NHK番組政治家介入疑惑(2):長井記者会見(その2)

NHK番組政治家介入疑惑(1):長井記者会見
http://d.hatena.ne.jp/kitano/20050114

 
より続きます。
 

■ビデオニュース
http://www.videonews.com/
NHK内部告発した長井暁チーフ・プロデューサー記者会見(2005年1月13日)
http://www.videonews.com/asx/011305_nagai_300.asx

松本(34:51) ちょっと追加で細かいことですが、先ほどご年齢をお伺いしたのですけれども、念の為、生年月日をこの場でお聞かせいただいてよろしいでしょうか。
長井 1962年の8月■日です。*1
伊田(週間金曜日)(35:18) 週間金曜日の伊田*2と申します。安倍さんとか中川さんが、反論というかコメントを出しているのですが、それについての御見解をお伺いしたいと思うのですけれども、まず具体的にはですね、国際法廷を取材すること自体が法廷の趣旨に反しないという誓約書を出さなければいけないということ自体が放送が偏っている内容であると安倍さんは言っているのですね。それから拉致問題を含めて北朝鮮側の意図になっていると、それから弁護側の反論が、証人の部分が無いのでやっぱり偏った内容だと判断したというふうに言っているのですが、そのことについてはどう思われますか?
長井 誓約書云々ということは私はまったく存じ上げておりません。ご案内の通り、現場で取材を担当したのはドキュメンタリージャパンでありまして、その点については私は一切聞いておりません。あと公平性ということについて関して言えば、私共はそれについては非常に心を砕いて番組を制作。ですからあくまでも29日に到るまでの教養番組部長とチーフプロデューサーを含めた、当然ネップ21*3ドキュメンタリージャパンとの議論と言うのは取材がちょっと充分ではないという中でどうやって取材相手と距離を作るのかということがまず一番大きな問題としてございました。それとやはり歴史的な経緯の中できちっと位置付ける、世界の動きみたいなこともきちっと前提としておさえると。やはり4本のシリーズでその当時を見ていただければよくわかりのですが、2回目のシリーズは非常に、第2回目の「問われる戦時性暴力」に関しては、まあそれしかご覧になられない方もいらっしゃるわけですから、そこをどういうふうにこの回だけを見た人にもその辺のことがわかるか、伝わるかということで心を砕いたわけです。それでその法廷の不成立の条件といいますか、弁護人がいないとかですね、これはあくまでも民間の法廷であってなんら強制力を持つものではないとかですね、そういうことは番組の中では再三申し上げてですね、あくまでもこれは法廷の中身を、民間団体の方がやられたことをそのまま伝えるんではなくて、あくまでもそれはひとつの素材としてそこでの取り組みを素材としつつ、スタジオでの話だったりNHKが我々が独自に作るVTR等をはさみながらやっていくということなので、おそらくそこのところが民間団体でやられたことがそのまま放送するというように、中川さん安倍さんは受けとめられたのではないかなというふうに思っております。
伊田(38:05) 実際ご存知だと思うんですけど、実際には法廷では弁護側の証人がいたわけですよね。(長井頷く) で、安倍さんのコメントを見ると、法廷自体に無かったのか、あるいは放送されようとした番組自体にそこの証言部分が無かったのかはちょっとはっきりせずあいまいなわけですが…
長井 証言というのは? 弁護人の?
伊田 はい、弁護人ですね。
長井 ああ。
伊田 それはバウネットの昨日の会見ではですね、もともと入ってたのが途中の製作過程でカットされたと。(長井「キューレーター何でしたっけ…弁護士の代りに…」と近藤氏にたずねる)カットされたのが急に秦さん*4なんかのコメントでそれが入って無いから偏った法廷だったというような、それが無いから偏った法廷なんだというようなコメントを番組の中で話しているんですけれども、そのあたりの経緯というかお伺いしたのですが。
長井(38:58) その弁護人がいないということに関して、その弁護人に代わるアミカツキを立てたということは、どこかの段階では編集の段階ではきちっと言うということになっていたのですが、結果的にどこでそれが入らなくなったかは今はっきりおぼえておりませんけれども、まあそれは落ちてしまったと。おそらくそれはそういうこともあって秦先生のですね、発言が非常に突出した形になってしまったんではないかというふうに思っております。当然それはその法廷の性格や、その法廷の持っている限界性みたいなことはきちっと言うべきでありますし、我々はそれに心を砕いたつもりではございますけれども、結果的には言い尽せなかったところはあるかもしれません。
伊田 最後の質問なんですけれども、海老沢さん経世会ということもあってですね、最終的には経世会の政治力で森派の方をおさえるのではないかという判断が上層部のほうであったのではないかという噂を聞いているのですが、それについてはどういうふうに思われているでしょうか。
長井 その辺の詳しい経緯は私は政治部記者では無いので詳しくはわかりませんけれども、とにかくひとつ私が印象として持ったのは、つまり、視聴者にソッポを向かれても、NHKの大多数の職員からソッポを向けられても、会長はやれるというふうに海老沢さんはお考えになっていた。つまりそれは政治家がソッポを向かなければ大丈夫なんだと、思っていたのだと私は思います。ですから私自身がほんとにどうすることもできないなと思ったのは、あれだけ視聴者の方々から批判が寄せられて自身での不払いが急増しているなかで、「私のところにはガンバレという声しか聞こえてこないんだよ」という発言があったかと思うんです。私はあれを聞いた時にこの人は完全に“裸の王様”なんだな、と。実際、話を聞きますと、たしかに会長室に来て話をする関連団体の社長さんや役員の方々はみんなガンバレガンバレと言っていたことは確かだったようですね。ただ、それはほんとにまに受けていたとすれば、非常に社会常識を疑わざるを得ないというふうに思います。
伊田 もう一点教えてください。今回の問題は、そもそも放送前に介入を受けたということがあるかと思うんですが、番組の製作過程或いは放送の前に何らかのかたちで中川安倍両氏に知るところとなった経緯についてどのようにお考えでしょうか。事前にというのはよくあるケースなのか、漏れるという、第三者がそういう番組の内容を知り得るということはどの程度…?
長井 それはあくまでも推測でしかないですからそうだとは言えないのですけれども、ひとつはバウネットの方の機関紙、インターネットも含めてかなりNHKでやりますということを宣伝されたんですね。おそらくそれをご覧になった方が安倍さん中川さんの方にですね、NHKでこんな番組をやろうとしているというふうにですねお伝えになったのではないかなというふうに私は推測しております。
 その関連ですけれども、それをご覧になった方というのはちょうど安倍中川両氏の圧力と同時並行というか、それより先行して1月の中旬から右翼団体がNHKにやってきて放送中止を求めますね。ということはこの右翼団体の人たちがそういう情報を持っていたということなんですか? その人たちということですか?
長井 そうだろうと思います。
 最終的に4分カットされたオンエアされたものと同じもの、オンエアをご覧になった時のご感想をお聞きしたいのと、今回こういった行動を起こされることを思い至るときに、かつての番組メンバーに長田さんは声をかけたりはなさったかとこの二点について。
長井 まず後の方から言いますと、長田さんには一切相談しておりません。相談すれば迷惑がかかりますので相談しておりません。一つ目はなんでしたっけ…。
 …オンエアの時の…
長井 オンエアの時の、オンエアというか私自身製作過程で何回も試写をしているわけですから、まあはっきり言いますと29日の改変をもってこの番組の企画意図は大きく損なわれたと思っております。さらに三分カットされたことによって、非常に、さらに損なわれて番組としての体を為さないものとなってしまったというふうに私は認識しております。
 今日、記者会見されるにあたって、昨日いろんな記者クラブを通じてたくさん通知がいったりしたんですけれども、NHK側からはですね記者会見しないようにというような何らかの圧力はありましたか?
長井 まあ圧力っていうことはありませんでした。ただ、まあなんといいますか、私の同僚から上の方の人たち、私のかつての上司がいま理事だったり局長だったりしますのでそういう方々が心配しているよとかですね、記者会見やめた方がいいんじゃないとか、そういうふうな話はありましたが、それがそういうふうな意を受けたものかは私はよくわかりません。
 やめた方がいいということは、記者会見をすれば長井さんの身の上になんらかの不利益があるんじゃないかと。
長井 というか、そうですね、そういうふうにみんな心配しているよというような話はございました。ただそれはそういうふうに上の方から直接の電話ではありません。同僚からの、友人として伝えるんだけどというふうな形で電話が何件かございました。
 すいませんちょっと資料が足りなかったので書かれていることかもしれないですけれども、さきほどから言われている最後の最後の3分カットの中身なんですが、どの部分が無くなったのかという具体的な部分と、最初の質問にもあったかと思うんですが、安倍さんたちが具体的にここをこういうふうに直せと言う具体的な指示、直接的には野島さんのリードということで言われておりましたが、そういう踏み込んだ指示があったのかどうかということと、最後に不利益をこうるかもしれないという心配が寄せられたということですが、その不利益を被ってもかまわないというご自身の決断があったのか、それは感想ですけれど三点お願いします。
長井 まず最初に、最後の三分でカットされたのは、中国人の被害者の方の紹介と証言部分。もうひとつは東ティモールの元慰安婦の方の紹介と証言部分。それから加害兵士、元日本軍の証言部分。この三点がまったく抜け落ちました。
それで安倍さん中川さんがどういうふうに発言したかということに関しては、総合企画室の報告書を見ればおそらく出ているのだと思いますけれど、私はそれほど詳しくは聞かされておりません。ただ、ひとつは日本国の天皇有罪の認定を下したということは、そういうふうなことは絶対やめろというようなことと、あとは中立のものにしろというふうな表現であったかに聞いています。
で、不利益の問題のことですが、まあおそらく不利益を被ることにはなると思うんですけれども、私自身もこの四年間、私もサラリーマンですし、家族もあります。まあ家族が路頭に迷うわけにはいかないので、この四年間非常に悩んで…(うつむく)。………………。でも、あの………………………やはり真実を述べる義務がある……というふうに…決断するに到りました。(涙をみせる)
 川崎さんが書かれた本のなかでこの番組カットがあった後にですね、NHKの君が代の歌詞が一時流されると。それは右翼団体とのなんらかの取引があったんですなかったかと川崎さんが書かれていたのですが、そのことについてはなにかご存知でしょうか。
長井 まった存じ上げておりません。
田村(日経) 日経新聞の田村と申しますが、先ほど放送中止であったりということは日常茶飯事のように行われるようになってしまったというお話だったんですが、いまこの問題になっている番組以外にですね、具体的にご自身で担当されたものでこういう形でたとえば修正されたとか、あるいは周辺でご存知の番組でですねそういうものがあれば教えていただきたいのですが。
長井(49:23) まず噂で聞いていることはたくさんありますが、それについては私がやっぱりここで述べるべきことではないと思いますので、私自身が担当した番組のことだけを一点申し上げます。
私がデスクでやった番組で、同じ2001年の9月に放送されたNHKスペシャル「狂牛病 感染はなぜ拡大したのか」という番組がございました。
これはまだ日本で狂牛病というものがそれほど注目されていない段階で、私共の班の非常に優秀なディレクターがですね、イギリス政府が出した膨大な狂牛病に関する英文の報告書を全部読んでですね、企画を出してきた番組です。それで主にイギリスやヨーロッパを取材しですね、いち早く狂牛病の感染源が肉骨粉であるというようなことを番組で明らかにし、ヨーロッパからの輸入がされているので日本でも狂牛病が発生するおそれがあるということを初めて伝えたNHKスペシャルでした。
これは2001年9月16日の日曜日に放送されたんですけれども、それで視聴者からの非常に大きな反響があってですね、当時は再放の枠で「あなたのアンコール」という枠が日曜の午前中にあったんですね。翌週の「あなたのアンコール」という枠でこのNHKスペシャルが放送される予定が決まりまして、放送されるんだろうというふうに私共は思っておりましたが、自民党の農林部会でこの番組に対する批判が出まして、それがどういう形でNHKに伝えられたのかは私は存じあげませんけれども、海老沢会長の意を受けた当時の諸星報道局長がこの再放送をつぶしに回ってつぶしました。その時の理由としては、「政府が」、その時にはもう狂牛病の第一号が出ていたのだと思いますけれども、「政府がいま対策を考えているので再放送するんだったらそういう対策をいれてから再放送したらいいんじゃないか」というような、理由はそういう理由でしたが、その後結局再放送されないという事態になっております。

私が申し上げられるのはその一件のみです。
上杉(フリー)(51:48) フリーランスの上杉と申します。二点ありまして、29日の件ですが、午後に野島さんとか松尾さんが国会のほうから帰られてセンターに入った後にお会いしているのですが、長井さんが。(長井うなづく) その時に他に総合企画室で野島さん以外どなたか同席されたかということが一点と、先ほど一番最初の方で質問があったんですがその際に、政治家からの、まだ名前はわかっていないと思うのですが、圧力があったということで放送する番組の変更を求めたということですが、もう少し具体的にですね、野島さんから何を言われたのかということをお教え頂ければと思います。
長井 野島さんから永田町でなにかあったということは一切聞いていません。まずひとつは、野島さん一人です。それ以外の方はいらっしゃいませんでした。その時には野島さんは具体的に政治家からどうこう言われたとかですね、これでは了解が得られないなというような話は一切無かったです。ただ、番制局長室に入った時に、伊東律子番制局長が「この時期にはNHKは政治と戦えないのよ」というふうにいきなり切り出して、「天皇有罪とかそういうのは一切無しにしてよ」ということがいきなりございましたので、ああこれは政治家からかなり厳しい批判が来ているのだなということはすぐに理解いたしました。
上杉 「この時期に」と伊東さんが仰ったことは予算の…?
長井 そうです。そうです。まさにこの数日後に自民党の総務部会でNHKの予算説明というのが予定されていましたので、そういうことを意図していると私は直感的に理解しました。
日下部(サンデー毎日) サンデー毎日の日下部*5と申します。二点。ひとつ確認なんですけれど、政治家のだれかに事前に番組のビデオを見せたということはないのでしょうかということが一点と、もうひとつ、ご決断になった時期、こういう形でアクションを起こされることをご決断になった時期、先ほど11月というお話がありましたが、ご自身の中ではだいたいどの頃に決意が固まってその時に周囲の人たちに協力を、あるいはまったくまったくご自身ひとりでお決めになったのか、その辺をお聞かせ下さい。
長井(54:19) まず、ビデオに関しては見せていないと思います。もしビデオを見せているようなことがあれば私が、デスクというのは現場の責任者では無いですけれども、現場の作業一切をとりしきっていますので、それは全部わかります。ビデオということは無いと思います。おそらくメモ、なんらかのメモで説明したのではないかというふうに私は理解しております。
決心するに到った時期ですが、これは自分で11月ですやはり。11月に、まあ家内とはずっと話をしていたのですけれれども、家内の了解を得られたということで踏みきりました。それでそんなに多くの人には相談しておりません。私のほんとに信頼すべき友人数名と、あとは組合の方に先ほど申し上げた通り相談しただけです。
日下部 信頼すべき上司という方が先ほどから出ていらっしゃいますけれど、それがまあ安倍さんと中川さんの関与と言うのがはっきり仰られたと思うんですけれども、信頼すべき上司は直接たとえば安部さん中川さんに会った時に同席された方なのか、具体的になっちゃうとアレなんですけれども。
長井 つまりですね、私自身の問題として私がどういう不利益を被ってもそれはかまわないんですけれども、そういう形で、NHKの上層部にも非常に良心を持った方がいらっしゃるわけで、その方まで私は巻き添えにするつもりは全然ないので、それについては一切お答えできません。
(56:58) 昨日(1月12日)ですね、安倍さんはこうコメントを申しておりますね。番組についてですけれども、「拉致問題に対する沈静化をはかり、北朝鮮が被害者としての立場をアピールする工作宣伝活動の一翼を担っているとにらんでた」(長井氏、プッと吹出して笑う)その上「薄汚い意図を感じる」とまで彼はコメントを出しておりますけれども、改めてですけれどこのコメントについてどうお考えですか。*6
長井 まったく事実無根だと思います。 NHKの中にはたしかにいろんな思想信条を持った職員が当然いると思うんですけれども、当然、番組化する、おそらくみなさんが記事を書くときも同じだと思いますが、当然それは企画会議を何回も経て企画が通るか、採択されるか採択されないか、それでまた取材した後もこれはまだ素材が足りない、取材が足りないということで追加の撮影だとか、延長作業ということで非常に大勢の方の制札現場に目が入るわけですよね。ですからたとえ一人二人の人間がなにある政治的意図や目的を持ってやろうとしてもそういうものは全部途中でふるいに落されてしまいますから、そういうふうな意味でNHKの中立公正、番組の中身に関してのですね、私は保障されているというふうに思います。ですからそういう政治意図というのはあり得ないですね。
 このコメント最初に聞いてどんなふうに思われましたか。
長井 や、びっくりいたしました。
(ビデオ中断)
 報告書がすべてを物語っているところもございます。その報告書がどこにあるのかという、その存在自体、あるいはそれは公開の可能性等々どのようなことであるかと。ちょっとそのあたりについてお願いします。
長井 公開の可能性は私は全然わかりませんけれども、通常こういうふうな事態が起るとですね、NHKはきちっとした官僚機構がございますから、だいたい文書にしてメモとか報告書というかたちで会長の方に報告されるのが通常です。ですからまずひとつは総合企画室が作った報告書と言うのが、総合企画室と会長室にあると思います。番組制作局が作った報告書も同じように番組制作局と会長室にあると思います。
 わかりました。ということは総合企画室が文書をつくったということは、そういう事実はあるということですね。
長井 番組スタッフが作ったものは非常に後で、数ヶ月後にかなり体系的なものを作ったように聞いておりますが、総合企画室が作ったものは、体系的なものというよりは逐一、こういう発言があった、こういうやりとりがあったものだというものだというふうに推測しております。
近藤 ちょっとお待ち下さい。若干補足されていただきますけれども、長井さんがこういうことをやったからといって内部告発のこの手続きがストップすると、やらなくていいということはどこにも書いておりませんので、こちらとしては内部通報のこの制度にしたがってですね、いまおっしゃった報告書のことも含めて、きちっとそれは内部通報制度の推進室がやっていただけるものだというふうにはこちらは考えておるんです。きちっとした結果をですね、だから長井さんがこういうことをやったから、この内部通報の制度をストップしてということはどこにも書いてありませんので、きちっと最後まで調査して、報告書を出して、きちっと公表してほしいというのが、もちろんこちらの希望であるということになります。
 すいませんもう一点簡単に。先ほど中川氏に見せたのはビデオではなくメモではないかというお話でしたが、これは台本というのが出来ていて、台本をめぐって会合が行われていた(長井氏首を横に振る)と思いますが、台本を見せたんでしょうか?
長井 台本は見せていないと思います。もし台本をコピーしろということであれば、そのことも私が把握すると思いますので、あくまでも先程来説明しているように野島さんも松尾さんもですね、そこで29日にはじめて見たわけなんですね、番組についてはですね。で、私の台本というのはまだ完成稿ではなくてですね、試写段階のものは完成稿ではなかったわけです。ですからこれを持っていくということはちょっと考えられないので、あくまでも見た結果として、まずは番組についてどんな番組なんだという概略はメモでまず説明して、最終的にはその変更点を伝えたのかということはわからないのですけれども、ビデオや台本を中川さんに渡すということは無かったというふうに理解しております。
 今回、こういう話は今後起きては困るとおもわれるんですけれども、こういう問題を根本的に防ぐためにですねどういう手だてをとればいいか。現場にいらして考えておられるところがあれば聞かしていただきたいのですが。
長井 先程も申し上げましたけれども、やはりきちっとした制度を作るという、そういう倫理規定が当然必要ですし、制度を作ってやっぱりそういうこと、つまりある政治勢力や派閥のために行動するようなことがあったら直ちに処罰するような、そういう制度がまず必要なんじゃないでしょうか。あとはやはりそういうことを二度と起こさないという意味で、NHKの経営陣がですね、固い決意でそういう制度やいろんなものを作っていかなければならないのではないかと思っております。
?(赤旗)(1:01:53) 赤旗のにだい(?)と申しますが、長井さん、いまどのようなお仕事をされているのか、コンプライアンス委員会に訴えて以降お仕事に変化があったのか、そしてあと今後ですね、ご自分の身分を含めて事態がどのように展開していくのか、またいってほしいのかということをお聞きしたいと思いますが。
長井 私は現在、所属はここにご案内の通り、教育番組センターのチーフプロデューサーですが、放送総局の放送80周年事務局というところに出向しております。内部で出向しているという形ですね。放送80年の関連の特集番組や世界遺産、そのような番組を担当しております。一昨年は放送テレビ50周年ということで、テレビ50年関連の特集番組「国際協力イベント 未来の航海」とかですね、そういうふうなものを担当しておりました。
あともう一点ございましたね。とにかく私自身はそういう大きいことを言うつもりは全然無いんですけれども、やはり先程来申し上げた通り、海老沢会長に責任があるわけですから、ただちに辞任していただきたい。経営陣も責任がありますから経営陣も直ちに辞任して頂いて一日も早く新しい会長と新しい役員、経営体制のもとでNHKが徹底的な改革を進めて蘇ってほしいと、そういうふうに思っております。
 各社よろしいでしょうか。…。では一時間過ぎましたのでこのへんでおわりにしたいと思います。長井さん、近藤弁護士どうもありがとうございました。
長井 どうもありがとうございました。(拍手)
(撮影:ビデオニュース)

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*1:誕生日の日は年齢確認に必要無い個人情報なので伏せました。

*2:おそらく週刊金曜日副編集長の伊田浩之氏

*3:ネップ21=NHKの関連会社エンタープライズ21。ドキュメンタリージャパンと共同してシリーズを企画提案した会社。1991年8月号の『創』の「情報の焦点」には海老沢会長北朝鮮から金の延棒をもらっていた金丸信(自民党元幹事長)との深い関係について書いてあります。(この情報は「噂の眞相」91年9月号特集3「NHK島会長のクビをあっさり飛ばした魑魅魍魎の“正体”」にも書いてあります)「島さんと金丸さんの間に亀裂が生じた原因は、先頃理事を外された海老沢勝二さんらしい。理事を外されてNHKの小さな名もないようなところの役員の椅子を振り分けられた海老沢さんが金丸さんに泣きついた。そこで怒った金丸さんがNHKに怒鳴り込んだわけです。結局、海老沢さんは最終的にNHKエンタープライズ社長の椅子をつかんだらしく、一件落着となったが、これを機会に金丸さんの側近が『島会長の独断専行は許せない』と反島戦略を展開し始めたらしい」。海老沢勝二は、確かに六月二十六日の株主総会で「NHKエンタープライズ社長」に選ばれていた。」

*4:秦郁彦(はた いくひこ)氏のこと。歴史修正主義者のひとり。NHKは放送二日前に急遽秦氏に取材し、番組では「法廷」に対して疑義を連ねたネガティブコメントを二度、計約3分30秒使った。

*5:おそらくサンデー毎日の日下部聡氏。過去記事例→「これは平成版 国家総動員法!?「小泉戦時国家体制」総仕上げ「国民保護法案」の仰天内容 」 http://www.asyura2.com/0403/senkyo3/msg/390.html 日下部聡(サンデー毎日記者)○「週刊金曜日問題で大困惑 筑紫哲也キャスターの弱点」(『サンデー毎日』2002.12.15) http://www.jca.apc.org/mekiki/vol14_1.htm

*6:2005年1月17日のVAWW―NETジャパンの声明によると、安倍氏が「法廷」について「被告と被告側の弁護人がいない」「主催者の松井やよりさんが、裁判の会場を九段会館に決めたのは悪の根源である皇居に一番近いからだと明言した」などとしている点について、具体的に反論しています。「(1)法廷開催二カ月前に全裁判官名で、当時の森首相に被告(国)側弁護人の出廷を要請したが、何の応答もなく、裁判官が弁護士を「法廷助言人」として被告側の弁護をとり入れた(2)松井やよりさんは法廷の主催者ではなく、安倍氏指摘の内容を発言したこともない(3)会場を九段会館にしたのは宿泊施設を併設して予約可能だったからにすぎない。」 http://www.jcp.or.jp/akahata/aik4/2005-01-18/15_02.html この声明が事実だとすると、安部氏の言動に対しVAWW―NETジャパンは名誉毀損で告発することができそうです。