企業メリットの無い情報に表現の自由はあるか

スーパーサイズ・ミー」の日本語サイトが日本のファーストフードチェーンに公開質問状を提出したそうです。モスバーガー、ケンタッキー、フレッシュネスの三社は回答を拒否したとのこと。

スーパーサイズ・ミー
ファーストフードを一日3食一ヶ月間食べ続けると、人間どうなる?
http://www.cinemacafe.net/feature/supersizeme/index.phtml

スーパーサイズ・ミー
(SUPER SIZE ME)
監督:モーガン・スパーロック
出演:モーガン・スパーロック、アレックスほか
配給:クロックワークスファントム・フィルム

公開質問状! 日本のファーストフード事情に迫る
http://www.cinemacafe.net/feature/supersizeme/questionnaires/index.phtml

「米国成人の60%が過体重か肥満である、米国毎年40万の米国人が肥満が原因で死亡している」という衝撃的な事実を目の前にしても、それは「欧米の特殊な事情」と大半の日本人は聞き流してしまうのではないだろうか。しかし現実は街中にファーストフード店があふれ、知らず知らずに食生活に侵食。すでに日本人の4人に1人は肥満レベル、と他人事ではないのだ。そこで! 「cinemacafe.net」では日本のファーストフード会社トップ5に公開質問状を送付。日本のファーストフードの実態を探った。ところが…
 
NG モスバーガー 会社の方針として回答を差し控えたい
NG ケンタッキー 誤解を与えかねない
NG フレッシュネス カロリー情報等は非公開、取材のメリットが無い

 
結果的に調査に応じたのは2社のみ。食生活を脅かし兼ねないファーストフードから自身を守るには情報が必須なだけに、私たちがおかれている状況は一目瞭然だろう。

■My News Japan
http://www.mynewsjapan.com/
日本で実現するには?『スーパーサイズ・ミー
http://www.mynewsjapan.com/kobetsu.jsp?sn=217&e=2#estimate

この映画は、サンダンス映画祭で最優秀監督賞を受賞、既に世界26カ国で公開が決定しているが、プロモーションで各国を訪れると取材しないメディアがあり、日本でもテレビ取材はほとんどなかったという。あれだけCMが流れているのだから当然であろう。地上波テレビには本当のジャーナリズムは構造的に存在しえない。
実際、かなり知っていそうな人でさえ、この映画の存在を知らなかったから、これはまさに、「伝えない」というテレビ局の思う壺だ。視聴者は情報網を張り巡らし、何が伝えられていないのか、を常に考えなければならない。それがメディアリテラシーである。
「今はスポンサーに対してプラスであれば表現の自由があり、そうでないものに表現の自由はない。だからこそドキュメンタリーの重要性が増し、作り手の視点や事実を検閲なく表現できる唯一の手段なのです」(「潮」2005年1月号)というスパーロックの言葉は重い。

 
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