邦人人質事件・民主党の対応

邦人人質事件発生を受け、民主党が活発に党活動を公表しています。民主党は、「脅しに屈するかたちでの撤退はすべきではないが、政府はイラクへの自衛隊派遣決定と、不十分な邦人保護策が今回の事件を招いた責任を重く受け止めるべきである」との見解を示しています。

民主党
2004年10月27日 
【談話】イラクでの日本人人質事件に関して

民主党代表 岡田克也
報道によると、本日、イラク香田証生さんがアルカイダ聖戦団を名乗る集団に拘束された。48時間以内に自衛隊の撤退を要求しているとされるが、犯人グループの卑怯な手口に、激しい憤りを禁じえない。香田さんやご家族の心中を察すると、居たたまれない思いである。犯人グループは人質を即時解放すべきである。
イラクでは、治安が一向に改善していないにもかかわらず、政府は、4月の日本人人質事件以降も、退避勧告以外に、類似事件の予防のため、十分な対策を講じてきた形跡はない。サマワでは、去る22日(現地時間)に自衛隊の基地内にロケット弾が着弾しており、自衛隊も本格的に攻撃の対象に加えられている可能性をしっかりと認識すべきである。
政府は、邦人が巻き込まれる事態も予測できていたはずであり、懸念されていた事態が発生してしまったことは極めて遺憾である。自衛隊を派遣した小泉政権は、その対応に万全を期し、人質の救出を実現する重い責任がある。政府は香田さんの一刻も早い解放、救出に全力を傾注すべきである。
民主党は、大義なきイラク戦争及びイラク特別措置法による自衛隊の派遣に反対し、12月14日に期限を迎える自衛隊の撤退を求めてきた。脅しに屈するかたちでの撤退はすべきではないが、政府はイラクへの自衛隊派遣決定と、不十分な邦人保護策が今回の事件を招いた責任を重く受け止めるべきである。
小泉政権の責任は極めて重大であるが、民主党として、人質の救出を第一義とする観点から、現時点において、緊急事態に対応するため、それぞれが収集した情報の交換や共有など、政府に協力する用意があることを表明する。
以上

2004年10月28日 
人質解放への呼びかけ
http://www.dpj.or.jp/news/200410/20041028_08iraq.html

日本人の香田証生さんがイラクで拘束されたというニュースに、日本人は皆、大きな不安と悲しみを抱いています。私たち日本人は、長い間、イラクの友人でありましたし、私たちがイラクを訪れる度にイラクの皆さんは、とても歓迎してくれました。
昨年3月のイラクに対する先制攻撃が始まった時、日本人の多くがこの戦争に反対しました。そしてイラクの人道・復興支援のためであるとはいえ、自衛隊イラクに派遣されたことに対して、日本人の約6割以上が反対しています。二大政党の一翼である私たち民主党も強く反対しています。
とくに香田さんは、政府にも自衛隊にも何ら関係のない民間人です。このような惨いやり方をしても、自衛隊の撤退にはつながりません。逆に私たちのように自衛隊を撤退させるべきと主張している人たちさえも、大事な同胞の命と引き換えに要求をする人たちの主張に耳を貸すわけにはいかないという気持ちになってしまいます。自衛隊の駐留期限が切れる12月以降の撤退に民主党は全力で取り組んでいます。また、無実の一般市民が殺され、戦争で苦しむイラクの一般市民の真の救済につながる支援策を私たちは提案しています。イラクと日本の人々が真に協力しあえるためにも、人質を即時解放して下さい。
民主党代表 岡田克也

2004年10月27日
民主党イラク日本人人質事件緊急対策本部を設置
http://www.dpj.or.jp/news/200410/20041027_08iraq.html
2004年10月27日 
【次の内閣】イラク人質事件、政治資金規正法改正案などを議論
http://www.dpj.or.jp/news/200410/20041027_07nc.html
2004年10月27日 
イラク人質事件緊急対策室の設置及び緊急対策会議の開催について
http://www.dpj.or.jp/news/200410/20041027_01iraq.html
2004年10月27日 
民主党イラク人質事件緊急対策会議を開催

http://www.dpj.or.jp/news/200410/20041027_02iraq.html
2004年10月28日 
イラク日本人人質事件緊急対策本部会議開き、救出への対応策を検討

http://www.dpj.or.jp/news/200410/20041028_04iraq.html
2004年10月28日 
鳩山本部長代理ら、日本人人質事件をめぐり駐日イラク大使と会談
http://www.dpj.or.jp/news/200410/20041028_07iraq.html
2004年10月29日【ネット中継】川端幹事長会見 16:00頃〜
ビデオ映像
http://asx.pod.tv/dpj/free/2004/20041029kawabata_v56.asx
2004年10月26日【ネット中継】岡田代表会見 15:00頃〜
岡田代表は「サマワのことは、(もともと安全な地帯があるという前提を認めたうえで)危険になったから反対しているということではなく、それ以前に憲法上の疑義があるので反対している。安全な地域を特定できないということを問題にしている」と発言。
http://asx.pod.tv/dpj/free/2004/20041026okada_v56.asx

民主党が事件発生後に政党として迅速な対応を行っている点、イラク派兵法が憲法上の疑義があると政党として判断している点は率直に評価できます。
ただ、民主党の対応で疑問に感じるのは、今回の事件に限らないのですが、「イラク戦争侵略戦争である」とはっきり言わない点です。
主戦国以外の国の議員ははっきり言っています、「イラク戦争侵略戦争だ」と。

水島広子の国会報告メール No.189 2004.5.15発行
http://backno.mag2.com/reader/BackBody?id=200405150500000000056084000

ノルウェー外務副大臣との懇談
5月12日の夜、ノルウェー大使館に招かれて、外務副大臣および2名の国会議員との夕食会に参加しました。 
オスロ合意など、平和のために尽力してきたノルウェーから見れば、やはり今の日本の外交政策は疑問がつきないようです。国会議員たちも、「今までの日本はこんなことをしなかったはずなのに。なぜ日本人は戦争が好きなのか。イラクはPKOとは全然違う。侵略戦争だ」と明言していました。

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海外の邦人人質事件の報道写真いろいろ
 

http://news.search.yahoo.com/news/search?p=iraq+japan&ei=UTF-8&fl=0&c=news_photos

http://story.news.yahoo.com/news?tmpl=story&u=/041029/photos_wl_pc_afp/041029002043_i8eq3wbk_photo2
http://story.news.yahoo.com/news?tmpl=story&u=/041029/ids_photos_wl/r616721918.jpg
http://story.news.yahoo.com/news?tmpl=story&u=/041028/photos_wl_pc_afp/041028154811_8b5j540s_photo0
http://story.news.yahoo.com/news?tmpl=story&u=/041028/ids_photos_india_wl/ra3026665059.jpg
http://story.news.yahoo.com/news?tmpl=story&u=/041028/photos_wl/mdf740100
http://story.news.yahoo.com/news?tmpl=story&u=/041028/photos_wl/mdf741081
http://story.news.yahoo.com/news?tmpl=story&u=/041028/ids_photos_wl/r3059284449.jpg
http://story.news.yahoo.com/news?tmpl=story&u=/041028/ids_photos_wl/r4208912927.jpg
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http://story.news.yahoo.com/news?tmpl=story&u=/041028/ids_photos_wl/r909005828.jpg
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http://story.news.yahoo.com/news?tmpl=story&u=/041028/photos_wl_me_afp/041028004733_1m16julf_photo3
http://story.news.yahoo.com/news?tmpl=story&u=/041027/481/tok11010271402
http://story.news.yahoo.com/news?tmpl=story&u=/041027/481/tok11410271344
http://story.news.yahoo.com/news?tmpl=story&u=/041027/481/tok81710271338
http://story.news.yahoo.com/news?tmpl=story&u=/041027/481/bag11410271332
http://story.news.yahoo.com/news?tmpl=story&u=/041027/481/bag11210271252
http://story.news.yahoo.com/news?tmpl=story&u=/041027/481/tok11310271247
http://story.news.yahoo.com/news?tmpl=story&u=/041027/481/tok11510271247
http://story.news.yahoo.com/news?tmpl=story&u=/041027/ids_photos_wl/r1703190655.jpg
http://story.news.yahoo.com/news?tmpl=story&u=/041027/ids_photos_wl/r2528991747.jpg
http://story.news.yahoo.com/news?tmpl=story&u=/041027/ids_photos_wl/r2513036540.jpg
http://story.news.yahoo.com/news?tmpl=story&u=/041027/ids_photos_wl/r265000519.jpg
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http://story.news.yahoo.com/news?tmpl=story&u=/041027/photos_wl_me_afp/041027074934_8bpzbbgh_photo0
http://story.news.yahoo.com/news?tmpl=story&u=/041027/481/tok80210270607
http://story.news.yahoo.com/news?tmpl=story&u=/041027/481/tok80110270331
http://story.news.yahoo.com/news?tmpl=story&u=/041027/ids_photos_wl/r1513987911.jpg
http://story.news.yahoo.com/news?tmpl=story&u=/041027/481/tok10110270119
http://story.news.yahoo.com/news?tmpl=story&u=/041027/481/tok10210270117

そんなのどうでもいいからとりあえず首切断画像を見たいという鬼畜な方はこちらで予想される結果を確認してください。こんなことやっちゃいません。やらせてもいけません。

※要覚悟画像。
閲覧・使用について責任を負えません。自己責任でお願いします。
http://nun.nu/www.homestead.com/prosites-prs/files/berg1.jpg
http://nun.nu/www.homestead.com/prosites-prs/files/berg4.jpg
http://nun.nu/www.homestead.com/prosites-prs/files/berg6.jpg

軍人のみなさんのプロパガンダ画像は陸上自衛隊サイトにあります。

陸上自衛隊 イラク復興支援群
記念品の贈呈

イラクの子どもたちに笑顔無し。
海外に出兵している陸上自衛隊の兵隊の公開メールアドレスはこちら。「早く生きて帰って来い」の一言が隊員とその家族にとってなによりの激励かもしれません。

gsopao@jgsdf.info-jda.go.jp?Subject=早く生きて帰って来い

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それにしても絶妙のタイミングで人質事件が起こったものですね。基地内ロケット弾着弾で派遣撤退が議論されかけていた時に、都合良く人質事件発生。「これで当分、自衛隊はなにが起きても撤退さなくて済むぜぃ!」などと考えているのかもしれません、派遣撤退準備を妨害しようと画策していた派遣継続派は。
以下、マスメディア様の見解。陸奥新報がいいこと書いています。

朝日新聞 社説 10月28日
日本人人質――救出に手立て尽くせ
http://www.asahi.com/paper/editorial.html
http://www.asahi.com/paper/editorial20041027.html

サマワに派遣されている自衛隊は、今年12月に派遣期限が切れる。
それを延長するか、撤退すべきかについては、今回の事件とは切り離し、イラクをめぐる全体情勢を踏まえたうえで、改めて考えるべきである。

陸奥新報 社説 2004/10/28
http://www.mutusinpou.co.jp/news/04102809.html

参院選を目前に拉致事件が発生した半年前、世論を跋扈(ばっこ)した自己責任論には、決して賛同できない。「退避勧告に耳を貸さず入国した人は殺されても仕方がない」という論調や雰囲気には、政治への責任追及の矛先を逸したいとの思惑が間違いなく潜む。無実の市民の犠牲を容認する無神経さに、国民本位の政治を期待してもしょうがない。
政府は十二月十四日で期限が切れる自衛隊派遣を延長する方針。延長は六回目を数える。サマワは戦闘地域ではなく、「テロに屈せず人道復興支援の重大さを自覚する」(二十七日、大野功統防衛庁長官)のだという。事態を踏まえ、開会中の臨時国会では自衛隊の派遣について法に照らし、撤退の是非について国民の支持を得られるよう議論が必要だ。

北海道新聞 社説
日本人人質*無事解放を期待したい(10月28日)
http://www.hokkaido-np.co.jp/Php/backnumber.php3?&d=20041028&j=0032&k=200410287255

今年四月に起きた高遠菜穂子さんら三人の人質事件と酷似している。イラクに軍隊を派遣日本がいかに復興支援が目的と主張しても、反米組織からみれば、米国による軍事占領に加担し、軍まで派遣している国でしかないのだろう。
町村信孝外相は「危険なことがわかっていながらなぜ旅行したのか、誠に理解に苦しむ」と批判した。
事情はどうあれ、国内の事件での被害者救出が警察の任務であるように、国外での邦人保護は外務省をはじめとする政府の義務である。
仮に軽率だったにしても、その代償が生命とはとても認められない。
責めるべきは、被害者よりも、生命を盾に要求を押し通そうとする犯人側の卑劣さでなければならない。
首相は「テロに屈しない」「自衛隊は撤退しない」と明言した。
その結果ももちろん引き受けるつもりなのだろうが、日本人人質事件が繰り返される理由も熟考すべきだろう。無事解放を必ず実現してほしい。

熊本日日新聞社
イラク日本人人質 まず無事救出を最優先に 平成16年10月28日
http://www.kumanichi.co.jp/iken/iken20041028.html

小泉純一郎首相は「テロには屈しない」と、自衛隊の撤退に応じない考えを表明した。要求を受け入れれば、同様の犯行を助長しかねない。当然である。
ただし、自国民が人質となった以上、無事救出は政府に最優先で求められる責務だ。政府はまず、香田さんの救出に最大の努力をすべきだ。
大野功統防衛庁長官は二十七日、「サマワは戦闘地域でない」と述べ、情勢を見極めながら自衛隊の派遣延長の可否を判断する考えを示した。しかし、急増する外国人拉致事件は、イラクの治安悪化がさらに深刻化していることを示しており、現地の自衛隊を取り巻く状況が一段と厳しくなったのは間違いない。政府は、今回の人質事件について正確な情報を収集する一方で可能な限りを公開し、イラクへの復興支援のあり方について、国民が納得できる議論を行うべきである。

愛媛新聞社
社説 2004.10.28(木)イラクで邦人拉致 早期救出へ全力で取り組みを
http://www.ehime-np.co.jp/shasetsu/shtsu20041028.html

元をただせば、自衛隊イラク派遣が事件の引き金になっている。拉致は卑劣で許されない犯罪だが、責任の一端は日本政府にもあるといえよう。
が、要求に従って自衛隊を撤退させればテロに屈したことになり、結局はテロを助長しかねない。すぐに自衛隊を撤退させるのは問題が多い。
一方で、自衛隊がこのままイラクにとどまるべきかどうか、についても疑問符がつく。
米国がイラク戦争大義とした大量破壊兵器は存在しなかったことが明らかになった。復興支援のためとはいえ、自衛隊を派遣した日本の責任があらためて問われる事態だ。
しかも、自衛隊が宿営している南部ムサンナ州サマワの状況は緊迫している。先日は宿営地内にまでロケット弾が着弾した。信管が装着されてない不発弾だったとはいえ、先行きに不安を覚える状況だ。
着弾騒ぎでは、ムサンナ州知事が日本を訪問したことがテロリストを刺激したのではないかとの見方もある。今回の事件とも関係があるのだろうか。
イラク復興支援特別措置法に基づく基本計画では、自衛隊の派遣期間は十二月十四日までとなっている。政府は活動を延長する方針だが、新たな事態を踏まえ、撤退も視野に入れて論議を尽くす必要がある。

高知新聞社
【人質事件】香田さん解放に全力を
http://www.kochinews.co.jp/editor.htm
http://www.kochinews.co.jp/0410/041028editor.htm

単身でイラク入りした青年の行動には批判の声が出ているが、一人の命が危険にさらされている現実から目をそらすことはできない。実態把握、そして教訓を生かした解放交渉という重い責務が日本政府に課せられた。
自衛隊撤退要求を小泉首相が即座に拒否するなど、事件は国内の政治問題に広がる可能性がある。これは政治の場であらためて論議するとして今、最も急ぐべきは香田さんの救出である。

河北新報 社説
イラクの日本人拉致/万全かつ迅速な救出作戦を 10月27日
http://www.kahoku.co.jp/shasetsu/2004/10/20041028s01.htm

イラクへの自衛隊派遣、多国籍軍への参加は「人道復興支援」のためとする政府の説明に対し、過激派だけでなく住民の一部にも「米軍に加担している」との反発が広がっている。国際テロ組織が仕掛けるテロ攻撃は場所も人も選ばない。自衛隊の身代わりに、なんのかかわりもない人が標的になる。
非戦闘地域」に限るとする派遣の要件の不確かさがあらためて問われよう。イラク戦争大義が米英自身の調査でついえた今、12月14日の期限が迫る陸自の派遣延長問題でも十分な論議が必要だ。

岩手日報 論説 2004.10.28
イラクで日本人拉致 生かされなかった教訓
http://www.iwate-np.co.jp/ronsetsu/y2004/m10/r1028.html

イラク問題に関連し、米政府調査団が議会に提出した最終報告書は、開戦時にイラクにはいかなる大量破壊兵器もなかったと結論づけ、戦争の大義、正当性が大きく崩れた。サマワに駐留している陸上自衛隊の宿営地内に初めてロケット弾1発が着弾するなど、サマワ安全神話も崩れかけている。
日本のいち早い開戦支持に疑義が出始め、自衛隊の活動範囲を「非戦闘地域」に限定したイラク復興支援特別措置法を逸脱しかねない現状にもある。こうした中で、政府は活動期限が切れる12月14日以降の自衛隊派遣期間の延長方針をほぼ固めている。状況が大きく変化しているのに、このまま方針を既成事実化していいのかどうか。復興支援活動とともに、その是非についての幅広い論議が不可欠である。

琉球新報 社説
10月28日 邦人拉致事件・人質救出に万全尽くせ
http://www.ryukyushimpo.co.jp/shasetu/sha29/s041028.html#shasetu_1

他方、サマワ陸上自衛隊宿営地近くで二十二日午後十一時すぎ(日本時間二十三日午前五時すぎ)にロケット弾一発が着弾したことが明らかになった。今年四月の陸自宿営地開設以来、周辺への攻撃は七回目だが、宿営地内部への着弾は初めて。政府が言う「サマワは安全」との説明は有名無実だ。サマワの現状がイラク復興支援特措法が自衛隊派遣の要件とする「非戦闘地域」でないことは、誰の目にも明らかだ。
政府は「非戦闘地域」ではないイラクの現実、イラク戦争が実態のない「大量破壊兵器保有」を口実にした「大義なき戦争」であった事実を踏まえ、自衛隊撤退問題もあらためて論議し、決断の時に備えるべきだろう。

佐賀新聞
2004年10月28日付 論説 イラク邦人拉致 まず人命を最優先で
http://www.saga-s.co.jp/pub/ronsetu/index.html

自衛隊の活動条件を規定する特別措置法は「隊員の安全確保」を定めているが、サマワを「非戦闘地域」と見なすのは、もはや無理だ。それでなくとも、イラク戦争開始前に同国には大量破壊兵器はなかったとの米政府調査団の報告書が公表され、戦争の大義は崩れている。
サマワ周辺の治安を担当するオランダ軍部隊は、来年三月までの駐留期間を延長せず、撤退する方針を決めた。
基本計画で定める自衛隊の派遣期限は十二月に切れる。政府は計画変更で一年間の活動延長を検討しているが、現地情勢などを勘案し、今後の活動の在り方を慎重に議論すべき時だ。

2004年10月27日付論説 陸自宿営地被弾 派遣継続に疑問符

イラク南部サマワ陸上自衛隊宿営地にロケット弾が撃ち込まれた。信管は装着されておらず、不発弾で死傷者はなかったのは幸いだが、ついに被弾の事態に至った。それでも「非戦闘地域」なのか。隊員の安全が脅かされる状況も派遣継続の正当性を疑わせる。
砲弾は直径百七ミリのロケット弾で、長さ約七十センチ。隊員の居住区域をかすめる形で落ちた。宿営地内への着弾は時間の問題とみられていた。日本を狙ったことは明らかだ。
一連の攻撃は、自衛隊やオランダ軍を米国の占領政策の協力者とみていることを示している。
細田官房長官は二十五日の記者会見で、イラク特措法が規定する「非戦闘地域」に変更がない、と表明したが、宿営地への着弾、度重なる警告、イラク全土の治安悪化をみれば疑問を持たざるを得ない。
もう一つの派遣条件である「隊員の安全」も同様である。導入した監視用小型無人ヘリも、今回の攻撃を察知できなかった。宿営地への砲撃を予測し抑止する有効な手だてはないのである。サマワの「安全神話」は既に崩壊している。法に照らせば、派遣延長を強行するのはおかしいのではないか。

茨城新聞 社説
10月28日 イラク日本人人質 無事解放に全力挙げて
http://www.ibaraki-np.co.jp/main/submain/ronsetu/page01.htm

イラク復興支援特別措置法は自衛隊の活動条件として「隊員の安全確保」を定めているが、比較的安全とされたサマワも「非戦闘地域」と見なすのは、もはや無理である。それでなくともイラク戦争開始前に、同国には大量破壊兵器はなかったとの米政府調査団の報告書が公表され、戦争の大義は崩れている。
日本政府が「復興人道支援」を強調しても、反米武装勢力には自衛隊の存在は米軍と同様に映っているだろう。サマワをはじめとするムサンナ州の治安を担当するオランダ軍部隊は、来年三月までの駐留期間を延長せず、イラクから徹底する方針だ。
 自衛隊については基本計画で定める派遣期限が十二月に切れる。政府は計画変更で一年間の活動延長を検討しているが、現地情勢などを勘案し、撤退を含めて今後の活動の在り方を慎重に議論すべきだ。

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■関連ログ

人質事件については前にも少し書きました。政府の邦人保護義務については書くと長くなるのでリンクだけ。

http://d.hatena.ne.jp/kitano/20040414#p5

人質事件で目だった人々の想像力の貧困については、江川氏が以前発言していました。

http://d.hatena.ne.jp/kitano/20040417#p2

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またしてもケダモノ君たちによる卑劣な中傷が起きているようですね。

香田さんの実家や市役所に中傷の電話・メール 邦人人質
http://www.asahi.com/national/update/1028/034.html

市役所や県には、電話や電子メール、ファクスが40件近くあった。「自分の意思で行った人を税金で助ける必要はない。災害で困っている人のために使うべきだ」「身勝手なことをする人に支援するのは納得いかない」など、ほとんどが香田さんの行動を非難する内容だという。大半は匿名だった。

「大半は匿名だった」という事実がすべてを物語っているように思えます。
情報公開条例がある自治体では、自治体に送信されたメールは、プライバシー情報は公開されないかもしれませんが、メールの内容それ自体は公開される可能性がありますので、送信したメールの内容は不特定多数が閲覧する可能性があるという前提で送信した方がよいと思います。余計なお節介かもしれませんが、念のため。
ちなみに、私は自治体に情報公開請求して電子メールの内容を公開させた例があります。電子メールや陳情請願を扱う総務部局担当者の話では、「受理された文書は公文書として処理されるため、自動的に情報公開条例上の適用対象公文書となる。ただしプライバシー情報は情報公開条例上非開示となる」ということです。
以下、その例。

■北の系
http://zirr.hp.infoseek.co.jp/
資料/電子メールによる有害情報通報
http://zirr.hp.infoseek.co.jp/020303.html

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