経団連もゲームコンテンツ規制に援護射撃

 
絶妙のタイミングで中ボスご登場〜。
4月25日の定例記者会見で、経団連奥田会長コンテンツ産業について「暴力的な内容を含んだり社会に悪影響を与えたりするようなコンテンツであってはならず、倫理面での歯止めは必要だ」とのコメントを述べ、美少女ゲームやアニメ、漫画、アダルトビデオなどの「健全化」のための制度づくりに肯定的な姿勢を示しました。
  

社団法人日本経済団体連合会
http://www.keidanren.or.jp/
記者会見における奥田会長発言要旨
2005年4月25日(社)日本経済団体連合会
http://www.keidanren.or.jp/japanese/speech/kaiken/2005/0425.html

コンテンツ産業について】
コンテンツ産業などは、これからの日本を支える重要な産業の一つになると思う。これは産業構造の変化の中で国際的な傾向でもあり、経団連としても重視していきたい。ただ、暴力的な内容を含んだり社会に悪影響を与えたりするようなコンテンツであってはならず、倫理面での歯止めは必要である。

 
「コンテンツ健全化法」(コンテンツの創造、保護及び活用の促進に関する法律案=旧コンテンツ事業振興法案)に「健全化」規定をムリヤリ盛り込ませたのは、経団連産業問題委員会エンターテインメント・コンテンツ産業部会でした。
 

2004年度事業計画 (社)日本経済団体連合会
http://www.keidanren.or.jp/japanese/profile/soukai/200405/01-keikaku.html

経営者が自らの責任によってリスクに挑戦し、創意工夫を重ね、資本効率を重視した経営を実践していくための諸施策を検討する。特に、エンターテインメント・コンテンツ産業分野の振興に向け検討を深める。

エンターテインメント・コンテンツ産業の振興に向けて
2003年11月18日(社)日本経済団体連合会
http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2003/110/honbun.html

1.基本認識
(4) 産業界自らの課題
コンテンツ産業の自己規律の徹底
忘れてならないことは、エンターテインメント・コンテンツは、視聴覚を通じて人の感情や意識に直接働きかけるという特性を有しており、国民生活、とりわけ児童・青少年および家庭に与える影響が大きいという点である。したがって、エンターテインメント・コンテンツ産業には、高度の倫理性・自己規律が求められている。これまでも、関係業界や個別企業において、コンテンツの表現に関する倫理規定を設け、審査、自主規制を行ってきている。今後も、こうした自主的な取り組みを徹底し、表現のあり方に関し、消費者との対話も含め幅広い対応を継続していくことが必要である。

2003年度事業報告 III.政策委員会
http://www.keidanren.or.jp/japanese/profile/soukai/200405/01-houkoku/seisaku.html

9.産業問題委員会
(香西昭夫 委員長)
(齋藤宏 共同委員長)
経済再生の主役である企業の自助努力を促す諸施策について検討を進め、製造業の活性化の観点から、9月、経済産業省の北村製造産業局長と「製造基盤白書」を中心に意見交換を行った。また、エンターテインメント・コンテンツ産業の振興に向けた取り組みを進めたほか、外国人の受け入れ問題につき検討を進めた。

1.エンターテインメント・コンテンツ産業の振興に向けた取り組み
今後のわが国経済の一翼を担うことが期待されるコンテンツ産業を振興するため、エンターテインメント・コンテンツ産業部会(部会長:依田巽エイベックス会長兼社長)を8月に設置し、本格的な検討を開始した。9月に知的財産戦略推進事務局の荒井事務局長と政府のコンテンツ政策をめぐり意見交換を行うなど、検討を重ね、提言「エンターテインメント・コンテンツ産業の振興に向けて」(2003年11月)を取りまとめ、コンテンツ振興に向けた国家的取り組みの必要性を指摘した。これを受け、自民党を中心に与党においてコンテンツ産業等の振興に向けた法律制定の機運が高まり、2004年3月に「コンテンツの創造、保護及び活用の促進に関する法律案」が議員立法で国会に提出された。また、上記の提言後、さらに8つの分科会で検討を進め、その成果を産業技術委員会と共同で取りまとめた提言「知的財産推進計画の改訂に向けて」(2004年3月)に盛り込んだ。

「映像産業振興機構(仮称)」設立への協力について
2004年10月21日(社)日本経済団体連合会 産業問題委員会
エンターテインメント・コンテンツ産業部会
http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2004/080.html

映像産業振興機構(仮称)は、経団連提言「『知的財産推進計画』の改訂に向けて」を受けた政府の「知的財産推進計画2004」において、2004年度中に「民間機関」として設立が求められているもので、関係業界の主体的取り組みと政府の支援を前提に、自治体の協力を得つつ、産業問題委員会エンターテインメント・コンテンツ産業部会として映像産業振興機構(仮称)の設立に協力することとしたい。
(略)
2.「映像産業振興機構(仮称)」とは
(1) 映画、テレビ、アニメ、ゲーム等の映像コンテンツ産業関係者が協力して設立・運営する民間組織(NPO法人)。

(2) 映像コンテンツ産業に係る人材の育成支援、作品の制作支援、内外の市場開拓などの事業を通じてわが国の映像コンテンツ産業の振興を図る組織
(3) 映像コンテンツ産業の振興のために、政府が行う様々な施策を、民間の力と組み合わせ有効に活用するための組織
(4) 東京都はじめ、関係自治体と協力・連携してわが国の映像コンテンツ産業の振興を図るために必要な支援事業を行なう組織

「知的財産推進計画」の改訂に向けて
2004年3月16日 (社)日本経済団体連合会
http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2004/022.html

I.特に推進すべき課題
2.コンテンツビジネスの飛躍的拡大
メディアの多様化、ブロードバンドの急速な進展により、コンテンツの需要は国内・国際を問わず著しく拡大している。欧米のみならず中国や韓国などのアジア諸国コンテンツ産業の振興を重要な戦略として位置付け、世界のコンテンツ市場の獲得に向けた熾烈な競争を始めており、国家の命運をかけて様々な施策を展開しつつある。これに対し、わが国のコンテンツ政策は諸外国に比べ極めて遅れており、アニメやゲームなどかつて日本がトップランナーであった分野においてさえ、競争力を失いつつある。こうした危機感を国民が共有し、コンテンツをわが国の将来を支える柱の一つとして育て、ハードとソフトの双方がわが国を支える形へと産業構造を転換させていくには、国は、世界的な展望をもって、コンテンツ政策を早急に国家戦略として打ち出さねばならない。そのために、コンテンツ産業振興の国家戦略としての重要性を国民に周知するとともに、財政、税制、法制など各分野にわたり抜本的な施策を明確に示すべきである。昨年11月の当会提言「エンターテインメント・コンテンツ産業の振興に向けて」において指摘した課題はもとより、以下に掲げる課題に取り組む必要がある。
(略)
(7)コンテンツの社会的影響に関する調査・研究
コンテンツ産業は、高度の倫理性・自己規律が求められていることを強く自覚し、コンテンツの表現に関し自主的な取り組みを検討・実施していくとともに、消費者との対話も含め幅広い対応を継続していくことが必要である。政府においても、青少年を含め社会に対するコンテンツの影響については解明されていないことから、専門的な調査・研究を行う他、コンテンツに関する国民の理解を深めるよう努めるべきである。

 
関連ログ。
 

経団連:映像産業振興機構(仮称)設立協力へ
http://d.hatena.ne.jp/kitano/20041026#p3
経団連著作権保護「日本マーク」導入を検討
http://d.hatena.ne.jp/kitano/20040728#p3
コンテンツ健全化&私的コピー禁止:知的財産推進計画2004パブコメ募集
http://d.hatena.ne.jp/kitano/20050205#p1
コンテンツ市場で負け組入りが決定的
http://d.hatena.ne.jp/kitano/20040620#p1
続・コンテンツ「健全化」法
http://d.hatena.ne.jp/kitano/20040618#p3
コンテンツ「健全化」法案衆議院通過
http://d.hatena.ne.jp/kitano/20040515
コンテンツの創造、保護及び活用の促進に関する法律案(旧コンテンツ事業振興法案)の疑問
http://d.hatena.ne.jp/kitano/20040312#p1

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