行政組織と一体化するマスメディア

 
前述の国家公安委員会の開催状況の中で、荻野直紀委員(読売新聞論説委員長)が「少年犯罪が人口比で成人よりも多い」とか言っていますが、社会を知らない未成熟な少年が成人よりも罪を犯しやすいのは普通のことで、程度問題でしょう。だから少年に対しては、やり直しがきくように少年法などのサポートのための立法が用意されているわけです。
荻野直紀委員(読売新聞取締役論説委員長)は5月23日に任期満了でクビになるので、後任の吉田信行委員(産経新聞専務論説・正論担当・論説委員長/下記写真)は荻野直紀委員のようなおかしな発言をしないよう、気をつけていただきたいものです。まぁどうせ無理でしょうけど。
 

2005年03月09日(水)
本紙論説委員長、国家公安委員に
http://news.goo.ne.jp/news/sankei/seiji/20050309/e20050309003.html

国家公安委員に産経新聞社専務(論説・正論担当・論説委員長)の吉田信行氏(63)を起用する人事が九日の参院本会議で同意された。五月二十三日で任期が切れる元読売新聞論説委員長の荻野直紀委員(70)の後任として近く首相が任命する。

 
そして、もうすぐ国家公安委員になろうとするこの男は、「剥き出しの嫉妬心の表出を楽しむ」などという文章を書いている男だったりします。70にもなってなに言ってるんだか。
 


このわたしは高等学校2年17歳のとき、人間のもつ感情のなかで最も恥ずべきものは何かと己の心に問うた。嫉妬心というのが、その答えであった。爾来いっさい嫉妬の感情を顔から消そうと修験者のごとく日夜訓練につとめた。表情を読みとられてしまわぬよう、顔色はむろん顔面の神経から眉毛一つに至るまで平静を装う修行を繰り返した。やがてそれが習い性となり、体質化した。
そのわたしから観ると、きみたちは情念をいとも簡単に表出しすぎる。己を評価しない教師や異性に対し露骨に悔しがり、あまつさえ悪口(あっこう)を放つ。
こんな輩(やから)が入社してくると、自分を買ってくれない上司はもちろん、仕事に成功した同僚に対しても、紅い眼(紅眼病)(ホンイェンピン)をして見苦しい嫉妬の恥部をさらけ出すこと請け合いである。実に情けない。
発散してしまえばもう後にはなにも残らない。耐えられぬほど軽い単純無垢な人間が大量生産される所以である。その点、ジェラシーの殺し屋たちはマグマとして内部に怨念のエネルギーを蓄えているから、空洞のきみたちを採用せずに、殺し屋たちに招待状を送ることになる。外されるきみたちの剥き出しの嫉妬心の表出を今から楽しむことにしよう。

 
NHK政治介入疑惑では、たしか産経新聞も読売新聞も「取材源との距離をとるのがあたりまえだ!」というような立場で国際女性法廷についてのNHKの番組改変を支持していたようですが、だったら荻野直紀(読売新聞取締役論説委員長)氏や吉田信行氏(産経新聞専務論説・正論担当・論説委員長)は、国家公安委員会委員に薦された時に、取材源である政治との距離を保って委員推挙を辞退すべきではないでしょうか。
ちなみに、産経新聞社「正論」編集長の大島信三氏は2000年5月号の記事で、こんなことを書いていました。
 

月刊「正論」編集室で 5月号
http://www.sankei.co.jp/pr/seiron/koukoku/2000/0005/kouki.html

公安委員になりたい、と友人はいった。下心は報酬。都道府県の公安委員で年俸が百九十二万円から六百六十万円のところまである。国家公安委員は年俸二千六百六十七万円。これはもらいすぎだ。いま、国家公安委員の方々は世間の冷たい視線をあびて切ない日々をおくっているにちがいない。あぶく銭というのは、あとが怖い。
(編集長・大島信三

 
産経新聞社の雑誌が、国家公安委員の年俸を「あぶく銭」とまで書いている以上、吉田信行国家公安委員はもらいすぎている「あぶく銭」を返上するのでしょうね。
5月になったら国家公安委員会産経新聞社と「正論」編集部に、吉田信行国家公安委員の年俸返上について、質問状と上申書を内容証明郵便で送りますので、そのつもりでいてください。どうせ彼らは返事などしないと思いますが。
 
念のため書いておきますが、マスメディアの政治との距離について、行政との一体化している事例は読売や産経だけにみられる現象ではなく、他のマスメディアも大なり小なり行政組織に組み込まれている、と書いておきます。
一例として、東京都で不健全図書指定を審議している東京都青少年健全育成審議会委員名簿を例にあげておきます。
 

■東京都生活文化局都民生活部男女平等参画・青少年対策室
http://www.seikatubunka.metro.tokyo.jp/index9.htm
東京都青少年健全育成審議会
http://www.seikatubunka.metro.tokyo.jp/index9files/singi.htm
第20期(14.10.1から16.9.30) 東京都青少年健全育成審議会委員名簿(平成16年4月1日)
http://www.seikatubunka.metro.tokyo.jp/index9files/20kikenzensinmeibo.pdf

日本新聞協会
瀬戸純一 毎日新聞社論説委員 会長代理
庄司正 東京新聞編集局文化部編集委員
徳永文一 読売新聞東京本社論説委員

 
取材先からお金をもらったり接待を受けたりして、ジャーナリストとして恥ずかしくありませんか? そんなところからお金をもらって、取材先が書いて欲しくない情報を報道できるのでしょうか? そんな態度で国民の知る権利を行使できるのですか?>マスメディアのみなさん
 

日本新聞協会
新聞倫理綱領 2000(平成12)年
http://www.pressnet.or.jp/info/rinri/rinri.htm

独立と寛容 新聞は公正な言論のために独立を確保する。あらゆる勢力からの干渉を排するとともに、利用されないよう自戒しなければならない。

読売新聞社行動規範(2001年5月)
http://info.yomiuri.co.jp/company/shinjyo/

報道の公正さを疑われるような利益の提供は受けてはならない。それは、現に取材対象となっている相手からの利益提供に限らない。

 
大人の嘘や偽善ほど、子どもの心に悪い影響を与える行動はありません。大人の嘘や偽善から、子どもは悪意を学ぶでしょう。
嘘をつく大人の「青少年の健全な育成」などという欺瞞に満ちた態度こそ、青少年の健全な育成にとって有害であるとは思いませんか>父兄のみなさん

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