都立七生養護の件に関する補足

 
ダイアリーにこんなコメントがありました。
 

id:gwaihir 『都立七生養護学校性教育 http://www5f.biglobe.ne.jp/~constanze/nomarin23.html ここを読むと性教育に偏重しすぎだと思います。保護者が疑問に感じている以上。都議が問題視するのも止むを得ないかと。』

 
ご指摘のサイトの運営者は、都立七生養護学校性教育をバッシングしている野牧雅子という方で、人権を侵害したトンデモ議員の弁護に明け暮れている「立中学教員・足立16中人権侵害事件・三都議・展転社裁判を支援する会事務局」を運営している人です。
このことは、思想右派メディアの「國民新聞」でも詳しく紹介されています。
 

國民新聞

野牧雅子関連記事
http://www5f.biglobe.ne.jp/~kokumin-shinbun/H14/1405/140510masuda.html
http://www5f.biglobe.ne.jp/~kokumin-shinbun/H16/1609/1609hponly.html#521
http://www5f.biglobe.ne.jp/~kokumin-shinbun/H16/1604/1604028gender.html#08
http://www5f.biglobe.ne.jp/~kokumin-shinbun/H15/1510/1510026anti.html

 
野牧雅子氏が支援している三都議は、すでに上記で紹介しましたが古賀、田代、土田という人権侵害議員で、「石原慎太郎三羽烏」とも呼ばれています。
 

石原慎太郎三羽烏
http://d.hatena.ne.jp/kamayan/20050330/1112162156

石原慎太郎三羽烏」と呼ばれているのは、以下の三人。常にトリオで行動している。

古賀俊昭 自民党都議会議員http://www5b.biglobe.ne.jp/~koga-t/
田代博嗣 自民党都議会議員http://www.tashiroh.com/
土屋敬之 民主党都議会議員http://www2u.biglobe.ne.jp/~t-tutiya/

私一人で情報集めるのはけっこうしんどいので、この三人に関する情報を拾ったら
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/1274/1097018273/l100
にポストしていただけると助かる。
たとえばこういう情報↓

http://www.ch-sakura.jp/soumou.php
過激人権侵害性教育を許さない!都民集会
●登壇者
古賀俊昭(東京都議会議員自民党土屋敬之(東京都議会議員民主党田代博嗣(東京都議会議員自民党)〔略〕
主催
日本の家庭を守る地方議員の会 
代表 古賀俊昭(東京都議会議員自民党)
副代表 土屋敬之(東京都議会議員民主党)
副代表 田代博嗣(東京都議会議員自民党)
共催
東京都の教育正常化を願う父母の会 

言うまでもないが、これ↑はエロマンガ規制・エロゲ規制運動の主力部隊の一つであり、脳味噌が腐り果てたネットウヨ厨房が言う「フェミナチ」「フェミファシズム」の本体*1の一つだ。

http://www.ch-sakura.jp/history.php
親子で学ぶ「近代日本の戦争」展
●会場 東京都議会議事堂2階談話室
●主催 世界の歴史教科書を考える議員連盟
古賀俊昭(代表幹事・都議会議員自民党土屋敬之(幹事・都議会議員民主党田代博嗣(幹事・都議会議員自民党)
●後援 日本会議東京都本部 産経新聞社
●連絡先 古賀俊昭事務所 

↑「石原慎太郎三羽烏」と「日本会議」の関係を示す。
エロマンガ規制運動」は、「教科書問題」「改憲問題」の周縁で発生している。「教科書問題」「改憲問題」のとばっちりをオタクは被っている。本来無関係なオタクに対しとばっちりを食らわしているのが「慎太郎三羽烏」など「勝共連合系議員・勝共連合系団体」だ。

 
id:gwaihir氏がソースとして示した「野牧雅子と愉快な仲間たち」のリンク先を見て、その情報をそのまま判断のソースとする方の頭の中がどうなっているのか私には理解ができないというのが、私の率直な感想です。
性教育に反対する人も、反対している人を伝える人も、反対している人を伝えたメディアを紹介する人も、みーんな「石原慎太郎三羽烏」と関係がある「つくる会」の関係者。
ジサクジエーンな情報のタコツボを判断の前提にして検討しても意味が無いでしょう。
 
いろんな情報に接して検証するという態度は結構なことだと思います。
しかし、都立七生養護のケースを示して性教育を否定する人たちは、普通教育の基準を養護教育にあてはめて性教育という方針そのものを全否定するなど、「発達の個人差」「発達段階の考慮」「性教育の必要性」といった認識を無視したトンデモな主張なわけで、教育論として検討するに値しないというのが、養護福祉の実務に携わっている方や心有る保護者の常識的な判断かと思われます。
「野牧雅子と愉快な仲間たち」の主張の根拠を調べれば調べるほど「子どもにとっての最善」からかけ離れた主張だと判断せざるを得ないというのが、私の結論です。
この問題について詳しく書くと大量のソースを示さなければならないし、その問題だけをダイアリーで扱うこともできませんのでここでは書きません。もしid:gwaihir氏その他の方が議論を希望するのであれば、ご自分のダイアリーでソースを示して書いて頂ければ幸いです。
 
以下、この問題について追求したい方のための参考リンク&参考図書。
ジェンダーフリー性教育バッシング―ここが知りたい50のQ&A」には、野牧雅子氏のサイトと類似性教育バッシングサイトの主張の誤りがほぼすべて網羅されており、この問題を考える方にとって必見の書となっています。
 

ジェンダーフリー・性教育バッシング―ここが知りたい50のQ&A
ジェンダーフリー性教育バッシング―ここが知りたい50のQ&A
http://d.hatena.ne.jp/asin/4272411535
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4272411535/seikyokyo-22/249-5567405-2854712

性教育バッシングを許さない人権救済申立HP
http://www.sexuality2003.com/index.html

「こころとからだを大切にする」性教育は、大切な《人権》です。
また、知的障害のある子どもたちにとっては、性被害から身を守り社会参加のためのマナーを獲得するために具体的でわかりやすい人形等の教材は不可欠です。
性教育をとおしてこそ、障害があっても自分の命・体がかけがえのないものだと実感できるのです。

問題の教材 〜たとえばこんな教材が不適切として禁止・押収〜
http://www.sexuality2003.com/kyouzai.html
七生養護学校在校生・保護者の会の方が都教委に出した要望書
http://www.sexuality2003.com/youbou.html
人権救済の申立を行い、司法記者クラブにおいて記者会見を行いました
http://www.sexuality2003.com/moushitate.html
あなたはどう考えますか?−「性教育バッシング」
http://www.sexuality2003.com/genkou_1.html

第一に,七生の性教育のどこが問題なのだろうか。子どもと保護者の現実・ニーズから出発し,学校全体で取り組んできた性教育。それは,性器とか性交だけではなく,自分の体と命の大切さから社会で必要とされるマナーに至るまでを体系的に学んでゆこうというものである。事前に保護者に説明を行い,授業の様子は丁寧に報告する。それでもどうしても授業を希望しない保護者には別の授業を保証する(現実には過去一例だけあったそうである)。だからこそ,今回の都教委の措置にいち早く声をあげたのは保護者たちだった(人権救済申立とは別に,6000筆以上の署名を集めている)。

■ “人間と性”教育研究協議会(性教協
http://www.seikyokyo.org/index.html
学校教育・性教育に対する不当な介入への対策連絡協議会
http://www.seikyokyo.org/news/news_23.html
http://www.seikyokyo.org/news/news_35.html
http://www.seikyokyo.org/news/news_32.html
http://www.seikyokyo.org/news/news_31.html
http://www.seikyokyo.org/news/news_26.html
http://www.seikyokyo.org/news/news_36.html
http://www.seikyokyo.org/news/news_39.html
http://www.seikyokyo.org/news/news_24.html
http://www.seikyokyo.org/menu/14.html
緊急レポート!!!人権救済の申し立て 「子どもたちに性の学習権を」続報
http://www.seikyokyo.org/news/news_20.html

 
ダイアリーのコメント欄でid:uribouさんから

性教育を受けたくない家庭の子供には受けさせなくてもよい位の配慮はあったほうがよかったのかもしれません。

とのコメントをいただいております。
尤もなご意見ですが、前述の「性教育バッシングを許さない人権救済申立HP」の情報で示されている通り、保護者との意思疎通を行った上で、実際に授業を希望しない保護者には別の授業を保証しており、「性教育を受けたくない家庭」への対応は対処済みです。
ただ、そうした「家庭毎の対応」がゆき過ぎれば、「子どもの権利条約」で言うところの「子どもにとっての最善」が損なわれ「不当な取扱い」に該当する場合もあるという意味で、親が拒否する場合は無条件で性教育を中止しなければならないといった議論については、私は賛成できません。ケースバイケースで現場で判断する必要があると思います。
 

■外務省
児童の権利に関する条約」全文
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/jido/zenbun.html

第3条
1 児童に関するすべての措置をとるに当たっては、公的若しくは私的な社会福祉施設、裁判所、行政当局又は立法機関のいずれによって行われるものであっても、児童の最善の利益が主として考慮されるものとする。
第19条
1 締約国は、児童が父母、法定保護者又は児童を監護する他の者による監護を受けている間において、あらゆる形態の身体的若しくは精神的な暴力、傷害若しくは虐待、放置若しくは怠慢な取扱い、不当な取扱い又は搾取(性的虐待を含む。)からその児童を保護するためすべての適当な立法上、行政上、社会上及び教育上の措置をとる。

 
子どもの利益が主で、親の思想や利益は従、という優先順位があるという点が重要ですね。
「家庭毎の対応」について仮に対処していない学校なり教室が仮にあるとすれば善処すべきだとは思いますが、現実には対処されており、仮に対処していない事例があるとしても方針としては親とのコミュニケーションを前提に授業がつくられることになっているのですから、そうした運用なりプロセスを無視して一気に「性教育をやめろ」と主張する反性教育派は、論理が飛躍していると思います。
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*1:「「フェミナチ」「フェミファシズム」の本体」ではなくて、「「フェミナチ」「フェミファシズム」批判勢力の本体」ですね。「フェミナチ」という言葉で批判している活動家は極端な反共主義者たちであるという事実を示す証拠として、「フェミナチを監視する掲示板」を示しておきます。これを読むと空けても暮れても共産主義撲滅だけを頭に思い浮べている様子がよく見てとれます。 http://www.azaq-net.com/bbs/past_index.cgi?tani6010