資料:平成13年11月大阪府議会会計決算特別委員会質疑

平成13年度大阪府議会会計決算特別委員会(一)-11月21日−07号
◆(吉田利幸君) 隅田先生の大変元気な質問の後でございますので、同じぐらい元気を出さないかんなと思っているんですが、初めに、以前に私が委員会で取り上げた問題で、教職員の課長である竹内さんからこの間電話をいただきまして、杉本先生のお話もございましたように、まず問題教師については明確に処分をするということをいち早くやるということが非常に大事なことだと思います。行政に今一番要求されるのはスピードですから、時代の変化に即応するということがいかに大事なことであるかということでございます。
ちょうど茨木の中学校の教師でございましたが、酒気帯び運転じゃないんですけれども、お酒のにおいをさせて授業をするという大変ふらちな教師がおって、この方が退職をされたということでございまして、連絡をいただいて、ようやくかなと校長先生からもお礼を言われまして、やっぱりほとほと困っておられたんだなということを思いました。ですから、現実には、先ほど言われたように、例がないからとか、我々としては、明確にその処分をすることによって、当然善悪の判断のつく大人ですから、そういう意味では、教育というのは、ある人は、よく教育とはと問われて、よき生き方の種まきをすることであると言われるわけですから、範を示すような人が教師になるべきであるということだろうと思います。これは、お礼も込めて言っておきたいと思います。
初めに、有害図書の問題です。このことからお聞きをしたいと思います。
十一月十八日の新聞記事から、実は大阪府の基準が非常に緩いという中から、自販機が非常に大阪に、東京の一・三倍に上り、全国ワーストワンであるということが書かれているわけですね。見出しに、有害自販機規制強化へ、わいせつ映像裏技締め出しというようなことで始まって、この一文を読ませていただくと、大阪府は、青少年がアダルトビデオやポルノコミックを簡単に入手できるとして問題視されている図書類の自動販売機に対する規制強化に乗り出すと。図書類自販機の台数で、大阪は東京を大きく引き離して日本一。周辺の都道府県に比べて規制が緩いのが原因で、条件の抜け道をつく三分間ぎりぎりの寸どめ映像を多用したビデオなどが大阪に集中し、自販機の台数を押し上げていると見られる。府では、来年二月の府議会で条例を改正し、ワースト記録の返上に挑むと、こう書かれているわけですね。
実は、我が党の代表質問でも、本年の二月府議会で、とにかく今の条例では時代の変化にそぐわないということで、知事から、この時代の変化にそぐうように必要な条例を改正してまいりたいということで、諮問機関である大阪府青少年問題協議会に意見を聞き、その答申が昨日まとまったと聞いておるわけでございますが、まず初めに、既に平成三年の十一月にこの条例が制定されて以来、最近の条例の運用、このことについて確認をしておきたいと思います。
◎青少年課長(服部道代君) 大阪府青少年健全育成条例では、雑誌やビデオテープなどの全部または一部に、青少年の性的な感情を刺激するもので、青少年の健全な成長を阻害するもの、青少年の粗暴性、残虐性を著しく助長するもので、青少年の健全な成長を阻害するものがある場合は、その雑誌やビデオテープなどを有害図書類として指定することができるとしております。こうしたことから、府では毎月、職員がコンビニエンスストアや書店、自動販売機で雑誌やビデオテープを購入し、青少年に有害と思われるものにつきまして、青少年健全育成審議会への諮問、答申の手続を経て個別に有害図書類の指定をし、大阪府広報で告示をしているところでございます。平成十三年度の有害図書類の指定件数は、雑誌、書籍三百六十七件、ビデオテープ三十三件の計四百件であり、平成四年度からの十年間の累計は、雑誌、書籍が三千九百九十四件、ビデオテープが四百九十七件の計四千四百九十一件となっております。
◆(吉田利幸君) 今の答弁では、毎月一回個別に雑誌などを有害指定しているということで、大変時間がかかるということです。これでは、実効が本当に目に見えた形では上がらないということだろうと思います。そこで、先ほどのような記事が出たように思うので、個別指定中心の条例運用では限界があるように思うんですね。それで、府としてどのような改善方策を考えておられるのか、この点について確認をしたいと思います。
◎青少年課長(服部道代君) 青少年健全育成条例は、一定の基準に該当するものは、青少年健全育成審議会に諮問し個別指定するまでもなく有害図書とみなし、書店等で青少年に販売されないようにする包括指定の制度を持っており、この基準として、性的な感情を著しく刺激する情報について、書籍、雑誌等にあっては表紙を含むページ総数の三分の一以上を占めるもの、ビデオテープ等にあってはそのような描写の時間が連続して三分を超えるものとしております。他府県と比べますと、この包括指定の基準が緩やかであることから、どうしても個別指定中心の運用にならざるを得ず、委員御指摘のとおり、府が有害指定を行ったときにはその図書類は売れてしまっているといったこともございます。その点を改善する必要があると考えておりまして、大阪府青少年問題協議会に対しまして、時代の変化に対応した青少年育成環境の整備についてを諮問いたしまして、協議会において御議論をいただく中で、この包括指定基準のあり方についても御審議をいただいているところでございます。
 協議会におきましては、これまで毎月個別指定に該当していた有害図書類について、包括指定で対応することができるよう基準を改定することが望ましいとする内容の答申がまとめられたところでございます。府といたしましては、協議会の答申を踏まえ、他府県の状況も考慮し、府民の皆様や議会の御意見も伺いながら包括指定基準を改正し、実際に青少年が有害図書類を買えないようにする方向で検討してまいりたいと考えております。
◆(吉田利幸君) 実は、その記事によると、近畿における滋賀県三重県、京都、兵庫、和歌山が、合計で三分間を超えた場合という規定にしてあるわけですね。大阪は連続で三分間ということであって、こういう形で採用しているのは大阪府宮城県で、全国でもわずかだと書いてあるわけです。したがって、大阪がその一つの集まる要因になっているというようなことでございますから、今、近隣府県の状況を見ながらということでございましたが、これはやっぱり近隣府県並みにということで断定した形で二月府議会には出してきていただきたいと思います。
それで、実際には、その実効性を高めるためには、立入検査、これを具体的に現在までどのように進められてきたのか、この点についても確認をしておきたいと思います。
◎青少年課長(服部道代君) 大阪府では、知事部局と教育委員会事務局の職員を立入調査員に指定をいたしまして、毎年書店やレンタルビデオ店など条例の対象となっている店舗を一斉に立入調査をしております。例えば、昨年度は、府内のコンビニエンスストア約二千五百店舗のうち七百店舗について、有害図書類とそうでない図書類との区分陳列がどうなっているかといった状況を調査をしたところでございます。条例では、有害図書類を店舗の容易に監視できる場所に区分して陳列するよう定めておりますが、有害図書類の陳列場所が現実には子どもの目の高さにあるなど、必ずしも適切な場所とは言えないケースも見受けられたところでございます。
◆(吉田利幸君) それで、条例では、書店等に対し、有害図書類の販売だけではなく、閲覧させることも禁じているわけです。それで、包括指定基準を改めて、今まで個別指定で把握し切れなかった有害図書に対応したとしても、今説明のあった立入調査の結果などを聞くと、コンビニエンスストアや書店等の現場で青少年が立ち読みができないように区分陳列も工夫しないと意味がないと思うんですが、この点どういうふうにしていこうとされているのか、この点についても確認をしたいと思います。
◎青少年課長(服部道代君) 区分陳列のあり方につきましても、青少年問題協議会において御審議いただいたところでございまして、各店舗がその実情に応じて選択できるような具体的な区分陳列の方法を定めることが望ましいとする内容の答申をまとめていただいたところでございます。本府といたしましても、協議会の答申を踏まえまして、店舗の規模、形態がさまざまであることを考慮しながら、各店舗に選択をしていただけるような具体的な区分陳列の方法を定め、有害図書類が青少年の目に触れないようにしていただきたいと考えております。
◆(吉田利幸君) 区分陳列が徹底できるように、具体的に実効性の上がるような形で検討していただきたいと思います。
 それで、最近、殺人や万引き、薬物などの犯罪の手口を殊さら詳細に紹介した本が出回っているようでありますが、こんな本を読んだら、青少年が本当に簡単に、今、大阪府でも犯罪が低年齢化し、また増加の一途をたどっているわけですが、その一因にもなっているのではないかと思うんですが、こうした本を条例で取り締まることはできないのかどうか、この点についても確認をしておきたいと。
◎青少年課長(服部道代君) お示しの犯罪の方法等を詳細に記したマニュアル本につきましては、必ずしも青少年を犯罪に導くものとまでは言えないにしても、青少年のモラルや規範意識を希薄にしかねず、青少年の健全な成長にとっては好ましくないという思いを持っているところでございます。青少年がこのような図書類を見たり読んだりしないようにできないかという角度から、青少年問題協議会にも御意見を承ったところでございます。協議会におきましても、同様の考えに立って議論が行われたところでございまして、府といたしましても、協議会の答申を踏まえ、犯罪を誘発するような図書類を青少年健全育成条例上の有害な図書類として位置づける方向で検討を進めてまいりたいと考えております。
◆(吉田利幸君) いずれにしても、速やかに時代の変化に即応できるような条例改正をしていただいて、実効性を高めていただきたいということを要望しておきたいと思います。
───────────
◆(北之坊皓司君) 
 最後になりましたけれども、これは生活文化部の方ですけれども、午前中でしたか吉田委員の方からも有害図書の問題で質問がありましたけれども、私は、逆に言うたら、インターネットの有害情報という問題について、ちょっとお尋ねをしたいと思うんです。
今、パソコンや携帯電話によりますインターネットが急速に普及しておりまして、インターネットは世界じゅう情報が駆けめぐっております。ですから、国の内外から青少年に有害な情報が流れ込んでくるんですね。どうしてもインターネットですから、私たちのとめることができないような状況の中で、情報が入ってくるというんですけれども、青少年が容易にこのような情報に接し得る状況というのは、青少年の健全育成にとっては大変憂慮すべき問題だと思います。
そこでまず、最近のインターネットの普及状況や青少年の利用状況についてお尋ねをいたします。
◎青少年課長(服部道代君) 総務省が行いました調査によりますと、平成十三年末における我が国のインターネット利用者数は五千五百九十三万人と推計されておりまして、一年間で八百八十五万人の増加を示しております。また、世帯の普及率も六〇・五%と、全世帯の六割を超えているという状況でございます。インターネットの利用頻度につきまして、財団法人コンピュータ教育開発センターが平成十二年十一月から十三年二月に行ったアンケートによりますと、週に三回から四回以上インターネットを利用している者の割合が、高校生では五割、中学生で四割強、小学生でも二割弱という状況になっております。年齢が低いほど利用頻度も低くなってはございますが、日常生活におきまして、青少年のインターネットの利用が急速に浸透しつつあるというふうに考えております。
◆(北之坊皓司君) 世帯にして六割ですか。若い人になりますと、ほとんどの人がそういう機器に接する機会がふえているということで、それだけに、インターネット上の有害な情報から青少年を保護するというのは大変なことでありまして、これを防ぐというのは、いろんな方法があるんでしょうけれども、一番今できる方法としたら、発信者側からは、まずそういうことをやらないと思うんですね。ですから、受信者、受け手の方の判断によって、インターネット上に情報の受信の可否を選択できるような仕組みでありますフィルタリングの活用というのが効果的であると言われております。
私も、ちょうど二年前に教育文化常任委員会の委員長をさせていただいたときに、青少年健全育成審議会の委員を務めさせていただいたんですけれども、その場で、青少年がインターネット上の有害な情報に接しないようにするため、学校、そして公共の場でのパソコンへのフィルタリングというのの導入の条例化をすべきでないかということを言った覚えがあるんですけれども、その後の府の検討状況はどのようになっているのか、お尋ねします。
◎青少年課長(服部道代君) ただいまの御質問でございますけれども、お示しのとおり、昨年度の提言をいただきまして、インターネット上の青少年に有害な情報へのフィルタリングを導入するという御意見がございました。大阪府青少年健全育成条例は、平成四年に有害図書類の指定制度を導入するなど、大幅な改定を行っておりますが、その後青少年を取り巻く情報環境が大きくさま変わりをいたしまして、現行の条例がこうしたインターネット等の新たな環境に的確に対応し切れない状況にございます。
こうしたことから、府といたしましては、本年の七月、大阪府青少年問題協議会に対しまして、インターネット上の有害情報への対応を含め、条例の改正を視野に入れまして、時代の変化に対応した青少年育成環境の整備について諮問を行ったところでございます。同協議会におきまして、特別委員会を設けて精力的に御審議をいただき、ちょうど昨日開催をいたしました同協議会の総会の場で特別委員会からの報告を受けまして、それを答申案としてまとめるための御議論をいただいたところでございます。
 その中で、インターネット情報につきましては、それが国境を越えて広範に流通をしておりまして、そういったものの発信あるいは流通を条例で規制しても、ほとんど実効性が期待できないということから、受信者側での対応、とりわけお示しのフィルタリング技術の活用が効果的であり、その普及を図る必要があるという意見がまとめられたところでございます。
◆(北之坊皓司君) 青少年問題協議会の答申ということがきのうですか、まとまったということですけれども、これを受けられまして、府としてはどのような後の取り組みをされるか、お尋ねをいたしておきます。
◎青少年課長(服部道代君) 今後、家庭や学校において、ますますインターネットの利用機会が拡大することを考えますと、インターネット上の有害な情報から青少年を守るためには、受信者側でのフィルタリング技術の活用が効果的な手段であると考えておりまして、その普及促進を図っていく必要性は大きいと認識をしております。
しかしながら、フィルタリングは、まだ技術的に完成されたものとは言えず、その目的や制度も多様でございますため、府としては、協議会の答申の趣旨を尊重し、フィルタリング技術についての情報収集にも努めまして、その情報を広く府民に提供するなど、フィルタリングの普及促進に努めてまいりたいと考えております。とりわけ、学校等の公共施設において、青少年が利用するパソコンには、率先してフィルタリングの導入を図るべきであると考えておりまして、そうした努力を促すという観点からも、フィルタリングの導入につきまして、今後遮断する情報の範囲など諸課題についても整理をしながら、今年度中の条例化を視野に検討を進めていくことにしております。
◆(北之坊皓司君) あとは要望にとどめておきます、時間もかなりになっておりますので。
私も、なぜこういうことを言うかといいますと、有害図書ということで、本の方は毎月毎月指定する委員会を開いて検討されているんですね。その方々に聞きましても、大変な努力をしているんですよと言っておられる。私自身も聞いて、ああ本当に大変だなと。そういう努力をしている一方で、今度はこういうインターネットでそれ以上の情報がこれからますます−−今は静止状況のが多いんですけれども、これからは動くような動画の状況が、もっともっと大きな容量のコンピューターになってきますと、ブロードバンドというんですかね、そういう時代になってきますと、今度は動くのまで出てきます。これは本当に大変な時代になってくるなと思うんで、できるだけこういう面については−−私が指摘しても二年間かかりました。ですから、表現の自由とか、いろんな問題はあると思うんですけれども、本当は有害な情報というのはきっちりと峻別せんといかんと思うんです。表現の自由があるからなかなか難しいとか言っている間に、ますます世の中がおかしくなっていきますので、そういう面については早急の取り組みをお願いしまして、質問を終わります。ありがとうございます。

大阪府議会
http://www.pref.osaka.jp/osaka-pref/gikai/
大阪府議会会議録検索システム
http://www.pref.osaka.jp/gikai/discuss/index.html