迷惑防止条例改悪案:ビラを持っていると30万円以下の罰金

 

■東京都
条例案概要 平成16年第四回都議会定例会
http://www.metro.tokyo.jp/INET/OSHIRASE/2004/11/20ebo100.htm
公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例の一部を改正する条例 公安委
http://www.metro.tokyo.jp/INET/OSHIRASE/2004/11/20ebo105.htm

7 ピンクビラ等の配布等に対する規制の強化(第7条の2)
ア ピンクビラ等の配布、掲示行為等の規制強化(第1項)
 何人も、公共の場所において配布等してはならない対象物品に、パンフレットを追加するとともに、その内容についても性的好奇心をそそる水着姿等の写真等を追加するなど、ピンクビラ等の配布等の規制を強化する。
 (罰則:50万円以下の罰金又は拘留若しくは科料(常習犯の場合、6月以下の懲役又は50万円以下の罰金))
イ ピンクビラ等の配布等を目的とする所持等の禁止(第2項)
何人も、ピンクビラ等の配布等を行う目的で、ピンクビラ等を所持してはならない。
 (罰則:30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料
ウ 対償の供与等をして、前記(7ア及びイ)違反行為を行わせた者の重罰(第3項)
 何人も、対償を供与し、又はその供与の約束をして、前記7アの違反行為を行わせてはならない。(罰則:100万円以下の罰金(常習犯の場合、6月以下の懲役又は100万円以下の罰金))

8 両罰規定(第9条)
 前記2から7までの違反行為について、新たに両罰規定を設ける。

ビラを持っていると誰かに迷惑をかけたことになるのだそうです。
持っているだけでなぜ迷惑をかけたことになるのか、みなさんわかりますか? 配らずに持っているだけの時点で、ビラを読まされて迷惑しているのは具体的にどこの誰でしょう? 
東京都が提出した迷惑防止条例改悪案には、被害者も加害者もいない犯罪がふくまれています。
所持罪は、実行したけれど遂げられなかったという未遂罪ではありません。現行刑法には準備集合罪とか内乱予備罪などの刑罰はありますが、武器は誰かを傷つけるためにありますが、ビラは誰かを傷つける目的で作られたわけではありません。
広告物は、大人たちが性産業を生活の一部として享受しているという社会の現実を伝えることにはなると思います。
しかしそれで傷つくのは、「社会は健全であって、自分は性産業を享受していない」などという幻想によって権威を振りかざす“滅びゆくオヤジたち”のみすぼらしいプライドであって、青少年が傷つくわけではないでしょう。事実、ビラを読んだ青少年がビラを読んだことが原因になって殺人を犯したという事例は、提案者から説明はありません。

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関連ログ。
 

街から反戦の声が消えるとき
http://d.hatena.ne.jp/kitano/20050128#p2
立川反戦ビラ事件:検察が控訴
http://d.hatena.ne.jp/kitano/20050122
立川反戦ビラ事件一審判決:良心の囚人に無罪判決(その3)
http://d.hatena.ne.jp/kitano/20041223#p1
立川反戦ビラ事件一審判決:良心の囚人に無罪判決(その2)
http://d.hatena.ne.jp/kitano/20041219
立川反戦ビラ事件一審判決:良心の囚人に無罪判決、ビラ配布に可罰的違法性無し
http://d.hatena.ne.jp/kitano/20041218
「落書き」事件判決/「何が」汚いのか
http://d.hatena.ne.jp/kitano/20040212

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