普遍価値教育論の源泉:日本青少年研究所・霊友会の場合


 
現在、東京都議会では、多様な価値観を前提とした教育や家庭環境を否定し普遍価値教育論に基く青少年健全育成条例改正案が審議中で、国会でも反性教育議連の山谷えり子議員が性教育を否定する発言をくり返し、全国性教育実態調査が実施されるに至るという事態が発生しています。
 

東京都議会:青少年健全育成条例「改正」案審議入り
http://d.hatena.ne.jp/kitano/20050301#p2
2005-02-19 東京都、都議会に青少年健全育成条例「改正」案を提出
http://d.hatena.ne.jp/kitano/20050219#p1

中山文科相性教育全国調査、4月から実施を表明 2005年3月11日
http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/edu/news/20050311k0000e010030000c.html
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050311-00000032-mai-pol
学校の性教育を実態調査 行き過ぎとの指摘で文科省 2005年3月11日
http://www.kahoku.co.jp/news/2005/03/2005031101000860.htm
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050311-00000071-kyodo-pol
◎学校の性教育を実態調査 福島民友新聞 - 2005年3月10日
http://www.minyu-net.com/news/2005031101000860.html
首相、性教育教材「問題だ」 参院委答弁で批判 朝日新聞 - 2005年3月4日
http://www.asahi.com/edu/news/TKY200503040375.html
ジェンダー論争/政府は定義の誤りを認めよ
カルト系新聞 世界日報2005年3月8日社説
http://www.worldtimes.co.jp/syasetu/sh050308.htm
図解はひどいと首相…低学年向け性教育参院委で批判
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20050304it11.htm
言及ダイアリー
http://d.hatena.ne.jp/http?//www.mainichi-msn.co.jp/shakai/edu/news/20050311k0000e010030000c.html
http://d.hatena.ne.jp/http?//headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050311-00000032-mai-pol
http://d.hatena.ne.jp/http?//www.asahi.com/edu/news/TKY200503040375.html
http://d.hatena.ne.jp/http?//www.worldtimes.co.jp/syasetu/sh050308.htm

http://d.hatena.ne.jp/yosukezang/20050311http://d.hatena.ne.jp/you2z/20050311http://d.hatena.ne.jp/nuit/20050308#book3http://d.hatena.ne.jp/atsushif/20050306#p1http://d.hatena.ne.jp/yosukezang/20050306#p2http://d.hatena.ne.jp/kab_studio/20050305#1109995206http://d.hatena.ne.jp/using_pleasure/20050305#1109971871

 
そして、こうした動きと連動するかのように、財団法人日本青少年研究所の調査が報道され、多様な価値観を否定する動きに加速をつけているという現象が発生しています。
 

少年遊びやすく学成り難し!?…日・米・中 高校生意識調査 読売新聞 - 2005年3月15日
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/news/20050316ur01.htm
学習意欲低い日本の高校生 米、中と比較調査 河北新報 (会員登録) - 2005年3月15日
http://www.kahoku.co.jp/news/2005/03/2005031501003822.htm
日本の高校生、7割が学校で居眠り 日米中3カ国調査 朝日新聞 - 2005年3月15日
http://www.asahi.com/edu/news/TKY200503150279.html
「今が楽しければ」将来に希望抱く高校生は24% 読売新聞 - 2005年3月15日
http://www.yomiuri.co.jp/main/news/20050315i112.htm
日本の高校生、45%が「学校以外で勉強せず」 日本経済新聞 - 2005年3月15日
http://rd.nikkei.co.jp/net/news/shakai/headline/u=http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20050315AT1G1504A15032005.html
今日のマスコミ JANJAN
http://www.janjan.jp/media/0503/0503164689/1.php
自己中心で刹那的−日本の高校生 米中に比べ際立つ低さ
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050316-00000001-san-soci
言及ダイアリー
http://d.hatena.ne.jp/http?//www.yomiuri.co.jp/kyoiku/news/20050316ur01.htm
http://d.hatena.ne.jp/http?//www.asahi.com/edu/news/TKY200503150279.html
http://d.hatena.ne.jp/http?//www.yomiuri.co.jp/main/news/20050315i112.htm
http://d.hatena.ne.jp/http?//headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050316-00000001-san-soci

http://d.hatena.ne.jp/k-i-t/20050316#p1http://d.hatena.ne.jp/june_t/20050316#p2http://d.hatena.ne.jp/Fio/20050315/http://d.hatena.ne.jp/umeten/20050315#p2http://d.hatena.ne.jp/khatsumi/20050316/http://d.hatena.ne.jp/harupu/20050317http://d.hatena.ne.jp/garyo/20050317/1110987553http://d.hatena.ne.jp/epo/20050316#p1http://d.hatena.ne.jp/ebidoraku/20050316#p1http://d.hatena.ne.jp/demian/20050318/p2http://d.hatena.ne.jp/dangerous1192/20050317#p12http://d.hatena.ne.jp/caprin/20050316#p14http://d.hatena.ne.jp/boio/20050315http://d.hatena.ne.jp/amegriff/20050316#1110943108http://d.hatena.ne.jp/KrinJi/20050316/p1http://d.hatena.ne.jp/Kow/20050316/1110950078http://d.hatena.ne.jp/tonton110/20050316http://d.hatena.ne.jp/t_sasaki/20050316#p1http://d.hatena.ne.jp/sipon/20050318#p1http://d.hatena.ne.jp/shindai/20050316#p3http://d.hatena.ne.jp/senmei/20050317/p3http://d.hatena.ne.jp/sakuaa/20050316#p1http://d.hatena.ne.jp/purisia/20050316#p1http://d.hatena.ne.jp/portellen/20050317#p3http://d.hatena.ne.jp/pon_cat/20050316#p1

 
極めつけは産経ショー。
 

産経新聞  産経抄
http://www.sankei.co.jp/news/050317/morning/column.htm

 
個人の幸福追求が国政の優先すべきことだという点を踏まえて書くと、産経ショーの「学問への意欲をいかに育てるかが喫緊の課題である」という点はまあいいとして、問題はそこから先。学問への意欲をいままでさんざん毀損してきたのは誰なのか、ということ。
意欲低下はいまにはじまった問題ではないでしょうから、ゆとり教育批判は飛躍しています。
産経ショーはまあ論外としても、日本青少年研究所の調査が話題を呼び、若者批判を高めてタカ派的な教育批判者の言論が注目されるに至っている状況を見る限り、日本青少年研究所の調査そのものになんらかの政治性を感じる人が少なからずいると思われます。
 

内閣府本府等所管公益法人一覧より財団法人日本青少年研究所
http://www8.cao.go.jp/koueki-co/sougou/sogo09.html

主な目的  青少年の価値観及び行動の現状並びに、その未来予測について、調査研究を行うとともに、調査研究の成果に基づいて、青少年及びそのリーダーに対する研修を行い、もって青少年の健全な育成に資することを目的とする。

 
これを見ると、日本青少年研究所は青少年の価値観の調査研究を行っているということがわかります。
 

■財団法人日本青少年研究所
http://www1.odn.ne.jp/youth-study/
研究所の概要
http://www1.odn.ne.jp/youth-study/gaiyou/index.html
役員一覧 天下りは7人
http://www1.odn.ne.jp/youth-study/gaiyou/meibo.htm
関連官庁・関連企業

関連官庁
内閣府政策統括官
文部科学省
事業後援団体
全国高等学校長協会
日本進路指導協会
賛助会員
日本加除出版株式会社
株式会社日立製作所
事業協力団体
財団法人一ツ橋文芸教育振興会
財団法人文教協会
財団法人高橋産業経済財団
社団法人中央青少年団体連絡協議会
事業協賛企業
インナートリップ青少年センター
オザックス株式会社
株式会社学生援護会
株式会社岡本
株式会社東芝
カミ商事株式会社
キユーピー株式会社
キリンビール株式会社
株式会社国際紙パルプ商事株式会社
サントリー株式会社
小学館
住商紙パルプ商事株式会社
日本マクドナルド株式会社
日本紙パルプ商事株式会社
日商岩井紙パルプ株式会社
林六株式会社
レンゴー株式会社

 
青少年問題の所管は内閣府で、官房長官は青少年問題を所管する内閣府政策統括官を監督する立場にあります。そして内閣府政策統括官は、日本青年対策本部参事官と呼ばれていた行政官ポストでしたが、日本青少年研究所の所長の千石保氏は、昭和50年当時、総理府の青少年対策本部参事官でした。
千石保氏の考えについては「新エゴイズムの若者たち―自己決定主義という価値観」*1という著作にも端的に表れています。
千石氏の自己決定権否定論が、カルト教団=世界基督教統一神霊協会系の青少年団体「ワールドカープ・ジャパン」の倫理問題調査会の青少年問題研究報告書で肯定的に書かれていることは、既にkitanoのアレでも報告しました。
 

反社会的カルトによって支配される青少年政策
http://d.hatena.ne.jp/kitano/20050219#p2

倫理問題調査会の青少年問題研究報告書で肯定的に紹介されている人・組織など
千石保 日本青少年研究所理事長


日本青少年研究所というと、最近、反性教育・国策教育の急先鋒として注目を浴びている山谷えり子参議院議員(自由民主党)*2は、日本青少年研究所の元理事でした。山谷えり子議員自身が国会でその事実を語っています。
山谷えり子議員は、2002年4月11日の衆議院青少年問題特別委員会で、日本青少年研究所の「売春など性を売り物にしてもいいという答えをする子が二五%いる」とか「必ず結婚しなければいけないと考える日本の若者は二〇%、アメリカは七九%いる」といった調査結果を引き合いに出し、「普遍的な価値を教えていくというのは教育の背骨だ」とか「自由は神や超越せる存在との緊張関係の中でがあってこそだ」とか「非常にいびつな形で日本の子供たちは結婚を考えている」などと主張して、福田官房長官(当時)に「価値観の多様化に誤解がある」という答弁を引き出し、価値の多様性悪玉論を政府に認めさせていたことがあります。
 

衆議院会議録情報 第154回国会 青少年問題に関する特別委員会 第3号
http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/syugiin/154/0073/15404110073003c.html

○山谷委員 先日、福田官房長官の所信の中で、この委員会で、「二十一世紀を迎え、少子化、都市化、情報化等の進展や価値観の多様化など、我が国社会は大きな変革の時期にございます。」私も同様に思っております。
しかしながら、価値観の多様化というのがまた問題になる部分もありまして、例えば、内閣府が青少年を対象とする調査を去年の十一月に行っているんですけれども、「男性も介護を積極的に行うべきだ」とか「困っている人を見たら、頼まれなくても助けてあげるべきだ」とか、いろいろあるんですが、「結婚して子どもを育てることだけが幸せな人生ではない」とか「結婚しても、女性は夫の姓に改姓する必要はない」とか「自分の考えが違うからといって、その人が幸せになろうとするのを妨げるのは良くない」とか「どうしてもやりたいことがあるのに、無理にがまんしてやらないのは間違いだ」、ちょっとどう答えていいのかわからないようなクエスチョンが並ぶんです。
今の教育を見ておりますと、自己の権利、決定権を大切なことと教えても、自律、セルフディシプリンとか献身という、人としての生きる形、愛の形というのを教えない、教えにくいことでございますから、教えない傾向にございます。
私、民間におりましたときに、財団法人日本青少年研究所の理事をしておりました。本人の自由でしていいことというのを聞きますと、例えば、売春など性を売り物にしてもいいという答え、イエスという答えをする子が二五%いるんですね。総務庁覚せい剤に関する調査では、覚せい剤は法律違反だと知っている子は九割、しかしながら、使用は個人の自由であるというふうに答える男子高校生が二七%いる。これはもうほとんど考えられないような自由のはき違えですね。それから、売春など性を売り物にするのも、友達がしているんだったら、それはその子の自由だから、おかしいと言うのは僣越なんじゃないかとか、やはり非常にゆがめられている。多様な価値観というもとに、そのような現状がございます。
そのようなことについて、やはり普遍的な価値を教えていくというのは非常に教育の背骨でございますし、自由というのは、人間の成熟あるいは神というか超越せる存在との緊張関係の中で、そういう縦軸があってこそだというふうに思いますけれども、青少年健全育成のメニュー、たくさんあるんですが、いわゆる多様な価値、価値、価値、価値という形のメニューで、本当に背骨になるような普遍的なものをきちんと教えたり、それをはぐくむようなメニューというのは非常に少ないということを、私も教育委員をやったりPTAの会長をやったりしながら感じております。
その辺、現実の社会の実態分析をして健全育成をやっていらっしゃるのか、それから、決定権、権利ということは教えても義務と普遍性を教えないとか、その辺の現状というのは、官房長官、どういうふうに把握していらっしゃいますでしょうか。
○福田国務大臣 価値観の多様化というのが、これは誤解がありますね。何でもやってもいいということじゃないんだろうと思いますね。やはり、人間として一人一人がやるべきこと、やっていいこと、やってはいけないことというのはあるんだろうと思いますね。また、伝統的な考え方というのは、これはやはり、人間社会を維持するためにも、また、国家を維持するためにも、大変大事なことだというように思っておりますので、そのことはこれからも大事にしていかなきゃいけないというように思います。
(略)
○山谷委員
これは、きのう、自民党の法務部会でももめたようでございますけれども、多様な生き方、男女平等、共同参画の視点、それから仕事をしている女性が便利とか不便とか、不便を感じているなら、そういう弱者を大切にしたいという視点はあると思います。私も、通称使用をして働いておりますので、そのことは非常によくわかっているんですけれども、ただ、その視点を否定しているわけではないんですが、命をはぐくむ生命共同体、あるいは継承の重要さ、それから、宗教的なある種の情操心の中で結婚を考えるという視点もまたあるというふうに思うんですね。ですから、これは、どちらがどうという、選択だからいいじゃないかという問題ではなくて、日本の家族とか文化の枠組みに関する問題で、教科書の書き方は、検定に合格はしているのですが、ちょっといかがなものかなというふうに私は感じております。
法律婚事実婚の垣根をさらに低くしていって、結婚と家族の意味を外側からも内側からも不明にしていくというようなことが進むと、今、必ず結婚しなければいけないと考える日本の若者は二〇%、アメリカは七九%いるんですね。これも日本青少年研究所なんですが、非常にいびつな形で日本の子供たちは結婚を考えている。
そうすると、今、事実婚はさまざまな権利が既にあるわけです。同居、扶養の義務、貞操の義務、社会保障の権利、財産分与権、慰謝料請求権、いろいろある。そうすると、事実婚した方が、月に四万二千三百七十円の児童扶養手当をもらえたら、そっちの方が得かななんて考える若者も、もしかしたらいるかもしれません、それはどうかわかりませんが。
とにかく、いろいろ教え方を考える場合には、現代の若者気質と、それから、どういうふうに教育の場でそれが教えられているかというような分析をしないと、意図しない方向に流れていくような思いを今私は抱いております。

 
日本青少年研究所が意図したにせよしなかったにせよ、価値の多様性を後退させた国家体制を作る道具として、日本青少年研究所の情報が結果的に機能しているように見えます。
 
さて、さらに日本青少年研究所について検討をすすめると、多様な価値観を否定する運動の源泉を考えるキーワードとして「宗教法人霊友会」の存在が指摘されます。
前述の日本青少年研究所の事業共産企業に、インナートリップ青少年センターの名前がありますが、これは霊友会関連団体です。
 

■財団法人国際宗教研究所
RIRC(ラーク) 宗教情報リサーチセンター
http://www.rirc.or.jp/index.html
宗教情報リサーチセンターの「霊友会」情報
http://www.rirc.or.jp/data/output.cgi?id=99031201

宗教活動以外に行なっている教団としての社会活動
インナートリップ青少年センター

 
自由民主党の支持団体に立正佼成会という宗教団体がありますが、立正佼成会はむかし霊友会から分かれてできた団体で、霊友会も昔から自民党の選挙票田のひとつでした。ただし、小渕内閣のときに公明との連立によって状況が変化したという側面もあります。
霊友会公明党創価学会の影響力を排除するためには与党内で権力闘争に勝利して政治力を行使せざるをえませんが、そうした都合も一連の反性教育の動きや条例改正とリンクしているのかもしれません。
2001年の選挙では、小野清子国家公安委員会委員長兼青少年問題担当大臣を崇教真光霊友会が支援に動いたという経緯も報道されていました。
 

http://religion.bbs.thebbs.jp/1108788619/

参院選で宗教票が欲しい 自民「反公明」系と関係修復=訂正あり
読売新聞2001.07.12 東京朝刊4頁
(略)
小泉首相は11日夕、首相官邸で、霊友会政治団体「インナートリップ・イデオローグリサーチ・センター」(IIC)の荻窪新始所長と会談した。荻窪氏は「今まで距離を置いてきたが、小泉内閣になったので応援したい」と述べ、首相も「それはありがたい」と応じた。自民党関係者は「自民党霊友会の手打ち式だった」と解説する。
 霊友会はかつて、立正佼成会仏所護念会教団、MOA(旧世界救世教)と並んで自民党の比例名簿に独自の推薦候補を担いだほどの同党の有力支持団体だった。だが、小渕元首相が99年に公明党と連立したのを機に、霊友会仏所護念会立正佼成会はそろって自民党離れを起こした。特に霊友会は昨年6月の衆院選で、公明党が推薦した自民党候補の推薦をわざわざ取り消したほどだ。
(略)
◇主な宗教団体が支援する自民党比例候補
教団名  信者数    自民党候補(肩書)
霊友会  179万人   清水嘉与子(元環境庁長官)
            小野清子(元環境政務次官)
崇教真光  56万人   釜本邦茂(元労働政務次官)
            橋本聖子
            小野清子
            森元恒雄(元自治省審議官)

 
霊友会というと、「いんなあとりっぷ」の大坪直行氏(元『宝石』の編集長)は石原慎太郎氏のコネで久保継成氏と面識を得て「いんなあとりっぷ」に入ったという話があります。*3
性教育を実施した教師を処分し、青少年の性行動管理を全世帯の親に義務づける義務規定を盛り込んだ青少年健全育成条例改正案を都議会に提出した石原慎太郎氏は、かつて『法華経を生きる』*4という本を出して霊友会の小谷喜美を絶賛していました。『法華経を生きる』は霊友会系と立正佼成会系の支持者向けの知事選対策だという話もあったようです。*5
霊友会のサイトには、噂が事実であるかのように霊友会会長とがっちり握手する石原慎太郎知事の写真があります。
ちなみに、インナートリップイデオローグリサーチセンター*6の全国役員総会で安倍晋三自民党幹事長代理が教育基本法憲法改正北朝鮮拉致事件などについて講演している様子などが紹介されています。
 

霊友会
http://www.reiyukai.or.jp/
あした21 バックナンバー
http://www.reiyukai.or.jp/Back.html
あした21 2005年2月号
http://www.reiyukai.or.jp/backnumber_05_02.html

『IIC全国役員総会』開催
昨年12月19日、IIC(インナートリップ イデオローグ リサーチセンター)の全国役員総会が開催された。安倍晋三自民党幹事長代理が講演し、教育基本法憲法改正北朝鮮拉致事件などに言及した

安倍晋三氏が出席している写真
http://www.reiyukai.or.jp/image_TOP/05_02/z5.jpg
あした21 2005年1月号
http://www.reiyukai.or.jp/backnumber/backnumber_05_01.html

これでいいのか日本人!
「人間の顔をして、親が子どもを殺し、子どもが親を殺す」時代が来ると、40年も前に警鐘(けいしょう)を鳴らし続けられた恩師小谷喜美先生。その杞憂(きゆう)が現実となった今、人心を取り戻すために求められている法華経――。新春を迎え、小谷恩師を人生の師と仰ぐ石原慎太郎(いしはら・しんたろう)東京都知事と大形市太郎(おおがた・いちたろう)霊友会会長が法華経の真髄を語り合う

大形市太郎霊友会会長とがっちり握手する石原慎太郎知事
http://www.reiyukai.or.jp/image_TOP/05_01/t.jpg

 
日本青少年研究所の調査については、市民メディアJANJANの記事で懐疑的にとりあげられていました。
 

■JANJAN
https://www.janjan.jp/
「男と女」のまぼろし――ある研究所の調査 2004/02/23
https://www.janjan.jp/culture/0402/0402221334/1.php
http://www.janjan.jp/culture/0402/0402221334/1.php

千石氏はもともと教育者や教育学者ではなく検事の出身です。どんな考え方の持ち主なのか、大学新聞に連載された千石氏の若者論をネット上で読むことが出来ます。
・連載 現代日本の高校生意識 http://www.daigakushinbun.gr.jp/sengoku.htm *7
これをよく読むと奇妙なことに気がつきます。連載の第2回は、若者の意欲が低いことを嘆き、フリーターの増加をその表れと見ています。ここまではよくある議論です。ところが第3回になると、一転して「フリーター亡国論」を批判し、「時間・場所から労働を解放することは、決して悪ではあるまい。むしろ善ではないか」「『フリーター』は逃亡者として、新しい社会の開拓者とみるのは、危ない論理だろうか。ひょっとすると正論となる可能性があるのではないか」などと主張しています
これを理解する鍵はこの研究所の存立の基盤にあります。日本青少年研究所HPの<研究所の概要>、さらに<関連官庁・関連企業>をクリックしてみてください。研究所が驚くほど多くの大企業の協賛を受けていることがわかります。そのなかには「日本マクドナルド株式会社」もあります。マクドナルドの協賛を受けている研究所の所長がフリーター亡国論を唱えられるはずがありません。大学新聞の記事は連載中に協賛企業から何らかの圧力がかかったのだとすれば、よく理解することが出来ます。この研究所は協賛企業の「利益」から独立してはいないのです。
ジェンダー・フリー批判を含め、憲法教育基本法改正、閣僚の靖国神社公式参拝定例化、国立追悼施設建設反対、といった保守反動の震源地となっているのが、日本会議という団体です。この日本会議を経済的に支援していると推測されるのが、同台経済懇話会という、旧陸軍および防衛大学出身の財界人が組織した団体です。
日本会議 http://www.nipponkaigi.org/
同台経済懇話会 http://www.decaa.org/
日本青少年研究所の役員や協賛企業と、同台経済懇話会の役員を見比べてみると、奇妙にオーバーラップしていることがわかります。研究所の協賛企業に挙げられている「インナートリップ青少年センター」は宗教団体「霊友会」の関連団体ですが、霊友会日本会議を支える数多くの宗教団体のひとつです。
・日本における宗教右翼の台頭と「つくる会」「日本会議
http://www.h2.dion.ne.jp/~kyokasho/0_conb07.htm#shukyou

 
個人としてどんな宗教を信じるのも自由です。イワシの頭を神としてあがめる信仰の自由も、日本にはあります。子どもに知識として多様な宗教の姿を教え、宗教的寛容を学ばせることは必要でしょう。
しかし、なにを価値の絶対とするか、なにを神とするか、価値の選択、人生の選択は、ひとりひとりの個人の判断で決定されるべきであり、国会議員や知事、法制度が決定すべきことではありません。まして宗教的不寛容を増長させるようなことを民主制体制の議員はすべきではありません。
個人の信仰を、民主主義社会において他人に強制することは好ましくありません。まして、個人の信仰を、政治に持ち込み、法の強制力を使って信仰を他人に強制させることは多用な価値観を前提とする民主主義社会において容認され得ないことは、日本国憲法第二十条が定める政教分離原則、第十三条の幸福追求権を示すまでもないことでしょう。
法華経を子どもに教えたいのなら、どうぞご自由に気がすむまで存分に教えてください、そう信じる人の家の中だけで。与党内の「創価学会VS霊友会」のごとき宗教勢力のくだらない権力闘争に、国民や都民を、そして子どもを巻き込むのはやめていただきたい。はっきり言って迷惑だ。
 

日本国憲法
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S21/S21KE000.html

十三条  すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。
第二十条  信教の自由は、何人に対してもこれを保障する。いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない。
○2  何人も、宗教上の行為、祝典、儀式又は行事に参加することを強制されない。
○3  国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならない。

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*1:非推薦図書 「新エゴイズムの若者たち―自己決定主義という価値観」http://d.hatena.ne.jp/asin/4569619398

*2:山谷えり子参議院議員 http://www.yamatani-eriko.com/

*3:噂の眞相」97年1月特集2政治家から作家復帰を狙った石原慎太郎の話題作『弟』に見る”黎明の最後”「石原といえば、文化人・各宗教団体で構成される反創価学会団体「四月会」のメンバーでもある。「石原は、タカ派宗教団体・霊友会と密接な関係にあった。特に前会長の久保継成と親しかったから、久保が失脚した今はどうか分からないが、以前は石原の最大のスポンサーだった。」噂の真相」80年3月号特集7光文社系マスコミ・文化人脈の追跡レポート――不満のプロデューサーたちの荒々しい“傍流者群像”「人生もの出版社『いんなあとりっぷ』社の大坪直行も元光文社人だ。大坪は、いわゆる推理小説作家を“財産”とする編集者。光文社の前が江戸川乱歩が持っていた月刊『宝石』の編集者であったといえば、その人脈は推測がつく。江戸川乱歩が亡きあと、神吉晴夫=光文社が『宝石』の商標などを買ったとき、大坪も共に光文社入り。石原慎太郎などとも親交を深めた。労働争議の渦中で退社し、石原の縁で宗教団体・霊友会の久保継成と面識を得て、月刊『いんなあとりっぷ』を創刊、自らその発行社の社長におさまった。」 http://www.uwashin.com/

*4:非推薦図書 石原慎太郎著「法華経を生きる」 http://d.hatena.ne.jp/asin/4344400011

*5:噂の眞相都知事選にイメージ操作で圧勝した石原慎太郎の知られたくない人間性―なぜ出馬宣言が遅れたのか―。その理由はオウムとの関係ではなく、新潟県にいる女性と隠し子の存在にどう対応し、切り抜けるのか、だった……。● 本誌特別取材班「その特権意識を充足させるためにも、石原はなんとしても都知事選に出馬し、勝つ必要があったのだ。 しかもである。石原は一見、周辺の人間に外堀を埋められたため仕方なく出馬したというポーズを装っているものの、実は密かに準備していたフシもある。というのも、石原は都知事選が話題に上りはじめた昨年12月、幻冬舎から『法華経を生きる』という単行本を出版しており、この本がどう読んでも、自分の”支持者たち”に媚びるために書いたとしか思えないような内容なのである。「タイトルからも分かる通り、ひと言でいえば、五木寛之大河の一滴』の二番煎じのような内容なんですが、違うのは五木は真宗大谷派に、そして石原は、日蓮宗系の在家団体、つまり霊友会立正佼成会といった宗教団体に向けて書いていることでしょう。実際この本のなかでは、立正佼成会の開祖、庭野日敬の著作が頻繁に引用されていたり、霊友会のシャーマン・小谷喜美を褒め讃え、選選挙の時に霊友会から20万票回してもらった話などが随所に登場するんです」(前出・文芸評論家) 事実、石原にとって霊友会立正佼成会は、これまで最大のスポンサーであり最強の集票マシーンだった。そして実をいえば、それは今回の都知事選でも同様だったのである。別の石原の関係者が明かす。「怪文書には徳田や松浦云々と書いてあったが、実際の選挙資金は、おそらく立正佼成会がかなりの部分を負担したはずです。もちろん票集めもね。霊友会は数年前の久保継成会長の女性スキャンダルで組織が分裂状態のため、今回はそれほどでもないが、元をたどれば立正佼成会霊友会から派生した団体。つまり『法華経を生きる』は、都知事選に出たらお願いします、という石原から信者に向けたメッセージだったのかもしれないな」 2年前、本誌は石原を「醜悪」と批判したが、こうなるとむしろ「哀れ」とも思える。 いや一番哀れなのは、こんな人物を都知事に迎えてしまった東京都民、かもしれない。」

*6: インナートリップイデオローグリサーチセンター(IIC) http://www.reiyukai.or.jp/ouen/ouen2.html

*7: ウェブアーカイブのキャッシュ「現代日本の高校生意識」 http://web.archive.org/web/20040224211012/http://daigakushinbun.gr.jp/sengoku.htm  こちらに移転しているようです。 http://www.daigakushinbun.com/sengoku.htm