青少年政策知事独裁体制確立:青少年育成総合対策推進本部を設置へ

東京都の石原慎太郎都知事は、7月16日の定例記者会見で、2004年8月4日に「青少年育成総合対策推進本部」を設置することを決定したことを報告しました。
東京都の青少年政策は元来、青少年問題協議会設置法と青少年健全育成条例に基き、青少年問題協議会の合議と青少年健全育成審議会の合議による答申に基き、青少年部局で行ってきましたが、あらたに設置される「青少年育成総合対策推進本部」は超法規的組織として設置されるもので、青少年対策を法令や条例委任によらず、知事の裁量による直轄且つ全庁横断的な体制の下で青少年対策を実施するものです。
石原東京都知事が報告した「青少年育成総合対策推進本部」に基く具体的な施策のポイントは、以下の三点と思われます。

1 知事にとって不愉快で変態と感じた悪い人間を、オーディオビジュアル的に都民に知らしめ、見せしめにし、さらしものにすることで、法令や条例によらない事実上の社会的な制裁を加え、石原知事が東京都の偉大な父親として君臨すること。
2 具体的施策として、「携帯電話は悪である」と石原知事が考えているということを都民に覚醒させるため、携帯電話のマイナスの教育効果を知らしめ、見せしめにし、さらしものにすること。
3 「青少年育成総合対策推進本部」の代表は、元警察官僚で青少年健全育成条例改悪の旗振り役だった竹花副知事が就任すること。

尚、記者会見に出席していた都庁記者クラブ所属の新聞社・テレビ局の記者全員が、質疑応答のチャンスがあったにもかかわらず「青少年育成総合対策推進本部」に関する質問を一切放棄していたことを付記します。

■東京都都知事定例記者会見
石原知事定例記者会見録 平成16(2004)年7月16日(金)15:03--15:30
http://www.metro.tokyo.jp/GOVERNOR/KAIKEN/TEXT/2004/040716.htm

2 青少年育成総合対策推進本部の設置について
【知事】
 それから、次いで、青少年育成総合対策推進本部というものを設置いたします。東京の治安対策のために、警察庁から竹花さん迎えて副知事として活躍してもらっているけども、彼がこの間やっぱり非常に意を決して言ってきたことは、「東京という、今まで幾つか県警本部長もやってきたけども、そこでやった治安対策などと違って、東京に来るとやっぱりこういうものはもっと幅の広い、底の深い、非常にドロドロした複合的なものだというのがよくわかった。とどのつまりですね、やっぱり帰するのは、青少年というのはいかに健全に育成していかなきゃならぬかという問題に帰しますな」と。まさにそうだろうということで、どういうんでしょうね、この間の佐世保の同級生殺害事件や幼児突き落とし事件もありましたが、あれ、治安対策とか治安の乱れというような表現する、これと全然違って、子どものしつけ、教育の問題ですよ、帰するところは
 そういうことを、我々にとって本当の本質的な問題を把握する上で、やっぱりこういう必要なことは、子どもたちの実態を直視することだと思いますし、都民の皆様にも、現実に何が行われているのかということ、字づらではわからないんだね、これ、やっぱりね。だから、例えば今度の条例の中で、唾尿の販売を禁止する、何ですかって。唾とおしっこを売るわけだ、女の子がね。それを買う変な変態な男がいて、それで結構子どもたちはお金を儲けて、悪いことをしているんだ。字で読んでもね、眉をしかめて、オオと思うけど。そういう実態ね、どういう現場をどういうふうに写すか知らぬけども。やっぱりオーディオ・ビジュアルに、渋谷なら渋谷でどんなことが行われているかということを、やっぱり見せる必要があると思うし、それからできれば、今の高校なら高校というものがどれだけ乱れているか、いい学校もありますよ、だめな学校がどこまでいっているか。そういうものをもちろん、人物はモザイクかけてのことでしょう、映像としても。しかし、やっぱり直截に見て教えることが必要だと思う。
 私が昔よくやったディーゼル規制の引き金になった、あれだって私が都の公害研究所に行って、ペットボトルの粉じんを見せてもらって、これは10トン車が1キロ走ったら出る量ですと。これがとにかく、それはわずかなものだ。満杯のボトルを見せてもらった。 「これが1日に、石原さん、12万本ですよ」。「いや、1万2,000本の間違いじゃないの?」と言ったら、「12万本です」と、ちゃんとデータを見せた。そこで私はびっくりしてね。総理にも見せましたよ。総理も、「これ、1万2,000本じゃないの?」「そうじゃない。12万本なんだよ」と言ったら、「はあ」。
 それから、何か日本医師会の会長は、そのことで随分反発したみたいだけども、東京で世界肺がん学会が行われたとき、私はそれを持っていった。外国人の学者がよっぽど興味を持ってくれてね。「ぜひ置いていってくれ」。僕は3、4本持っていたのを置いてきましたよ。やっぱり目で見せるということは、とても確かな情報なんで、そういう情報というものを踏まえてね、それを活用するためにも、8月4日に都では青少年育成総合対策推進本部なるものを設置しまして、局をまたいで、複合的・重層的にこの取り組み、進めていきたいと思っております。
 新しく設置する本部では、関係各局や区市町村、関係機関の力も結集して取り組んでまいりますが、これまで以上に広範囲な協力が必要であります。親や学校だけじゃなくPTAや、あるいはこの間できましたおやじの会などなど、地域の方々にも積極的な役割を担ってもらいたいと思っております。具体的にどう展開するか、竹花副知事をヘッドにしたこの組織が、また合議を重ねて、できるだけ早く具体案を出して関係者に依頼していきたいと思っていますけども。
 その一つのよすがに、これは私、ある人たちにお願いしたんですが、この間もある番組で、渋谷を放浪する16〜17の二人の女の子の実態を、私はあるテレビで見て、なるほどな、と思ったんだけど。つまり、親が買い与えて、これで子供とコミュニケートしているから大丈夫だという携帯電話、どういうふうに使われているかということなんかも、非常に親が想像していたのと全く逆の形で効果を発揮している。マイナスの効果。そういうものもやっぱり私は見せた方がいいと思うし、視覚的に子供たちの実態を学校においても、巷間においても、市井においても捉えることが、私は大人たちの覚醒の大きなよすがになると思いますんで、そういうものも含めてこの推進本部に大いに期待をしております。

■東京都
「東京都青少年育成総合対策推進本部」の設置について 平成16年7月16日 知事本局
http://www.metro.tokyo.jp/INET/OSHIRASE/2004/07/20e7g800.htm

2 設置内容
(1)設置日 平成16年8月4日
(2)体制
本部長:竹花副知事
副本部長:知事本局長、生活文化局長、福祉保健局長
本部員:関係局職員
 知事本局企画調整部(10名程度)、生活文化局都民生活部(25名程度)、福祉保健局少子社会対策部(若干名)、教育庁指導部(若干名)
 ※知事本局に設置し、知事本局以外の職員は兼務又は併任とする。
問い合わせ先 知事本局企画調整部(治安対策担当) 電話03-5388-2252


女の子のションベン舐めて喜んでいる姿、それが石原慎太郎と同世代のオヤジのもうひとつの真実の姿なのですが、そういうオヤジもいるという成熟した社会におる価値の多様性というあたりまえの事実を、石原慎太郎という名前を持つ人間は受け入れられない。
治安問題でも、教育の問題でも、家庭のしつけの問題でもない。
問題があるとすれば、石原慎太郎という個人の問題でしょう。

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