資料:総務省のインターネット選挙に対する検閲

総務省のインターネット選挙に対する言論の検閲の事例として、民主党国民運動委員会の情報を転載します。
 

From: 民主党国民運動委員会
Subject: 民主党メールマガジンDP-MAIL 読者のみなさまへ
Date: Thu, 01 Sep 2005 22:25:10 +0900

民主党メールマガジンDP-MAIL 読者のみなさまへ
いつも民主党メールマガジンDP-MAILをお読みいただきありがとうございます。
さて、このメールマガジンの発行について、本日、「選挙運動に使用する文書図画の配布を規制する公職選挙法(以下公選法と略)第142条に抵触している」との指摘がありました。
公選法にはインターネット使用については明確な禁止規定はありません。総務省が1996年に新党さきがけの質問状に答え、示した見解により、公示後のホームページ更新やメールマガジン配信などについて、規制が行われているのが実情です。
 公選法上の「選挙運動」とは、(1)特定の選挙において(2)特定の候補者を当選させるために(3)有権者に働きかける行為、の3つの要素を指しています。
メールマガジンは、登録した読者だけに送信されるもので、不特定多数への頒布にはあたらないものと従来は判断され、民主党としても、選挙公示後は、「選挙運動」にあたる文言を記事からいっさいはずして、通常の政治活動の一環として、党の政策やそれに関わる情報、幹部の日程などをお知らせしてきました。
これまでは、民主党のみならず自民党を始め各党がこうした形で関係記事を掲載してきており、自民党も4月の補欠選挙、6月の東京都議選でも同種の記事を掲載しております。
我が党も、前回の総選挙、昨年の参院選、また今年4月の衆院補欠選挙や6月の東京都議会議員選挙においても、上記の考え方を遵守しながら、ウェブサイトやメールマガジンで情報提供を行っておりましたが、当局からの違反との指摘や指導は全くありませんでした。
ところが、今回、総務省において突然、公選法の解釈変更が行われ、かつ、そのことが関係者に事前説明のないままに、まさに、不意打ちの形で違反との指摘が我が党になされたことは、きわめて不当であり、誠に遺憾です。民主党は、直ちに、なぜこのような解釈変更が行われたのか?また、その変更がなぜ事前に告知されなかったのか?などの点について、本日、枝野幸男幹事長代理名で、総務省に対して質問状を提出いたしました。現在、その回答を求めているところです。
民主主義の根幹である選挙のルール規定について、担当省庁の担当課が恣意的に解釈変更を不意打ちにより行なうという暴挙は、断じてあってはなりません。
民主党は、従来より、インターネットの選挙への利用について、透明で明確な明文による法定化を求めてきましたが、常に与党によって、阻まれてきました。まさに今回、その問題点が明らかになりましたが、我が国の民主主義にたいする重大な問題が発生いたしております。
当面の対応といたしましては、総務省から質問への回答が示されるまで、民主党メールマガジンDP-MAILは当分の間、発行を差し控えることにいたしますので、ご了承くださいますようお願いいたします。
政策や幹部の日程については、メールでお問い合わせください。個別に応答いたします。prc2@dpj.or.jpへお送りください。
なお、参考までに、民主党は、マニフェストで「インターネット選挙運動」について、次のようにお約束しています。
 
マニフェスト(政策各論)

                                                                                                                  • -

14 政治改革・行政改革
 1−4
  マニフェストを誰もがどこでも入手できるようにします。
  インターネット選挙運動を解禁します。
 「政策本意の選挙」「政権選択の選挙」を実現するために、すべての選挙について、マニフェストの配布方法の制限を撤廃します。また、ローカル・マニフェストも解禁します。ホームページ、電子メール、ケータイ、ブログなどを利用したインターネット選挙運動の解禁と同時に、戸別訪問をはじめ直接対話による政策宣伝活動の解禁など、選挙運動の規制改革をすすめます。また、政策宣伝物の点字化、手話化の促進など、障がい者が選挙に参加しやすいように環境を整備し、電子投票制度の国政選挙への導入も促進します。

                                                                                                                      • -

 最後までお読みいただきありがとうございます。
  
民主党国民運動委員会 メールマガジン担当

<参考資料:公開質問状>
2005年9月1日
総務省選挙部長 様
                        民主党本部
                        幹事長代理 枝野 幸男
      政党HP上における選挙関係情報の掲載等について
 総務省関係行政へのご精励に感謝致します。
 さて、過日の8月30日に、総務省選挙課長より当方の事務局宛てに、民主党本部掲載のHPに公選法142および146条に違反するとの指摘・指導が行われました。この件につき、下記の質問にお答えいただくよう、要請いたします。
                  記
1 当方のHP上の記事内容について、公選法違反の指摘がありましたが、同様の選挙関係に係る記事掲載は、4月に実施された統一補欠選挙の際にも掲載しましたが、全く指摘・指導はありませんでした。
加えて、こうした選挙関係記事は、民主党のみならず、自民党を始め各党が掲載していた事実があり、それが改めて指摘・指導されるに至った経緯、その間に公選法解釈の変更された理由、その解釈変更が関係者に告知されなかった理由、詳細をお知らせ下さい。
例えば、自民党は、4月の統一国政補欠選挙の際に、別紙のように、同種の記事を掲載していましたし、6月の東京都議会議員選挙についても、同種の記事を掲載していました。これらに関する見解もあわせて、文書にてお知らせ下さい。
2 衆議院選挙期間中の政党代表等の記事の党本部への事掲載については公選法違反の指摘を受けましたが、例えば、党本部のHP以外では、現在も掲載されている、自民党広報本部本部長代理及び自民党遊説局長のブログなど、小泉総理の遊説に関する記事が選挙期間中も掲載されています。また、自民党東京都連のHP、TOKYO自民党BBSには、特定候補者に関する投票呼びかけに類する記事も掲載されていますが、これらについては、掲載が許される根拠についても、文書にてお知らせ下さい。
※ 上記の質問について、一両日中にも回答をお願いします。回答先については、民主党事務局届出法規担当宛てにご連絡をお願いします。
総務省への添付書類は省略)

From: 民主党国民運動委員会
Subject: 経過の報告とお知らせ
Date: Mon, 05 Sep 2005 15:25:30 +0900

民主党メールマガジンDP-MAIL 読者のみなさまへ
いつも民主党メールマガジンDP-MAILをお読みいただきありがとうございます。
さて、選挙期間中のインターネット使用について、民主党からの問題提起がマスコミでも大きく取り上げられています。
9月1日に民主党から総務省へ公開質問状を送ったところ、回答が9月2日届きま した。
これについて、民主党では9月3日、枝野幸男幹事長代理名でコメントを発表しました。
みなさまにもお送りいたしますので、ご一読いただければ幸いです。
多くの皆様からメルマガ再開のご要望をいただいておりますが、当分の間、本事案の動静を見極めさせていただきたいと存じますので、発行を差し控えることにいたします。
お、政策や幹部の日程については、個別に応答いたします。
prc2@dpj.or.jpへお問い合わせください。
 
(参考サイト)
社会学宮台真司さんのブログ 
http://www.miyadai.com/index.php?itemid=287&catid=1
 
総務省からの回答】
拝啓 日頃より、総務省の業務にご理解・ご協力をたまわり、感謝申し上げます。
さて、貴党より、2005年9月1日付け「政党HP上における選挙関係情報の掲載等について」においてご質問いただいた件について、下記のとおり回答いたします。 時節柄ご自愛のほどお祈り申し上げます。 敬具
                 記
総務省においては、従来より、「選挙期間中にホームページを開設、書き換えすることは、その内容が選挙運動のために使用する文書図画と認められる場合には、公職選挙法第142条の規定に違反する。その内容が選挙運動のために使用する文書図画と認められない場合であっても、候補者の氏名、政党名が含まれている場合には、その行為が公職選挙法第142条の禁止を免れる行為と認められる場合には、公職選挙法第146条の規定に違反する。また、政党その他の政治活動を行う団体が政治活動としてホームページを開設、書き換えすることによって候補者の氏名等が表示される場合には、公職選挙法第201条の13の規定に違反する」との見解を示してきており、この解釈に変更はありません。
この解釈に閲し、衆議院総選挙の公示日に、貴党のホームページを御覧になった方から、候補者の街頭演説の模様などをホームページに掲載することは公職選挙法上問題があるのではないかとの問い合わせが総務省に多数寄せられました。
これらの問い合わせに対し、総務省においては、一般論として申し上げれば、選挙運動期間中に選挙運動として行われた街頭演説の模様などをホームページに掲載した場合には、公職選挙法の規定に抵触するおそれが強いと回答いたしました。
このような総務省の回答が、貴党に不正確に伝わることが懸念されましたので、貴党のホームページに関し、候補者の街頭演説の模様などを掲載しており公職選挙法上問題があるのではないかとの問い合わせが多数寄せられているが、一般的に、ホームページに選挙運動として行われた街頭演説の模様などを掲載することは公職選挙法の規定に抵触するおそれが強い旨、貴党に直接お伝えしたところであります。
また、いくつかの個別の事案についてお尋ねがありましたが、個別の事案が公職選挙法の規定に違反するかどうかは、具体の事実に即して判断されるべきものであります。総務省は、具体の事実について調査を行う権限を有しておらず、個別の事案が違法かどうかの判断を行う立場にありません。また、公職選挙法に違反する行為が行われた場合に警告等を発する権限もありませんので御了承下さい。
なお、貴党からご指摘のあった自由民主党の幾つかの事案に関しては、貴党からのご指摘を踏まえ、一般的に、ホームページに選挙運動にわたる内容を掲載することは公職選挙法の規定に抵触するおそれが強い旨、本日自由民主党にお伝えいたしました。
平成17年9月2日
総務省選挙部長 久保信保

民主党本部幹事長代理
枝野幸男
 
民主党枝野幸男幹事長代理のコメント】
2005年9月3日
自民党に発言の撤回と釈明を求める(コメント)
民主党 幹事長代理
枝野幸男
わが党ホームページに関する総務省の指摘について、同省の正式見解を求める公開質問状に対し、昨日回答が届けられた。
同省の回答では、公選法の解釈の変更はなく、一般論としてわが党に伝えただけだとしている。しかし、あたかも今回初めて問い合わせが殺到したかのような説明で、これまで何の指摘も指導もなかったホームページの運用について、唐突に事実上の警告を行った理由として納得できるものではない。
また、同省は、個別事案については判断を行う立場にないとしている。しかし、一般論であれば、全政党に通知するのが筋であり、なぜ当初わが党だけに警告を発し、なぜわが党からの指摘を受けるまで自民党に警告を行わなかったのか、理解に苦しむ。
報道によれば、自民党世耕弘成幹事長補佐は今月1日の記者会見において、「公職選挙法に抵触している。公党としてルールを守る必要がある」とわが党を批判し、総務省に通報したとされている。
しかし、世耕幹事長補佐は、公示後も自身のブログの選挙関係記事を掲載しており、総務省も回答のなかで警告を行ったとしている。自らの行為を棚に上げ、一方的にわが党を誹謗中傷した世耕幹事長補佐の発言は、悪質な選挙妨害と言わざるを得ず、自民党と公職にあり党の役職を担う世耕幹事長補佐に対し、あらためて発言の撤回と釈明を強く求める。
民主党は、このような事実上の解釈変更を排すためにも、選挙後の国会の重要課題の一つとして、引き続き公選法改正に取り組んでいく。
以上

 


民主党の政治活動を検閲した総務省選挙部長久保信保氏。
久保信保氏は総務省の元大臣官房審議官で、住基ネットの推進者の一人。

 
関連リンク。
 

http://www.tokyo-jimin.jp/bbs/forum.php?proc=ThreadList&pointer=0&log=present


選挙後にも運営されていたが総務省の指導により閉鎖されたTOKYO自民党BBS。

宮台真司
公選法騒動、こんどは総務省自民党に「警告」しました。
http://www.miyadai.com/index.php?itemid=287&catid=1
ネット選挙運動解禁直前ならではの「笑い話」があります
http://www.miyadai.com/index.php?blogid=1&archive=2005-9-1

腹を抱えて笑いました。なぜか。みなさん、すぐに以下のホームページを見て、キャッシュしてください。これで笑わずして、何としましょう。
────────────────────────
まずは、Tokyo自民党のホームページを見てみましょう。公示後だというのに、選挙を話題にしたBBS(電子掲示板)が堂々とオープンされています。
http://www.tokyo-jimin.jp/bbs/forum.php?proc=ThreadList&pointer=0&log=present
つぎに、僕の友達でもある、自民党参議院議員山本一太さんのホームページを見てみましょう。やはり公示後だというのに、選挙情報バリバリです。もちろん山本さんは、先日の朝生にも出た、自民党の枢要なスポークスマンです。
ナンバー1475「総理遊説:DAY1」、
ナンバー1476「総理遊説:DAY2」パート1
ナンバー1477「総理遊説:DAY2」パート2
ナンバー1478「総理遊説:DAY2」パート3
http://www.ichita.com/03report/index.html
http://www.ichita.com/03report/data/1125442059.html
http://www.ichita.com/03report/data/1125414164.html
http://www.ichita.com/03report/data/1125500590.html
いちばん笑えるのが、民主党に文句をつけてきた自民党参議院議員の世耕議員自身が「世耕日記」と題した、やはり選挙情報バリバリのブログを堂々と掲示しています。
http://blog.goo.ne.jp/newseko/

インターネット選挙運動とは何か?
http://www.miyadai.com/texts/003.php

■一口で言えば、共同体の対面コミュニケーションよりも、メディアを介したコミュニケーションの重要性が高まるほど、共同体成員の感受性も想像力も、共同体の範域を越えるようになるのが、理由だ。結果、抜け駆けや面従腹背が容易になる。
■人間は、コミュニケーションを通じて動機づけを獲得する。一人の人間にとってのコミュニケーション全体に占める、対面の共同体的コミュニケーションの比率が減るほど、より大いなる蓋然性で、彼は共同体の外側で動機づけを獲得する。
■加えて、インターネットの「匿名性」が──周囲から見えないことが──、自らもそうしたメディアを通じて情報を発信し、他者から応答を貰うという経験を、膨大に蓄積させる。つまり共同体の外で獲得した動機づけを、匿名メディアを通じて実行動化するチャンスが増えるのだ。
【背後の政治的利権を見抜け】
■伝統的な共同体的動員を通じて利権を確保・維持してきた者たちが、こうした共同体内部からは見通せないコミュニケーション・ネットワークが拡大することに、不安や危惧を覚えるのは当然だ。そういう人たちは、どう行動するだろうか。
■結論。インターネット選挙運動を禁じるような法律解釈、ひいては統治権力によるインターネットのサーバー検索を許す盗聴法(通信傍受法)や、統治権力がプロバイダーに介入する理由を与える個人情報保護法は、従来の共同体型の政治的利権と結びついている。私たちは、このことを徹底的に見抜く必要がある。

■ビデオニュース
http://www.videonews.com/
バックナンバー
[2004年6月18日収録] 無料放送中
マル激トーク・オン・デマンド第169回 「誰がインターネット選挙の実現を邪魔しているのか」
http://www.videonews.com/marugeki/169newmarugeki.html
【映像】PART 1(77分)
http://www.videonews.com/asx/169marugekiMETA/169marugeki-1_50.asx
【映像】PART 2(71分)
http://www.videonews.com/asx/169marugekiMETA/169marugeki-2_50.asx

福冨忠和
ネットワークデモクラシー!? インターネットは政治を変えるか?
http://www.jsdi.or.jp/~y_ide/9611_se00.htm

■島さとし前衆議院議員(民主党)
http://www.simasatosi.com/
ネット選挙ワーキングチーム 第1回 2003.2.27
http://www.simasatosi.com/netwt01.html
ネット選挙ワーキングチーム 第2回 2003.3.5
http://www.simasatosi.com/netwt02.html

公職選挙法
(昭和二十五年四月十五日法律第百号)
最終改正:平成一七年六月二九日法律第七二号
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S25/S25HO100.html

(文書図画の掲示
第百四十三条  選挙運動のために使用する文書図画は、次の各号のいずれかに該当するもの(衆議院比例代表選出議員の選挙にあつては、第一号、第二号、第四号及び第五号に該当するものであつて衆議院名簿届出政党等が使用するもの)のほかは、掲示することができない。
一  選挙事務所を表示するために、その場所において使用するポスター、立札、ちようちん及び看板の類
二  第百四十一条の規定により選挙運動のために使用される自動車又は船舶に取り付けて使用するポスター、立札、ちようちん及び看板の類
三  公職の候補者が使用するたすき、胸章及び腕章の類
四  演説会場においてその演説会の開催中使用するポスター、立札、ちようちん及び看板の類
四の二  個人演説会告知用ポスター(衆議院小選挙区選出議員、参議院選挙区選出議員又は都道府県知事の選挙の場合に限る。)
五  前各号に掲げるものを除くほか、選挙運動のために使用するポスター(参議院比例代表選出議員の選挙にあつては、公職の候補者たる参議院名簿登載者が使用するものに限る。)
2  選挙運動のために、アドバルーン、ネオン・サイン又は電光による表示、スライドその他の方法による映写等の類を掲示する行為は、前項の禁止行為に該当するものとみなす。
3  衆議院小選挙区選出)議員、参議院(選挙区選出)議員又は都道府県知事の選挙については、第一項第四号の二の個人演説会告知用ポスター及び同項第五号の規定により選挙運動のために使用するポスター(衆議院小選挙区選出議員の選挙において候補者届出政党が使用するものを除く。)は、第百四十四条の二第一項の規定により設置されたポスターの掲示場ごとに公職の候補者一人につきそれぞれ一枚を限り掲示するほかは、掲示することができない。
4  第百四十四条の二第八項の規定によりポスターの掲示場を設けることとした都道府県の議会の議員並びに市町村の議会の議員及び長の選挙については、第一項第五号の規定により選挙運動のために使用するポスターは、同条第八項の規定により設置されたポスターの掲示場ごとに公職の候補者一人につきそれぞれ一枚を限り掲示するほかは、掲示することができない。
5  第一項第一号の規定により選挙事務所を表示するための文書図画は、第百二十九条の規定にかかわらず、選挙の当日においても、掲示することができる。
6  第一項第四号の二の個人演説会告知用ポスター及び同項第五号の規定により選挙運動のために使用するポスターは、第百二十九条の規定にかかわらず、選挙の当日においても、掲示しておくことができる。
7  第一項第一号の規定により掲示することができるポスター、立札及び看板の類の数は、選挙事務所ごとに、通じて三をこえることができない。
8  第一項第四号の規定により掲示することができるポスター、立札及び看板の類の数は、演説会場外に掲示するものについては、会場ごとに、通じて二を超えることができない。
9  第一項に規定するポスター(同項第四号の二及び第五号のポスターを除く。)、立札及び看板の類は、縦二百七十三センチメートル、横七十三センチメートル(同項第一号のポスター、立札及び看板の類にあつては、縦三百五十センチメートル、横百センチメートル)をこえてはならない。
10  第一項の規定により掲示することができるちようちんの類は、それぞれ一箇とし、その大きさは、高さ八十五センチメートル、直径四十五センチメートルを超えてはならない。
11  第一項第四号の二の個人演説会告知用ポスターは、長さ四十二センチメートル、幅十センチメートルをこえてはならない。
12  前項のポスターは、第一項第五号のポスターと合わせて作成し、掲示することができる。
13  第一項第四号の二の個人演説会告知用ポスターには、その表面に掲示責任者の氏名及び住所を記載しなければならない。
14  衆議院小選挙区選出)議員又は参議院議員の選挙においては、公職の候補者は、政令で定めるところにより、政令で定める額の範囲内で、第一項第一号及び第二号の立札及び看板の類、同項第四号の二の個人演説会告知用ポスター(衆議院小選挙区選出議員又は参議院選挙区選出議員の選挙の場合に限る。)並びに同項第五号のポスターを無料で作成することができる。この場合においては、第百四十一条第七項ただし書の規定を準用する。
15  都道府県の議会の議員及び長の選挙については都道府県は、市の議会の議員及び長の選挙については市は、それぞれ、前項の規定(参議院比例代表選出議員の選挙に係る部分を除く。)に準じて、条例で定めるところにより、公職の候補者の第一項第四号の二の個人演説会告知用ポスター(都道府県知事の選挙の場合に限る。)及び同項第五号のポスターの作成について、無料とすることができる。
16  公職の候補者又は公職の候補者となろうとする者(公職にある者を含む。以下この項において「公職の候補者等」という。)の政治活動のために使用される当該公職の候補者等の氏名又は当該公職の候補者等の氏名が類推されるような事項を表示する文書図画及び第百九十九条の五第一項に規定する後援団体(以下この項において「後援団体」という。)の政治活動のために使用される当該後援団体の名称を表示する文書図画で、次に掲げるもの以外のものを掲示する行為は、第一項の禁止行為に該当するものとみなす。
一  立札及び看板の類で、公職の候補者等一人につき又は同一の公職の候補者等に係る後援団体のすべてを通じて政令で定める総数の範囲内で、かつ、当該公職の候補者等又は当該後援団体が政治活動のために使用する事務所ごとにその場所において通じて二を限り、掲示されるもの
二  ポスターで、当該ポスターを掲示するためのベニヤ板、プラスチック板その他これらに類するものを用いて掲示されるもの以外のもの(公職の候補者等若しくは後援団体の政治活動のために使用する事務所若しくは連絡所を表示し、又は後援団体の構成員であることを表示するために掲示されるもの及び第十九項各号の区分による当該選挙ごとの一定期間内に当該選挙区(選挙区がないときは、選挙の行われる区域)内に掲示されるものを除く。)
三  政治活動のためにする演説会、講演会、研修会その他これらに類する集会(以下この号において「演説会等」という。)の会場において当該演説会等の開催中使用されるもの
四  第十四章の三の規定により使用することができるもの
17  前項第一号の立札及び看板の類は、縦百五十センチメートル、横四十センチメートルを超えないものであり、かつ、当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会衆議院比例代表選出議員又は参議院比例代表選出議員の選挙については、中央選挙管理会)の定めるところの表示をしたものでなければならない。
18  第十六項第二号のポスターには、その表面に掲示責任者及び印刷者の氏名(法人にあつては名称)及び住所を記載しなければならない。
19  第十六項において「一定期間」とは、次の各号に定める期間とする。
一  衆議院議員の総選挙にあつては、衆議院議員の任期満了の日の六月前の日から当該総選挙の期日までの間又は衆議院の解散の日の翌日から当該総選挙の期日までの間
二  参議院議員通常選挙にあつては、参議院議員の任期満了の日の六月前の日から当該通常選挙の期日までの間
三  地方公共団体の議会の議員又は長の任期満了による選挙にあつては、その任期満了の日の六月前の日から当該選挙の期日までの間
四  衆議院議員又は参議院議員の再選挙(統一対象再選挙(第三十三条の二第三項から第五項までの規定によるものを除く。次号において同じ。)を除く。)又は補欠選挙(同条第三項から第五項までの規定によるものに限る。)にあつては、当該選挙を行うべき事由が生じたとき(同条第七項の規定の適用がある場合には、同項の規定により読み替えて適用される同条第一項又は第三項から第五項までに規定する遅い方の事由が生じたとき)その旨を当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会衆議院比例代表選出議員又は参議院比例代表選出議員の選挙については、中央選挙管理会)が告示した日の翌日から当該選挙の期日までの間
五  衆議院議員又は参議院議員の統一対象再選挙又は補欠選挙(第三十三条の二第三項から第五項までの規定によるものを除く。)にあつては、当該選挙を行うベき事由が生じたとき(同条第七項の規定の適用がある場合には、同項の規定により読み替えて適用される同条第二項に規定する遅い方の事由が生じたとき)その旨を当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会衆議院比例代表選出議員又は参議院比例代表選出議員の選挙については、中央選挙管理会)が告示した日の翌日又は当該選挙を行うべき期日の六月前の日のいずれか遅い日から当該選挙の期日までの間
六  地方公共団体の議会の議員又は長の選挙のうち任期満了による選挙以外の選挙にあつては、当該選挙を行うべき事由が生じたとき(第三十四条第四項の規定の適用がある場合には、同項の規定により読み替えて適用される同条第一項に規定する最も遅い事由が生じたとき)その旨を当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会が告示した日の翌日から当該選挙の期日までの間
(略)
(連呼行為等の禁止)
第二百一条の十三  政党その他の政治活動を行う団体は、各選挙につき、その選挙の期日の公示又は告示の日からその選挙の当日までの間に限り、政治活動のため、次の各号に掲げる行為をすることができない。ただし、第一号の連呼行為については、この章の規定による政談演説会の会場及び街頭政談演説の場所においてする場合並びに午前八時から午後八時までの間に限り、この章の規定により政策の普及宣伝及び演説の告知のために使用される自動車の上においてする場合並びに第三号の文書図画の頒布については、この章の規定による政談演説会の会場においてする場合は、この限りでない。
一  連呼行為をすること。
二  いかなる名義をもつてするを問わず、掲示又は頒布する文書図画(新聞紙及び雑誌を除く。)に、当該選挙区(選挙区がないときは、選挙の行われる区域)の特定の候補者の氏名又はその氏名が類推されるような事項を記載すること。
三  国、地方公共団体又は日本郵政公社が所有し又は管理する建物(専ら職員の居住の用に供されているもの及び公営住宅を除く。)において文書図画(新聞紙及び雑誌を除く。)の頒布(郵便等又は新聞折込みの方法による頒布を除く。)をすること。
2  第百四十条の二第二項の規定は、前項ただし書の規定により政治活動のための連呼行為をする政党その他の政治団体について準用する。
(略)
(選挙事務所の設置届出及び表示違反)
第二百四十二条  第百三十条第二項の規定に違反して届出をしなかつた者又は第百三十一条第三項の規定に違反して標札を掲示しなかつた者は、二十万円以下の罰金に処する。
2  候補者届出政党、衆議院名簿届出政党等又は参議院名簿届出政党等が第百三十条第二項の規定に違反して届出をせず、又は第百三十一条第三項の規定に違反して標札を掲示しなかつたときは、当該候補者届出政党、衆議院名簿届出政党等又は参議院名簿届出政党等の役職員又は構成員として当該違反行為をした者は、二十万円以下の罰金に処する。
(略)
第百四十六条  何人も、選挙運動の期間中は、著述、演芸等の広告その他いかなる名義をもつてするを問わず、第百四十二条又は第百四十三条の禁止を免れる行為として、公職の候補者の氏名若しくはシンボル・マーク、政党その他の政治団体の名称又は公職の候補者を推薦し、支持し若しくは反対する者の名を表示する文書図画を頒布し又は掲示することができない。
2  前項の規定の適用については、選挙運動の期間中、公職の候補者の氏名、政党その他の政治団体の名称又は公職の候補者の推薦届出者その他選挙運動に従事する者若しくは公職の候補者と同一戸籍内に在る者の氏名を表示した年賀状、寒中見舞状、暑中見舞状その他これに類似する挨拶状を当該公職の候補者の選挙区(選挙区がないときはその区域)内に頒布し又は掲示する行為は、第百四十二条又は第百四十三条の禁止を免れる行為とみなす。

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