言論テロ：山岡俊介さん宅が炎上
共謀罪立法や武富士盗聴事件などの調査報道で知られる山岡俊介さんの自宅が、2005年7月3日早朝、放火で焼けたとの報道がありました。
山岡さんの身体には大事は無かったようです。身体に大事は無かったとはいえ、精神的な影響は察するに余りあります。取材活動や報道表現へのプレッシャーが重くなる可能性は否定できないでしょう。
いかなる場合でも言論へのテロは許されないことは言うまでもありません。
山岡さんは自身のウェブサイトで「私はこんなことでは怯むつもりはない。今後も取材、執筆は変わらず続けるつもりだ」と書いています。あり難いことです。山岡さんは頑張ってほしい。
ただ、これがもし山岡さん以外の人に起った事件だったらどうなっていたか。山岡さん以外の人に「山岡のようになりたくなかったらこれ以上深入りするな。手を引け」と自己規制を求めていたとしたらどうか。
そういう恫喝が意味がなさなくなるほど、日本という国は言論テロに強いわけではなく、言論界が一致団結しているわけでもありません。こういう時こそ、機を逃さずに、言論界は小さな利害を乗り越えて「言論テロは許されない」とアピールするべきでしょう。
■ストレイドッグ
http://straydog.way-nifty.com/
本紙・山岡自宅、早朝放火される。これは、言論に対する明らかな挑戦だ
http://straydog.way-nifty.com/yamaokashunsuke/2005/07/post_7cd1.html●７月３日（日）午前４時過ぎ、灯油状のものが自宅室内に投げ込まれ、発火の模様
(略)
山岡は自宅マンションで映画を鑑賞していた。すると、玄関ドアの向こう側で誰かが何かゴソゴソやっているようなドアの金属製の響きがした。朝刊の配達かと思い、時計に目をやるとちょうど午前４時過ぎぐらい。朝刊配達（日経新聞）のいつもの時間帯からすると早過ぎると一瞬思ったものの、無視し、再び映画画面に見入ろうとしていた。
まさにその時、「ドン！ドン！」とドア越しに大きな金属音がし、驚いた山岡は玄関の様子を見に行った。次の瞬間、山岡の目に飛び込んだのは、アスファルトに灯油を撒いて火をつけると一瞬、できような直径１Ｍ高さ１・５Ｍほどの炎の柱だった。その瞬間、まさかとは思ったが「やりやがったな！」と思った。
すぐさま、台所に行き、ナベに水を入れて撒こうと引っ帰したが、その時にはもう有毒ガス特有の黒い煙が立ち上り部屋中に充満しようとしていた。
そこで身の危険を感じた山岡は、ベランダに出、隣のベランダ、さらにもう１つ先のべランダに乗り移り、ガラス戸を叩いて火事を知らせ、室内に入れていただき、一緒にその男性の部屋玄関から出て事なきを得た。
ほどなくパトカー、２台の消防車が到着。消防ホースで水を撒き沈下した。
(略)
ただ、一つだけハッキリしていることがある。
それは、本紙・山岡は一貫して客観的に見て不正を正す側に組し、また、正当な原稿料以外、金銭は一銭も得ていないという事実だ。もちろん、山岡とてかすみを食って生きていくわけにはいかない。だが、「日々、食べれればそれで十部で、後は好きな報道をやる。青臭い意見と人は笑うかもしれないが、どうせこの世に生まれて来たのなら、少しでも社会のために」との思いでやっていたつもりだ。
ところで、武富士盗聴事件の際にも痛感したことだが、当局の取調べは半端ではなく、当然ながら、逆に犯人を捕まえるための私への事情聴取において、私自身も、丸裸にされるだろう。プライベート面で恨みを飼うことはないか、金銭トラブルはないか……。
自信を持って言わせていただくが、これは決して個人的なトラブルではない。明らかに、「記事を書くな！」との山岡に対する「警告」だと思っている。
だが、私はこんなことでは怯むつもりはない。今後も取材、執筆は変わらず続けるつもりだ。写真 山岡さんと焼けたドア
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写真 焼けたドアの拡大
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写真 山岡さんと焼けたドア
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写真 焼けた屋内
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フリージャーナリスト宅に放火
http://news.tbs.co.jp/headline/tbs_headline3063545.html
http://news.tbs.co.jp/ram/news3063545_2.ram
http://news.tbs.co.jp/asx/news3063545_3.asx「僕から言わせれば、完全に『言論テロ』。放火というやり方で信じられない」（フリージャーナリスト・山岡俊介さん）
東京・港区のジャーナリスト宅で古新聞などが燃える火事 放火とみて捜査
http://bb.goo.ne.jp/contents/FJTFNN/FJTFNN200507030037/index.html
映像(RealVideo)インタービューを受ける山岡さんの言葉。
「間違いなくこれはジャーナリズムに対するテロリズムだと思います。」山岡俊介さん宅放火か 武富士盗聴事件の被害者 - 共同通信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050703-00000115-kyodo-soci
http://www.kahoku.co.jp/news/2005/07/2005070301003103.htm３日午前４時１０分ごろ、東京都港区高輪のマンション２階にあるフリージャーナリスト山岡俊介さん（４５）方から出火、玄関の床や壁など約４平方メートルを焼いた。けが人はいなかった。付近に火の気がないことから、警視庁高輪署は放火の疑いもあるとみて調べている。
山岡さんは企業の事件などを取材するフリージャーナリスト。消費者金融大手「武富士」の盗聴事件では、事務所や自宅の電話を盗聴された。その後も経済誌などとトラブルが続いている。
調べでは、山岡さんが部屋で映画を見ていると、ドンドンと玄関のドアをたたく音がし、玄関へ行くと、脇に積んであった新聞や雑誌が燃えていた。ベランダ伝いに隣の部屋に助けを求め、１１０番したという。武富士による盗聴被害のフリー記者、玄関先で不審火 - 読売新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050703-00000511-yom-soci山岡さんによると、自室で映画を見ていたところ、「ゴトゴト」と郵便受けに物を入れる音がしたため、玄関の様子を見に行くと、火が出ていたという。同署は、郵便受けから可燃性の物が投げ込まれた可能性もあるとみている。
＜放火＞ジャーナリストの山岡さん宅 雑誌など焼く 東京 - 毎日新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050703-00000067-mai-soci山岡さんによると、山岡さんがテレビを見ていたところ、ドアの郵便受けでガサガサと音がし、ドアをたたく音がした後、火の手が上がったという。山岡さんはベランダ伝いに逃げ、別の部屋の住人が１１９番通報した。同署は郵便受けから発火物が投げ込まれていないか調べている。
フリー記者山岡俊介さん宅で火災＝玄関燃える、放火の疑い−警視庁 - 時事通信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050703-00000024-jij-soci
山岡俊介さん宅放火か 武富士盗聴事件の被害者 河北新報
http://www.kahoku.co.jp/news/2005/07/2005070301003103.htm
事件についてのネット界隈の反応など。
http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/8b52d94673b0a2885c84d4545748b0ed
http://blog.goo.ne.jp/melody777_001/e/fcff63456a3895fa629f050b39c8103f
http://wsn.31rsm.ne.jp/~chapel/mt/archives/200507/03-145249.php
http://blog.goo.ne.jp/tokyodo-2005/e/e01845d7153a9f7e4ada8b9e8702dd41
http://d.hatena.ne.jp/gonta72mx/20050703#1120397911
http://d.hatena.ne.jp/mildseven8/20050703#p4
http://d.hatena.ne.jp/tazan/20050703#p2
http://diarynote.jp/d/42583/20050704/
関連ログ。
神の刑罰：「共謀罪」法案、国会審議入り
http://d.hatena.ne.jp/kitano/20050623
武富士問題：三宅勝久氏「言論弾圧に等しい」
http://d.hatena.ne.jp/kitano/20041208
武富士盗聴事件：記者クラブにエコヒイキする裁判所
http://d.hatena.ne.jp/kitano/20041118
