「東京都青少年健全育成条例の改正反対に関する陳情」の審議(1)

東京都議会文教委員会速記録より「東京都青少年健全育成条例の改正反対に関する陳情」の審議部分を抜粋して転載します。

東京都議会文教委員会速記録第七号 平成十六年三月十九日(金曜日)
http://www.gikai.metro.tokyo.jp/gijiroku/bunkyo/d3030102.htm

本日の会議に付した事件
 生活文化局関係
付託議案の審査(質疑)
・第六十九号議案 東京都青少年の健全な育成に関する条例の一部を改正する条例
陳情の審査(質疑)
(1)一五第八七号 東京都青少年健全育成条例の改正反対に関する陳情
・・・

〇東委員長 説明は終わりました。
 次に、陳情について理事者の説明を求めます。
〇高島都民協働部長 それでは、お手元に配布させていただいております陳情審査説明表をごらんいただきたいと思います。
 表紙をお開き願いたいと思います。陳情番号一五第八七号、東京都青少年健全育成条例の改正反対に関する陳情についてご説明申し上げます。
 陳情者は、千代田区の東京都青少年健全育成条例改正に反対する市民有志代表世話人山口貴士さん外二万五千五百二十五人でございます。
 陳情の要旨は、東京都青少年健全育成条例の今回の改正等に反対する立場から、不健全な図書類の規制について、いわゆる包括指定制度を導入しないようにしていただきたいなど六項目でございます。
 続きまして、現在の状況でございますが、都は、昨年十月二十八日、第二十五期青少年問題協議会に対しまして、有害情報の効果的な規制、青少年の深夜外出の防止策などについて諮問し、本年一月十九日に答申をいただき、条例の一部改正について提言されたところでございます。
 現在、この協議会答申及び都民からの意見を踏まえ、本平成十六年第一回定例都議会、本議会に条例の一部改正案をご提案し、ご審議をお願いしているところでございます。
 以上、陳情に関するご説明を終わらせていただきます。よろしくご審査のほどお願い申し上げます。
 以上でございます。
〇東委員長 説明は終わりました。
 先ほどの資料を含めまして、これより、予算、付託議案及び陳情に対する質疑を行います。
 発言を願います。
〇山本委員 昨今の青少年を取り巻く社会環境というものは、病んでいるとしかいいようがないと思うんですね。毎日、新聞やテレビで報じられていることは、人殺し、強盗、かっぱらい、親殺し、子殺し。これは尋常な社会環境だとはどうしてもいわれません。それを反映して、青少年の犯罪が激増しております。規範意識の低下はまさに目に余ると、どなたも感じていることだと思います。
 最近行われた、中学、高校生の意識調査で、万引きは問題ないと答えた人たちが二割いるというんです。万引きは問題ないといったのが二割いるというんですね。驚くべきことだろうと思うんです。また、渋谷の繁華街で、夜十時過ぎても制服を着た女子高校生の姿が目立っているといわれる。
 こういうことを踏まえまして、私はこの三年間、青少年健全育成審議会の委員として、不健全図書類の指定について審議してきました。不健全図書、有害図書といってもいいですが、諮問されるものの内容はまさに悪くなる一方でありまして、特に問題なのは、このような図書類が普通のコンビニあるいは書店で売られているということです。いつでも手にとれる。
 よその国では、ひどい本はあるようでありますが、それは特殊な固定的な店でありまして、こんな状態にあるのは残念ながら日本の国だけだ、こういわれております。
 それだけでも問題があるのにかかわらず、最近はまた、いわゆる生セラ、ブルセラ、さらにスカウトという、従来では全く我々が考えることができなかった性風俗の問題も起きております。何とかしなければならないという焦りにも似たものが、今回の青少年健全育成条例の改正に踏み切ったのではないだろうかと私は思います。
 考えてみますと、歴代の青少年部長あるいは都民協働部長である高西さん、谷川さん、中島さん、そして今の高島さんを初め課長さんたち、職員たちが一生懸命、小人数でありながら、この環境問題に対応していることは、私はよく知っております。
 この青少年を取り巻く環境の悪化は、従来の対応ではもはや改善不能な状態に至っている。そのために、規制の強化は緊急の問題である。
 そこで、今回の条例改正のまず考え方についてお伺いいたしましょう。
〇高島都民協働部長 今回の条例改正の考え方につきましてご説明させていただきます。
 現状の認識につきましては、ただいま山本委員からお話がございましたように、青少年を取り巻く環境は看過できない、非常に悪化しておるという状況にございます。
 こういう状況を踏まえつつ、私どもは、青少年が健全に育つ環境を整備するために、やはり大人や、そして事業者の方々に規制を行い、青少年の健全な育成環境を保っていきたいということでございます。
 今回の改正に当たりましては、大人の世界と青少年の世界を区分けする、いわゆるゾーニングということでございますが、これをより徹底いたしまして、それに伴う実効性のある規制を行い、さらに条例でこういう規定を定めることによりまして、社会の規範意識に対しまして警鐘を鳴らし、一定の規範化、そういうものの宣言的効果の発揮を目指したところでございます。
 以上でございます。
〇山本委員 先ほどから述べましたように、青少年を取り巻く環境をつくってきたのは我々大人、そしてそれに関係する事業者であるために、その規制を行うことは、健全育成の上ではまず取り組むべき課題でありますが、先ほどいいましたように従来の規制が十分な効果を上げてこなかった、そういうことと、親や子どもの規範意識が低下したといわれている、このことも確かであると思います。
 今回、今までにない環境の悪化に対処するために、新たな規制を導入することでありますが、その内容と、この条例によって期待される効果というのは何だと考えておいでになりますか。
〇高島都民協働部長 今回の条例改正の主な内容と期待する効果につきましてお答えしたいと思います。
 今回の条例改正、まず一つは、有害情報の規制といたしまして、出版業者が成人向けと思う図書につきまして、自主的にその旨を本に表示していただいて、表示していただいた本をさらに包装していただく。そしてさらに販売業者については、それを区分陳列していただく。それぞれの立場、役割に応じて努力義務を定めたというのが一つございます。
 一方、こういう自主規制で表示なり包装されるべきにもかかわらず、されていない図書につきましては、従来どおりの不健全図書指定を行って対処してまいりたいと考えております。
 さらに、いわゆる自動販売機でございますけれども、成人向けビデオなどを自動販売機で売っている、こういう場合につきましては、年齢識別機等の設置、それから、その稼働なども義務づけるということにいたしたところでございます。
 さらに、有害環境の規制につきましては、少女の着用済み下着などを買い受けるいわゆる生セラ、性風俗店に勧誘しますスカウトの禁止、それからカラオケボックス、漫画喫茶、インターネットカフェ、最近新しい業態で出てきたお店でございますけれども、こういうところに子どもが深夜立ち入っているという現状にかんがみて、これらを新しく深夜立入制限施設に追加するというようなことを内容としております。
 そのほか、子どもが犯罪に巻き込まれることを未然に防止するために、いわゆる深夜に青少年を連れ出すことを禁止し、また、保護者に対して親の責任というものの回復を求めるためにも、青少年を深夜外出させないという努力義務を、宣言的に今回の条例改正に盛り込ませていただいた次第でございます。
 これら種々の規制を行うところでございますが、いずれも子どもを規制するということが目的ではなく、先ほど申しましたように、子どもを守り、健全に育成する環境をつくるために、大人側、大人及び事業者に節度ある行動と責任感を求めるために規制を設けた、そういう趣旨でございます。
 以上でございます。
〇山本委員 いろいろ説明がありましたように、極端に悪化している社会状況、これに対して、全国で東京都が初めてなわけです。よく他県では包括規制とかいろいろやっていますが、東京都は個別規制で、これが実効性を上げているんです。また、これについてもいろいろ論議があると思うんですが、いずれにいたしましても、今度の条例案は全国でも初めての画期的なすばらしいものだと私は思うんです。
 このことについては評価いたしますが、一方、図書類について、自主規制団体を設けて自主規制を尊重するという立場を東京都は今度もとっていくんですけれども、ここで確認のためにお聞きしたいんです。社会的にこのような反響の大きい、特にお母さん方は、うちの子どもにはそういう本なんか見せたくない、困りますよ、そういうような不健全図書、先生方きっとごらんになったことがあると思うんですが、この指定の対象を広げていくか、あるいは広げない場合には環境の改善が図られていくのかどうか、この点についてどうですか。
〇高島都民協働部長 お答え申し上げます。
 今回の改正に伴う指定のあり方についてのお尋ねでございます。
 現在、東京都の不健全図書の指定方式につきましては、いわゆる個別指定方式と申しまして、個別図書ごとに、有識者で構成します青少年健全育成審議会の答申を経まして都が指定する、そういう個別個別の本を指定するという指定図書制度をとっております。この方式は今回の改正でも特に変更しているものではございません。
 それから指定対象につきましても、従来から成人向けの漫画、コミック、グラビアなどを指定していますが、これについても特段、認定基準等を見直すということを予定していませんので、変わりございません。
 一方、今お話がございましたように、規制の対象につきましては、考え方については従来どおりでございますが、実効性を確保するために、一つは、私どもが指定いたしました定期刊行物につきまして、その次号から、いわゆる業界側の自主規制としての表示図書としていただけるよう勧告するという制度を設けたり、都民の力をかりまして、区分陳列などを促進する青少年健全育成協力員制度、こういうものを設けまして、今お話がございました事業の自主性を重んじつつ、その協力を促し、青少年の健全な育成に努力していくというような考え方で、制度をお願いしているところでございます。
 以上でございます。
〇山本委員 そういうことなんですが、我々、コンビニにちょっと入ってみる。一生懸命コンビニの従業員がおでんを売ったり、卵を売ったり、あるいはお握りを売っている。しかし、こちらに少女たちが固まって何か見ている。それ、だめですよ、そこのはだめですよと、いわなきゃいけないんだけれども、なかなかいいにくい。
 今いったような表示図書というのは、十八歳未満の人は見ちゃいけないという本でありますから、それを表示してある図書でありますから、それは区分といって、区分指定、区分の場所に、ここに置きなさいと決まっている。だけど、それがなかなかできにくくて、とって下で見ているというような現状なんかがある。
 不健全図書の数は、皆さん、売っている書店やコンビニに行けばわかりますが、売っている不健全図書数と−−毎月、青少年健全育成審議会で、先ほど話がありました、私も一人でありますが、この本は有害図書で、子どもには見せたくないですよという指定をする、これが何と一回に十冊か十一冊か、そこらより指定ができない。しかも、これは職員の皆さんが一生懸命一カ月も集めて、四百冊とか三百冊集めてきて、それから選んで出てきたものを、十冊か十一冊ぐらいより指定できない。だから、指定すべき本が漏れているという印象を私たちは持っているわけです。
 また、表示図書、先ほどいいましたように成人向けの図書、これが表示されて売られているか。本当は表示図書とすべきものが表示されないで売られているんじゃないだろうか、そんな疑念も私は持っております。
 そこで、指定図書については諮問がなければ審議されない。指定漏れがないように、諮問の仕方を工夫すべきではないか。また表示図書制度、今いったように成人向けというものですね。表示図書制度が本来の機能を発揮するような工夫もまた必要ではないだろうかと思うんですが、どうですか。
〇高島都民協働部長 指定図書、表示図書につきまして、本来指定図書にすべきものがされてないんじゃなかろうか、それから、本来表示図書とされるべきものがされてないんじゃなかろうか、そういうお尋ねだろうと思います。
 先ほどお答え申し上げましたように、私ども今回、抑制的な個別指定方式を維持しておりますし、また、その指定基準も認定基準も特に変更を予定しておりませんが、ただいまお話がありましたような議論がございまして、青少年問題協議会、青少年健全育成審議会の中におきましても、現行の指定制度の実効性の確保、それから自主規制のより一層の実効性の確保、これについて工夫する余地があるんじゃないかというご指摘をいただいております。
 具体的には、まず指定図書の方でございますけれども、これは、先ほどお話がございましたように、青少年健全育成審議会の方に毎回私どもが諮問いたしまして、ご答申いただいて、その答申によって指定するという形をとっておりますけれども、青少年健全育成審議会に諮問する図書の数が少な過ぎるんじゃなかろうかというご指摘がございまして、具体的に青少年問題協議会におきまして、諮問図書の選定基準を設け、適切な諮問を行う必要がある、ありていにいえば、もう少し諮問する数をふやしたらどうかというご提言がされております。
 この提言を受けまして、今回、これは今後になりますが、青少年健全育成審議会に諮りまして、諮問図書選定指針を設けまして、諮問図書選定の透明性の向上と、それから、私どもの諮問漏れが原因で本来指定すべきものが指定されることがない、そういう指定漏れがないような形で工夫してまいりたいと考えております。
 それから二点目でございますけれども、表示図書制度。これも、業界側の自主規制による表示図書制度についての実効性の確保でございますが、青少年問題協議会の答申において、このことにつきましては、実効性を確保するためにも、条例において自主規制を促す規定を設けることも検討すべきであるという提言がなされております。
 このため、今回の条例改正案に新たに盛り込ませていただきましたのは、いわゆる表示図書を選定する際に、指定図書の認定基準が東京都規則で定められますので、この基準に照らしながら表示図書を選定していただく努力を出版業者の方に努力義務として求めていく、このような規定を条例改正案に盛り込ませていただいているところでございます。
 以上でございます。
〇山本委員 憲法で保障されている出版の自由でありまして、なかなか難しい問題もいろんな点で含んでまいりますが、図書の規制は特に、この間の「週刊文春」ではありませんが、社会的関心の高い分野でありますために、コミックは今回の条例改正で新たに規制されるわけではないということですね。そのことと、また規制する対象も変わらないという、正しい情報を提供することが大事だと思うんですよ。
 コミックはだめだなんて考えさせないような、そういうようなPRも大事であるし、一方、規制されるべきものが規制を免れているという、この現状もやっぱり改善していかなきゃならないことだと思いますね。
 有害情報の問題には、不健全図書のほかにも自動販売機等の問題もあります。自販機の中のビデオを先生方ごらんになったことはありますか。大変なのがたくさん入っております。
 それとともに、新たな規制とともに、今度、改正条例の十七条第二項で、警察官に立入調査権を付与するとしておりますね、この条文の中で。この点で令状主義に反しないか、また犯罪捜査につながらないかということが指摘され、議論されております。
 ご承知のように、刑事訴訟法百六条では令状主義をうたっております。裁判官の発する捜索令状がなければ、調査、捜索はできない、こういう主義をとっているわけであります。これは皆さんもご承知のとおりでありますが、そこで、立入調査権の権限を警察に与えることは、強制捜査の、先ほどいいました令状主義、憲法三十五条でもうたわれているところですが、定めている刑事訴訟法の法文を空文化するものではないかという意見があります。この点についてはどうお考えになっておりますか。
〇高島都民協働部長 警察官の立入調査についてのお尋ねにお答えいたします。
 いわゆる憲法なり刑事訴訟法で定められている令状主義に反することになるのではなかろうかというお尋ねだろうと思います。
 この立入調査の権限につきましては、一つは、条例の施行に必要な限度において認められている。二つ目としましては、あくまで営業時間内に立ち入るということに限定されている。三つ目として、行政調査を行うために認められているものである。それから四つ目として、あくまで警察官が行う場合であっても、犯罪捜査のために認められたものではない。このような極めて限定的な制約を設けて認めていただきたいということで条例案に盛り込んでおりますので、決して憲法なり刑事訴訟法で定める令状主義を空文化させることにならないというふうに思っております。
 このことを具体的に担保するために、一つは、十七条の四項で、立入調査の権限は犯罪捜査のために認められたものと解してはならないということをはっきり明示しております。これによって誤った運用をいさめるとともに、都民の誤解を未然に防ぎたいということをまず定めております。
 それから、調査に際しましては、立入調査証票を携帯しまして、あらかじめ関係者に提示しなければならない。これを同じく十七条の三項で規定しております。
 これはよく誤解されるのでございますけれども、例えば今回の警察官の方も、立入調査される場合は、いわゆる警察手帳でなく−−ちょっときょう持ってまいりましたけれども、私ども、既に行政は立入調査していますので、立入調査証票というのをつくっておりますが、警察官の方もこういう立入調査証票に基づいて立ち入っていただくということになります。そういう意味で、何の目的で立ち入られたかということが、立ち入りを受ける事業者側の方にもはっきり理解していただけるということでございます。
 それからもう一つ、このような適正な手続のもとに立入調査が行われるためには、私ども知事部局職員、警察官の方々が、この立入調査の趣旨、内容、目的また限界等を十分理解した上で調査に入るべきだという認識をしておりますので、知事部局職員それから警察官に対しまして、このような内容について十分な研修を徹底していきたい、かように考えております。
 以上でございます。
〇山本委員 今、部長のお話で明らかなように、警察官はだれでもできるというんじゃなくて、令状にかわるといったら変ですが、ちゃんと調査証票を持って、この事案についてやるんですよと、しかもそれをちゃんと打ち合わせをして出かけていく、いわば行政調査であるということですね。
 ただ、これを法律的にいうと、この調査によって、犯罪の事案の端緒になることは仕方がないんですよね。端緒になります。犯罪の端緒になるということは当然あらなきゃならないわけなんだけれども、しかし、それは別であって、それは本条例では目途とするところじゃないから、私はこれでいいと思います。いいと思いますね。
 だから、外で今いろんなことでいわれて、我々に送ってきているのを、私は精査して読みましたが、この問題には該当しないと思いますので、どうぞひとつ胸を張って、この条例をきちんとやっていっていただきたいと私は思います。
 次代を担う青少年が健全に育つためには、望ましい環境を我々自身がつくっていくということ、これは我々の責務であって、その所期の目的を達成するための条例の設置は大賛成であるということであります。
・・・・
〇石川委員 私からは、東京都青少年健全育成条例の改正についてお伺いさせていただきます。
 一月十五日に出されました第二十五期東京都青少年問題協議会答申の初めに、今回の答申は、昨年の十月三日、子どもを犯罪に巻き込まないための方策を提言する会の緊急提言を受けて、同じ年の十月二十八日、協議会に知事から、不健全図書類の効果的な規制のあり方、その他青少年の深夜外出の防止方策等の事項を検討するよう諮問を受けまして、一月十九日提言が出され、諮問が出されましてから百日に足らない短期間で答申が出された。その背景には、先ほど山本委員からもお話がありましたように、今日の青少年をめぐる社会環境の悪化、これを一日も早く改善しなければならないという大きな目的があってなされたんだろうと私は思います。
 したがって、今回の改正案、新設、改正等が行われておりますのはやむを得ないとは思いますけれども、今回の本会議また予算特別委員会でもるる論じられておりましたように、この育成する条例のあれを見ますと、第二条に図書類、こういうふうに記載されて、その内訳はこうこう、こうですよと非常に細かく記載されている。また第八条では、不健全な図書類等の指定という形で用語の定義がなされているわけであります。残念ながら、今回の改正の部分で新設されたところは、その図書類の一部でありまして、この答申にもありますが、図書の持つ影響というのは他の情報メディアに比較すると影響は少ないといわれるけれども、しかし、改めてこの不健全図書を規制しなければならないんだ、こういう視点で今回の改正がなされているわけであります。
 指定図書等の販売形態につきまして、るる新設が設けられましたけれども、私は、この中でいわゆる自販機による販売について若干質疑をさせていただきたいと思います。
 私も、昭和五十八年当時、都議会の場で、当時は約三千台を超える自販機がありまして、青少年に与える影響が非常に大きいということで、自販機のあり方について質問させていただき、約二十年弱経過いたしまして、この答申にありますように、まず設置台数も減ってきている。またその販売のあり方も、業界の種々の努力によってさまざまな自主規制をされてきた、こういう評価は述べられて、しかし、一部にアウトサイダーといいますか、いわゆる団体に属さない方々が今なお、簡単にいえば悪質な販売方法をとっているということで、さらなる規制をいたしますよ、こういうふうになっているわけでありますけれども、この自販機に対する現況につきまして、また、これまで業界が行ってきました自主規制努力、そういうものに対して生文はどういうふうに評価されているのか、伺いたいと思います。
〇高島都民協働部長 石川委員の質問にお答えいたします。
 いわゆる自動販売機に関します業界の状況と自主規制のあり方についてのお尋ねだというふうに認識いたしております。
 自動販売機につきましては、現在の条例上、その設置に当たりましては都の方に届けていただく。そして、その中に不健全図書、特に指定図書が入っていた場合は、入っているものについては出していただく。それから、そもそも指定されているものについては入れないというような規制を設けて、業界の方でも自主的にいろいろ取り組んでいただいています。
 特にここ二年ほどでは、平成十四年五月に都と業界団体で取り決めを結びまして、いわゆる年齢識別機、これを自主規制でそれぞれの自動販売機につけていただくというご努力をお願いしてまいりました。これにつきましては、大変業界側のご協力を賜りまして、一年半という短期間に、約九割の販売機に年齢識別装置が設置されたということでございます。
 年齢識別機につきましては、ご案内のとおり、運転免許証により年齢確認をしないと本を買えないということで、区分陳列といいますか、ゾーニングの観点から極めて望ましい装置でございまして、大多数の事業者にこのことにご協力いただいたことについては御礼を申し上げてまいりましたし、またこの場で、このことについて高く評価しているということを申し上げておきたいと思います。
 以上でございます。