ＮＨＫ受信料横領問題(7)
逆効果！ＮＨＫ特番後も批判の嵐止まず…
http://www.zakzak.co.jp/gei/2004_12/g2004122110.html
なんとなく祭に近い状態になっていますね、「NHKに言いたい」の会長に対する批判が。
まあそういう雰囲気に対して嫌悪する人の気持ちはわかりますが、祭的パワーがなければ変えられない権力が存在するのもまた事実。
冷めた目は必要ですが、冷めっぱなしでもいけない。
ＮＨＫ経営委員長に石原邦夫氏 会長の進退「別途考える」
http://www.sankei.co.jp/news/041221/bun072.htm石原氏は同日開かれた就任会見で、一連の不祥事に端を発した海老沢勝二会長の経営責任について「幅広い観点から考える必要がある」と述べ、会長の進退問題は「会長自身が厳しい改革をするということを踏まえ、別途考える」と語った。
石原氏の記者会見記録がＮＨＫサイトで公開されました。が、例によって画像です。
経営委員会の議事録も公開されていますが、会長辞任を求める発言は皆無。
■ＮＨＫ
石原経営委員長記者会見要旨
http://www.nhk.or.jp/pr/compliance/1222.html
平成16年12月24日（金）公表
日本放送協会第984回経営委員会議事録(平成16年12月7日開催分)
http://www.nhk.or.jp/pr/keiei/giji/index.html
http://www.nhk.or.jp/pr/keiei/giji/g984.html
12月21日のＴＢＳラジオ「バトルトークラジオ アクセス」で、評論家の宮崎哲弥氏がＮＨＫ問題についてのコメントが面白かった。「受信料の支払いを拒否するしかない！」と良い意味でアジテーションしまくっています。
「紅白にヨン様登場→高視聴率獲得→ＮＨＫ不祥事の禊ぎは済んだ→海老沢会長体制安泰」という海老沢会長シナリオの予測にも良い意味で爆笑。笑い事ではないですが。
■ＴＢＳラジオ
「バトルトークラジオ アクセス」。12月21日。
宮崎哲弥：…それは一般視聴者が“なんらかの行動”を起すしかないということです。
長峰由紀：ああ。
宮崎：“なんらかの行動”とはなんなのかということはここでは言えませんけれど、お金を払わないことです。(笑)
長峰：でも私たちの番組で…
宮崎：だって市場原理なんか働かないんだもの、この会長さんには！
長峰：あそっか。
宮崎：あの方には聞く耳持たない。それだったらもういいよ、金払わない。
長峰：あらららら。
宮崎：だってしようがないじゃない。
長峰：それじゃ誰かに取られちゃうかもしれませんよ。
宮崎：何を？
長峰：大きな機関とかに。
宮崎：なんですか？
長峰：みんなのものじゃなくなっちゃうじゃないですか。
宮崎：みんなのものに本当にするためには、やっぱり要求しなければならない。会長さんが聞く耳を持たないなら、やっぱり実力行使しかない。これは不買運動と同じですよ。
長峰：こちらも覚悟しないといけない？
宮崎：覚悟しないといけない。まあＮＨＫはねー、もーほら７時のニュースでですよ、10分間も使ってですよ、紅白の曲目決定というのを報じたわけですよ。何の公益性があるのでしょうか、こういうことに？
長峰：あー番宣？
宮崎：番宣！
長峰：番宣。
宮崎：もうね、わかってんの、海老沢さんの意図は。紅白で視聴率が上がればミソギは済んだ、と。
長峰：ええっ？！
宮崎：だからヨン様が出るンだ、ヨン様が。*1
長峰：ヨン様出るのー？
宮崎：出るんだよ。
長峰：出るのー！
宮崎：衛星かなんかで。
長峰：あららー。
宮崎：で視聴率が50ナン％かなんかで、これでもういいんだ！って言いたいんだよ、あの会長は。
長峰：へー。
宮崎：みてごらん。そんなことさせるか！
長峰：…。(絶句)
べつに宮崎氏がアジらなくても、不払いはたぶん増えるでしょうね。いまのＮＨＫでは増えて当然でしょう。愛の大目玉です。
新聞各氏もＮＨＫ特番「ＮＨＫに言いたい」についてそれぞれ会長責任を問うています。
■日本海新聞 海潮音 12月21日
http://www.nnn.co.jp/column/kaityouon0412.html最高意思決定機関とされる経営委員会の機能不全ぶりは、警察不祥事を起こした際の公安委員会の姿に重なってみえた。国民の目に映る自分の姿をＮＨＫは視聴率でしかとらえていないことも分かった
ＮＨＫは不払いでも罰則のない受信料に支えられている。ＮＨＫと国民双方の「性善説」で組み立てられている。ならば、国民の満足度はＮＨＫの最高の経営指標だ。小泉内閣の支持率だけでなく、海老沢ＮＨＫの満足度も毎月調査すべきだ。
■北海道新聞 社説12月22日
http://www.hokkaido-np.co.jp/Php/backnumber.php3?&d=20041222&j=0032&k=200412225860石原委員長は記者会見で海老沢勝二・ＮＨＫ会長の経営責任について「幅広い観点から考える必要がある」と述べ、明確な見解は示さなかった。
ＮＨＫは十九日に不祥事の原因などを検証する特別番組「ＮＨＫに言いたい」を生放送したが、視聴者の不信感が解消されたとは言えない。
経営委員会も一連の不祥事への対応では十分に機能していない。ＮＨＫへの批判を危機感をもって受け止め、経営陣の刷新も選択肢の一つとして、指導力を発揮してほしい。
■熊本日日新聞 平成16年12月21日
新生面 根深いＮＨＫ問題
http://www.kumanichi.co.jp/iken/iken20041221.html番組を見ながら、あらためて不祥事の多さに驚き、海老沢さんの居直りともとれる姿勢にはあぜんとした。トップが責任を取ろうとしないところにＮＨＫ問題の根深さがありそうだ
■中日新聞・東京新聞 社説 2004.12.21
建前だけの改革では ＮＨＫ不祥事
http://www.chunichi.co.jp/00/sha/20041221/col_____sha_____001.shtml
http://www.tokyo-np.co.jp/00/sha/20041221/col_____sha_____003.shtmlそもそも受信料を食い物にした一連の不祥事がなぜ起きたか。再発防止に向けて何をどう変えていくのか。責任をどうとるか。視聴者が知りたかったのは、この三点だ。
ところが、会長はおわびと弁明、改革のかけ声に終始した。不正が公になってから半年近くたつのに、本格的な具体策は示されなかった。
不正の報告が担当部長で止まっていたのは、ＮＨＫの構造的な問題である。「一部の不心得者がやったこと」（海老沢会長）との認識は甘すぎる。
■河北新報 社説
「ＮＨＫに言いたい」／権威の上にあぐらをかくな 2004年12月20日
http://www.kahoku.co.jp/shasetsu/2004/12/20041221s01.htm
■毎日新聞 社説 2004年12月22日
ＮＨＫ不祥事 経営委員会の責任は重大だ
http://www.mainichi-msn.co.jp/column/shasetsu/news/20041221k0000m070150000c.html
■朝日新聞 社説 12月21日付
ＮＨＫ――経営陣一新で出直しを
http://www.asahi.com/paper/editorial20041221.html
■日本経済新聞 社説
社説２ ＮＨＫ経営委は役割果たせ(12/21)
http://www.nikkei.co.jp/news/shasetsu/20041220MS3M2000L20122004.html
読売新聞社説は、ＮＨＫの協賛金問題で不祥事に関与した読売グループ企業の問題について沈黙を守っています。
■読売新聞 社説 12月22日
ＮＨＫ不祥事「信頼回復へ経営委の重い使命」
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20041221ig91.htm
産経は批判というより、ただの私憤を披露。
あれほど共産主義を嫌い強者必勝を説いていた産経新聞が、「みんなで平等に貧乏になるべきだ。おまえだけ金があるのは許せない」みたいな共産主義“もどき”の主張を紙面で書くのは誠に解せません。(わらい)
■産経新聞 産経抄 12月22日
http://www.sankei.co.jp/news/041222/morning/column.htm
公共放送が民間ではできない取材活動を展開するのはあたりまえです。民間ではできない取材、民間ではできない番組制作、民間ではできない放送が期待されているから公共放送と受信料制度が存在している。そのことは、放送法第7条*2にあるとおりです。
過去ログ。
ＮＨＫ受信料横領問題(1)
http://d.hatena.ne.jp/kitano/20040914
ＮＨＫ受信料横領問題(2)
http://d.hatena.ne.jp/kitano/20040915
ＮＨＫ受信料横領問題(3)
http://d.hatena.ne.jp/kitano/20040916
ＮＨＫ受信料横領問題(4)
http://d.hatena.ne.jp/kitano/20040917
ＮＨＫ受信料横領問題(5)
http://d.hatena.ne.jp/kitano/20041126
ＮＨＫ不祥事：生活ほっとモーニング事件最高裁判決
http://d.hatena.ne.jp/kitano/20041127#p1
ＮＨＫ受信料横領問題(6)
http://d.hatena.ne.jp/kitano/20041220
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*1:NHK会長会見 2004/12/2 ことしの「紅白歌合戦」について 「（関根放送総局長）「冬のソナタ」の出演者などとの出演交渉は、まだ続けている最中だ。遅くとも12月中旬までには結論を出さなければいけないと思っている。」 http://www.nhk.or.jp/pr/keiei/toptalk/k0412.html
*2:放送法（昭和二十五年五月二日法律第百三十二号 第二章 日本放送協会（目的）第七条「協会は、公共の福祉のために、あまねく日本全国において受信できるように豊かで、かつ、良い放送番組による国内放送を行い又は当該放送番組を委託して放送させるとともに、放送及びその受信の進歩発達に必要な業務を行い、あわせて国際放送及び委託協会国際放送業務を行うことを目的とする。」http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S25/S25HO132.html
