横浜市が有害図書規制制度創設を提案

横浜市は、「有害環境に起因する非行等の青少年問題」って書いていますが、具体的にどんな証拠や論拠を根拠に「起因する」と言っているのか不明です。

横浜市青少年プラン」(素案)(PDF)
http://www.city.yokohama.jp/me/shimin/seishonen/plansoann.pdf

(4) 社会環境の変化
青少年を取り巻く社会環境は、情報化の進展に伴うライフスタイルの変化や経済情勢などにより大きく変化しています。
日進月歩の情報化社会の進展の中で、青少年は新たなものへの順応性も高く、インターネットを通じて多くの情報を得ることができる一方、有害な情報も身近なところに氾濫し、行動や感情が左右されてしまうなどの問題も発生しています。
・・・・
視点2 青少年が安心して心豊かに暮らせる環境づくり
目標④ 安心して過ごせる社会の構築
様々な有害環境に起因する非行等の青少年問題へ対応するため、啓発活動、
地域活動による環境浄化を推進します。
・・・・
有害図書類の青少年への販売防止対策事業[市民局]
青少年への有害図書類の販売防止策について、法律家などによる委員会を設置し、
専門的見地から具体的な検討を行います。
・・・・
*網掛けのある事業:重点的に取り組む事項に掲げる事業 *番号欄に◎印のある事業:平成16年度新規・拡充事業
目標④安心して過ごせる社会の構築
◎9 有害図書類の青少年への販売防止対策事業
青少年への有害図書類の販売防止策について、法律家などにより専門的見地から具体的な検討を行います。
市民局
14 社会環境浄化活動事業
有害環境実態調査などを行うために各区で組織する環境浄化活動団体を支援します
各区共通

横浜市青少年プラン(素案)に対する あなたのご意見をお寄せください!
http://www.city.yokohama.jp/me/shimin/seishonen/ikenbosyuu.html
記者発表資料 平成16年4月8日
YOKOHAMA YOUTH PLAN 横浜市初の青少年プラン(素案)発表!
http://www.city.yokohama.jp/me/shimin/seishonen/plansoann.html
意見送信フォーム
http://www.city.yokohama.jp/me/shimin/seishonen/kinyuu.html

参考関連リンク
http://hp1.cyberstation.ne.jp/straycat/watch/data/kisei/yokohama.htm
http://www.city.yokohama.jp/se/mayor/interview/2003/031112.html

記者: 有害図書規制については、どうか。
市長: 表現の自由という意味で、有害図書もあっても良いと思うが、販売方法については、場をわきまえる必要があると思う。一応、ルールはあるが、守られていないし、実効性が挙がっていないのが、現実である。従って、売ること、出版すること、作ることに口を挟むつもりはないが、誰もが出入りするコンビニエンスストアなどは、陳列場所などを区切るなど、よりわきまえた販売の仕方でなければならないと考えている。
記者: 市長としては、コンビニエンスストアなどでは、自主的に排除することを期待しているのか。
市長: 本当はその方が望ましいが、現実には、「売らんかな」主義や「ほかの店でもやっているから」という話になってしまう。仕切り板を設けるなど、一応のルールはあるが、背丈が低く何の役にも立っていない。単なるエクスキューズのための物になっている。レンタルビデオ店などでは、壁で仕切り、入り口には暖簾をかけるなどしてきちっと分けられている。これは、業界の自主ルールにもかかわらず、あそこまできちんとしている。そこで横浜市では、コンビニ等についても、販売するならば壁を作ってください、というような、実効性の挙がる策を検討してきたので、八都県市の皆さんに呼びかけしようと思う。
記者: 具体的には、陳列を禁止すると言うことか。
市長: 違う。陳列しても構わないが、壁を設ける必要があるというルールを作る。
記者: 条例化ということまで踏み込んで検討するのか。
市長: そうである。
記者: 年度内の成立を目指しているのか。
市長: それは、まだ、今のところ、相手のいることだからわからない。誰が相手かと言うと、神奈川県などの都道府県であり、八都県市で、関心が高まれば、一緒に検討するが、その推移の中で決まって行く話である。また、関心が持たれなければ、神奈川県と横浜市で考えていくことになる。
記者: 広域性も含めた意味での実効性と言うことか。
市長: 横浜市単独で行うより、より広域的にやっていくべきだと言うことである。出版そのものは否定しない。場をわきまえてくれと言うことである。
記者: 県の条例で作ったらどうかと言うことか。
市長: 県の「青少年育成条例」には、このことについて書かれているが、県の方が動いてくれないと言うことなら、横浜市がより踏み込んだ条例を制定していくことを考えている。
記者: コンビニ業界、出版業界からの反発などはないか。
市長: コンビニ業界は横並びの心理構造が一番大きいので、コンビニ業界の人たちと話すと、条例化等された方がコンビニとしてはやりやすいという話をよく聞く。出版業界については、規制するつもりはないが、万人がいるところに置くことがおかしいという原則を言っているに過ぎない。それ以上のことは言っていない。

横浜市の提案の議論には、「有害環境に起因する非行等の青少年問題」という部分の認識も含め、たとえば今週のOUTとかは参考になります。

■今週のOUT
有害環境対策にOUTの思想を
http://www.hang-out.jp/out/weekly/miyadai01.html
続・有害環境対策にOUTの思想を
http://www.hang-out.jp/out/weekly/miyadai02.html
ゾーニングの目指すもの
http://www.hang-out.jp/out/weekly/miyadai03.html
有害であるか否かの自明性の喪失
http://www.hang-out.jp/out/weekly/miyadai03.html
性情報の変化に見る動機づけの喪失
http://www.hang-out.jp/out/weekly/miyadai06.html
試行錯誤が許されるメディア環境の創造
http://www.hang-out.jp/out/weekly/miyadai07.html
メディアの横暴と政府の規制論
http://www.hang-out.jp/out/weekly/ogi09.html
思春期の性情報に必要なこと
http://www.hang-out.jp/out/weekly/miyadai09.html
青少年のための新テレビ論
http://www.hang-out.jp/out/weekly/ogi10.html
コミュニーション教育としての性情報
http://www.hang-out.jp/out/weekly/miyadai10.html
少年事件の凶悪化と気になる世論
http://www.hang-out.jp/out/weekly/ogi13.html

───────────