Boris VianのLe Deserteur

かつて放送禁止になったシャンソン「脱走兵」について。
反戦歌として歌ってもいいですが、絶望した人間の再起への讃歌として歌ってもいいと思います。

歌詞
http://oznik.com/art/refusenik_song_01.html
http://www.kototone.jp/strings/guitar/deserteur.html

日本語翻訳
http://homepage.mac.com/ehara_gen/jealous_gay/boris_vian.html

服従を拒むんだ
戦争を拒むんだ
戦争にいってはいけない
出征を拒むんだ

血を流さなければいけないのなら
あなたの血をどうぞ
閣下は 偽善者ですね
大統領閣下

私を追跡するのなら
憲兵たちに伝えて下さい
私は何の武器も もっていないので
撃ち殺してもいい、と

http://d.hatena.ne.jp/skszp/20030320

音楽
http://oznik.com/art/refusenik_song_01mus/Boris%20Vian_Le_d%E9serteur.mp3
http://www.oznik.com/music/Boris%20Vian_Le%20d%e9serteur.mp3
http://francois.emaille.free.fr/renaud/sons/Boris%20Vian%20-%20Le%20D%e9serteur.mp3

このシャンソンで歌われている脱走兵は、ある意味、戦争に参加している兵士よりも死ぬ覚悟ができている人ではないでしょうか。
命がけで、兵士として戦わないことを誓った人。
戦わないことを誓うことで、一度死んでしまった人としての心を、取り戻そうとする人。
兵役を拒否し脱走することで、もういちど人間として生きようとする人。
死んでしまった人間性に別れを告げ、失った人生をもう一度生きるために、脱走する。
反戦歌として歌われたこともありましたが、この歌はただの反戦歌ではありません。
絶望し、傷ついた人間性の再起を歌った賛美歌、のようにも私には聞えます。

明日の朝早く
死んでしまった歳月に
門前払いをくわせるつもりです
私は旅に出ます

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