練馬区

練馬区(6)
◎公認 松村友昭 60 共現3 会派副幹事長
http://www5a.biglobe.ne.jp/~aki-matu/
○自主投票 山口文江 57 ネ現1 ネット代表委員
http://yamaguchi.seikatsusha.net/
http://hyamaguchi.islandvoice.net/
○自主投票 土屋俊測 66 無新 会社役員
http://www.ombuds-nerima.com/index.htm
× 高橋和実(郄橋かずみ) 57 自現1 都連役員
http://www.takahashi-kazumi.com/
× 山加朱美(やまかあけみ) 51 自現1 都連役員
http://www5b.biglobe.ne.jp/~coco2000/
× 石川芳昭(石川よしあき) 58 公現6 都本部副幹事長
http://www.ishikawa-yoshiaki.com/
× 野沢彰(野沢あきら) 57 民新 区議
http://www.nozawa-akira.com/
× 野上幸絵(野上ゆきえ) 35 民新 党東京政策委員
http://www.nogamiyukie.com/
 
コメント:共産現職の松村候補は表現規制を含む健全育成条例改悪案に反対しました。松村候補は、2005年3月30日の都議会本会議で「青少年健全育成条例の改定案は、これまでの東京都の青少年行政を根本的に変更することとなる「淫行処罰規定」あらたに条例にもりこむものであります。この問題では、これまで青少年問題協議会で検討されてきたものであり、そこでは、「みだらな」という抽象的な概念で大人社会の硬直的な価値基準を青少年に押しつけることが、青少年の性的自己決定能力を育む機会を失わせる危険があるものであることがいくどとなく、論議され、今日まで条例化することが見送られてきたのであります。これまでの青少年行政の到達と青少年問題協議会での二〇年にわたる論議を否定する今回の条例案は認められません」*1と述べ、多様な恋愛関係を画一的な性規範の中に封じる都健全育成条例の問題を指摘した。同様な見解は、生活者ネット現職の山口候補も都議会で示しており、淫行処罰規定について「『淫らな』という曖昧な行為の判定は個人の主観的要素に依る度合いが強く、恣意的に立件される危険をもはらむものです。過去の議論の中で性に関しては、個人(たとえ子どもでも)の意思決定を尊重する、という立場から都は淫行処罰について否定的な立場を取ってきましたし、生活者ネットもその姿勢を支持してきました。そもそものきっかけである青少年の性感染症や妊娠中絶に対して、今回の条例改正が効を奏するものではなく、むしろ関わってしまった子どもが偏見を持たれやすいことや、事情聴取などで心に傷を負うことなどが危惧されます。」*2と述べている。
無所属の土屋候補(土屋としひろ/オンブズマン練馬)は練馬区不正経理問題を追及してきた区議で、今回の選挙では田中康夫長野県知事と連携しているとされる。田中康夫長野県知事は、青少年健全育成条例が存在しない長野県において、他律的な規制である青少年健全育成条例を制定しないことを明言*3していた。
山口候補は、2004年の健全育成条例会案が審議された際、文教委員会委員として「確かに、現状、余りにも人権を無視したような性的表現、それから性の商品化には、私たちも憤りを感じています。こうした情報が青少年の性非行の要因とまでは思いませんが、女性べっ視につながり、男女平等を阻害するものと考え、不健全図書や生セラへの規制には一定の理解をするものです。」と、規制に賛成の意を表明した。表現者等が組織した「条例改悪反対陳情」*4には、「この条例そのものに対しましては、反対する立場は今とっておりません。ただ、今回、これに関する陳情が上がっております。陳情の内容は、反対をしてくださいということではなく、反対者の立場からこういった取り組みをしてくださいという陳情の中身です。私どもが今提案してきた項目などもかなり含まれておりますので、陳情につきましては趣旨採択ということで臨みたいと思っています」と陳情には賛成し、条例改悪にも賛成するというダブルスタンダードの見解を表明した。山口候補は、採決でも陳情には賛成し、条例改悪にも賛成している。本来であれば条例改悪に賛成した事実により推薦から外すべきであるが、陳情採択に賛成したという事実については陳情採択に反対した候補と区別する観点から、落選指定を解除し、自主投票とする。
自民現職の高橋候補、自民現職の山加(やまかあけみ)候補、公明現職の石川候補は、それぞれ表現規制を含む健全育成条例改悪案に賛成した。自民の高橋候補はウェブサイトで公表した「最重点施策」の中で「青少年の健全な育成」を掲げており*5、当選すれば旧態依然とした規制強化の推進者となることが予想される。自民の山加候補は都議会で「インターネット上にはんらんする有害情報や奔放な性行動など、さまざまな問題が噴出をしております。このような状況下において、次代を担う青少年を健全に育成することは喫緊の課題であります」*6との認識を示し、都当局の他律的な規制強化施策の前提認識を追認していた。山加候補は平成17年3月11日の新聞「自由民主」(号外)の中で「心の教育」「青少年育成総合対策」「有害な情報から子どもをまもる」「インターネット対策」*7を掲げており、当選すれば表現規制の加速者となるだろう。公明の石川(石川よしあき)候補は、表現規制を含む育成条例改悪案を審査した文教委員会の委員だったが、表現者などが提出した「条例反対陳情」に反対の意を表し不採択となし、条例案に賛成した。石川候補は、昭和58年の図書自販機規制の際、規制推進の立場で議論*8し、図書自販機を削減させた悪しき実績がある。
民主新人の野沢彰(野沢あきら)候補と民主新人の野上幸絵(野上ゆきえ:松下政経塾*9出身)については詳細不明だが、表現規制を含む条例改悪や規制を広域化させる「首都圏連合」に対する積極的批判は見当たらない。野沢候補が練馬区議だったころ、区議会に「青少年健全育成基本法の制定を求める意見書提出についての陳情」*10が提出されたが、継続審議となっている。野上候補は蓮舫参議院議員(民主党/東京)の支援を受けていると言われているが、蓮舫参議院議員はジュネベルガイド問題で話題になった自民党野田聖子議員率いる「成人向けアニメ・ゲーム追放議連」の参加者である。*11

2005年都議選推薦候補リスト(確定版)

*1: http://www.jcptogidan.gr.jp/togi01/2005/0330-2.html

*2: http://www.seikatsusha.net/pro-board/back_no/back_no.php?action=back_no&id=1112866242&site=yamaguchi

*3: 資料/メディア規制に言及する長野県田中知事 http://zirr.hp.infoseek.co.jp/020126.html

*4: 東京都青少年健全育成条例改正に反対する市民有志代表世話人山口貴士外25525人が提出した「東京都青少年健全育成条例の改正反対に関する陳情」(陳情番号15第87号)。 http://www.gikai.metro.tokyo.jp/gijiroku/bunkyo/d3030102.htm 陳情の要旨は「1 表現物を「不健全指定」するに際し、個別的な指定を行うのではなく、「不健全」描写が一定の割合以上含まれる表現物 、出版物について、自動的に「不健全」図書とみなす制度(包括指定制度)の導入に反対します。2 行政職員が、表現物、出版物につき、現場で「不健全図書」として認定することを認める制度(緊急指定制度)の導入に反対します。3 青少年健全育成条例の定める区分陳列違反等について、直ちに刑事罰の対象とすることについて反対します。4 青少年健全育成条例の改定等に際し、青少年の意見を聴取するための制度を設けることを要求します。5 青少年健全育成条例の改定等に際し、子どもの権利条約を 十分に踏まえ、その自主性を十分に尊重し、子どもを「有害」 環境から一方的に隔離するのではなく、その自主的な判断能力 、リテラシーを高める観点から改定に関する議論を行うことを 要求します。6「不健全」指定に対する異議申立て、取り消し請求の手続 きを条例中に明記することを求めます。」 http://www.savemanga.com/siryou/hyouka.html

*5: http://www.takahashi-kazumi.com/seisaku/top.html

*6:平成16年第4回定例会 一般質問 平成16年12月9日 山加朱美(自民党) http://www.gikai.metro.tokyo.jp/netreport3/no_16/16_a_yamaka.htm

*7: http://www5b.biglobe.ne.jp/~coco2000/jiyuuminsyu_ura.htm

*8: 東京都議会文教委員会速記録第七号平成十六年三月十九日「〇石川委員 私からは、東京都青少年健全育成条例の改正についてお伺いさせていただきます。(略)今回の改正案、新設、改正等が行われておりますのはやむを得ないとは思いますけれども、今回の本会議また予算特別委員会でもるる論じられておりましたように、この育成する条例のあれを見ますと、第二条に図書類、こういうふうに記載されて、その内訳はこうこう、こうですよと非常に細かく記載されている。また第八条では、不健全な図書類等の指定という形で用語の定義がなされているわけであります。残念ながら、今回の改正の部分で新設されたところは、その図書類の一部でありまして、この答申にもありますが、図書の持つ影響というのは他の情報メディアに比較すると影響は少ないといわれるけれども、しかし、改めてこの不健全図書を規制しなければならないんだ、こういう視点で今回の改正がなされているわけであります。指定図書等の販売形態につきまして、るる新設が設けられましたけれども、私は、この中でいわゆる自販機による販売について若干質疑をさせていただきたいと思います。 私も、昭和五十八年当時、都議会の場で、当時は約三千台を超える自販機がありまして、青少年に与える影響が非常に大きいということで、自販機のあり方について質問させていただき、約二十年弱経過いたしまして、この答申にありますように、まず設置台数も減ってきている。」

*9: http://www.mskj.or.jp/profile/nogami.html 松下政経塾に関しては、神奈川県知事や横浜市長がゲームソフトウェアに対する規制を積極的に推進していることから、表現規制に積極的な姿勢を見せる人が多い傾向があると思われる。参考→「神奈川県ゲーム暴力表現規制(4):GTA3に有害指定 」http://d.hatena.ne.jp/kitano/20050607/p1横浜市有害図書販売防止対策案に対する意見募集」 http://d.hatena.ne.jp/kitano/20050330

*10:平成16年  9月22日 文教児童青少年委員会09月22日−01号会議録 「続きまして、陳情第177号 青少年健全育成基本法の制定を求める意見書提出について。 要旨。 1 青少年健全育成基本法の制定を求める意見書を政府の関係機関へ提出してください。 理由。 佐世保市の小学6年11歳女児による学校内での同級生殺人など、今年になっても少年凶悪犯罪は、後をたちません。ひとつに有害な環境から子供たちを守れていないとも言われています。昨今の青少年の実態は、数年前からの、いじめ、自殺、テレクラ、援助交際、おやじ狩り、校内暴力、刃物による殺傷事件、薬物濫用等々、悲しむべき行動や事件が多発しております。更に今日の青少年をとりまく社会環境は、露骨な性描写や、残酷な描写を売り物にした、雑誌、ビデオの氾濫、ニューメディア(パソコンソフト、CD−ROM、ゲームソフト)進出、さらには、情報通信の発達とともに、テレフォンクラブ、迷惑メールなど新しい営業形態が出現するなど悪化の一途を辿っております。 暴力、殺人シーンや、性のポルノ的シーンが多くなっており、中高生の性犯罪が多くなっている要因になっています。 青少年の健全な育成には、家庭、学校、社会での教育の充実と、心豊かな人間性を育む環境が必要とおもいます。このような現状に対応する為、東京都においては、青少年健全育成条例が制定されており、環境から保護する為に努力されてきましたが、通信機器の利用した広域的、全国的な営業にたいしては、十分な効果をあげることができない状況になっております。未来を担う青少年の健全な成長は全ての人々の願いであります、有害環境から子供達を守る為に早急に全国的に、総合的な対策になる法律制定を強く要望します。」http://tinyurl.com/8gfev

*11: http://d.hatena.ne.jp/kitano/20050422