘 いやいや日本の自衛隊だけですよ。
石原 …。ま、しかし、原則的に日本はあそこに戦争に参加しているのではなしにね、やっぱり復興の援助をしているわけですからね*2、私は、それがしかも可とされ、それが評価されている限りはですね、国際協力っていうことで自衛隊は尻ごみして帰るべきではないし、やっぱり帰るべきではないと思います。
古舘 ああそうですか。
石原 あーい。
古舘 ぼく石原さんだったら、勝手ですけれど、サマワの地で…
石原 (口を挟んで)そりゃあんたの勘違い。思い違いよ。
古舘 いやまだ言ってないじゃないですか。
石原 いや…。(しきりにマバタキしながら笑ってごまかす石原氏)
古舘 だからコンテナの下で、地下掘って、亀のようにいて、もちろん水は供給しているけども、「その程度のことだったら帰ってこいよ」と石原さんだったら言うとボクは思った。
2004年11月8日報道ステーション石原慎太郎対談
石原 ………。(古舘のつっこみに返答する言葉が見つからず絶句する石原氏) ただ…。(憮然としつつ、目が泳ぐ石原氏)
古舘 「ちゃんと憲法も改正してきちっと整えてからだ」と言うのかなー、と希望的観測でボクは思った。
石原 (古舘から目を逸らして)憲法なんてもんはねー、他人が作ったひとつの文言でしかなくてね。*3 現実になにがおこり、それねー、あくまでも人道主義というものに則ってだね、なにができるかということを考えて方がいいんじゃないの? *4
古舘 (驚いて)ああそうですかあ。
2004年11月8日報道ステーション石原慎太郎対談
石原 私なんて憲法なんてちっともあり難いとは思わないね。あのおかげでいろおんな問題が混乱して起こっていますよ。*5 いまのメディア見てごらんなさいよ。わけのわからないワイセツな文書が氾濫し、それがねー、とにかく要するに子どもたちをスポイルしだね、たとえばこの間もうちの副知事が驚いて持って帰ってきたけれども、……女子の中学生相手の雑誌に、それにどんな記事が氾濫して出ているのか、しかもね、へへへっ(嘲笑い)、まあとにかくセックスしなさいセックスしなさいってな記事だよ。…。でそれを編集している編集長がこのあいだテレビに出ていた。その編集長が何を言っているかというと、「こういうニーズがあるからこういうものを報道しこういう記事を作るのは私たちの義務です」って。それをつまりトーンダウンさせようとすると、すーぐに憲法を持ち出されて、言論の自由表現の自由だとなるわけだ。やっぱり憲法なんてものはね、他人が作ったものだからやっぱり歴史的正統性があるかないか、国民の代表の国会でねえ、要するにイエスかノーか、歴史的に正統性があるかないかということを投票させたらいいんだよ。正統性があるっていう人がお目にかかりたいけれども、その上でね、要するにどこを改正する改正しないの問題じゃなくて、歴史的に正統性があるか無いのか。歴史的に正統性が無いものだったら、一回破棄して、無いものにして、ある年月限って、日本人独自のもの作ったらいいじゃないですか。
古舘 やっぱりアメリカが作ってくれたものはイヤなんですか、石原さんは?
石原 イヤなもんじゃなくってへへへ(笑ってごまかす石原氏)、いろんな抗争があるし、いろんな間違いがあるし、だいたい醜い前文で綴られていてね…。
古舘 まあそれはそうかもしれませんねー。
2004年11月8日報道ステーション石原慎太郎対談
石原 はあい。(肯定されて機嫌が良くなる石原氏)

2004年11月8日報道ステーション石原慎太郎対談映像(抜粋)
ダウンロード 182秒 650キロバイト
http://members.at.infoseek.co.jp/kitanok/215b.wmv

日本国憲法第九十七条、第九十九条に違反する言葉を吐いたこの男に、60%もの東京都の有権者が支持しているというのが、私は不思議でなりません。

日本国憲法
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S21/S21KE000.html

第九十七条  この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であつて、これらの権利は、過去幾多の試錬に堪へ、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものである。
第九十八条  この憲法は、国の最高法規であつて、その条規に反する法律、命令、詔勅及び国務に関するその他の行為の全部又は一部は、その効力を有しない。
第九十九条  天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。

対談についての雑感は脚注参照。
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■(2004.11.29追補)
関連リンク。
松村宏さんの感想に同感。

JANJAN
松村宏のNEWSな顔
古舘キャスターの挑発に乗ってバレちゃった都知事の本心
http://www.janjan.jp/nigaoe/0411/041109501/1.php

次から次へと国民注目の話題を振り、時に鋭く反論し、時に期待に見せかけた挑発を繰り返し、石原サンの頭にどんどん血をのぼらせた。
古舘サンの挑発のおかげで、問題発言や暴言がイロイロ出てきたんだけど、中でも印象的だったのが、やっぱり、「国旗国歌強制問題」だったなあ。
天皇陛下の「強制でないのが望ましい」という例の発言について意見を求められ、石原さんは「強制してるんじゃないよ、指導をしてるんだ!」だって。
う〜ん。さすがは芥川賞作家だ。表現がうまいなあ。言語感覚が違うね。
でもそうするとどうやら、陛下も勘違いをされていらっしゃることになるみたいだから
この際、是非とも正しく陛下に国語を指導してさしあげてほしいな。
古舘サン
「学校で日の丸掲げなくてもアジアカップで若者はこう、日の丸(の小旗)降ってるからまあ、いいじゃないですか」
石原サン
「それはだね、サッカー見にいってるのは小学生や中学生だけでない、フツウのオトナもいるわけでしょ、わたしは(声を荒げ)そりゃアナタがおかしいと思うよ。どうかしてるんじゃないか、キミ」
このへん、石原サンかなり興奮してしまって、なんか理論が良くわからないけど、要するに石原サンは、自由にまかせて指導もせずにほっておいたら、国旗も国歌も、子どもたちからは愛されないし定着しないと思っているようだ。
でもそれって、つまり、日の丸も君が代も、それだけの力がないと思っていることになるよね。

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*1:フィリップには「イラク自衛隊派遣の延長」と大きな字で書いてあって、画面を見ても石原氏はその文字をはっきり見ているのだが、わざと難癖をつけているのかな。

*2:この話題の前に震災対策で政府批判していた石原だが、急に小泉総理と同じ官僚口調になる石原氏。言っていることも小泉総理と同じ。

*3:憲法なんてもんは他人が作ったひとつの文言でしかなくて」 憲法大日本帝国議会の衆議院貴族院の両院で可決され昭和天皇御自身が御名御璽で発行された法典で、まちがいなく日本国民と畏くも天皇陛下ご自身の裁可によって成立した法令です。へぇ、天皇陛下の裁可も石原氏にとっては他人事? たいしたもんだ。

*4:つまり、憲法に違反している可能性を認めた上で「超憲法的措置として派兵すべきだ」と言いたいわけですね、石原氏は。

*5:憲法のおかげで混乱している」 混乱しているのは石原氏の頭の中では?