まんが喫茶規制に賛成?泉健太議員

ニューヨーク


泉健太衆議院議員メールマガジンより関係部分を抜粋引用。

泉健太衆議院議員(民主党/京都)
http://www.iKENTA.net/
衆議院議員 泉ケンタの活動報告 149号!
http://backno.mag2.com/reader/Back?id=0000045188
http://backno.mag2.com/reader/BackBody?id=200410181230000000045188000

●ようやく京都府も条例化へ! ピンクチラシ規制前進!
これまで浪人中から問題として取り上げてきたピンクチラシの規制について、先日、地元の田渕五十生府議会議員から「進展があったよ」と報告をいただきました。
京都府がこの2条例の制定を目指して、府民からパブリックコメント(意見公募)を開始したのです。
「青少年の健全な育成に関する条例の一部を改正する条例(案)」
京都府迷惑行為防止条例の一部を改正する条例(案)」
主な改正点は
■「青少年健全育成条例」■
☆書店・まんが喫茶での、いわゆる「エロ本」コーナーの区別の明確化
☆まんが喫茶・ネットカフェの青少年深夜入場(23〜4時)の規制
☆青少年の深夜外出の制限等
■「迷惑行為防止条例」■
☆ピンクチラシ等配布行為に関する禁止規定の新設
☆ピンクチラシ等配布行為への罰則規定の新設
☆チカン行為・無言電話などへの罰則強化
昨日も伏見区のマンションの集合ポスト周辺を見て回りましたが、以前から件数は減ったものの、ポストへの投げ込みはもちろん、ロビーや階段へのばら撒き行為も数多く見られました。
一軒家に住んでいる方には馴染みの少ない問題ですが、マンション世帯や学校では大きな問題になっています。
「規制」というのは、できるだけ少ないほうがよいのですが、性の低年齢化、そして犯罪や家庭崩壊などにもつながることが統計として現れている以上、放置するわけにはいきません。
子ども社会と大人社会を適度に分離することは必要不可欠です。
ぜひ皆様もパブリックコメントに積極的に参加をしてください。
皆様の思いを行政に反映させるよい機会です。
コメント投稿はこちらから可能です。
http://www.pref.kyoto.jp/comment/index.htm
※いずれも10月13日(水)〜11月12日(金)となっています。

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■発行:民主党京都府第3区総支部 衆議院議員 泉ケンタ
〒612-8434 京都府京都市伏見区深草加賀屋敷町3-6
ネクスト21-2 302号
電話 (075)646-5566 FAX (075)646-5567
URL http://www.ikenta.net/ メール

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私は泉健太議員の議員活動をある程度評価していただけに、今回の発言については失望しました。特に書店・まんが喫茶の陳列規制強化について、定見が無いあたり。庶民イジメをする前に、もっと早急に手をつけなければならない巨悪が他にあるでしょう。青少年にとって不健全な国家財政や地方財政をいままでさんざんつくってきたのは、民主党を含めた議員たちだということを思い起こしていただきたい。
現行の京都府「青少年の健全な育成に関する条例」では第13条で一定の業者が青少年に指定図書類(包括指定図書類を含む)を販売、頒布、貸し付け、閲覧、視聴、頒布をしないようにする努力義務が課せられていますし、同条例第13条の2では、図書類取扱業者は、「有害図書類」を青少年に販売、頒布、貸し付け、閲覧、視聴、聴取させる行為に対する禁止義務が課せられており、区分陳列義務も課せられています。
さらに、京都府知事には、区分陳列を怠っている図書類取扱業者に対して「改善勧告」が出す権限も条例上あります。
つまり、現行条例で対応済です。
一方、実際に「改善勧告」を出している事例が目に見えて激増しているという事実は、少なくとも京都府の「公表資料」には存在しません。
寝た子を起すな理論にもとづく“青少年に本を見せないための制度を作れば子どもは健全に育成される”という根拠の無い迷信を、オオカミ少年よろしく誰かさんがせっせと宣伝し、その宣伝に一部の人がふりまわされているだけではないかとの疑問は拭えません。

京都府青少年の健全な育成に関する条例(現行条例)
http://www.pref.kyoto.jp/reiki/reiki_honbun/aa30003411.html

(図書類等に係る努力義務)
第13条 図書類の販売若しくは貸付けを業とする者(以下「図書類取扱業者」という。)、興行を主催する者又は広告物の広告主若しくは管理者は、図書類、興行又は広告物の内容が次の各号の一に該当すると認められるときは、青少年に、当該図書類を販売し、頒布し、貸し付け、閲覧させ、視聴させ、若しくは聴取させ、当該興行を観覧させ、又は当該広告物を表示し、若しくは頒布しないよう自主的に努めなければならない。
(1) 青少年の性的感情を刺激し、その健全な成長を阻害するおそれのあるもの
(2) 青少年に粗暴性又は残虐性を生じさせ、又はこれを助長し、その健全な成長を阻害するおそれのあるもの
有害図書類の販売等の制限)
第13条の2 知事は、図書類の内容の全部又は一部が次の各号の一に該当すると認めるときは、当該図書類を青少年に有害な図書類として指定することができる。
(1) 著しく青少年の性的感情を刺激し、その健全な成長を阻害するおそれのあるもの
(2) 著しく青少年に粗暴性又は残虐性を生じさせ、又はこれを助長し、その健全な成長を阻害するおそれのあるもの
2 前項の規定にかかわらず、次に掲げるものは、青少年に有害な図書類とする。
(1) 書籍又は雑誌であつて、全裸、半裸若しくはこれらに近い状態での卑わいな姿態又は性交若しくはこれに類する性行為を被写体とした写真又は描写した絵で規則で定めるものを掲載するページ(表紙を含む。以下この号において同じ。)がその総ページの3分の1以上を占めるもの
(2) 映像が記録された磁気テープ、磁気ディスク、光ディスク又は光磁気ディスクであつて、全裸、半裸若しくはこれらに近い状態での卑わいな姿態若しくは性交若しくはこれに類する性行為の場面で規則で定めるものの描写の時間が合わせて3分を超えるもの又は映像が記録された磁気テープ、磁気ディスク、光ディスク若しくは光磁気ディスクの製作若しくは販売を行う者で構成する団体で知事の指定するものが審査し、青少年の視聴を不適当としたもの
3 第1項の規定による指定は、告示により行う。
4 図書類取扱業者は、第1項の規定により指定された図書類又は第2項各号の規定に該当する図書類(以下「有害図書類」という。)を青少年に販売し、頒布し、貸し付け、閲覧させ、視聴させ、又は聴取させてはならない。
5 図書類取扱業者は、有害図書類を陳列するときは、当該有害図書類を他の図書類と区分し、店内の容易に監視することができる場所に置かなければならない。
6 知事は、前項の規定に違反して有害図書類が陳列されているときは、当該図書類取扱業者に対し、期限を定めて、当該有害図書類の陳列の方法又は場所について改善すべきことを勧告することができる。
第31条
4 次の各号の一に該当する者は、20万円以下の罰金に処する。
(1) 第13条の2第4項の規定に違反した者

泉健太衆議院議員によると「性の低年齢化、そして犯罪や家庭崩壊などにもつながることが統計として現れている」ということですが、マンガ喫茶に、いわゆるカギカッコ付き「有害図書」がどれだけ陳列されているかという実態は府民がわかるような形で明らかになっていませんし、子どもがマンガ喫茶で「有害図書」をどれだけ読んでいるのかという基本的統計も府民がわかるような形で明らかになっていません。
さらに、マンガ喫茶で指定図書を読んだ子どもがどれだけ触法行為をしているのかという事実も府民がわかるような形で明らかになってしません。マンガ喫茶が「性の低年齢化、そして犯罪や家庭崩壊などにもつながる」という主張が、具体的にどのような根拠に基いてそう発言しているのか、京都府も説明していませんし、泉健太衆議院議員(民主党/京都)は説明していません。
肝心なデータが「公表情報」に含まれていないあたり、京都府の対応は東京都の健全育成条例改悪のケースと同じです。
まんが喫茶やネットカフェという場所は、家や学校に居場所がなくて自殺を考えている子どもが友達とつるんだりして自分を回復して「心の生命力」を維持しているケースもあるのではないかと想像します。
マンガ喫茶性風俗店ではありません。漫画は、民主党も賛成して作られた「文化芸術振興基本法第九条*1で「メディア芸術」として位置づけられている芸術文化であり、マンガ喫茶はメディア芸術である漫画を底辺で支えている文化産業です。
さらに、民主党も賛成して成立した「コンテンツの創造、保護及び活用の促進に関する法律」第三条*2には

コンテンツの円滑な流通が促進されること等を通じて、コンテンツの恵沢を享受し、文化的活動を行う機会の拡大等が図られ、もって国民生活の向上に寄与し、あわせて多様な文化の創造に資すること

とも書いてあります。
泉健太衆議院議員マンガ喫茶への条例規制に関する発言の真意に疑問を感じます。

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■追補

泉健太議員からメールがあったため、追補を書きました。

2004-11-04 泉健太議員発言に関する疑問に関して
http://d.hatena.ne.jp/kitano/20041104

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*1:文化芸術振興基本法 http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H13/H13HO148.html 「(メディア芸術の振興) 第九条  国は、映画、漫画、アニメーション及びコンピュータその他の電子機器等を利用した芸術(以下「メディア芸術」という。)の振興を図るため、メディア芸術の製作、上映等への支援その他の必要な施策を講ずるものとする。 」

*2:コンテンツの創造、保護及び活用の促進に関する法律 http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H16/H16HO081.html