2005年都議選候補分析と推薦候補(区部その2)

2005年都議選推薦候補リスト(会派別)
http://d.hatena.ne.jp/kitano/20050619
2005年都議選候補の分析と推薦(区部その1)
http://d.hatena.ne.jp/kitano/20050620

 
のつづきです。
(この情報はあくまでも私自身の判断であり参考情報として示しているのであって、一般に推薦候補者への投票を呼びかけるものではありません。有権者の方はご自身の判断で投票してください)
 
2005年都議選推薦候補リスト(確定版)

渋谷区

■渋谷区(2)
○推薦 小峰久雄 49 共新 党地区委員長
× 大津浩子 45 民現1 都経港委役員
http://www.o2net.jp/
× 村上英子 50 自現1 都連役員
http://www.murakamihideko.jp/
× 伊藤毅志 44 無新 区議(2005年5月24日自民党離党)
http://www.yesno.net/
 
コメント:自民現職の村上候補は、表現規制を含む健全育成条例改悪案を審議、「東京都青少年健全育成条例改定に反対する陳情署名」を不採択にし、改悪案に賛成した文教委員会の委員。自民の村上候補は都議会で「七月一日からは、不健全図書に対する規制が施行されます。そこでお伺いいたします。条例を円滑に施行、実行していくため、対策の実効性をどのように確保していくのか、ご所見を伺います。」*1と質問し、当局に改悪された条例の徹底施行を求めた。表現規制立法に賛成し、都民の反対の声に応えない都議は落選させねばならない。自民系無所属の伊藤候補は、「渋谷の政界にはびこる「色あせた世襲政治」や「長老支配」を刷新」*2すべきだとの訴えるが、伊藤氏はそういう政治を自民党員として支える側に立っていた事実は否定できない。伊藤候補は、多様な生活スタイルを抑制する治安政策の実現*3を訴える一方、表現規制を含む条例改悪や「首都圏連合」に積極的に反対する言葉はどこにも無い。
民主の大津候補は、都議として表現規制を含む条例改悪案に賛成した他、「青少年みずからが犯すことへの歯どめと、有害環境の浄化という、ソフト、ハードの両面からの対策が重要だと思います」*4と都議会で発言し、多様な生活スタイルを抑圧する俗流治安対策を求めた。大津候補の表現物の地位への配慮に欠けた態度は、「まちの治安と景観を悪化させているものにピンクビラといわれる青少年健全育成に好ましくない張り紙、シールがあります」との発言からも伺える。ピンクビラが治安を悪化させるとの「割れ窓理論」は“仮説”であってこれまで実証されたことは無く、粗暴状況と犯罪には統計上直接の因果関係はない。*5
尚、2001年の都議選で当選した民主会派の福島寿一議員は、2003年11月にホステスを新宿のホテルに連れ込み暴行を働いたとして婦女暴行傷害の容疑で逮捕され辞職した。渋谷区は自民が分裂共倒れ模様。小峰候補にも勝機はあるだろう。

2005年都議選推薦候補リスト(確定版)

*1:平成16年第2回定例会 一般質問 平成16年6月9日の http://www.gikai.metro.tokyo.jp/netreport3/no_9/9_h_murakami.htm

*2: http://www.ito-takeshi.jp/mimi/200506/200506.htm

*3: http://www.ito-takeshi.jp/mimi/200401/200401.htm

*4:平成16年第1回定例会 一般質問 平成16年3月3日 http://www.gikai.metro.tokyo.jp/netreport3/no_1/1_h_ootsu.htm

*5:「R.Matthews:「Broken windows」のイメージに対抗する分析と批判 粗暴状況→インフォーマルコントロールの弱体化→犯罪増→犯罪への恐怖増という図式自体への批判。だが粗暴状況と犯罪には(統計上)直接の関係がない。「犯罪への恐怖」(fear of crime)を宣伝するがためのイメージ操作。」 http://www.jca.apc.org/~teramako/criminology/envcrim.html

中野区

■中野区(4)
○推薦 植木こうじ 61 共元3 党東京都委員
http://homepage3.nifty.com/kouji-ueki/
× 川井重勇 57 自現2 都連役員
http://www.kawai-shigeo.com/
× 高橋一実 44 自新 元衆院議員秘書
http://www.kazuchika.com/weblog/
× 高倉良生 48 公新 区議
http://www.takakura.tv/
× 樋口裕子 46 民現1 都都市整備委員
http://www.higuchi-yuko.jp/
× 吉田康一郎 37 民新 衆院議員秘書
http://www.k-yoshida.jp/
 
コメント:自民の川井候補は、表現規制を含む健全育成条例改悪案に都議として賛成した。東京弁護士会による「子どもの人権侵害救済申立に基く警告書」*1で、批判された都教委による性教育不当介入事件に都議として参与していたことが明らかになっている。子どもにとっての最善よりも自らのイデオロギー固執する者に「青少年の全然な育成」を語る資格は無い。自民の高橋候補は、高橋一郎衆院議員の長男。高橋一郎議員といえば、今川正美議員(社民)が「自民党につきものの利権政治」との発言を鈴木宗男議員(自民)の要求で議事録から職権削除された事実を再度発言したところ、再びその発言を議事録から職権削除*2し、議会内における言論の自由を弾圧した悪しき実績がある。高橋候補は当時秘書として議員の不正に助言を為す立場にいながらとめなかった。このような人物に多様な文化の保護など期待できるはずもない。
民主現職の樋口候補は、表現規制を含む育成条例会悪案に賛成した。民主新人の吉田候補と公明新人の高倉候補は、表現規制を含む健全育成条例改悪や「首都圏連合」に対する懐疑的な主張は見当たらない。民主の吉田候補は、小沢一郎率いる自由党の公認で世田谷区で当選した。小沢一郎氏が「わいせつ・暴力的な表現への子供の接触を防ぐ「社会的規制」は断固としてやるべきだ」と主張するメディア規制論者であることは既に指摘*3した通り。吉田候補は「青少年・外国人による犯罪防止策の徹底と強化」*4を公約としており、当選すれば石原都政の治安政策を推進する可能性がある。
前回選挙では、公自自民が議席を確保し、共産の植木候補は2606票差で次点だった。今回し自民民主とも候補二名擁立であり、票は分れるだろう。植木候補が返り咲くチャンスは十分ある。

2005年都議選推薦候補リスト(確定版)

*1:東京弁護士会警告書 http://www003.upp.so-net.ne.jp/eduosk/nanao-keikoku.htm

*2:保坂展人の突風行脚の記(その45)月刊社会民主2003年2月号 報道されなかった削られた「議事録」 議会とメディアの危機を物語るもの」 http://www.hosaka.gr.jp/toppu/toppu45.html

*3: http://d.hatena.ne.jp/kitano/20040616

*4: http://www.k-yoshida.jp/home.htm

杉並区

■杉並区(6)
◎優先公認 福士敬子 66 無現2 自治市民代表
http://www.asahi-net.or.jp/~pq2y-fks/
○自由投票 吉田信夫 55 共現3 会派幹事長
http://members.jcom.home.ne.jp/yoshidanobuo/
○自由投票 堀之内敏恵 32 ネ新 党政策委員
http://horinouchi.seikatsusha.net/
○自由投票 長谷川英憲 67 諸元1 団体代表(都革新・新左翼系)
http://members3.jcom.home.ne.jp/hasegawa_tks/
× 大泉時男 63 自新 区議
http://www.gjk.co.jp/tokio/
× 早坂義弘 36 自新 大学院生
http://www.tokyo-hayasaka.com/
× 松葉多美子 42 公新 都本部役員
http://www.tamichan.net/
× 田中良 44 民現3 都地区役員
http://www.interq.or.jp/tokyo/r-tanaka/
× 門脇文良 50 民新 区議
http://www.kaddy.jp/
× 千葉昇 62 無新 元区議(元自民)
http://www.chiba-jp.com/
× 木梨盛祥 55 無新 区議
× 渡嘉敷奈緒美 42 無新 区議(生活者主権の会)
http://www.tokashiki.gr.jp/index.html
 
コメント:自治市民の福士敬子候補を優先公認とする。福士都議は表現規制を含む条例改悪案に文京委員会と本会議で質疑・討論で明確に疑義を示し*1、採決でも反対した。石原知事の暴政に対し揺るぎない態度で正しい政治を導き、青少年政策において人権モデルによる科学的で効果的な対案を示した実績から考えて、福士都議の当選は今後4年間の都政において重要な意義を持ちつづけるだろう。福士候補の再選は与党10人の落選に匹敵するほど大きな意味を持つ。次点との差は2573票と決して大きくは無く、激戦となるのは必死だ。直ちに支援体制を整え、確実に当選させたい。
尚、福士都議を優先公認とする関係上、共産の吉田候補、生活者ネットの堀之内候補、都革新の長谷川候補は自主投票扱いとする。投票率が40%を割りこんだ1997年の都議選では福士候補は次点だった。投票率も当選の行方を左右することになるだろう。「都政を革新する会」の長谷川候補は表現規制には反対姿勢であり、1992年の健全育成条例改悪(密告制度「申出規定」や審議省略による不健全図書指定「小委員会制度」の導入など)の際には採決で反対した*2。前回都議選で都革新は1万票に届かず落選。新左翼セクト以外の広範な都民の支持を集める見通しが無いことから自主投票とする。
自民の大泉候補と早坂候補、そしていずれも表現規制を含む条例改正や表現規制を拡大する「首都圏連合」に批判的な主張は見当たらない。当選すれば表現規制拡大路線を突き進むことになるだろう。
民主現職の田中候補は、現職として表現規制を含む健全育成条例改悪案に賛成した。田中候補は平成11年12月8日の都議会代表質問で、「青少年の健全育成のためには、社会的な環境を改善していくことが、まず必要。マスメディアの中には露骨に性の商品化を助長するものや暴力への関心をあおるようなものが少なくなく、未成年者が簡単に有害な情報に触れられる環境がある。これら、企業の行き過ぎた営利至上主義の結果、青少年にとって有害な情報が氾濫していることに対し、何らかの防衛手段を講ずることが緊急の課題であると考える。企業の自粛に期待するだけではなく、例えば、地域住民やPTAなどが能動的に有害情報から子どもを守る活動を支援するような行動案を、都として今後検討する必要があると考える」*3と都議会で発言し、表現規制を強く都に求めていた。再選されればさらに過激な規制に踏みこむことになるだろう。民主新人の門脇候補は杉並区の監視カメラの設置に一定の歯止めをかける防犯カメラ条例制定に尽力した点については評価はできるが、表現規制を含む条例改正や表現規制を拡大する「首都圏連合」に批判的な主張は見当たらない。元民主区議で無所属新人の木梨候補と生活者主権の会(大前研一系)の渡嘉敷候補は、精神的自由権の規制や「首都圏連合」に関して注目すべき発言は確認できない。
無所属で元自民区議の千葉候補は、重点政策で「教育立国の再生」*4を掲げ少年犯罪の低年齢化に取り組むと書いているが、少年犯罪の低年齢化対策として実施された表現流通規制に効果が無かった事実ついては棚にあげている。事実を科学的に分析せず、教育基本法改正なる観念論へと飛躍する姿勢は、「教育立国の再生」どころか荒廃を促進するだけだろう。

2005年都議選推薦候補リスト(確定版)

*1:「東京都青少年健全育成条例の改正反対に関する陳情」の審議(4)」 http://d.hatena.ne.jp/kitano/20040523/p1 「東京都青少年健全育成条例の改正反対に関する陳情」の審議(3)」 http://d.hatena.ne.jp/kitano/20040522/p1 「東京都健全育成条例改正案を賛成多数で不当可決」 http://d.hatena.ne.jp/kitano/20040331/p1 「都議会文教委、大改悪条例案可決」 http://d.hatena.ne.jp/kitano/20040323/p1

*2:1992年の健全育成条例大改悪の時に賛成した会派は、自社公共民。反対したのは「都革新」と「大衆」の二名のみ。ただし社会と共産は小委員会制度と申出制度に留保をつけた。健全育成審査会小委員会が健全育成審査会が休止している夏冬のみ開催されているのは、社民共産の留保による慣行としての対応措置が現在も続いてるからである。

*3: 平成11年 第4回定例会 平成11年12月8日 http://www.togikai-minsyuto.jp/html/teireikaihokoku/th11/1104daihyo.htm

*4: http://www.chiba-jp.com/kadai/kadai01.html

豊島区

■豊島区(3)
○推薦 渡辺久美子 54 共新 党地区役員
http://www.cpi-media.jp/watanabe/
× 矢島千秋 57 自現1 都連役員
× 長橋桂一 48 公現1 都本部役員
http://www.k1-nagahashi.com/
× 泉谷剛39 民新 区議
http://www.gotty.co.jp/idumiyatuyosi/
× 竹下友康 52 無元 会社役員(前回都議選では民主現職)
 
コメント:自民現職の矢島候補と公明の長橋候補は、表現規制を含む健全育成条例改悪案に賛成した。矢島・長橋両候補とも、表現規制や「首都圏連合」に慎重な取扱いを求める発言はこれまで確認されていない。自民の矢島候補は都議会で「監視カメラを求めよ」との議論を展開*1し、監視・制裁という昔ながらの治安政策への支持を表明した。公明の長橋候補は、青少年健全育成条例を審議した都議会予算委員会質疑で、青少年の夜間外出規制の実行性を都当局に要求し*2、心の東京革命政策の後押しをした。
民主は今回候補調整が失敗し、分裂している。民主新人の泉谷候補はNCS*3という青少年健全育成のためのNPO法人の代表者。公約*4には警察力のアップによる安全な街作りを掲げている。無所属(民主元職)の竹下候補は、詳細は不明だが、表現規制や「首都圏連合」に慎重な取扱いを求める発言はこれまで確認されていない。

2005年都議選推薦候補リスト(確定版)

北区

■北区(4)
◎公認 曽根肇 53 共現3 会派政調委員長
http://www.kitanet.ne.jp/~sone/
× 高木啓 40 自新 元区議
http://www.takagi-kei.com/
× 大松成 44 公新 都本部役員
http://www.ohmatsu-akira.com/
× 和田宗春 61 民現2 都都市委員長
http://www.kitanet.ne.jp/~wadamune/
× 原田大 28 民新 東京政策委員
http://www.haradadai.net/
× 戸枝大幸 27 無新 区議(あすか新生議員団・自民系分派)
http://www.toeda.jp/
 
コメント:共産の曽根候補は、現職として、また文教委員会委員として表現規制を含む条例改悪案に反対*1し、条例に反対する陳情に賛成した。曽根都議は、2002年9月に都議会文教委員会で「青少年健全育成基本法(仮称)の制定を求める意見書提出に関する請願」*2が審査された際、文教委員会委員として取扱い留保の討論を行い請願は保留となった。討論の過程で譲歩を匂わす発言も飛び出したが、結果的に青少年健全育成基本法制定請願を阻止した実績は高く買いたい。今回の選挙では自民と民主の二党が分裂している。ここは気を緩めることなく確実に曽根候補の当選を目指したい。
自民新人の高木候補は政治信条について「国家意識の希薄化に対し健全な国家意識、帰属意識を育てる必要がある」*3と書き「扶桑社作成の歴史教科書は、私自身は最も優れた教科書であると思っています」などと書くなど、国家主義イデオロギー色の強い態度を強く匂わす候補。治安対策として「犯罪を起こさせない教育の充実」を掲げ「少年といえども社会の構成員の一人であるという自覚を促す教育が必要」*4と説いている。もしイデオロギー重視の高木候補が当選すれば、青少年の環境は悪化し、石原都政表現規制強化路線が過激化する可能性は高いだろう。確実に落選させておきたい。
民主現職の和田候補は、文教委員会で、平成十二年度予算議案についての意見開陳として「青少年の健全育成の観点から、書店やコンビニエンスストアにおける成人向け雑誌の区分陳列等の指導を徹底する」*5と発言し、表現物に対する規制を明確に提案し、表現規制を含む健全育成条例改悪案にも賛成した。
民主新人の原田候補は、多くの同窓生が表現規制強化に走っている松下政経塾門下。公約には「相互自警組織「ガーディアンズ」などを創設・支援し、警察と地域住民の連携を強化する」などの治安政策を掲げている。公明新人の大松候補は、元公明新聞記者。無所属新人の戸枝候補は、反公明*6の自民離党組「あすか新生議員団」のメンバーで、小渕恵三元総理と小渕優子衆議院議員の元スタッフ・秘書。原田候補、大松候補、戸枝候補の三名の発言からは、表現流通規制や規制を拡大する「首都圏連合」に懐疑的な主張は確認できない。

2005年都議選推薦候補リスト(確定版)

*1: http://d.hatena.ne.jp/kitano/20040323/p1

*2:都議会が健全育成基本法制定請願を審議 http://zirr.hp.infoseek.co.jp/020108.html かなり大胆に請願提出者サイドに譲歩した発言だったが、請願採択をストップさせるためにした発言だとすれば、それだけ曽根都議には他党とのネゴシエーションの力があるという見方もできるかもしれない。

*3: http://www.rare.co.jp/takagi/contents/my-belife/my-belife002.html

*4: http://takagi.exblog.jp/2031287/

*5: 2000年3月23日 文教委員会 http://www.gikai.metro.tokyo.jp/gijiroku/bunkyo/d3030018.htm

*6:http://www.toeda.jp/asuka/asuka22.pdf http://www.enpitu.ne.jp/usr8/bin/day?id=83340&pg=20040211

荒川区

荒川区(2)
○推薦 小林行男 49 共新 党地区役員
× 崎山知尚 39 自新 区議
http://www.sakiyama-c.jp/
× 鈴木貫太郎 61 公現4 都本部役員
http://www.kantarou.net/
× 滝口学 34 民新 衆院議員秘書
http://www.t-gaku.com/
× 小坂真三 50 無新 区議
http://www.kosaka-masami.com/
 
コメント:自民新人の崎山候補は、荒川区議として藤沢志光区長を支えてきたが、その藤沢志光区長は汚職により逮捕された。もし都議選で崎山候補が当選するようなことがあるとすれば、荒川区有権者の良識を疑われるだろう。無所属の小坂候補は、自民候補として区議となったがその後内紛により離脱した。崎山候補も小坂候補にも、表現規制表現規制の広域化を促進する「首都圏連合」に否定的な主張は確認されていない。
公明現職の鈴木候補は、表現規制を含む健全育成改悪案に賛成した。鈴木候補は「青少年の健全育成の在り方について日本の教育の方向性を明確に指し示す必要がある」との内容を含んだ「教育基本法の改正に関する意見書」*1の提出者・賛成者のひとりでもある。
民主新人の瀧口学候補については詳細不明だが、表現規制表現規制の広域化を促進する「首都圏連合」に否定的な主張は見当たらない。

2005年都議選推薦候補リスト(確定版)

*1:平成16年第2回定例会 6月16日 http://www.gikai.metro.tokyo.jp/gijiroku/honkaigi/2004-2/d5224401.htm教育基本法の改正に関する意見書」は賛成多数で可決成立している。

板橋区

板橋区(5)
◎公認 古舘和憲 58 共現2 会派副幹事長
http://www.jcp-tokyo.net/furudate/top.html
× 本村久美子 46 無新 市民団体代表(社民・生活者ネット推薦)
http://www.i-idobata.com/
× 稲葉真一 58 自現2 都連役員
http://www.s-inaba.com/
× 坂本健 45 自新 幼稚園園主
http://www.seiji.co.jp/sakamoto/
× 橘正剛 52 公新 公明新聞部長
http://tachibana-seigo.com/
× 河野雄紀 35 無新 区議
http://www.konoyuki.com/
× 熊木美奈子 43 民新 党都政策委員
http://www.kumakiminako.jp/
× 高橋文八 74 無新 (元)菓子店経営
×××× 土屋敬之 53 民現2 会派総務会長
http://www2u.biglobe.ne.jp/~t-tutiya/
 
コメント:共産現職の古館候補は、表現規制を含む育成条例改悪案に採決で反対しました。都立高校を28校削減する統廃合計画案にも反対し、三十人学級の実現を要求するなど、優先して実施しなければならない本当の青少年育成環境の実現を求めているように思われます。無所属新人の本村候補は、社会民主党堂本暁子千葉県知事の推薦を得ている候補で、比較的リベラルな考えの候補と思われるが、本村候補は自サイトのプロフィールの中でCAPのメンバーであることを表明*1している。CAPは日本キリスト教婦人矯風会*2の団体で「子どもを暴力からまもる」ことを目的にしたグループだが、CAPの一部グループは性表現や暴力表現も子どもに対する暴力であるとして表現物の規制を求める活動を展開し、児童ポルノ処罰法の制定を求めた「ストップ子ども買春の会」や「日本YMCA同盟」といった団体と協力関係*3にある。こうした市民活動歴からすれば、本村候補が表現物に対する規制に賛成する可能性は否定できないと思われる。
自民現職の稲葉(いなば真一)候補は、第24期東京都青少年問題協議会委員*4として表現規制を含む健全育成条例改悪案の策定に積極的に関与し、表現規制条例案策定に賛成の立場から参与した。都議としても表現規制を含む健全育成条例改悪案の採決に賛成した。1999年9月22日の都議会本会議では「自殺情報を含む有害情報が子どもの自殺を増やした。自殺マニュアルは青少年の自殺を誘発する可能性があり、青少年の健全な成長を阻害するおそれがある不適切なものと思われる」*5などと発言し、この発言がきっかけとなって自殺表現が規制されるに至った。稲葉候補が再選されることがあれば、今後4年間でさらにひどい条例がつくられるだろう。確実に落選させておきたい。
自民新人の坂本候補(坂本たけし)は、表現規制を含む健全育成条例案に賛成した田中晃三都議の後継候補。坂本候補については、表現規制や「首都圏連合」に懐疑的な発言はこれまで確認されていない。
公明新人の橘(たちばな正剛)候補は公明新聞の元幹部(編集局担当局次長)で、織田拓郎都議(故人)の後継候補。織田拓郎都議は、平成13年3月23の文教委員会で「自殺及び犯罪を誘発する図書類の規制や指定図書類の区分陳列など、青少年健全育成条例の適切な運用に努めること」*6を求め、表現規制を含む健全育成条例改悪に賛成した。橘候補については、表現規制や「首都圏連合」に懐疑的な発言はこれまで確認されていない。民主新人の熊木候補(くまき美奈子)は、詳細不明だが、表現規制や「首都圏連合」に懐疑的な発言はこれまで確認されていない。
「石原三羽烏*7こと民主現職の土屋候補(土屋たかゆき)は、2004年9月、「大東亜戦争従軍の将兵の誇りを傷つけた有害図書だ」との理由で週刊『ヤングジャンプ』の連載劇画『国が燃える』(本宮ひろ志作)を出版した集英社に抗議した「地方議員の会」に参加・指導し、『国が燃える』の表現を削除修正させ、休載に追いこんだことがある。*8 2000年5月12日の各会計決算特別委員会で、土屋都議は、都議会民主党を代表して「青少年の健全育成の観点から、書店やコンビニエンスストアにおける成人向け雑誌の区分陳列等の指導を徹底すること」を求めた。また土屋候補は、2004年3月に成立した表現規制を含む条例改正案には、採決で賛成した。さらに土屋都議は、平成16年3月16日の予算特別委員会で、精神的自由権の根幹である内心の自由を事実上否定する君が代伴奏拒否教員処分について、処分を妥当とする前提で質疑*9を行った。さらに土屋都議には「障害を持つ子供たちへのセクハラを行ったのではないか」との疑念*10もある。土屋候補は「戸塚ヨットスクールを支援する会」(会長:石原慎太郎東京都知事)のメンバーでもある。平成15年9月19日に開催された「石原知事発言を全面支持する都民集会」の主催者の一人である土屋候補は、確実に落選させておきたい。

 
2005年都議選推薦候補リスト(確定版)
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*1: 子どもが暴力から身を守る方法を学ぶ学習プログラム・CAP(チャイルド・アソールト・プリベンション)(コーディネーター安藤由紀氏) http://www.cap-j.net/http://www.cap-j.net/groop/groop.php

*2: 日本キリスト教婦人矯風会についての過去ログ http://d.hatena.ne.jp/kitano/20040714/p3http://d.hatena.ne.jp/kitano/20040525

*3:協力関係の一例→1995年11月28日 「ストップ子どもポルノ・子ども買春 急げ法制化」パネルディスカッション http://www.ecpatstop.org/newkatsudo_ecpatstop_1994_2002/katsudou_houkaku_1999_stop.html

*4: http://www.metro.tokyo.jp/INET/KONDAN/2000/12/40ACE400.HTM

*5: 1999.09.22 : 平成11年_第3回定例会(第14号) 「◯二十三番(いなば真一君) 私は、一般質問のトップバッターとして、都政が直面し解決しなければならない現下の主要課題について、質問いたします。(略)次に、青少年健全育成についてお伺いいたします。 青少年を取り巻く環境は、地域社会における連帯感の希薄化、有害な情報のはんらんなど、近年ますます悪化してきています。こうした中で、青少年の心の荒廃が深刻化し、それに起因すると思われる青少年の自殺も増加しており、社会問題となっているのであります。 さて、最近、都内で起きた未成年者の二つの自殺のケースでは、自殺方法をマニュアル化した本が、傍らに置かれていたと報道されていました。この本は、自殺のさまざまな方法を詳細に、かつ具体的に説明したもので、判断力の未成熟な青少年の自殺を誘発する可能性があり、青少年の健全な成長を阻害するおそれがある不適切なものと思われるのであります。 この本についての青少年健全育成審議会での検討状況や、都がとった措置などについて伺います。 ところで、二十一世紀の大きな担い手である青少年が、みずからの命を絶つ、これほど悲惨で残念なことはないと思います。社会として大きな損失であり、残されたご家族の悲しみを思うと、こうしたことが二度と繰り返されてはならないのであります。 そのためにも、このような書籍等を、青少年が自由に手に入れられる状況を見直す必要があるのではないかと思います。都として、今後、どのように対応していく考えなのか伺います。」

*6:平成13年3月23日 第7号 東京都議会文教委員会速記録第七号 http://www.gikai.metro.tokyo.jp/gijiroku/bunkyo/d3030039.htm

*7: http://d.hatena.ne.jp/kamayan/20050330#1112162156http://d.hatena.ne.jp/kamayan/20050302#1109792416 など参照

*8:国が燃える」事件の顛末(その3) http://d.hatena.ne.jp/kitano/20041209

*9: 平成16年予算特別委員会 3月16日 総括質疑 http://zirr.hp.infoseek.co.jp/020374.html#05http://www.gikai.metro.tokyo.jp/gijiroku/yotoku/2004/d6114412.htm

*10: 産経新聞と二人の都議は、障害を持つ子供たちへのセクハラを行ったのか? http://d.hatena.ne.jp/claw/20050617#p2