NHK受信料横領問題(3)

以下、NHKが生中継を拒否し、NHKニュースでひた隠しにした海老沢会長答弁を含む国会のNHK役員参考人質疑の国会議事録を抜粋して転載します。

衆議院
第160回国会 総務委員会 第3号(平成16年9月9日(木曜日))
http://www.shugiin.go.jp/itdb_kaigiroku.nsf/html/kaigiroku/009416020040909003.htm

参考人日本放送協会会長) 海老沢勝二
参考人日本放送協会専務理事) 関根昭義君
参考人日本放送協会理事) 宮下宣裕君
参考人日本放送協会理事) 和崎信哉君
参考人日本放送協会理事) 野島直樹君
参考人日本放送協会理事) 中山壮介君
参考人日本放送協会理事) 出田幸彦君
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○海老沢参考人 「プロジェクトX」は、私が、これから日本が二十一世紀を迎えてもっと元気が出るような、そしてまた青少年が科学技術の振興に興味を持つような、そういうものをひとつつくってみようじゃないかという提案をし、出てきたのが「プロジェクトX」であります。それで、今回もこういう、放送だけじゃなくて、放送に関連したイベントを通じて、物づくりの大切さ、科学技術の振興というものにできるだけ若い人たちに関心を持ってもらう、また実物を見てもらう、そういうことで、私もこれに賛成といいますか了承して、このような展覧会を開いたわけであります。
私も開会式等に行き、またいろいろなところで関係の方にお会いしましたけれども、ほとんど、すべて、私が会った方では、これは非常にいい企画であり非常にすばらしいものだったと。それから、アンケート調査を見ましても、九五%の方々が満足しているというふうに答えております。
ただ、その協賛金の集め方が非常に強引であったのか、あるいは法律に逸脱したのかというような御指摘がありましたけれども、私どもは、あくまでも強制でなくて、こういう展覧会の意味合いというものを申し上げてお願いしたということで、私の耳元にはそういう不平とか不満とかいうようなことは一言も聞いておりません。
そういう面で、今、収支決算の方は、これから実行委員会の方に諮って、了承されて発表ということになると思いますが、いずれにしても、こういう文化事業あるいは福祉事業というようなものは、私どもは、収支ゼロといいますか、要するに、もうけ主義でやるわけでなくて、できるだけ業務の範囲の中で展開しているわけであります。
それから、読売新聞が共催に加わったのは、これは名義貸しということで、赤字になっても黒字になっても金の面には一切タッチしないという立場での参加であります。それは発明協会あるいは東京会議所も同じでありますが、そういう面で、実行委員会制度をつくりながら、お互いに意見を出し合いながら、企画を出し合いながら成功させようという意味での実行委員会であったということであります。
いずれにしても、誤解を与えるようなことがないように、これからも注意しながら慎重に進めたいと思っております。
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○中村(哲)委員 
天海当時芸能番組部長の処分である停職六カ月、この理由は何なんでしょうか。なぜ停職六カ月なんでしょうか。
○海老沢参考人
いろいろ週刊誌等で、NHKにいる茨城県人は、何か海老沢とつながりがあってそういう情実人事を受けているというようなことが書いてありますが、これは全くそういうことはありませんし、我々は実力主義あるいは適材適所で人事をやっております。誤解のないように申し上げておきます。
○中村(哲)委員 私は、聞かれていないことに別に答えてもらわなくても結構です。
事実だけ申し上げておきますと、この事件が三年前知られた平成十三年は、会長の任期中でございます。
○中村(哲)委員 いやあ、厳重注意は懲戒処分ではないということだったんですね。私、懲戒処分と思っていましたからちょっと言い間違いもしましたが、そういうことだったんですね。もう一事が万事こういう感じですよね。
○中村(哲)委員 海老沢会長、私は、経営責任をとるというのは二つの方法しかないと思っているんです。皆さんともお話をし、特に内部者の皆さんや労働組合の皆さんともお話しさせていただきました。一番大事なのは、視聴者に対して理解してもらうことだ。視聴者に対して理解してもらうまず一つの方法としてあるのは、会長以下経営陣がおやめになって、形の見える形であらわすべきだ。もう一つの方法は、見える形で徹底的にうみを出し切って新しい形をつくることだ。その二つの方法しかありません。
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○塩川委員 
「BSジュニアのど自慢」の件ですけれども、本来、役務費で支払うべきリサーチ業務を放送料で払っていたのは不適正な経理処理だったということだと思うんですが、その点確認したいんですが、いかがでしょうか。
○出田参考人 そのとおりでございます。
○塩川委員 そうしますと、C氏への支払いは不適切な経理処理だったという認識をNHKはお持ちだと思いますが、いかがでしょうか。
○出田参考人 調査報告に書いてある範囲でしか我々も判明しておりません。
○塩川委員 リサーチ業務は本来、役務費で払うべきで、放送料で払うのはおかしいんだ、そういうふうに指導したんでしょう、三年前に。であれば、この問題について、C氏への対応についても、リサーチ業務だったわけですよ。ですから、放送料で払っていたのは不適切な経理処理だということになりますよね。いかがですか。
○出田参考人 実態的に文芸委嘱料で払うケースが幾つか当時からありまして、このケースもそういう中で支払われていたんだろうというふうに考えております。
○塩川委員 いや、ですから、おかしいですよ。だって、リサーチ業務は放送料で払うのは不適切な経理処理だったと認めましたよね。
○出田参考人 今申し上げた限りのことの範囲でしか申し上げられません。
○塩川委員 だって、リサーチ業務だって当事者二人とも言っているわけなんでしょう。こんなことは納得できないですよ、どう考えたって。
○出田参考人 
現段階では、はっきりとこういうことですというふうに申し上げられません。
○塩川委員 書いてあることさえ説明できないで、どうして事実関係を報告できるんですか。
では、Dという放送作家について聞きます。ここでも「ジュニアのど自慢」の仕事もしていないんですよ。その上に、本来、役務費で払うべきリサーチ業務について、放送料で支払っているんですよ。二重の意味で不適切な経理処理だったんじゃないですか。いかがですか。
○出田参考人 
この件が不正かどうかということにつきまして、まだ解明できておりません。
○塩川委員 
NHK内部の経理処理の話でしょう。それについても何で明らかにできないんですか。疑惑隠しと言われてもしようがないんじゃないですか。会長、どうですか。
○出田参考人 
この件が不正なことが行われているかどうかということにつきましては、我々は解明はまだできておりません。

NHKの役員たちは、なにを聞かれても「知りません。わかりません。申し上げられません。解明できておりません。記憶にございません」という態度のご様子。なめられたもんですね。
結局、シラをきりとおせば逃げられるという泥棒意識。金をゆだねようという気持ちにはまったくなれません。
国会のNHK役員の人選が甘過ぎなんですよ。海老沢を三回連続で会長任命したことがそもそもおかしいです。ゆるゆるの監査が6年に一回しかないというのも滅茶苦茶。
NHKが生中継を拒否した中継は、衆議院TVでネットで視聴できます。海老沢会長のすごい表情を見てください。

衆議院TV
http://www.shugiintv.go.jp/top_frame.cfm
ビデオライブラリ 9月9日総務委員会
トータル時間:[06:40:25]
http://www.shugiintv.go.jp/video-sch.cfm?u_day=20040909

「魚は頭から腐る」と言います。肉の一部が腐っているということは、頭はもっと腐っている。
会長辞任という責任のとり方を提案した中村哲治委員の意見に賛成です。あわせて海老沢会長の指名に賛成した国会議員も責任をとってもらいましょうか。
以下、国会議員(元職含む)の主張・情報。
NHK問題追求では第一人者だった宮本岳志参議院議員の情報は必見。7月の参院選で落選したのが悔やまれます。

中村哲治衆議院議員
(民主党奈良県2区)http://tetsu-chan.com/
メールマガジン 「国会からの手紙」
http://tetsu-chan.com/tegami/new/tegami_new.htm

◇ 軽すぎる天海部長の処分
つまり、「詐欺や業務上横領などの可能性がある部下の不正行為について、上司が知った場合にはそれをきちんと上に届けるという基準」があったということになります。
そうすると、天海部長の放置行為は非常に重大です。犯罪構成要件には、故意・過失という要件があります。そのうち、重過失という要件もあります。重過失は、ほとんど故意と同じように扱われます。
NHK(宮下理事)は、天海部長の行為を「隠ぺいしたものではない」としていますが、私から見れば、どう見ても重過失に近いケースとしか思えません。

吉田公一参議院議員(参議院比例区民主党)
http://www.yoshida-kouichi.jp/
メールマガジン 改革ひとすじ 2004.09.15 しっかりして下さい。NHK様。
http://yoshida.blogs.com/yoshida/2004/09/nhk.html

都道府県別、地域別の受信料収入はなぜは公表されていません。沖縄県では受信料が他県よりも安いのに「50%にも満たない」と報道されたこともあります。だからこそ北海道の一部にも、不払い運動の市議のいるあの街にも、受信料未払い者地域はゾロゾロしています。受信料の実態を公表しないから、様々な憶測が生まれ、不公平感は増す一方なのです。放送法で決められた受信料と言いながら、真剣に集めないからこそ、いいかげんな使い方が内部から生まれているのではないでしょうか。

山花郁夫衆議院議員 (民主党/東京22区)
http://www5a.biglobe.ne.jp/~yamahana/
山花いくおメールマガジンNO.48 2004.9.9発行

また,NHKが情報公開窓口として設置している「ふれあいセンター」に,監視カメラが設置され,訪問者の映像を隠し撮っているのではないかという疑惑について質問しました(先般,警視庁において同様の問題が指摘されています)。
この点についてNHK側は,監視カメラはもともと防犯目的のものであり,録画は常時行っていないので一般論として問題ないとの認識を示しただけでした。
連日のように疑惑報道が続いています。NHKには6,000件を超えるクレームが届いているといいます。
今日の答弁を通じ,NHKが視聴者・国民の知る権利に応えたかといえば,決してそうではありません。経理体制の抜本的な見直しはもちろん,公共放送としての自覚を再認識することがなければ,再びこのような事が起こり得ると思います。

宮本岳志参議院議員
http://www.miyamoto-net.net/
日刊ゲンダイNHK王国徹底研究」(連載第一回、8月31日付)
http://www.miyamoto-net.net/column/bustle/1094439778.html

「昨年、共産党の同僚議員がNHK関連会社社長の海外視察(女性タレントが帰国便で隣席)を取り上げようとしたら、総合企画室の幹部が「誰がこんなことを話したのか、NHKを挙げて"犯人〟を探し出してやる、国会で問題にしたら、大変なことになりますよ」不と脅してきました。その後、私が引き継いで調査を始めたら、別の幹部がやってきて、『先生の名前に傷がつきますよ』と言ってきました」(共産党の前参議院議員宮本岳志氏)

日刊ゲンダイNHK王国徹底研究」(連載第九回、9月10日付)
http://www.miyamoto-net.net/column/bustle/1094781901.html

天下り幹部の”役得”は他にもある。U氏が社長を退任する直前のことだ。約1週間にわたってU氏はイスタンブールからパリ、プラハ、そして再びパリへと回るヨーロッパ視察に出かけた。いったい何の視察だったのか。この問題を参院総務委員会で取り上げた宮本岳志前議員(共産党)は言う。
「前任の社長も退職直前にスイスに行っています。これらは退任する社長向けの慰安旅行ではないのかと思って質問しました」
「帰国して2週間後には退任する社長がリサーチに行くなんてあり得ますか。こんなバカな説明で国民が納得すると思っているのでしょうか」
「私の疑惑追及の部分は見事に抜け落ちていました」

天下り先の非常勤で月50万円の顧問料>
http://www.dsnw.ne.jp/~sanin/03027b.html#komon
<退職間際に観光旅行まがいの海外出張>
http://www.dsnw.ne.jp/~sanin/03027b.html#ryokou
<役員のうち8割がNHKからの天下り
http://www.dsnw.ne.jp/~sanin/03027b.html#yakuinn

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■関連ログ

2004-09-17 NHK受信料横領問題(4)
http://d.hatena.ne.jp/kitano/20040917
2004-09-15 NHK受信料横領問題(2)
http://d.hatena.ne.jp/kitano/20040915
2004-09-14 NHK受信料横領問題(1)
http://d.hatena.ne.jp/kitano/20040914