山根隆治参議院議員の監禁事件論評

 

■山根隆治参議院議員(埼玉選挙区/年金未納議員*1民主党)
http://www.r-yamane.com/
民主党 参議院議員 山根隆治(りゅうじ)メールマガジン
▼2005年 5月19日発行号
http://blog.mag2.com/m/log/0000078461/105576291?page=1#105576291

▼犯罪の心( 5月16日)
3ヶ月に亘り18才の少女を監禁し、首輪と鎖で拘束して、「ご主人様と呼べ」と下命していたという不正常な性的錯誤による24才青年の行為は、時代がつくり上げてきた犯罪といえるような気がする。マルキ・ド・サドの著した「悪徳の栄え」を読んだ時の衝撃は今も残っているが、しかし、それは感覚的に自分とは遠い世界の出来事として捉えていた。この本を読んだほとんどの人々は、多分、私と同様の読後感を抱いていたのだろうと思う。
現下の青少年にとっては、性の錯誤などは、既に少し眼をこらせば見えてくる身近なものとなっているのだろうか。私は試みに地元・埼玉県の青少年健全育成条例をインターネットで引っ張り出して改めて確認してみたら、この15年間で実に8回の改正が行われていた。
青少年を取り囲む環境がいかに激変しているか解る。そして、性に関わる記述は、顔を赤らめるような条文が多く盛られていて、気恥ずかしいほどだ。
因みに、東京都の条例も読んでみたが、その18条には、保護者等の義務として『青少年と性に関する対話を深めるように努めなければならない』と、かなり踏み込んだ条文が書き込まれていた。私自身は、この点については、もう24才と21才になる息子と娘には、思春期の時、率直に語って聞かせてきたので、個人的には驚くものではないが、条例化という公の為した仕事としては、ずいぶん思い切ったな、という気がする。
そしてショッキングだったのは、第15条である。青少年への勧誘行為の禁止の項目には、『青少年が一度着用した下着又は青少年のだ液若しくはふん尿を売却するように勧誘すること』と書かれている。
地方自治体がここまで書き込むまでに、こうした行為が敷延されていようとは考えてもみなかった。
凶悪犯罪であれ、冒頭の青年の犯罪であれ、人間を犯行に駆り立てる因子は、全ての人間が共有している、というのが私の考え方である。だから、誰が犯したどのような行為も、理解不能という事はあり得ないと思う。役者が芝居の泣く場面で必ず涙を落とせるのは、今日までの人生で一番悲しかった事を思い起こし、その思いを自己の感情の中で、目一杯増幅させることで果たせる筈だが、犯罪心理への理解もこれに似ているのではないか。
自分の心の奥の方にある、ほんの小さな悪の思いを最大限に膨らませて空想していけば、ある程度の理解は可能だ。又、こうした才覚を経なければ、悪しき社会的現象に本格的メスを入れる方策を考え出すことはできないだろう。次々と起こる社会の歪みや犯罪は、私自身がどこかに抱えているであろう悪しき心を見せつけられているような気がする。

 
監禁監禁って言うけど、私たち国民はブッシュや小泉純一郎という王子様の悪政に監禁されていますから。残念! 
と書くと「それとこれとは別な問題だろ」と言う人もいるかもしれませんが、私はそうは思いません。
 
監禁事件を起こしたとされる容疑者の親は、金持ちに対してだけ挨拶をしたり、金持ちの子どもに対してだけ愛想を良くしたり、学校でも金持ちの親とだけつきあい、友達つきあいも含めてお金で人間関係を作る態度を子どもに日常的に見せていたそうです。そのためかどうかははっきりしませんが、容疑者は王子様と呼べば金を渡すといったことをしていたそうです。
マスメディアの情報は特定情報源に限られているのではっきりしない部分があり性急な判断はできませんが、監禁事件は「支配と暴力」の問題であって「性の錯誤」の問題では無いことは次第に明確になりつつあります。
「Mプレイ」と「監禁」は、似て非なるものです。「監禁プレイ」は支配される側を演じる側が自発的な意思で支配される行為に参加し、自己の性的欲望を満足させる行為ですが、「監禁」は自発的な意思を認めない一方的な暴力です。
「相手の自発的判断にまかせる」という選択の自由があったにもかかわらずなぜ監禁という「支配と暴力」を容疑者は選択したのか。
もし、自由の結果としての責任をとらせるということが徹底され、大きな自由を手にした公権力者やパワーエリートたちの「自由」の結果責任が常に追求され、悪しき結果をもたらした公権力者やパワーエリートたちに責任をとらせていたら、子どもたちはそうした社会の中で醸成された「正義」を学んでいたかもしれません。
しかし、現実の社会は残念ながらそうではありません。社会に不正と不公正が渦巻き、「社会的過保護」と言えるような治安立法が連続して制定されていることは、kitanoのアレでもさんざん書いてきましたし、みなさんご承知の通りです。
東京都の「ブルセラ処罰条項」の議論は、「自発的意思の有無」の問題を「行為類型」の問題にすり替え、本質論を封じるトラップです。監禁事件を起こした容疑者が、一度着用した下着又は青少年のだ液若しくはふん尿の取引をしていたという事実は確認されていません。
悪を知らずに悪を管理することはできないという主張には同感です。しかし、善意への共感は、悪の論拠を曇らせる場合があります。どんな悪政も国民の善意を盾にその批判に抵抗してきたのです。
日本ではPolitics based on feeling(同情に基く政治)とPolitics based on basis(論拠に基く政治)の二極化が進んでいます。私はPolitics based on basisをめざす議員を応援したいと考えていますが、山根隆治参議院議員がPolitics based on feelingを目指すのであれば残念です。
 
監禁事件についての個人的な感想ですが、「あなたの母親はもう死んだんだよ。女性は誰もあなたの母親になってはくれないよ」と容疑者にはっきり言い、経済的自立を促す人がいたら、こんな事件は起らなかったかもしれない、と考えています。
尚、監禁事件で実際に使われた暴力は、道場で学んだ拳法(容疑者は拳法初段)であり、ゲームが紹介する犯罪手法ではなかったことはその後の報道で明らかになっているようです。
 
関連報道・サイト。
 

Yahoo!国内トピックス 監禁事件
http://dailynews.yahoo.co.jp/fc/domestic/confinement/
東京都少女監禁事件の犯罪心理学
ハーレムを作りたかった男、あきらめなかった女性
http://www.n-seiryo.ac.jp/~usui/news2/2005/confinement.html

 
ブログ界隈で話題になっていたことなど。
 

溺愛されていた放蕩息子がヲタ道だけでなく鬼畜道に嵌まって女の子を監禁して嬲り物にしていた件について。
http://d.hatena.ne.jp/artane/20050514#p2
小林泰剛くんと木村一族との関係は?
http://www.asyura2.com/0502/nihon16/msg/787.html
Re: スポーツ紙から:王子にハーレム 少女監禁容疑者の実像
http://www.asyura2.com/0502/nihon16/msg/779.html
アダルトソフト1000点押収=「調教」ゲーム、監禁男宅−少女監禁・警視庁
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050513-00000374-jij-soci
押収された調教ゲームはたったの3本でした
http://f.hatena.ne.jp/images/fotolife/n/nekoneko/20050513/20050513134639.jpg
木村守男元青森県知事はセクハラで辞任
http://www.toonippo.co.jp/tokushuu/kimura/
木村太郎自民党で青少年特別委員会副委員長
http://www1.biz.biglobe.ne.jp/~k-taro/

 
この事件は、国民に知られたく無いニュースを隠すための「ノイズニュース」「煙幕ニュース」「釣り報道」ではないかというのが、私の第一感です。
想像を膨らませるように少しずつ小出しにリークして肝心な事実関係は結局わけがわからない印象があるとか、この事件以外にも同時多発的に奇妙な事件が連続して発生したえまなく事件報道が続いているとか、国民に知られたく無い重要なニュースが現在進行中であるなど、過去を振り返って「ノイズニュース」「煙幕ニュース」「釣り報道」が発生した時の状況と符合する部分があります。
女性が逃げ出して発見されたということのようですが、逃げ出したとされる女性がどのような人物なのか、どのようにして逃げ出したのか、逃げ出せたのならもっと早く逃げ出せたのではないか、といったあたりの情報がまったく出てこない(女性が衰弱しているからという理由で事情聴取できなかったらしいですが)あたり、いまごろになってこうもタイミングよく事件が表面化するという不自然さを説明するだけの情報が無いことも、事件報道自体の不自然さを増やしています。
みなさんおかしいと思いませんか? 
「部屋にゲームソフトや鎖があった」「ゲームには調教ゲームもあった」などというディテールだけが詳しくくり返しくり返し何度も何度も何度も何度も報道されているのに、女性がどんな人なか、監禁されていたのにどうやって逃げ出したのか、警察は監禁されていた前兆事実をまったく把握していなかったのかといった事件の肝心の情報が報道されていない事実に。
「煙幕ニュース」かどうかはともかく、明らかにこの報道はおかしい。なにかコントロールされている印象があります。
それから、「木村一族」と呼ばれている一家と関係があるかどうかですが、まだはっきりしません。
公判になれば生い立ちとかも次第にわかってくるはずなので、その時点まで待って判断しても遅くはありません。
結論として、この事件については、いま知って判断しければならない事件としての緊急性はありません。こうした事件の事実関係の解明は1年2年とかかるものですし、再発防止となるとコンセンサスの形成も含めてもっと長い時間がかかるでしょう。
そもそも、ゲームを規制して事件が無くなるなら、とっくに日本は犯罪は無くなっているでしょう。
いま現在、一般マスメディアが報じなければならない国民に影響を与える重大ニュースは、ほかにもたくさんあります。
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*1:山根隆治参議院議員は年金未納のいきさつについて、メールマガジンで「川越市役所の年金担当者に市議会議員共済年金に自動加入しているから国民年金への加入は不要と説明され法改正後も連絡が無いのでそのまま年金担当者の言葉を信じていた」と釈明しています。 http://www.r-yamane.com/mailmag/backno/2004515.htm