単純所持罪創設を熱く語る野田議員

 
1月の情報なので恐縮ですが、この話題をとりあげるのを忘れていたので書いておきます。
 

野田聖子衆議院議員(元郵政大臣自由民主党/岐阜1区)
http://www.noda-seiko.gr.jp/
キャサリン通信
http://backno.mag2.com/reader/Back?id=0000127727
2005.1.15    第20号
http://backno.mag2.com/reader/BackBody?id=200501160040000000127727000

■◇今月の主な活動報告◇■
今月の前半、連日、報道が取り上げた事件に「スマトラ島沖大地震」と「奈良県女児誘拐殺人事件」があります。社会の不安を象徴するこの二つの事件は、とりわけ、子どもの身をどうやって守るのかという重い課題をつきつけます。
今、大地震・大津波の被災地では子どもの人身売買を阻止する動きが大きくなっています。両親を奪われた子どもたちを「お父さんやお母さんは街にいるかもしれないから、連れて行ってあげよう」と言葉巧みに誘い出し売り飛ばす人間が暗躍しているからです。幼い子どもの不幸につけこむ、理解しがたい非人間的悪行であり、国際社会挙げてこの非道な行為を断じて許さないとの声が高まっています。
わが国では先の会期中にようやく、国会議員の間でも人身売買法の議論が始まりました。これまで私たち日本人は、子どもや女性を対象とした性的あるいは商業的搾取が日本を最終市場として展開されているという国際的非難に対しあまりに鈍感すぎました。貧しさゆえに身を売る人間がいるから仕方ない、という説得力のない自己弁護に逃げこみ、世界から日本に対する尊敬や信頼が失われていることを直視せずにいたのです。
今般の大災害で傷ついたアジアの子どもたちが二重、三重の人権侵害の矢面に立たされている今、アジアのリーダー国として日本が何をすべきか、国民全体で考え行動すべき時だと思います。
また、奈良での事件は亡くなった女の子を、そしてご遺族のお気持ちを思うと怒りを抑えることができませんが、性にルーズな風俗環境を許してきた日本の大人の責任が厳しく問われていると思います。
容疑者の性的病癖を悪化させたものとして、ちまたにおびただしく存在する劣悪な性関連商品が指摘されています。表現の自由を盾にして、表現することの責任を全く考えない人々が世にばらまいてきた害悪について、今こそ猛省する時期ではないでしょうか。
私は先の会期中『児童買春・児童ポルノ禁止法』改正に取り組み、改正法が成立しましたが、民主党の反対にあって書き込めなかった1条があります。それは、「児童ポルノの単純所持を禁止する」という内容です。
児童ポルノの被写体とされた子どもに対する権利侵害の重大性を考えるならば、不特定多数に頒布されずとも、児童ポルノを個人が単純所持することから禁じ、子どもたちの尊厳を徹底して守るべきだと主張しました。しかし民主党の強い抵抗にあい、改正法成立のために心ならずも妥協せざるを得なかったことを改めて遺憾に思い、この条項案の再検討を考えるつもりです。
子どもの体と心、尊厳を守ることにもっと心を砕きたい−どの国よりも先に少子社会の厳しさ、問題点に直面している私たちだからこそ、この点をしっかり踏まえ、具体的な対応・施策を用意しなければならないと思います。
野田聖子

 
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「容疑者の性的病癖を悪化させたものとして、ちまたにおびただしく存在する劣悪な性関連商品が指摘されています」???
あー、また反ヲタク国会議員リスト*1のコンテンツが増えてしまいそうな予感が…。トラックバック送・信! http://d.hatena.ne.jp/axgx/
 
「劣悪な性関連商品」なるものが具体的に何を指しているのか不明ですが(まさかスクミズや子ども服が性関連商品だなんて言わないでしょうね)、わいせつ物は頒布も陳列も禁じられており、児童ポルノの製造や頒布目的所持を罰する法制度もあります。刑罰面での制度対策は解決済みです。
まず確認しておきますが、容疑者は単純所持罪以前に、誘拐殺人罪等の容疑で逮捕されています。という意味では、現行制度の運用で刑罰に関しては対応できているわけです。
裁判で事実認定が行われていない今の段階で、なぜ「容疑者の性的病癖を悪化させたものとして」と動機や原因を断定できるのか、私にはよくわかりません。
まあ「野田聖子議員などの与党が作った社会構造がああいう事件を生んだ」とは言い辛いでしょう。わかりますよ、その気持ち。社会の諸現象を批判すればするほどその批判が自分の過去の政策判断に向けられることになるわけですから。
だからそういう批判を受けないよう、「敵」を造りたいのでしょう。敵意を向けても反論されず、心が痛まない「敵」が。
「敵」をつくることで自己完結する人たちの心性は、弱者を暴力的に所有して自己の欲望を満たした容疑者の心性と共通する部分がある、と感じるのは私だけでしょうか。
事実と科学的合理性に基く対策が子どもにとっての最善を導くのであって、ある種の熱狂的憎悪感情やイデオロギーは、熱狂的憎悪感情を持っている人やイデオロギーを持っている人を満足させるだけで、子どもにとっての最善を導くことにはならないと考えます。
もし、野田議員の所属する政党が熱狂的憎悪感情やイデオロギーに基く対策を選択するのであれば、子どもの幸せのために、政権交替が必要でしょう。
野田議員は民主党への恨み節を歌っていますが、当初提案されていた児童ポルノ法改正試案にあった単純所持罪創設を撤回したのは野田聖子議員自身であり、単純所持罪を削除した改正案を国会の採決で賛成したのは自由民主党であるという事実を、私たちは改めて確認しておくべきかと思われます。
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