拝啓 ブッシュ大統領閣下

2004年2月5日、息子の死を知った父親は、大統領に手紙を書いた。

拝啓
ブッシュ大統領閣下

私は、勇敢な兵士だったセツ米国軍中尉について閣下に手紙を送るため、重い心、涙、そして悲しみで満ちた我が家で、ペンを手にしています。
私の息子は、2004年2月3日、戦争中のイラクで戦士しました。
セツはよい子でした。行儀がよく、賢く、ものごとをよく理解していました。
セツはお国のために軍隊に入隊しました。
セツが行ったお国への献身が、最後の犠牲となってほしいと思います。
我が子を埋葬することは、妻と私がしなければならないとても辛い仕事です。
私が閣下にしたいひとつの質問、答えて欲しいひとつ疑問はこうです。

「私の息子と兵士たちは、なぜ死に、不具者にされ、負傷し、苦しまなければならなかったのですか? 彼らは閣下のしたかった復讐を成就したのですか?」

私の息子は死んでしまいました。彼が人生の基盤をこれから作ろうとしていた時に。
ブッシュ大統領閣下、彼の人生は無意味な戦争の中で失いました。
化学・生物兵器大量破壊兵器はどこに貯蔵されているのでしょうか?
どうか、大統領閣下、これ以上の血が流される前に、私たちの死んだ英雄のために祈り、今すぐイラクにいる英雄、息子や娘を帰国させてください。
閣下がサダム・フセインとの不要な戦いを始めて以来、世界は恐怖が住む場所になりました。
私の息子はいま、憎悪も偏見もない神が大統領の座に就いている天上の世界で、平安に暮していると思います。
でも、私は、ブッシュ大統領閣下に問いたいと思います。
なぜ、息子は、こんなひどい死に方で逝かなければならなかったのですか。

敬具
リチャード・M・ダボリン

出典:USA TODAY