防衛庁・民放連・新聞協会の取材検閲協定

イラク派遣時に既報されていますが、kitanoのアレではとりあげていなかったので、情報保存も兼ねて。
防衛庁が同意しなければそれ以上の情報を取材できず報道もできないという状況が今現在進行中であるという事実は、日本人として認識しておくべきかと。

防衛庁
イラク人道復興支援特措法に基づく自衛隊部隊の派遣に関する当面の取材について
http://www.jda.go.jp/j/iraq/syuzai/syuzai.htm

以上のことから、上のような報道により派遣される部隊及び隊員等の安全確保を含めた防衛庁の円滑な業務遂行を阻害すると認められる場合は、爾後の取材をお断りすることになります。
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別紙
イラク人道復興支援特措法に基づく自衛隊部隊の派遣に関する当面の取材について(お願い)
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 また、イラク人道復興支援特別措置法に基づく自衛隊部隊の派遣に関する取材及び報道に当たっては、次に示す隊員の生命及び安全に関する事項についての報道を自粛されるようお願いいたします。
(1) 部隊、装備品、補給品等の数量
(2) 部隊、活動地域の位置
(3) 部隊の将来の活動に関わる情報
(4) 部隊行動基準、部隊の防護手段、警戒態勢に関わる情報
(5) 部隊の情報収集手段、情報収集態勢に関わる情報
(6) 部隊の情報収集等により得られた警備関連情報
(7) 他国軍等の情報(当該他国軍等の許可がある場合を除く)
(8) その他の隊員の生命及び安全に関すること
(9) その他、部隊等が定める事項

解説 イラクなどにおける人道復興支援活動にかかわる広報
http://www.jda.go.jp/j/library/wp/2004/2004/html/1641c5.html

 一方、報道機関への対応としては、イラク現地での自衛隊の活動が本格化し報道対応の態勢が整っていく中で、隊員などの安全・円滑な任務遂行と報道を通じた適切な情報発信とをいかに両立させるかという観点から、イラク人道復興支援活動の現地取材の枠組みについて、防衛庁と報道機関との間で本年2月以降7回にわたり協議を重ね、同年3月11日に報道の自由、隊員・報道関係者の安全確保などの基本原則の下で取材することなどについて合意した。これまで、このような取材の枠組みについて合意が行われたことはなく、防衛庁と報道機関との間で円滑な協力関係を築く上で大きな役割を果たすものとなった。

(臨時記者会見概要)2004年1月9日(18:01〜18:20)石破長官臨時会見概要
http://www.jda.go.jp/j/kisha/2004/01/09b.htm

Q:  本日、報道各社の編集責任者が庁内に集まって長官ご自身から現地の取材の自粛等をお話しされたと聞いておりますが、これに関する長官自身の見解をあらためて聞きたいということと、これは外国メディアに対しても同じような対応をするのかという2点をお願いします。
A:  
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外国のメディアに対してはどうかということをついては、それは防衛庁記者クラブというものは国内の報道各社の皆様で構成されております。しかし、その隊員の安全を図るという観点から申し上げれば、それは国内の報道の方々であれ、外国の報道の方々であれ、その目的の達成のために私どもがお願いをするという点において同一のものであります。従いまして今日のお昼の会においても申し上げたことでありますが、それぞれの外国メディアの皆様方に対しましても安全確保の観点から全く同じお願いをし、その実行を図りたいと考えているところであります。
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Q:  報道各社に配られた資料を見てみますと、要するに現地での取材を止めて、ホームページだけを見ていただければ構わないというような印象さえもしかねないと思うのですが、それについてはいかがでしょうか。
A:  それについては私どもとして国民の皆様方に提供すべき情報、つまり安全の確保というものに関わらなくて、そして国民の皆様方に政府として提供すべきものはインターネットだけではなくて、今ご指摘のような「これだったらインターネットを見れば全部書いてある。」というような形で対応をしようとは思っておりません。当然、色々な会見あるいは取材等で、例えばこういう場を利用してあるいは個々のご取材に対して、私どもとして国民の皆様方にお知らせすべきことは皆様方の力を借りて、あるいは皆様方の持っておられる手段を通じてお伝えをするということでございます。

石破長官会見概要 2004年1月9日(09:56〜10:15)
http://www.jda.go.jp/j/kisha/2004/01/09a.htm

Q:  先ほど、先遣隊の派遣に関しては十分な安全配慮などを安全確保の面からきちんとしておく必要があるという大臣のお話がありましたけども、仄聞するところ今日防衛庁長官は各社の報道局長を呼んで、イラク国内の取材に対する取材の自粛であるとか、安全確保という観点から報道に対する何かお願いのようなものをされるというふうに伺っておりますけれども、それは例えば先遣隊の取材や報道について現時点で大臣としてはどのようにお考えだということなんでしょうか。
A:  基本的に派遣される隊員の安全ということに私は責任を負っております。その安全に支障が出るような事態というものは私として避けなければいけません。それも私が持っておる責任でございます。それは当然、今おっしゃった仄聞とおっしゃいましたが、そのようなことをお願いするということはあることだろうと思っております。それは、日本における民主主義的な報道というものを最大限に尊重するということと、合わせて法によって私に課せられております安全配慮義務というものをどのようにして両立をさせ、止揚していくかということであります。

石破長官会見概要 4月13日(09:10〜09:25)
http://www.jda.go.jp/j/kisha/2004/04/16a.htm

Q:  サマーワから報道陣が撤退したということなのですが、大臣は色々な講演先で自衛隊員の生の活動の姿が映像を通して国民に伝えられたことというのが国民の理解を進めるということを言っておられたのですが、サマーワにおける人道復興支援活動を今後国民に理解していただく上で、実際にクルーや取材者がいないカメラもいないという中で、どういうふうに確保していかれるお考えなのでしょうか。
A:  一般論で言えば、また戻っていただけるような状況が早く回復すれば良いなということであります。そういうふうな形で皆様方が、報道していただける様な状況が早く再来すると良いなと思っています。しかながら、現在は今ご指摘の通りでございますから、私どもは現地におきましてメールを配信いたしましたり、映像を提供いたしましたり、あるいはホーム・ページによる広報、そういうものをより充実させて行かなければいけないのではないかなというふうに思っております。いわゆる邦人記者の方々は多く引き上げられているわけでございますけれども、どういう形でそのような映像を発信できるか。現地の、サマーワの、イラクアルジャジーラの支局がサマーワにあるかどうか知りませんが、現地メディアというものも通じて、皆様方にも当然配信されることになるわけで、その重要性というものを充分認識をし、今後ともそういうような効果を上げるべく努力をしていきたいと思います。

日本民間放送連盟
2004.1.23 「イラク現地における自衛隊の情報提供に関する申し入れ」および「イラク現地における自衛隊取材に関する申し合わせ」について
http://www.nab.or.jp/htm/press/inform20040123.html
イラク自衛隊取材に関する申し合わせ および防衛庁との確認事項について
http://www.nab.or.jp/htm/press/press20040311.html

           記
 新聞協会および民放連加盟社の、標記にかかわる取材活動は、以下の基本原則の下で行われる。
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4.自衛隊部隊の円滑な任務遂行
現地の自衛隊部隊の円滑な任務遂行に支障を与えないよう留意する。

日本新聞協会
平成16年3月11日 イラク人道復興支援活動現地における取材に関する申し合わせ
http://www.pressnet.or.jp/info/seimei/iraq20040311.htm
イラク現地における自衛隊の情報提供に関する申し入れ
http://www.pressnet.or.jp/info/seimei/iken20040123.html
イラク現地における自衛隊の取材に関する申し合わせ
http://www.pressnet.or.jp/info/seimei/iken20040122.html

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