長野県知事

彼の言葉は、なんというか、痛快ですね。イラクのイタリア人の死亡事件にも触れていました。
長くなりますが、公人の公の場での発言なので引用します。

長野県知事会見 平成15年11月21日(金)9:50〜10:40 表現センター
http://www.pref.nagano.jp/hisyo/press/20031121n.htm

イタリアの兵士が当時亡くなって、多くテレビでそのことが放映されていまして、フランス語やイタリア語はさして私はわかりませんが、非常に驚いたのは、もちろん嘆き悲しむ遺族がいて、フランスやドイツ、あるいはイタリアや…、国家としてのフランスやドイツ、あるいはイタリアやイギリスでも多くの市民が今回のイラクの戦争というものに反対したのはバチカンの法王の発言というものも大変大きかったと思いますけども、イタリアの放送とかは何か非常に美化されてしまっているんですね。
恐らく日本においてもですね、小泉なにがしなどという人が、どこが戦場だかもわからないし、また昨日だか今日あたりは、「私は一度たりとも年内に派兵するなどとは言ったことはない」などと、よくもまあ白々しく言うというか、森喜朗氏であったならばとっくに政権は崩壊しているはずなのに、あれだけの全く三百代言を続けながら政権がもちこたえているというところに、批評というものがなくなった日本の自滅を感じますけども、
もし日本の飛行機がですね、テロリズムによって墜落したり、あるいは日本の丸の内のオフィスがですね、名立たる旧財閥系のオフィスが今回のトルコのようにテロに遭ったりすればですね、人々はすぐそこにある自分の危険として、ある意味では阪神淡路大震災の時と同じように言葉を失うのかもしれませんが、日本の自衛官というものが出掛けて、仮に殺された場合には、それは今回のイタリアにおいてはですね、ベルルスコーニ、…ベルルスコーニの名字はシルビオですね…、シルビオベルルスコーニへの批判になっていないんですね。むしろシルビオベルルスコーニの発言することが、何か自分たちが十字軍に参加しているかのようなですね、妙な空気にイタリアがなっているというのは非常に私は恐ろしいことだなというふうに思いました。
日本においても、石破茂氏をはじめとするですね…、戦争というのは常に制服組ではなくて背広組、石破茂アンド「害・無能省」(外務省)と私が常々呼んでいる、単にG5に入りたいがためにですね、日本の自衛隊を派兵すべきであると、自分たちは安全地帯にいて言っている外務省の無能なる役人たちによって、そのようなことが起こされたとしてもですね、その時、批判にならずにですね、ある意味ではイタリアと同じようになっていくのではないかとすると、大変にそれは嘆かわしきことだと思います。
フランスであるジャーナリストと一緒に話したんですが、フランスには左翼としての愛国者というのがいるんですね。日本は自治省であったものが総務省になってしまって、総務というのはスタッフ部門で、自分たちの方が目線が偉いという話ですけども、自分たちのコモンズであったり、シチズンを守るためにネーションステート(nation state:民族国家)というものは手段として結果として必要なんだと。そのために愛国者であるという左翼というものがいるわけですね。
私はやはり西部邁(にしべすすむ)氏や小林よしのり氏たちは意見がことごとく違うことが多かったですけども、今やこの2人だけが真の右翼としての愛国者であるということです。そして、この2人がですね、日本の今行おうとしていることが日本の国体などと語っている人たちが、ハワイの次の51番目の州どころかですね、51番目の自治統治領にもなっていない属州になっていくというようなことが、本当にネーションステートという概念をフレキシブル(flexible:柔軟な)にもそうでない形でも果たしてとらえてるのかというような文章を書いた時に、産経新聞や読売新聞が寄稿を依頼したにもかかわらず、こうした文章をですね、載せることすら拒絶をしていくというようなところにですね、日本の本当に保守というものは一体どこにあるのかということだと思うんですね。
やっぱり姜尚中(カン・サンジュン)氏と西部邁(にしべすすむ)氏がですね、一緒に本を出すということで、『愛国心』という本ですけども、やはりそこにあるのは愛郷心であり愛民心であるということで、その愛郷心や愛民心という個人に立脚した…、それも労組のようにですね、連合のように、権利意識のみを語るようなものとは違う形での個人に立脚したものの愛民心や愛郷心というものは、右や左ということを超えてですね、今、救国戦線として連帯をしなくてはならないなということを非常に強く感じました。

細かいところでは異論はありますが、概ね同感ですね。
彼の言葉の痛快さは、喩えるなら、裸の王様に大人たちが「王様のお召し物は美しい」と誉める中で「王様は裸だ!」と叫ぶ子どもの痛快さとでも言うんでしょうか。

引用はしませんが、こちらもイラク関連の発言があって面白かった。

■長野県
知事会見 平成15年12月2日(火)12:35〜13:30
http://www.pref.nagano.jp/hisyo/press/20031202n.htm

余談ですけれど、知事会見記録では田中康夫VS宅八郎のバトルドラマ?と言われているものを読んだり聴いたりでき、それらの情報は腸捻転をおこすほどの爆笑モノですが、詳しいコメントは差し控えます。
と書きつつ一言。
田中知事と宅八郎の会話を笑わないで静かに聞いていた新聞記者の人たちってエライな。(笑)

知事会見 平成15年7月18日
http://www.pref.nagano.jp/hisyo/press/20030718n.htm
知事会見 平成15年8月7日
http://www.pref.nagano.jp/hisyo/press/20030807n.htm
知事会見 平成15年9月9日
http://www.pref.nagano.jp/hisyo/press/20030909n.htm
県民のこえホットライン
http://www.pref.nagano.jp/hisyo/hotline/iken1508/tiji1.htm
県民のこえホットライン
http://www.pref.nagano.jp/hisyo/hotline/iken1507/tiji1.htm

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