最高裁判事国民審査：審査判事全員に×を

9月11日の総選挙の投票日には、小泉政権が任命した最高裁判所の裁判官の国民審査が実施されます。裁判官は一度任命されると原則として絶対に途中解任されない特別な地位を持っていますが、その例外が弾劾裁判と、この国民審査です。裁判所は内閣の法律の執行をチェックする役割がありますが、内閣が任命した裁判官が内閣にとって都合のいい判断をすると、独裁政権がつくられてしまいます。独裁を防止する唯一の歯止めが憲法が規定する国民審査であり、この制度を国民が有効に行使し無いと、行政は独裁になります。
ちなみに、自民党が先日策定し、選挙公約になっている新憲法草案では、裁判官国民審査は削除され廃止されることになっていますので、もし選挙で自民党が勝って憲法が「改正」されれば、今回の国民審査が最後の国民審査となるかもしれません。
　
今回、国民審査となる裁判官を精査した結果、kitanoのアレとしては、審査対象判事全員の不信任(×)の記入を推奨します。*1
特に、津野判事、古田判事、今井判事、堀籠判事の四人は絶対に落しましょう。
何も書かないで投票したり、投票し無いと、自動的に“全判事信任”になります。
　

今回審査される裁判官。
　

古

田

佑

紀

ふ
る
た

ゆ
う
き

堀

籠

幸

男

ほ
り
ご
め
ゆ
き
お

中

川

了

滋

な
か
が
わ
り
ょ
う
じ

今

井

功

い
ま
い

い
さ
お

津
野

修

つ
の

お
さ
む

才

口

千

晴

さ
い
ぐ
ち

ち
は
る

全ての判事・判決について言及している時間が無いので、審査対象となる判事について簡単にコメントしておきます。

古田佑紀氏は、法務省刑事局長という立場から盗聴法(通信傍受法)の適用についての責任者の一人でもありますが、これまで実際に実施された盗聴捜査は、「幹部逮捕のため」との盗聴法制定時の政府答弁とは異なり、単なるチンピラの売人の逮捕に使われています。国会での国民との約束を破るような人物が、法の公正を守れるてしょうか？　そんなこととはあり得ない、と考えるのが一般人の常識的な判断ではないでしょうか。
古田佑紀氏は、検察腐敗の象徴である裏金問題で、検察裏金問題を担当していた身内の検察官逮捕に関与し、口封じをし、検察裏金問題を握りつぶした悪い司法官僚の一人です。*2
不正腐敗を温存する行為に加担した人物は、国民を裁く法を司る責任者としてはふさわしくありません。
よって、古田佑紀氏は×です。
　

×　堀籠幸男 最高裁判事(裁判官出身)

　
2005年7月22日の最高裁判決(堀籠幸男判事は小法廷裁判長)で、堀籠氏は「麻薬特例法２条３項で没収すべき「薬物犯罪の犯罪行為により得た財産」には、その財産を得るために支出した費用も含まれるので規制薬物の対価として得た財産は、すべて没収されるべき」と判断しました。
犯罪行為以前の財産を犯罪利得と判断した堀籠判事の判断は、明らかに誤りでしょう。
麻薬特例法２条３項と似た不当利得財産の没収は、組織犯罪対策法等の刑事特別法によって労働組合のカンパ活動にも適用される可能性があり、一人の組合員を犯罪者にでっちあげて組合全体の資金をすべて没収することによって組織をつぶすといった政治弾圧を可能とする司法判断の道筋を、堀籠幸男判事はつけたことになります。検察の暴走の可能性を法解釈によって歯止めをかけることなく、むしろ暴走の余地を追認し国民の利益を損ないます。
国民の利益と考慮せず、公正な判断のできない人物に、最高裁判事の地位と権限を与えておくわけにはいきませんので、不信任が妥当と考えます。
　
参考リンク。
　

■最高裁裁判官全員に×をつけよう！
※最高裁サイトで検閲されて読めない判決情報も読めます
http://share.dip.jp/hannichi/gomi/batsu.html

■法治国家つまみぐい
http://miso.txt-nifty.com/
国民審査のオカズ
http://miso.txt-nifty.com/tsumami/2005/08/post_36b2.html
最高裁判所裁判官全15名
http://homepage2.nifty.com/misoshiru/mg/judgedata.htm
今度の国民審査は、ちゃんとやってみたい！
http://homepage2.nifty.com/misoshiru/mg/shinsa.htm

アンケートの回答を拒否した最高裁判所判事
http://www.fp-kashiwa.com/mensetu/j13.htm

■司法ジャーナル
http://www.shihoujournal.co.jp/

　
関連ログ
　

松文館事件：高裁でも不当判決
 http://d.hatena.ne.jp/kitano/20050616
表現の自由を刺し殺すために包丁を研ぐ：改憲国民投票法案(2)
http://d.hatena.ne.jp/kitano/20050427
自民新憲法起草委：「表現の自由」制限を検討
http://d.hatena.ne.jp/kitano/20050307
鳩山改憲試案：議員主導による改憲論の限界について
http://d.hatena.ne.jp/kitano/20050220
最大定数格差５倍の参議院選挙は「無効」
http://d.hatena.ne.jp/kitano/20040704/p1
憲法廃止の改憲「論点整理案」自民党の体制転覆計画
http://d.hatena.ne.jp/kitano/20040704/p2
良心ある大衆派裁判官が最高裁に左遷される
http://d.hatena.ne.jp/kitano/20040330

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*1:才口判事については、言論の自由に関係する裁判で報道側を擁護する判断を盛りこんだ判決を出している側面もありますが、死刑の量刑等の判断では問題無しとはしません。

*2: 巨悪の悪は裁かれたのか？：告発者三井環氏に報復有罪 http://d.hatena.ne.jp/kitano/20050201 2002年4月27日放送ザ・スクープにテレビ告発直前、電撃逮捕！公安部長が語っていた「検察のウラ金」の全貌 http://www.tv-asahi.co.jp/scoop/update/special_back/20020427_010.html 参照