イラク占領統治当局による拷問

「サダムの圧制から国民を解放する」というあの詭弁さえもどこへやら。

死にたくない! たすけて!!

イラク占領当局管理下のAbu Ghraib刑務所で米兵により行われていたとされる拷問。
手に高圧電流が流れる電気ワイヤーがつけらけれ小さな箱に立たされたイラク人。
「箱から落ちたら感電死する」と米兵に告げられ信じこまされたイラク人は、小さな箱の上で死の恐怖の中で何十時間も休むことなく立ち続けなければならない。
CBSテレビ/60 Minutes news)

■CBSnews
http://www.cbsnews.com/stories/2004/04/27/60II/main614063.shtml
■DRUDGE REPORT FLASH 2004R
TORTURED, ABUSED AND HUMILIATED - SHOCKING PICTURES SHOW HOW SOLDIERS TREATED IRAQI PRISONERS IN SADDAM'S JAIL
http://www.drudgereport.com/flash2.htm
BBC
A US general has been suspended in Iraq over the alleged abuse of prisoners by US troops in jails she ran.
http://news.bbc.co.uk/2/hi/middle_east/3669331.stm
■他メディアも同様に事件を“包み隠さず”に紹介。
サマワで同じことが起っていたら、日本のメディアはその事実を取材しすべてを報道できるだろうか?
http://www.mirror.co.uk/news/allnews/tm_objectid=14195963%26method=full%26siteid=50143%26headline=outrage%2dat%2damerican%2dtorture%2dof%2diraqi%2dprisoners-name_page.html
http://www.femail.co.uk/pages/galleries/index.html?in_gallery_id=3363&in_page_id=1055
http://english.aljazeera.net/NR/exeres/98692C2F-8950-4298-A2D0-354B11BBC470.htm
■ABC
US general under scrutiny in Iraqi prisoner case
http://www.abc.net.au/news/newsitems/s1098210.htm

■カウンターニュース
【異常】米兵、イラク人捕虜をおもちゃに【CBS、アブグレイブ拘置所内スナップ報じる】
http://counternews.blogtribe.org/entry-85ca6c09074552b15da6e76ab132ba28.html
本件、日本の大新聞、NHK等は自主検閲のご様子。
Photos show jail abuse by US troops
http://www.smh.com.au/articles/2004/04/29/1083224523783.html

■外務省
拷問及び他の残虐な、非人道的な又は品位を傷つける取扱い又は刑罰に関する条約
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/gomon/zenbun.html

第二条
1 締約国は、自国の管轄の下にある領域内において拷問に当たる行為が行われることを防止するため、立法上、行政上、司法上その他の効果的な措置をとる。
2 戦争状態、戦争の脅威、内政の不安定又は他の公の緊急事態であるかどうかにかかわらず、いかなる例外的な事態も拷問を正当化する根拠として援用することはできない。

締約国一覧
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/gomon/ichiran.html

アメリカ合衆国 署名1988.4.18 批准R:1994.10.21

アメリカ合衆国が拷問禁止条約に加盟していながらなぜ拷問が行われているのかというと、アメリカ合衆国が管理する刑務所や収容所で拷問が行われているかどうかを第三国が査察する権限を与える選択議定書に、アメリカ合衆国は加盟していないからです。
アメリカ政府は、第三国査察権を盛り込んだ選択議定書に加盟しないだけではなく、第三国査察権を盛り込んだ選択議定書の存在自体を抹殺するため、2002年7月、国連経済社会理事会で選択議定書の放棄を国連加盟各国に訴え、選択議定書署名国に対する経済制裁をちらつかせて国連加盟各国を強迫しました。
この結果、拷問禁止条約選択議定書は2002年12月18日に採択されるも、日本国を含めた多くの国が署名せず、批准国少数のため現在もなお未発行です。

Abu Ghraib刑務所 (ABC)

以下、日本国の、諸人権条約の“未加盟状況”を転載します。
軍事弱国の人権侵害には声高に非難し、軍事大国の人権侵害には黙って従う日本国政府ダブルスタンダードをご確認ください。

■外務省
国連が中心となって作成した人権関係諸条約 2004年2月12日現在 (PDF)
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/jinken/pdfs/jinken_j.pdf

日本国が批准していない人権関係諸条約
市民的及び政治的権利に関する国際規約選択議定書 1966年12月16日採択 1976年3月23日発行 締約国数104カ国 日本国未締結
市民的及び政治的権利に関する国際規約第2選択議定書 1989年12月15日採択 1991年7月1日発行 締約国数52カ国 日本国未締結
アパルトヘイト犯罪の禁止及び処罰に関する国際条約 1973年11月30日採択 1976年7月18日発行 締約国数101カ国 日本国未締結
スポーツ分野における反アパルトヘイト国際条約 1985年12月10日採択 1988年4月3日発行 締約国数58カ国 日本国未締結
女子にたいするらゆる形態の差別の撤廃に関する条約の選択議定書 1999年10月6日採択 2000年12月22日発行 締約国数60カ国 日本国未締結
集団殺害罪の防止及び処罰に関する条約 1948年12月9日採択 1951年1月12日発行 締約国数135カ国 日本国未締結
戦争犯罪及び人道に対する罪に対する時効不適用に関する条約 1968年11月26日採択 1970年11月11日発行 締約国数48カ国 日本国未締結
奴隷制度、奴隷取引並びに奴隷制度に類似する制度及び慣行の廃止に関する補足条約 1956年9月7日採択 1957年4月30日発行 締約国数119カ国 日本国未締結
無国籍の削減に関する条約 1961年8月30日採択 1975年12月13日発行 締約国数27カ国 日本国未締結
無国籍者の地位に関する条約 1954年9月26日採択 1960年6月6日発行 締約国数55カ国 日本国未締結
既婚婦人の国籍に関する条約 1957年1月19日採択 1958年8月11日発行 締約国数72カ国 日本国未締結
婚姻の同意、最低年齢及び登録に関する条約 1962年11月7日採択 1964年12月9日発行 締約国数51カ国 日本国未締結
拷問及び他の残虐な、非人道的なまたは品位を傷つける取扱い又は刑罰に関する選択議定書 2002年12月18日採択 未発行 締約国数3カ国 日本国未締結(アメリカ政府に同調)
全ての移住労働者及びその家族の権利保護に関する条約 1990年12月18日採択 2003年7月1日発行 締約国数25カ国 日本国未締結

アメリカ政府の拷問禁止条約選択議定書に対する拒絶的な対応は、「軍事的に強い国がどんな暴力も自由に行使でき誰からも批判されない世界体制」をつくるためのものでしょう。
暴力に屈するなと政府が言うのであれば、第三国査察権を盛り込んだ拷問禁止条約選択議定書の発行に向けた外交努力こそ求められるスジであって、拷問や戦争による大虐殺を含めた非人道的行為を繰り返す大国を野放しにすべきではないことは当然のことです。



───────────