4/18「憲法改正国民投票法案」を考える緊急院内集会

 
主催筋から転載依頼がありましたのでイベント告知を転載します。4月14日に市民運動系団体の集会がありましたが、18日にもイベントがあるそうです。
 

福島みずほの国会どきどき日記
http://backno.mag2.com/reader/Back?id=0000027778
2005/04/14号
http://backno.mag2.com/reader/BackBody?id=200504142050000000027778000

【4/18 「憲法改正国民投票法案」を考える緊急院内集会】
 今国会にも提出と報じられている憲法改正国民投票法案については、一括選
択による投票方法、投票日までの期間の在り方、有効投票の在り方、投票権者
の範囲、無効訴訟の在り方など多くの問題が指摘されています。
 しかし、それ以上に問題なのは、国民の自由な選択を可能とするために最低
限必要となる情報を流通させる手段として重要なメディアに関する報道のあり
方や国民投票運動について過度に規制をするおそれがあることです。このよう
な規制は、国民主権の観点から見過ごすことはできません。
 憲法改正そのものに対する立場を越え、表現の自由を制約するおそれのある
国民投票法案を十分に検討する必要があります。
 そのために、憲法改正国民投票法案について考える院内集会を緊急で開催し
ます。時間はありませんが、私たちが抱いている懸念を考えるため、1名でも
多くの国会議員、マスコミ、市民の皆様にご出席いただきますようお願い致し
ます。
 
と き 4月18日(月)11:45〜12:45 (開場11:25)
場 所 参議院議員会館第3-4会議室
    議員会館入り口で会場に入るための入場券を係の者がお渡し致します。
    少し早めにご入場頂ければ幸いです。
主 催 表現・報道の自由を考える弁護士の会、新聞労連出版労連、
    民放労連日本ペンクラブ日本ジャーナリスト会議 ほか
問題点の解説
    第二東京弁護士会副会長 朝倉淳也(弁護士)
発 言 作家吉岡忍氏、月刊創編集長篠田博之氏、学者、主催団体関係者など
    時間が許せば会場内からのご発言もいただきたいと考えています。
問い合わせ
    TEL 03-3341-3133(東京共同法律事務所/緊急院内集会担当者)

 
憲法改正国民投票法案」の特徴を一言で言うと、「新聞・雑誌は憲法改正案を論評することができない」というトンデモな法案です。
 
関連リンク。
 

法改正国民投票法案についての会長声明
http://www.niben.jp/13data/2005data/seimei0408.html

法改正国民投票法案についての会長声明
2005年(平成17年)4月8日
第二東京弁護士会 会長 高木 佳子
近時、憲法改正論議が高まり、与党は、今国会において、憲法を改正する場合の手続きとなるべき国民投票法案を上程すべく検討していると報道されています。現在判明している同法案には、投票方法、投票日までの周知・考慮期間のあり方、有効投票のあり方、投票権者の範囲、無効訴訟のあり方など様々な問題点があります。とりわけ同法案には、国民主権の前提となるべき表現の自由の機能を無視するのみならず、不当に侵害する点で、看過し得ない重大な欠陥が存在しています。
同法案は、国民主権を実効あらしめるための表現の自由の重要性を考慮することなく、憲法改正案に関する評論、あるいは意見表明の自由や、憲法改正に賛成又は反対の投票を目的とする運動を罰則付きで広範に規制しようとしています。例えば、(1)新聞・雑誌に評論を掲載することの制限(70条3項)(2)意見広告の禁止(70条1項・2項)(3)予想投票の公表の禁止(68条)(4)外国人の国民投票運動の禁止(66条)などがそれにあたります。
表現の自由は、憲法の中でも、国民主権・民主主義を実現するための根幹をなす重要な権利・自由です。その理由は、国民が国政に関して自由な意思決定を行うためには、様々な意見や情報に触れる機会が保障され、自由な意見交換が保障されている必要があるからです。殊に、憲法改正手続においては、主権者である国民が、改正に関する多様で十分な情報、政治的意見や議論に可能な限り触れ、そのうえで、自由な意思決定が出来るようにしてこそ、国民主権の発現とされる憲法制定権の行使が可能となるのです。憲法そのものの正当性の根拠が国民の意思にあると言えるためには、改正に関する表現の自由が強く保障されなければなりません。
国の在り方を規定する最高法規としての憲法の改正に関して国民に判断を問うにあたり、罰則付きで言論を封じ、改正に関する表現の自由を制約しようとする同法案は、憲法改正を国民の自由意思による判断に委ねようとした憲法の趣旨を没却するものと言わざるを得ません。民主政治の基本理念は、多様な意見表明がなされ、その中から国民が望ましいと考える意見を選択し、その結果、多数意思ないし国の意思が決定されるところにあり、その過程を維持することが根幹をなしていることを忘れてはなりません。
よって、当会は、現在検討されている国民投票法案の上程を直ちに取りやめ、その抜本的見直しを強く求めるものです。

日弁連
Subject: 05-02-18
憲法改正国民投票法案に関する意見書
http://www.nichibenren.or.jp/jp/katsudo/sytyou/iken/05/2005_14.html
意見書全文(PDF形式・27kb)
http://www.nichibenren.or.jp/jp/katsudo/sytyou/iken/data/2005_14.pdf

2004年12月3日、国民投票法等に関する与党協議会は「日本国憲法、改正国民投票法案」と同法案の審査及び起草権限を衆参両院の憲法調査会に付与する「国会法改正案」を、次の常会に提出することを了承した。加えて、本年初頭の報道によれば、与党は、憲法改正国民投票法案を今国会に提出し、成立を図る方針を固めたと伝えられている。それによれば、2001年11月に発表された憲法調査推進議員連盟日本国憲法改正国民投票法案(以下「議連案という」) に若干の修正を加えたものを日本国憲法国民投票法案骨子(案)(以下「法案骨子」という)とし、与党はこの「法案骨子」を基に法案化の作
業をすすめるとのことである。
憲法改正国民投票は、いうまでもなく、主権者である国民の基本的な権利行使にかかわる国政上の重大問題であり、あくまでも国民主権の原点に立脚して定められなければならない。しかるに、与党案の「法案骨子」では、そのような国民主権の視点が重視されておらず、その結果、発議方法及び投票方法が投票者の意思を投票結果に正確に反映するものであるか否か明確ではなく、また新聞、雑誌、テレビ等のマスコミ報道及び評論に過剰な規制を設けようとするなどの、看過しがたい問題点が多々みられる。
(略)
表現の自由国民投票運動の自由が最大限尊重されなければならない
国民投票にあたっては、何よりも投票者にできる限りの情報提供がなされ、広く深く国民的議論がなされることが必要である。そのためには、表現の自由が最大限尊重されるべきであり、基本的に国民投票運動は自由であるとされなければならない。例外的に、これらに対する規制は、放置することにより著しい不公正が惹起されることが明白である場合等、当該規制について十分な合理性と高い必要性が認められるような例外的な場合に限られるべきである。
ところが、「法案骨子」は、かかる視点が不十分であり、国民投票運動について、広範な禁止制限規定を定め、不明確な構成要件により刑罰を科すものとなっている。例えば、公務員の運動の制限、教育者の運動の制限、外国人の運動の全面的禁止、国民投票の結果を予想する投票の経過または結果の公表の禁止、マスコミの規制、マスコミ利用者の規制、放送事業者の規制、不明確な要件で処罰を可能にする国民投票の自由妨害罪及び、演説・放送・新聞紙・雑誌・ビラ・ポスターその他方法を問わない煽動の禁止等である。
もし、これらの規制が、公職選挙法における選挙運動禁止規定を参考にしているものだとすれば、それは、候補者のうちから当選人を選ぶ公職の選挙と国の最高法規たる憲法改正の是非を問う国民投票とは概念的に全く異なるものであることを考慮しない論と言わざるを得ない。加えて、公職選挙法における選挙運動禁止規定よりも禁止制限する範囲が拡大されていることは、二重の意味で問題がある。
「法案骨子」の禁止規定は、国民投票運動に甚だしい萎縮効果をもたらし、表現の自由を著しく制限するものというべきである。そのような禁止規定は到底容認することはできない。

 
関連報道。
 

衆院憲法調査会国民投票法、議論が本格化 最終報告書 毎日新聞
http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20050415k0000e010047000c.html
国民投票法憲法改悪の手段でしかない しんぶん赤旗
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik4/2005-03-15/02_01.html
デモを第一歩に しんぶん赤旗
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik4/2005-04-07/05_01.html
憲法世論調査]「政治に『改正』を促す国民意識」 読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20050407ig90.htm

衆院憲法調査会国民投票法、議論が本格化 最終報告書 毎日新聞 - 2005年4月14日
http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/kokkai/news/20050415k0000e010047000c.html
憲法改悪する国民投票法阻止」 護憲派市民団体が集会 産経新聞
http://www.sankei.co.jp/news/050415/sha060.htm
衆院憲法調査会 最終報告書を提出 国会法改正へ調整
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050416-00000010-maip-pol
衆院憲法調査会が最終報告書
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050416-00000003-san-pol
衆院憲法調査会>最終報告書を提出 国会法改正へ調整
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050416-00000020-mai-pol
国民投票法案、早期成立へ自公民足並み
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050415-00000012-yom-pol
憲法論議継続「すう勢」 参院憲法調査会
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050415-00000181-kyodo-pol
衆院憲法調査会 国民投票法、議論が本格化
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050415-00000016-maip-pol
9条含め改憲明示 衆院憲法調査会が最終報告書
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050415-00000025-san-pol
9条改正が多数 衆院憲法調査会 最終報告書を議決
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050415-00000078-nnp-kyu
沖縄の声届かず 憲法調査会最終報告
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050415-00000018-ryu-oki
衆院憲法調査会、最終報告書を河野議長に提出
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050415-00000108-yom-pol
憲法改正の方向を明確化…衆院調査会が最終報告書
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050415-00000005-yom-pol
参院も9条改正の方向示す=自衛隊明記「趨勢」に
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050415-00000203-jij-pol
衆院憲法調査会国民投票法、議論が本格化
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050415-00000040-mai-pol
「9条護憲を」と市民団体 改憲派は改正の土台と評価
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050415-00000061-kyodo-soci
国民投票法案が焦点 自民、11月に改憲草案
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050415-00000059-kyodo-pol
9条含む憲法改正明示 衆院最終報告書議決
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050415-00000058-kyodo-pol
9条改正「否定せず」明記=国民投票法の制定「多数意見」−衆院調査会最終報告書 -
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050415-00000117-jij-pol

社会民主党
2005年4月15日
衆議院憲法調査会での最終報告書議決にあたって(談話)
社会民主党 幹事長 又市征治
http://www5.sdp.or.jp/central/timebeing05/danwa0415.html

3 調査会の運営についても不適切な点が多々見られた。例えば、調査会では自民、民主、公明3党の改憲に向けた党内の「論点整理」などが報告され、議論されたが、このようなことは調査会の趣旨に照らしてふさわしくないばかりか、3党だけの意見を取り上げることの不公正さも明白である。最終報告書の編集方針についても、調査会を開いて議論すべきだという当然の要求さえ、実現しなかった。さらに参考人や公述人の多くが「憲法を生かす」ことの重要性を訴えていた点が重視されず、特に地方公聴会での意見などをわずか数行に圧縮したことを考えれば、最終報告書が、広範で多様な意見を正確に伝えたとはとても言えない。
4 また最終報告書の中に「今後の憲法論議等」と称して「憲法問題を取り扱う国会の常設機関」と「憲法改正手続法」に関する意見まで盛り込んだことは、明らかに調査活動の域を超えるものであり、報告書に掲載すべき内容ではない。これは、憲法調査会に議案審議権・議案提案権などを付与し、国民投票法の制定を急ぎ、改憲の動きを促進させようとする意図を露骨に示したものである。

 
関連ログ。
 

資料:国民投票法等に関する与党協議会実務者会議報告
http://d.hatena.ne.jp/kitano/20050609/p1
資料:日本国憲法改正国民投票法案骨子案
http://d.hatena.ne.jp/kitano/20050609/p2
資料:日本国憲法改正国民投票法案(議連案全文)
http://d.hatena.ne.jp/kitano/20050608
表現の自由を刺し殺すために包丁を研ぐ:改憲国民投票法案(2)
http://d.hatena.ne.jp/kitano/20050427
4/18「憲法改正国民投票法案」を考える緊急院内集会
http://d.hatena.ne.jp/kitano/20050417
自民党憲法起草委員会論点整理:出版規制に踏み込む
http://d.hatena.ne.jp/kitano/20050324#p3
自民新憲法起草委:「表現の自由」制限を検討
戦前の言論統制法制史
なぜ大日本帝国憲法の「言論の自由」は機能しなかったのか
http://d.hatena.ne.jp/kitano/20050307
自民新憲法起草委小委試案
http://d.hatena.ne.jp/kitano/20050216#p2
憲法廃止の改憲「論点整理案」 自民党の体制転覆計画
http://d.hatena.ne.jp/kitano/20040704#p2

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「反日デモ」批判の問題点メモ

 

論点メモ
0 いかなる表現も、暴力の否定を前提にする。その原則は中国に対してだけ適用されるのではなく、日本にも適用される。対話を拒否して暴力を実行すれば、その瞬間、議論で負けたことになる。
↓議論で負けた例。

http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/jiken/news/20050412k0000m040043000c.html
http://www.daily.co.jp/newsflash/2005/04/16/169199.shtml
http://www.sankei.co.jp/news/050415/sha081.htm
http://www.asahi.com/national/update/0416/SEB200504160011.html
http://www.asahi.com/special/050410/OSK200504160006.html
http://www.asahi.com/special/050410/TKY200504150338.html
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050415-00000192-kyodo-soci
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050416-00000408-jij-soci

1 「反日教育」と「歴史事実」は区別しなければならない。事実は事実であり、日本人であっても誰であっても認めなければならない。何が事実かが重要であり、事実をふまえない議論は、中国のデモであろうと中国のデモに対する批判であろうと、意味が無い。大事なことは事実の評価に見解の相違があるとしても、事実は共有されなければならないという点である。
2 もし日本政府や日本人が自己主張の結論だけをおしつけるなら、結局はデモで暴力を行使する者たちと同じ土俵に立つことになってしまう。主張を伝える前に、まず事実を理性的に議論し、意見の相違を理性的に認め合うべきである。
3 「官製デモ」などの言葉は「民衆の表現活動」と「公権力による民衆統制」の違いの区別を失わせしめる。民衆の行為と公権力の行為は区別しなければならない。
4 「公権力の見解」と「民衆の意思表示」は区別して考えるべきである。
5 「デモンストレーション(をしている人)」と「暴力(を実行している人)」は区別されねばならない。デモに参加している人のすべてが暴力を実行しているわではないし、デモの参加者の全員が暴力を行使するためにデモに参加しているわけではない。
6 批判すべきは暴力であって、その批判はデモに参加している人も同意される批判である。デモを批判しても意味が無い。
7 デモンストレーションは、憲法学でいう「非言語表現」であり、「集会の自由」「表現の自由」「言論の自由」の一形態である。「集会の自由」「表現の自由」「言論の自由」といった自由権規定は、基本的人権であり、それが明白な生活侵害を伴うような暴力行為に至らない限り、日本人であろうと中国人であろうと確保されねばならない。という意味において、日本政府や日本のメディアやそれらを支持する人たちによる反日デモ批判によって、結果的に中国政府が暴力とは無関係な民衆のデモの規制やネット規制を実行せしめたことは、間接的に中国の民衆の表現の自由を奪うことに手を貸したことにもなり、罪深い行為と言わねばならない。
8 表現の自由が存在する国の愛国者は、表現の自由が存在するということを誇りに思うべきである。愛国者は、表現の自由の欠如した国でデモという表現行為が存在することを「それが表現の自由である。わたしはそのよなう表現の自由が民衆にあることを歓迎する」と率直に評価すべきである。
9 デモという「表現活動そのもの」と、「表現によって伝えられる主張の内容」は区別されねばならない。「主張の内容」に反対だからといって「表現活動そのもの」に反対すれば、それは人権を抑圧している公権力と同じ土俵に立つことを意味する。
10 デモによる「批判の対象」が日本である場合に対してだけデモを批判するのはおかしい。デモによる「批判の対象」によってデモの正当性やデモの主張内容が否定されたり肯定されたりするのは不合理である。
11 愛国主義的運動の高揚は、中国のそれと日本のそれには共通点がある。愛国主義的運動の高揚の共通点は、自己の欠如感や不全感を契機としていることが多い。愛国主義的運動高揚を理解するためには、(日中双方の愛国主義的運動を展開している)当事者がどのような欠如感や不全感を持っているかを理解することが必要である。
12 民衆の愛国主義的運動の高揚とは別に、政府・企業間には資源や権益の確保(東シナ海ガス田など)をめぐって対立が存在する。こうした利害対立を背景に議論している公権力の当事者に、中国も日本も、民衆の愛国心は利用され煽動されてきたという実態がある。民衆の表層に目を向けるのではなく、そうした表層を隠れ蓑にしてブラックボックスの中で議論している公権力者の姿に注目する必要がある。
13 対立の本質が隠蔽される中で民衆の知らない場所で民衆の生活にとって重大な決定がなされたり、そうした決定とは離れたところで暴力が広まることは、日中双方の民衆の利益にならない。議論の不在と暴力は誰の理益にもならない。
14 民衆側の問題として、中国も日本も、非暴力運動についての理解がまだ不充分。デモを組織するリーダーは、非暴力トレーニングを十分に積んで経験を得る必要があるが、そうしたトレーニングの場が限られているという問題は、日中双方に存在すると思われる。ただ、中国の場合は、民衆運動に対する厳しい国家統制があるため、組織的な非暴力運動を実践し難いという状況は考慮されるべきと思われる。

 
掲示板に書いた私の文。
 

1832 デモは素晴らしい (キタノ) - 2005/04/15 08:52
デモをしている民衆と政府の区別は必要ですし、デモと暴力の区別も必要でしょうね。
反日デモが起きてデモをしていた中国人と会う機会があったら、私ならこう言うでしょう。
「すばらしい! それが表現の自由ですよね! でも抗議すべき相手は日本政府だけでしょうか? あなたの生活や人権を抑圧している中国政府にもあなたの気持ちを意思表示すべきだとは思いませんか? もし抗議するなら私も協力させていただきます。」と。
デモが起きた時に、「ああ表現の自由がある国だな」とホッと安心するのが民主主義や基本的人権を理解している人です。不安になる人は民主主義や基本的人権を理解していない人。
もちろん暴力はいかなる場合も肯定できないという認識は表現の自由の前提ですが、暴力とデモという表現行為(憲法学では「非言語表現」と言って、表現の自由のひとつであると考えられています)は区別しないとだめですよね。
今回の反日デモに対する一部の過剰反応は、民主主義の未成熟さを示しています。
もしデモの相手が日本ではなく中国企業だったらデモをやめろと言ったでしょうか。もしデモの相手が中国政府の要人だったらデモをやめろと言ったでしょうか。もしデモの相手が北朝鮮だったらデモをやめろと言ったでしょうか。
たぶん言わなかったと思います。
デモによる批判の対象が日本だったからデモをやめろと言っているのであって、それ以上の理由や根拠は特に無いというのが、反日デモに対する過剰反応の本質ではないかと。

1833 Re1826 米政府の態度 おまえが言うか (キタノ) - 2005/04/15 09:05 -
> 米国務省のバウチャー報道官が、「中国には在外公館に対する暴力を防ぐ責任がある」
> と述べ、中国政府の対応を批判した *1
 
「おまえが言うか!」って感じですね。
だって、アメリカはむかし、ベオグラードの中国大使館にミサイルを落して、新華社通信の女性記者と、光明日報の記者と妻の3人を殺したことがあったんですよ。
あとで米政府は「軍事施設と間違えて攻撃しちゃった。ごめーん。」と「誤爆」であるとの声明を出しましたが、明らかに狙って落したというのが一般的理解です。
ベオグラード事件の時には、今起きてる反日デモよりも大規模なデモが起りました。
 
http://www.panda.hello-net.info/keyword/ha/taishikan.htm
http://sekitori.web.infoseek.co.jp/war/war_yugo_beo_china.html

 
関連リンク。
 

JANJAN
中国で反日デモ 関連リンク集
http://www.janjan.jp/link/0504/0504110664/1.php

Yahoo!ニュース トピックス
中国の反日行動
http://dailynews.yahoo.co.jp/fc/world/anti_japanese_protests_in_china/
尖閣諸島問題
http://dailynews.yahoo.co.jp/fc/world/senkaku_islands/
竹島問題
http://dailynews.yahoo.co.jp/fc/world/takeshima/
東シナ海ガス田問題
http://dailynews.yahoo.co.jp/fc/world/natural_gas_field_near_eez/

朝日新聞
特集 反日デモ
http://www.asahi.com/special/050410/

 
中国系の愛国サイトの一例。情報の利用については自己責任でお願いします。*2
 

「愛国」「抗日」をテーマとする中国サイト
http://www.1931-9-18.org/
http://www.china918.net/
http://918.netor.com/
http://www.sjwar.org/
http://www.china918.cn/
http://www.wwgc.cc/
http://www.909.com.cn/731/index.html
http://www.ww2.org.hk/index.html
http://www.diaoyuislands.org/
http://www.japanpig.com/
http://kill.japanpig.com/

 
かつて日本人が中国人にしていた事実=中国人の怒り根源、についての映像ファイル。(グロ注意)
ファイルをダウンロードする方は、負荷低減のため、できるだけダウンロードソフト*3で10k/s未満に速度制限してダウンロードすることを推奨します。14歳未満の方は大日本帝国のアジア侵略について知っている大人の人といっしょに見てください。
 

http://www.ydjps.sc.cn/shaoxiandui/duizhishi/nanjin/avi/D26.AVI
http://www.ydjps.sc.cn/shaoxiandui/duizhishi/nanjin/avi/D03.AVI
http://www.ydjps.sc.cn/shaoxiandui/duizhishi/nanjin/avi/D07.AVI

 
デモの自由と規制についての判断を示した新潟県公安条例事件最高裁判決の情報。
 

最高裁判所判例集判決全文表示
判例 S29.11.24 大法廷判決 昭和26(あ)3188 昭和二四年新潟県条令第四号違反(第8巻11号1866頁)
http://courtdomino2.courts.go.jp/schanrei.nsf/VM2/33F9E6D60A399E1349256A850030D1D7?OPENDOCUMENT

行列行進又は公衆の集団示威運動(以下単にこれらの行動という)は、公共の福祉に反するような不当な目的又は方法によらないかぎり、本来国民の自由とするところであるから、条例においてこれらの行動につき単なる届出制を定めることは格別、そうでなく一般的な許可制を定めてこれを事前に抑制することは、憲法の趣旨に反し許されないと解するを相当とする。
しかしこれらの行動といえども公共の秩序を保持し、又は公共の福祉が著しく侵されることを防止するため、特定の場所又は方法につき、合理的かつ明確な基準の下に、予じめ許可を受けしめ、又は届出をなさしめてこのような場合にはこれを禁止することができる旨の規定を条例に設けても、これをもつて直ちに憲法の保障する国民の自由を不当に制限するものと解することはできない。
けだしかかる条例の規定は、なんらこれらの行動を一般に制限するのでなく、前示の観点から単に特定の場所又は方法について制限する場合があることを認めるた過ぎないからである。さらにまた、これらの行動について公共の安全に対し明らかな差迫つた危険を及ぼすことが予見されるときは、これを許可せず又は禁止することができる旨の規定を設けることも、これをもつて直ちに憲法の保障する国民の自由を不当に制限することにはならないと解すべきである。

 
この最高裁判決の判断が正しいとは私は思いません。中国の民衆も、日本の民衆も、集会の自由や言論表現の自由を求めていますが、制度と警察組織によって規制を受けています。
今回の「反日デモ」の批判は、結果的にそうした民衆の自由への制限を規制事実化せしめたという意味で、罪深いと思われます。
デモについての憲法学的議論について知りたい人は下記情報を参考に、憲法人権論の本などを読んで見てください。
 

憲法Ⅰ(人権論) 第13回
表現の自由(5) 集会の自由、集団行動の規制
http://www.kyoto-su.ac.jp/~suga/kenpo1/kenpo1-13.html

 
デモ規制条例いろいろ。キーワードは「集団示威」。
 

Google検索「集団示威運動に関する条例」

 
関連ログ。
 

布施辰治さんを知っていますか?
http://d.hatena.ne.jp/kitano/20050118#p1
反日?ゲームの現在
http://d.hatena.ne.jp/kitano/20041013#p4
静穏保持法と公安条例
http://d.hatena.ne.jp/kitano/20040421#p5

───────────

*1:反日デモ、米が中国の対応批判 http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20050413it02.htm 日中両国に関係修復促す 米国務省報道官 http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp05041305.html

*2:クッキー、スクリプトスタイルシート、アクティブXなどの機能はoff推奨。下に紹介するサイトは直接的危険はありませんが、そこから先のリンクに飛ぶ場合はどうなっても知りません。アクセス追跡などが気になる人はプロキシを使ったりモデムはこまめに再起動するなど、自分で対策してください。

*3:たとえばIrvineとか。 http://hp.vector.co.jp/authors/VA024591/ ダウンロードソフトの使用は、マナーというか、大量のアクセス負荷によって日本からのアクセスを制限されないための防衛手段とご理解ください。