さあ君もゲームよりもすごい殺人を楽しんでみないか?

「暗いニュース」*1の「07/29/2004 戦争アクションゲームで若者の入隊を促進するアメリカ陸軍」*2という記事で、Democracy Now!*3の記事が紹介されています。

アメリカの友・奉仕委員会)が主催するイベントでは、ゲームで戦場を疑似体験してもらう代わりに、戦場から帰還した兵士の実際の戦闘体験を聞かせている。地元の新聞The Republican紙2004/07/26付けの記事が講演の雰囲気を伝えているので以下に引用してみる:
・・・米海兵隊員としてイラク戦争に赴いたジミー・マッセイ軍曹は、ガムをゆっくりと噛みながら150人の聴衆をじっくり眺めた後、イラクでの体験を話し始めた。
「手を揚げていた(降参した)男を撃ったよ。女子供でさえ撃ったんだ」

合衆国軍公式ゲームホームページ
America's Army - Special Forces -
http://www.americasarmy.com/

殺人マシーンと化し非武装の民間人を皆殺しにしたアメリカ軍人は、実はとても貧しくて軍隊に入らないと生活できない人かもしれません。
軍隊に適応しなければ生きていけない。だから生きていくために、自ら殺人マシーンとなって軍隊で生活しているだけ。そういう軍人は少なくありません。
アメリカ兵は、経済的に貧しい人が多いという情報もあります。「暗いニュース」は「自由の為に戦場に赴き、帰還すれば路上生活者:米国で深刻化する退役軍人ホームレス問題」*4で「約30万人もの退役軍人が日常的にホームレス生活を送っていて、1年の内に住居のない状態を経験している退役軍人は50万人ほどいる」という情報を紹介しています。
ゲームのイベントで笑顔をふりまいてリクルータとなっている兵隊は、もしかしたらお金が無くて進学できないので、奨学金をもらうために軍隊に入隊して軍務に就いているだけかもしれません。
貧富の格差を無くす社会を作れば、彼等はもともと軍隊に入る必要が無く、滅茶苦茶な戦争も起す必要も無くなります。
強者の勝利と弱者の敗北というのルールを永続させるイデオロギーグローバリズムを維持するために、罪の無い人たちが殺され、殺している。
「さあ君もゲームよりもすごい殺人を楽しんでみないか?」などと言っている兵隊に対して怒りをぶつけるよりも先に、怒りの対象となるべき本当の悪人が高いビルの中で安楽イスに座っていることを、私は忘れません。

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*1: http://hiddennews.cocolog-nifty.com/gloomynews/

*2: http://hiddennews.cocolog-nifty.com/gloomynews/2004/07/post_6.html

*3: Headlines July 28, 2004 http://www.democracynow.org/article.pl?sid=04/07/28/1313220 蛇足ですけど、「暗いニュース」で紹介されているジミー軍曹の言葉「今日は死ぬには良い日だ」はアメリカ先住民の言葉です。クリンゴン人だけの言葉ではありません。

*4: http://hiddennews.cocolog-nifty.com/gloomynews/2004/06/post.html